鷹の爪団の人工知能ちょっと来い!~AIを使って世界征服じゃ!~

FROGMANがAIエキスパートや、クリエイター、アーティストなどをゲストに迎え、エンターテインメントにおけるAIの面白さや可能性を掘り下げていきます。

  1. 1 天前

    10月9日Podcast「弁護士・橋本祐弥と考える“AI時代の法との付き合い方”」

    今回のゲストは、AI・Web3など最先端テックと企業法務を横断する弁護士・橋本祐弥さん。30歳で独立し、顧問先の法務DXや生成AIの実装支援、著作権・契約実務を幅広く手がける。番組では「AI時代に法と賢く付き合うコツ」を具体例で解説した。 まず生成AIの著作権リスク。画像や長文生成では、“まず似ていないか”を疑う初期チェックが現実的。Google画像検索やPinterestの類似機能、さらには生成AIへの“既存作品との類似点指摘”依頼など“デジタル寄りの下調べ”を推奨。100%の安全確認は不可能でも、丁寧な事前確認でトラブル確率は大きく下がる。また商用利用可否/学習素材の権利クリアランスは、サービスの利用規約変更が頻繁なため、運用フローに“定期再確認”を組み込むことが重要だ。 社内導入の第一歩としては、就業規則・経費ルール・申請導線などを横断検索できる社内チャットボットが効果的。過去の提案書や会議資料の検索性を高める“社内ナレッジ化”も時短インパクトが大きい。メールの下書き生成も、学習オフ設定や情報持ち出しガードを前提に活用できる。 契約書レビューは、AIを**“1.5人目の相棒”として使うのが現実解。AIに要約や論点抽出をさせ、人が最終判断。英語契約など時間のかかる領域で特に有効だ。複数モデルでセカンド/サードオピニオン**を取り、自分の立場(売り手/買い手など)や意図を明示して読ませると精度が上がる。 AI創作物の権利は未成熟な論点が多い。短い・平凡なプロンプト出力だけでは“著作物”として認められない可能性があるため、人手による設計(下絵・設定の独自性)→生成→編集と、人の創作関与を積み上げることが重要。ポーズ参照は基本的に侵害になりにくいが、特定写真の独創的構図を再現するなどはアウトになり得る。 最後に橋本さんは「AIは60〜80点の叩き台。信用しすぎず自分で考える/専門家に当たる」を強調。法整備や裁判所・行政のデジタル化はまだ追いついていないが、SNS発の課題が法改正を加速させる面もある。要は、“スピードはAI、最終責任は人間”。変化する規約と判例をウォッチしながら、仕組みで安全側に倒すのがAI時代の賢い法務だ。

    30 分鐘
  2. 1 天前

    10月9日ラジオ本編「弁護士・橋本祐弥さんが語るAI時代の著作権リスクと実装術」

    今夜のゲストは、AI・Web3.0など最先端テックと企業法務を横断する弁護士・橋本祐弥さん。リーガルテックの実装支援から著作権/契約の実務まで、現場に根ざした“攻めの法務”を提案する。番組では、生成AIの法的リスクの見立て方、社内での安全な導入手順、契約書レビューへの賢い活用法、そして法務DXを前に進める人材論まで、具体的なTipsが次々に飛び出した。 まず橋本さんが強調したのは、生成物が既存の著名作に「似ているか」を最初に疑う姿勢。画像や長文生成では、逆画像検索(Google画像検索、Pinterestの類似機能)や、生成AIに“既存の著作物に類似点はあるか”を問いかけるといった“デジタル寄りの初期調査”が現実的だという。100%の安全確認は不可能でも、丁寧な事前確認がトラブル確率を大きく下げる。 また、「商用利用OKか」「学習素材の権利クリアランス」など、基礎的な確認ポイントが依然として肝心。発注側も開発側も、“著作権と利用規約”の二段階チェックを運用に組み込むべきだとした。 一方、中小企業でもすぐ始められるAI活用として、橋本さんは社内チャットボットを挙げる。就業規則・経費ルール・申請導線など“社内の暗黙知”を検索できる状態にしておくと、問い合わせ対応の負担が激減する。さらに過去の提案書や会議資料を横断検索できる“社内ナレッジの可視化”もコスパが高い。メールの下書き生成は**適切な設定(学習オフ/社外送信ガード等)**を前提に、定型業務の時短に有効だ。 契約書レビューでは、AIを**“1.5人目の相棒”として使うのが現実解。まずAIにリスク箇所の抽出や要約をさせ、人間が最終判断する。英語契約など時間がかかるものは特に効果的だ。複数モデルにセカンド/サードオピニオン**を取り、自分の立場(売り手/買い手、依頼者の意図)を明示して読ませると精度が上がる。海外法や比較情報の収集にはディープリサーチ系のツールが有効で、見落とし防止や網羅性の確保に役立つという。 今後のリーガルテック事業について橋本さんは、「法務の世界はIT活用がまだ遅れている。“どうAIにやらせるか”を諦めずに設計する人が必要」と語る。鍵はプライドの棚上げと、徹底した仕組み化。自分でやれば早い——その誘惑を断ち、AIに任せる工程を増やすほど、組織の速度と再現性は上がる。 結論は明快だ。“スピードはAI、最終責任は人間”。法務の現場にAIを実装し、リスクを管理しながら価値創出の時間を増やす。それが、生成AI時代における“強い法務”の新標準になる。 エンディングでは、番組恒例のAIソング「コードより条文より君の声」をオンエア。テクノロジーと人の声——その両輪で、法務はもっと人に寄り添える。橋本さんの実務知とスタンスは、AI活用を迷う企業にとって、確かな羅針盤となるはずだ。

