今回は2024年に風響社より出版された『土楼〜円い空の下で暮らす福建客家の民族誌』の著者である小林宏至さんにお話を伺いました。インタビュアーは川口幸大さんです。
【著作概要】
本書は土楼という巨大な民間建築に関する民族誌的研究です。著者はそこに2年間暮らし、居住者と15年以上にわたって交流することで民族誌を書き上げました。土楼ってなんでこんなに巨大で変な形をしているのだろう…というのが本書の入り口です。それを明らかにしていく中で、そこで暮らす人びとと建物との関係を紐解くことが必要になってきました。そのため本書は、建物の話が半分(第一部)、そこで暮らす人々の話がもう半分(第二部)となっています。
土楼という建物も、そこに暮らす親族集団も、合理的で美しく「完璧」な理念モデルはありながらも、実際は増改築を繰りかえしたり、人物呼称を変えたりしながら、互いを「更新」しています。その「更新」作業においてタテモノ/ヒトの主体性は同等です。結論部では、この現場レベルでの「更新」の在り方を音律論を交えて解説しました。
インタビューの内容は専門性が高く、気軽に聴けないかもしれません。ただ逆に言えば、漢族を研究対象とする人類学者同士が、普段どんな会話をしているのかというものが如実に再現されております。そういった意味で、メタ的にお楽しみいただければ幸いです。
【ゲスト:小林宏至 プロフィール】
1981年東京都生まれ。専門は社会人類学。客家社会研究。東京学芸大学(教育学部K類アジア研究)卒業。首都大学東京大学院(人文科学研究科)博士前期課程を経て、同大学院(人文科学研究科)博士後期課程満期退学。博士(社会人類学)。日本学術振興会特別研究員PD(東北大学)を経て、現在、山口大学准教授。
【インタビュアー:川口幸大 プロフィール】
東北大学大学院文学研究科・文学部 教授(広域文化学専攻 域際文化学講座 文化人類学分野)。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。 国立民族学博物館機関研究員を経て、2010年より現職。研究分野は東アジア、特に中国における家族親族、宗教、移動、食など。
信息
- 节目
- 频率一月一更
- 发布时间2025年9月23日 UTC 23:30
- 长度59 分钟
- 季1
- 单集96
- 分级儿童适宜