永瀬さんは、農作業をしながら多くの詩を書いています。収穫の季節、籾摺機の中に入れた穀物の外皮が太陽の光を受けてキラキラしながら飛んでいく様が目に浮かぶようです。それら「微塵となって飛んでゆく」のは、「私」の書く詩の言葉の象徴でもあり、単なる風景描写ではなく、詩が生まれる瞬間の象徴ともいえます。さらにその言葉は、「詩の重みだけを残して」「自然の奥へと消えてゆくのだ」と、「景色」になってしまうのです。永瀬さんの詩は、農作業という生活の中に、言葉の美しさと儚さを見出しています。「微塵となって飛んでゆく」という言葉は、言葉が読者の心に届き、やがて自然の一部となって消えていく様子を表しているようです。詩作と収穫の喜びが重なることで、詩の根源が自然にあることを私たちに教えてくれるのです。<文・白根直子>
資訊
- 節目
- 頻率每週更新
- 發佈時間2025年10月6日 上午2:30 [UTC]
- 長度4 分鐘
- 年齡分級兒少適宜