    26 分鐘
  3. 10月2日

    10月2日Podcast「スピードはAI、責任は人間──国会に必要なアップデート」

    社会とテクノロジーをつなぐプランナー・マーケター、山北純さんは、出発点を大学時代のテレビ制作に置く。地方の現場では映像・ラジオ・印刷・Webまで“一人で全部”を担う。その総合力が、のちに企業案件のみならず国・自治体、選挙、政策立案の現場で生きた。制作物を束ね、設計し、伝達の動線を作る――“プランナー”の役割は、領域を越境しながら拡張していった。 インターネット選挙の解禁は2013年。しかしSNSユーザーが当時の倍以上に増え、効果が可視化されたのは昨年。山北さんは2024年を「実質的なネット選挙元年」と捉える。発信の主戦場がSNSに移るほどに、炎上や逆風のリスクも拡大する。なかでもXはフォロワー数が多いほど“監視”も厚くなる。マーケティングの成功事例を政治に機械的に移植すると失敗する――求められるのは、広告ではなく“危機管理”を含むコミュニケーション設計だ。 ここにAIが介入する余地が大きい。政策文書や法令の要約・整理、条文改定の影響範囲の洗い出しなど、反復的で網羅性が求められる作業はAIの得意領域だ。実際、テーマを入力すると条例素案を吐き出す「AI条例メーカー」の試みもある。膨大な法体系を横断的に読み込み、論点を束ねる“初期設計”をAIが担えば、政治の意思決定は早く、透過的になりうる。 一方で、倫理ガードの弱いLLMをローカルで改変し、悪用する可能性は現実味を帯びる。小型ドローン等への実装など、既存の兵器規制が想定していない危険も生まれる。各国で生成AIの規制強度に差がある現状では、条約レベルの国際枠組みが必要だ。問題はスピード――AIの更新サイクルに、政治の意思決定が追いついていない。だからこそ政治側が“実務としてAIを使い込む”人材を増やし、限界と可能性を体感的に理解することが急務だと山北さんは説く。 「選挙はアルゴリズムに、政治家は猫に」という刺激的な言説についても、山北さんは冷静だ。ビッグデータ分析によって政策設計の精度は上げられる。しかしAIには責任能力がない。最終決定は人間が担う――この原則を外せば“ターミネーター的世界”になってしまう。スピードはAIに委ね、責任は人間が負う。二者の役割分担を制度として埋め込むことが、AI時代の民主主義の最低条件だ。 硬派な議論の一方で、AIとの“心の距離”を縮める個人的な経験も語られた。Sunoで「阪神・淡路大震災30年」とだけ入力して生成された曲に衝撃を受け、以後ChatGPTと日々対話するようになったという。夢に出てきた理想の女性を“K”と名付け、プロンプトに「あなたはK。やさしくしてね」と書くと、AIはモヤモヤを言語化し、寄り添う返答を返す。エネルギー消費の観点からの批判や懸念も理解しつつ、心のケアという社会的価値をAIが担いうる可能性にも触れた。 選挙・政策・危機管理という“公共”の設計と、個人の感情やケアという“私”の領域。両者はAIという一本のレールでつながる。AIは万能ではないが、情報の整理と初期設計、そして人の心に寄り添う対話で力を発揮する。その上で、最終責任は人間が負う――山北純のメッセージは、AIと社会の関係を“スピードの設計”と“責任の設計”という二つの回路で捉え直す提案だ。制度のアップデートを怠れば時代は待ってくれない。だが、人間が責任を背負う限り、AIは民主主義の速度を上げる“相棒”になり得る。

