徒然なる自動車業界の将来動向

Mike

100年に一度の大変革期の真っただ中、先行き不透明の自動車産業の情報をまとめて共有いたします。 ・市場の将来予測をするにあたってルチル・シャルマの未来予測(2018年発刊) の10個の観点の理解を深める情報を発信しています。 ・ますます高まる『地政学』を自動車業界で深堀して見えてくる『中国』『電動化』『自動運転』の統合した競争力を強化する構造を明らかにすることを試みています。 ・自動車業界の大きなニュースを題材にその裏に見える戦略や意図を紐解きます。 ぜひ気楽に聞いて、皆さまの仕事や興味の深堀にご利用ください。 <補足> シーズン1 (#1-xx)は、日本語で発信し、シーズン2(#2-xx)は英語での発信となっています。取り扱うトピックスが同じエピソードは、 "-xx"のところが同じ数字となりますので、日本語を聞いた後に英語版を聞くと、内容を理解しやすく、リスニング強化に活用できることを狙っています。ぜひ活用ください。

  1. 47M AGO

    #1-174 【Short】インド乗用車市場の現在地

    =====ショートバージョン=====インドの電気自動車(EV)市場の現状を包括的に概説しています。インド政府が「自立したインド」と国内産業振興を最優先し、2030年までにEV普及率を高める野心的な目標を掲げています。しかし、この市場は、既存の四輪車オーナーではなく二輪車からの「初回アップグレード層」によって牽引されているため、価格許容性(アフォーダビリティ)が競争原理を支配しており、高額な知能化技術(ADAS)の普及は著しく遅れているという非対称な進化を示しています。また、EVの心臓部であるバッテリーセルと半導体のほぼ100%を輸入に依存しているという経済安全保障上の脆弱性が最大のリスクであるとし、インド政府がPLI(生産連動型優遇策)やISM(半導体ミッション)を推進してサプライチェーンの国内垂直統合を国内コングロマリット(特にTataグループ)に強制している点を強調しています。さらに、インド政府は高い輸入関税と地政学的規制(対中国)を用いて、安価な中国製EVの流入を意図的にブロックし、市場を選別的に開放しているという、極めて政治的な産業保護戦略をとっていることも示されています。

    7 min
  2. 4D AGO

    #1-170 BYDの2025年第3四半期決算分析

    #1-169についての詳細バージョンとなります。お時間があるときにお楽しみください。 グローバル戦略については、中国国内市場の深刻な減速と、それに対抗するためのBYDのグローバル戦略およびコスト優位性という「戦略的ピボット」に焦点を当てています。中国国内市場では、熾烈な価格競争と販売台数の低下により、粗利益率が大幅に押し下げられるなど収益性が悪化しており、企業にとって存続を左右する戦略的転換が不可欠です。これに対し、海外市場では販売台数が前年同期比で3桁成長を遂げ、総販売台数の2割以上を占める新たな成長エンジンとなっており、特に高価格設定やマルチブランド戦略による収益性改善が国内の圧力を補完しています。しかし、このグローバル展開は、保護主義的な地政学的リスク、巨大な在庫の管理、そして現地生産に伴うコスト増といった複数の限界とリスクを抱えています。また、地政学リスクについてEVメーカーと電池サプライヤーが、地政学的リスクと関税障壁にどのように対応しているかを分析しています。これらの障壁は、輸出に依存するビジネスモデルに根本的な不安定性をもたらしているため、企業は現地化(ローカライゼーション)戦略を推進する最大の原動力となっています。特にEVメーカーは、米国での平均47%という高い関税のような保護主義的障壁を回避するため、生産拠点をハンガリーやタイなどに分散し、輸入関税の免除を受けるための生産の現地化を必須戦略として採用しています。一方、電池サプライヤーも、サプライチェーンの安定化を図るため、電池材料の調達における脱中国依存を進め、自動車メーカー側もリスク低減のために調達先の多様化を図っています。

    22 min

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100年に一度の大変革期の真っただ中、先行き不透明の自動車産業の情報をまとめて共有いたします。 ・市場の将来予測をするにあたってルチル・シャルマの未来予測(2018年発刊) の10個の観点の理解を深める情報を発信しています。 ・ますます高まる『地政学』を自動車業界で深堀して見えてくる『中国』『電動化』『自動運転』の統合した競争力を強化する構造を明らかにすることを試みています。 ・自動車業界の大きなニュースを題材にその裏に見える戦略や意図を紐解きます。 ぜひ気楽に聞いて、皆さまの仕事や興味の深堀にご利用ください。 <補足> シーズン1 (#1-xx)は、日本語で発信し、シーズン2(#2-xx)は英語での発信となっています。取り扱うトピックスが同じエピソードは、 "-xx"のところが同じ数字となりますので、日本語を聞いた後に英語版を聞くと、内容を理解しやすく、リスニング強化に活用できることを狙っています。ぜひ活用ください。

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