アワノトモキの「読書の時間」

ep45-2「旅をする木」(星野道夫さん)深掘り編/「生まれ持った川」ともう一つの時間

<今回の選書>「旅をする木」(星野道夫さん)

こんにちは、ホシノです。今回はアワノさんがセレクトした星野道夫さんの『旅をする木』をじっくり深掘りします。前半はなぜか「星野」姓の多い群馬・桐生の織物トークからスタート。星野家のルーツ話に花が咲きつつ、本題の「旅をする木」の世界へ。

アラスカを旅し続けた写真家・星野道夫さんの人生と、その生き方の根っこを探ります。
印象的だったのは、アラスカの老人ビル・フラーさんの「生まれ持った川」の話。他人の評価や社会の常識に流されず、自分本来の流れで生きること。その「川」からときどき岸に上がってみる、でもまた川に戻っていく…。そんな自由なキャリアや人生観を、リンダ・グラットンの「ライフシフト」や藤原和博さんの八ヶ岳型キャリア論とも絡めて語り合います。

また「ザルツブルクから」では、ヨーロッパの歴史的な街並みに触れつつ、アラスカの1万年単位の時の流れと比較。人類の歴史、地球の時間を相対化して見ることで、目の前の悩みや日常が違って見える感覚についても共有します。

さらに、「もう一つの時間」では、アラスカの大自然で出会ったクジラのジャンプの瞬間から、今・ここ以外の世界や「もう一つの時間」を感じる大切さに触れます。
忙しい毎日、目の前のタスクに追われがちな現代人へ。「地球のどこかで、今まさにクジラが跳ねている」。そんな視点を持つことで、人生や人との関わりも少し色合いが変わるかもしれません。