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Ep.652 Veo 3.1、Flowで“音と編集”が本格化──AI動画のコントロールが一段上に(2025年10月23日配信)

発表は10月15日、Googleの公式ブログからでした。Flowは公開から約5カ月で累計2.75億本超の動画生成を記録。ユーザーからの「もっと細かく演出したい」「機能ごとに音も付けたい」という声に応え、GoogleはVeo 3.1を投入し、Flowに“音と編集”の大幅強化を施しました。より強くプロンプトに従い、質感や素材感の再現度も一段と向上したとしています。

まず“音”。Veo 3.1は生成オーディオを既存機能にも拡大し、Ingredients to Video、Frames to Video、Extendで映像と音が一体になったシーンを作れます。Extendは直前1秒の動きを手がかりにショットを継ぎ足し、設定次第で1分超まで自然につなげられるのが特徴です。

“編集”も強化されました。Insertで被写体や小物を後から足しても、影や照明が自然に溶け込むよう最適化。さらにFlowでは不要物を消すRemove Objectの実装が進行中で、シーンを破綻なく再構成できると伝えています。報道各社も「削除機能は順次展開」「まずは追加機能から実装」と整理しており、APIやVertex側では先行プレビューの動きも見えます。

提供形態は、開発者はGemini API(有料プレビュー)、企業はVertex AI、一般はGeminiアプリやFlowから利用する構図。新機能のうち、Ingredients/Frames/ExtendはGemini APIにも順次到来、ExtendはVertex AI APIでも“coming soon”と明記されています。APIの技術資料では、基本の生成クリップは720p/1080pで約8秒から積み上げて扱う前提が示され、Flow側のExtendで長回しを組み立てる、という使い分けが現実的です。

まとめると、Veo 3.1+Flowは“思い描いた画づくりを後から整える”段取りがぐっとやりやすくなりました。素材の統一感はIngredientsで、画のつながりはFramesで、長回しはExtendで、ディテールの手直しはInsert/Removeで──という全体設計。クリエイターにとっては「コントロールと連続性」が手に入り、企業現場にとっては“ブランドの一貫性”を保った動画量産の現実味が増すアップデートと言えそうです。