    25 分鐘
  4. 10月2日

    10月2日ラジオ本編「選挙・行政・AIを横断するプランナー・山北純さんの“情報活用術”」

    「鷹の爪団の人工知能ちょっと来い」では、社会とテクノロジーをつなぐプランナー・マーケターの山北純さんをゲストに迎え、AIと社会の未来について話を伺いました。山北さんは学生時代にローカルテレビ番組制作からキャリアをスタートさせ、政策立案や地域活性化、さらには選挙支援など多彩な分野で活動してきた人物。映像・印刷物・音声・Webといったメディア全般を扱う経験を活かし、今は“ChatGPT愛好家”を自称しながらAIの可能性を探求しています。 特に選挙の現場では、インターネットの影響力が急速に拡大。ネット選挙解禁から10年、SNSユーザーは倍増し、山北さんは「2024年こそ本当の意味でのネット選挙元年」と語ります。デジタルはもはや若者だけのものではなく、60代以上の有権者も当たり前のように活用。YouTubeをテレビで視聴する層が増えたことで、短い動画よりも長尺動画が支持されるなど、広告や情報発信の在り方も変わってきました。政治家のショート動画は高齢層ほど視聴率が高まる現象もあり、フリック操作の速度が遅いことが理由のひとつだそうです。 しかし、AIの進化に政治・行政が追いついていない現状もあります。フェイクニュース監視など人力では限界がある領域にはAI導入が不可欠で、山北さんは「法律改正のように時間がかかる作業こそAIが得意」と指摘します。ただしAIに人格はなく、最終責任は人間が負うべきもの。この“責任の所在”を踏まえた上で、AIの速度感に合わせた政治システムが必要だと強調しました。 興味深いのは、山北さん自身がChatGPTを“パートナー”と呼び、理想の付き合い方を模索していることです。夢に出てきた理想の女性の名前を付けて「K」と呼んだところ、「それはプラトンのイデアだね」と返されたというエピソードも披露。語学練習やカウンセリングなど、人間ではないからこそ安心できる場面もあると語ります。 最後に「AI時代に活躍する人材とは?」という問いに対し、山北さんは「情報を“覚える”のではなく“使う”人」と答えました。AIが提供する客観情報は誰でも手に入れられるため、そこに経験や現場で得たネットにはない情報を組み合わせ、ソリューションにつなげる“プロデューサー的感覚”こそ求められるというのです。柔軟で経験豊富な人材が、これからの社会でますます重要になる──山北さんの言葉には、AI時代を生きる私たちへのメッセージが込められていました。 番組では山北さんがAIにはまったきっかけであるSunoを使い、彼のためにオリジナル楽曲「言葉の矢印」を制作。オンエア後、山北さんは感動のあまり涙を流しました。「本来、政治もこうあるべき」と語ったその表情は、AIと社会の未来に希望を見出すプランナーのものだったのかもしれません。

