なんでも倫理

# 32-2 理性だけじゃない!情感豊かなカントを探る――動物倫理への4つのアプローチ(早稲田大学 中村 涼さん、北海道大学 清水 颯さん)

今年2月1日に開催された、動物倫理かいぎ創立記念イベントの発表内容を、登壇者ご本人にシェアしていただくシリーズ!

第四弾のゲストは、早稲田大学の中村涼さんと北海道大学の清水颯さん。

お二人はカント研究を下敷きに、中村さんは環境倫理、清水さんは人と人以外との関係に取り組んでこられました。

今回は共同発表の内容から発展して、これまでのご研究や関心、動物倫理におけるカント義務論のアプローチなどについてお話しいただきました。

お二人は異なるきっかけからカント研究を始めたそうですが、

「めちゃくちゃ理性!」だけじゃない「情感豊かなカント」への関心は重なっているとのこと。

清水さん注目の、これまでの見方を覆すカント義務論へのアプローチも聴きどころです。

次回は、カントの生きた時代を踏まえて現代の動物実験や畜産を問い直していくこと、お二人の研究の展望から見えてくる理論研究の意義についてお話ししていきます。

ご意見・ご感想は@animotethicsをメンションの上ご投稿ください!投稿のシェアもぜひよろしくお願いいたします。

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中村さんのきっかけ / 「永遠平和」への憧れ / 自然に囲まれて育った / 自己自身に対する義務と動物を大切にすること / 清水さんのご研究 / カントは「理性、理性!」だけだったのか? / 人と人以外(動物やAI)との関係 / 何か満足を感じながら義務やるぞ / 感情に注目すれば何か言えるのではないか / 違う理論から同じ結論に辿り着く / カント義務論から動物倫理への4つのアプローチ / ニコ・ミュラーがラディカルで面白い / 自己自身に対する義務からのアプローチに繋がる?

各種リンク

動物倫理かいぎ:

  • ⁠https://modern-orchid-165.notion.site/551464aedf5d4879a73d73eace89b25e

中村涼さんResearchmap

  • ⁠https://researchmap.jp/rotfuchs⁠

清水颯さんResearchmap

  • ⁠https://researchmap.jp/hayate-s

中村涼(2024)「『自然物に関する義務』再考 ― カント義務論に見る環境倫理の可能性 ―」『フィロソフィア』第111号、pp.93–105.

  • https://waseda.repo.nii.ac.jp/records/2002334

清水颯(2025)「動物倫理への新たなカント的アプローチ――Kantianism for Animals の論点とその評価」『応用倫理―理論と実践の架橋―』

  • https://researchmap.jp/hayate-s/published_papers/50187505