鷹の爪団の人工知能ちょっと来い!~AIを使って世界征服じゃ!~

10月16日Podcast「デンソー “折れない心”がDXを動かす」

車の安全や電動化を支える世界的メーカー、デンソー。
その社員数はなんと16万人。
島根県松江市の人口より多いというから、まさに“小さな都市”のような企業です。

そんな巨大組織で、社内のデジタル変革(DX)を推し進めるのが、デジタル活用推進部(DXP)部長・阿竹義徳さん。
TOKYO FM「鷹の爪団の人工知能ちょっと来い!」のPodcastに登場した阿竹さんは、デンソーのDXの裏側、そして“人が主役”のテクノロジー活用について語りました。

まず驚くのが、あのQRコードを開発したのがデンソーだという事実。
スマホ決済やチケット認証など、私たちの暮らしに欠かせない技術を生み出した企業が、実はこの自動車部品メーカーなのです。

阿竹さんはこう語ります。

「私たちは“見えないところで世界を動かす会社”なんです。」

車だけでなく、農業や食の流通など、新たな分野へも挑戦を続けるデンソー。
その根底には、“モノづくりの精神をテクノロジーでも貫く”という信念があります。

阿竹さんが率いる**デジタル活用推進部(DXP)**は、もともと社内の情報システム部門から発展した部署。
しかし今では、単にシステムを作るだけではなく、データやAIを活用して仕事そのものを変える部門へと進化しています。

阿竹さん自身も元エンジニア。外資系IT企業出身で、今でもコードを書くことができる現役の技術者です。

「現場の人と一緒に動くからこそ、本当に意味のある変革ができる」

DXPでは、“デジタルに詳しい人”と“現場を知る人”を組み合わせたチームでプロジェクトを進行。
数字やデータの裏にある人の動きを理解しながら、リアルな課題解決を実現しています。

デンソーのDXで注目されるのが、1万人以上の社員が自らツールを作る「市民開発」
たとえば、工場のスタッフが自分の業務を便利にするアプリを開発する。
その“小さな工夫”が、チームの空気を変え、全社の文化を変えていきます。

かつては「紙のハンコラリー」や「Excel競争」が日常だった承認業務も、DXPがデータを一元化し、誰でもアクセスできる環境を整備。

「数日かかっていた承認が、いまは5分や10分で終わるようになりました。」

効率化だけでなく、「自分の手で変えられる」という実感が社員に生まれたことが、何よりの成果だと阿竹さんは言います。

DXという言葉には“壮大で難しそう”という印象がありますが、阿竹さんのアプローチは違います。
一気に変えるのではなく、アジャイル型で少しずつ改善を重ねる

「失敗してもいい。大事なのは止まらないことです。」

この“折れない心”こそ、デンソーのDXを支える原動力。
そして、デジタルに苦手意識を持つ社員にも興味を持ってもらうため、番組のFROGMAN氏に教育ビデオを依頼。
キャラクターと笑いを交えた動画は「堅いテーマを柔らかく伝える」教材として大好評です。

最後に、阿竹さんはDXを進めるすべての人にこうエールを送りました。

「まずは他社の成功事例を真似してみること。そして、挑戦し続ける“折れない心”を持つこと。DXは技術ではなく、人の姿勢なんです。」

DXの“D”はデジタルの頭文字ですが、デンソーのDXには“Dialogue(対話)”や“Dedication(情熱)”の意味も重なっているように感じます。

人が動けば、デジタルも動く。
阿竹さんの言葉には、そんなシンプルで力強い真実がありました。

デンソーは「見えないところで世界を動かす会社」DXは、システムではなく「人の物語」1万人が開発者に。“市民開発”が広げる現場の力成功の鍵は、“折れない心”「DXは技術ではなく、人の姿勢だ」