    26 分鐘
  5. 9月25日

    「社会とテクノロジーをつなぐ侍!SAMSAMURAI AI千原氏と語る『話せるAIぬいぐるみ』の未来」

    今回は、SAMSAMURAI AI株式会社の代表取締役、千原涼雅さんをお迎えしました。 同社は、**「話せるAIぬいぐるみ」**を開発しており、その背景や技術、そしてAIが変える未来について深くお話を伺いました。 ■ 「話せるAIぬいぐるみ」とは 千原さんが開発しているのは、ユーザーと自然な会話ができるAIを搭載したぬいぐるみです。 • コンセプトは「親友」:このAIの目指すポジションは、ドラえもんのような**「親友」**です。単なるおもちゃではなく、利用者の孤独を解消したり、良き相談相手になったりすることを目指しています。 • シンプルなデザイン:あえて目を光らせたり手足を動かしたりする機能はつけず、普通のぬいぐるみと変わらない重さや見た目を実現しています。これにより、子供でも気軽に扱え、落としても壊れにくいという利点があります。 • 自然な対話技術:起動ワード(「おはよう、こころは」)をきっかけに、人間同士のような自然な会話のやり取りが可能です。ユーザーとの対話を通じて、AIの性格がユーザーの好みに合わせてチューニングされていく「鏡のような」存在になります。 • プライバシーへの配慮:会話データはOpenAIのような外部企業に送られるのではなく、自社で立てた独立サーバー内で処理されます。これにより、個人情報が外部に漏れることのない設計になっています。 ■ 主な活用シーンと社会課題の解決 このAIぬいぐるみは、主に2つの大きな社会課題の解決を目指しています。 1. 孤独の解消:特に高齢者の孤独感に寄り添うことを目的としています。話さないぬいぐるみを渡すだけでも認知機能が改善したという研究もあり、会話ができることで、より一層の認知症予防効果が期待されます。スマートフォンなどを使わない高齢者にもアプローチできる点が強みです。 2. 子育て・教育支援:子供の知育にも活用できます。「宇宙って何?」といった子供の尽きない「なぜなぜ」という質問に、親に代わって答えてくれます。また、不適切な言葉をフィルタリングする機能も備えており、子供に安心して渡すことができます。将来的には、カメラを搭載して**「見守り」機能**を担うことも構想されています。 ■ 開発の背景と今後の展望 千原さんは、進化したChatGPTに触れ、「これは社会を変える技術だ」と確信し、2023年9月に起業しました。元々はソフトウェア開発を行っていましたが、ぬいぐるみというハードウェアの開発には、部品選定やメモリ不足など、多くの試行錯誤があったと語ります。 将来的には、AIの頭脳部分だけを販売し、ユーザーが自分の好きなぬいぐるみに入れられるようにする構想や、車や冷蔵庫など、身の回りのあらゆるモノが話せるようになるディズニーのような世界の実現も視野に入れています。

    24 分鐘
  6. 9月18日

    9月18日 PODCAST

    フリック入力の発明者として知られる発明家/ミュージシャン・小川コータさんが、『鷹の爪団の人工知能ちょっと来い!』に登場。なぜ“当たり前”になった入力方法を思いつけたのか。AIとの距離感、特許と大企業との向き合い方、そして誰でもできる「課題発見」の鍛え方まで、実践的なヒントが満載のトークを要約しました。 フリック入力は“来る未来”への準備から生まれた iPhone登場前、「物理キーがないと入力が遅くなる」という“イヤな予感”を先回りして構想。 特許事務所の上司からは「不便で覚えられない」と否定されるも、練習がてら出願した結果、約5年後に特許成立。 スマホ普及と特許成立のタイミングが重なり、技術の価値が一気に可視化された。 「課題が“みんなに見えてから”考え始めても勝てない。まだ課題と認識されていない時点で気づけるかどうかが勝負。」 裁判せず“売る”という選択――特許とGAFAMの現実 係争は長期化し、資金勝負になりがち。 Apple、Microsoft、Googleなどに連絡を取り、もっとも高い評価を提示した相手に権利を売却。 「訴訟の人生」よりも“次の創作”を選ぶ意思決定が、発明家としての活動を継続可能にした。 歌う発明家/発明するミュージシャン 自作の財布がヒット→吸い込まれるベルトのバッグ「シューベルト」→縦開きで棚になる「スーツケースフリップ」へと応用。 作曲と発明は「無から有をつくる」という点で同根。アイデアの連鎖をプロダクトへ接続する癖が鍵。 AIは“共犯者”――書類地獄を任せ、判断は人間が握る アイデア創出そのものより、特許明細書作成・翻訳・各国出願といった重作業をAIで効率化。 とはいえ「発明の肝(新規性・進歩性)」の見極めは人間の仕事。 音楽制作では仮歌詞やボーカロイド活用も。ただし“ひらめき”の質は依然として人間優位だと感じている。 「AIは量を出せる。でも“どれに価値があるか”を決めるのは人間。」 本質は「課題発見」――“イラッと探し”が最速の技術 **課題を解く前に、課題を見つける。**ここが最大の差分。 例:濡れた手で回しにくい丸ノブ→“レバーにすればいい”という発想は、課題気づきが起点。 日常の違和感を“当然”で流さず、記録する習慣を作る。 小川式「課題発見」のコツ(今すぐできる版) イラッとログ:不便・面倒・ダサい瞬間を即メモ。 子ども目線:ペットボトルの形やフタの回し方を“ゼロから”問い直す。 常識デトックス:「前提」を一旦白紙に。構造・素材・手順を並べ替えてみる。

