旅する民俗学 Zip Code Journey

83. 「ニシンの栄光とステンドグラスの後光」*北海道余市町・小樽市*

北海道・小樽に残る「鰊御殿(にしんごてん)」

ニシン漁で財を成した青山家が築いた豪邸は、かつて“海の米”がもたらした繁栄の象徴だった。

春、海が乳白色に染まる「群来(くき)」の光景。肥料として全国へ運ばれた鰊粕(にしんかす)。

そして、乱獲と化学肥料の登場によって失われた豊漁の時代。

取り壊し予定のイギリスから渡ってきたステンドグラス。教会の窓が、遠い異国で再び光を受ける。

聖と俗、過去と現在の光が交錯する、そんな北海道旅二日目。