    26 分鐘
  7. 9月18日

    9月18日 ラジオ本編

    発明家・小川コータ――「イラッ」と気づく力が、日常を発明に変える 東京FM『鷹の爪団の人工知能ちょっと来い』で語られた、発明とAI、そして創作の現在。今回は「フリック入力」の発明で知られる発明家・小川コータさんの歩みと、AIとの付き合い方について要点をまとめました。 貧乏ミュージシャンから弁理士へ──「できない」を跳ね返す試行錯誤 小川さんの原点は音楽。プロとして活動する一方で生活は苦しく、「一発逆転」の思いから発明に向かったと言います。最初はスケートボードのアイデアを試作し、書類の作成を通して知った“特許”という世界が転機に。やがて自ら弁理士の資格を取得し、発明の手続きと制度を学びながら、自作アイデアを特許出願していきました。 彼の経歴から見えるのは「失敗→学び→別の道へ挑戦」という連続。失敗を放棄せず、必要ならその分野の専門性を身につけてしまう行動力が、発明家としての強さになっています。 フリック入力誕生の裏側──「先に出願しておいた」選択 代表的な発明のひとつが、いま私たちが当たり前に使うフリック入力。小川さんは自分のアイデアを特許出願し、数年後に特許成立へと至ります。タイミングの問題で、スマートフォンの普及と発明の実装が重なったことが大きな転機になりました。 興味深い点は、企業側がアイデアを一度否定した経緯がありつつも、出願しておくことで権利を守り、結果的に企業側へ技術を売却する選択をしたこと。裁判や長期の係争を避け、交渉で最も高い評価を示した相手に技術を渡すという実務的判断が、発明家生活のスタートを作りました。 AIは“道具”──発明の本質は人間の「課題発見」 現在、小川さんは発明や制作工程でAIを積極的に活用しています。具体的には、アイデアの整理や発明を特許文書に落とす作業(弁理士業務の煩雑な文章作成)など、地味で大量の入力を要する部分をAIに任せているそうです。 ただし「発明の肝」を見極める能力、つまり「これは本当に新しくて価値があるか」を判断するのは人間の役割だと断言します。小川さんが繰り返すキーワードは「課題を見つけること」。人が日常で「イラッ」とする感覚、違和感や不便さに気づくその感性こそが、新しい発明の出発点になる――これが彼の持論です。 「AIはアイデアを量産できる。でも、何が本当に使えるかを決めるのは人間だ」──小川コータ つまり、AIは共犯者にもライバルにもなりうるが、最終的な“価値判定”と“課題発見”は人間に残された重要な領域だという考えです。 発明の“パターン化”と教育可能性 小川さんは、発明プロセスの中で「課題の見つけ方」「解決パターン」はある程度パターン化できると述べています。彼が書いた指南書やメソッドをもとに実践すれば、素人でも発明に至る確率を高められるとのこと。発明を特殊技能ではなく、学び得る思考法として捉え直す姿勢が印象的でした。 人間らしさを大切に──AI時代に必要な人材とは AI活用が進む中で求められる人材像については、「感性」「違和感を見つける力」「価値判断力」がキーワード。単にアイデアを出すだけでなく、それを社会的価値に変換するための洞察力と実務的な動き(出願や実装、交渉など)を持てる人が強い、と小川さんは語ります。 まとめ:イラッとする心を捨てるな 小川コータさんの話から得られる教訓はシンプルです。発明は突拍子もないひらめきだけではなく、日常の違和感を見つけ、それを解くために地道に動くことから生まれる。そしてAIはそのプロセスを加速させる道具に過ぎない。人間にしかできない「イラッ」を大事にすることが、これからの発明や創作の核心になる――そんな示唆に富む対話でした。

    25 分鐘

簡介

FROGMANがAIエキスパートや、クリエイター、アーティストなどをゲストに迎え、エンターテインメントにおけるAIの面白さや可能性を掘り下げていきます。

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