アワノトモキの「読書の時間」

粟野友樹,星野良太,Work-Teller

「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに 独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。 扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。 20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から 今の時代に必要だと思われる本だけを三部構成でご紹介していきます。 【profile】 リクルート/リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」、リクルートエージェント「転職成功ガイド」識者 累計約600本以上の記事を監修 https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/profile-tomoki-awano/ 筑波大学→大学院→人材系企業→フリーランスと 20年以上、人と組織の関係性について学習と実践を重ねる。 ◎注目している分野 ・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤 ・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性 ・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育 ・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用 ・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線 ※上記分野のお話が多くなると思います。 ★ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、 こちらまでDMをお寄せください。 https://twitter.com/Tomoki_Awano

  1. 9小时前

    ep48-5「叱る依存が止まらない」(村中直人さん)/叱る快感と従順な相手、跳び箱と限界突破

    ・『叱る依存が止まらない』(村中直人さん) こんにちは、ホシノです。今回も引き続き『叱る依存が止まらない』をテーマに、アワノさんと深掘りしていきます。前回は「叱る=脳にとっての報酬」という話が出ましたが、今回はそこからさらに、叱る快感の裏側や、叱られる側のメカニズムまで踏み込みました。 まず話題に上がったのは、「叱る快感を味わわせてくれる従順な相手」について。この構造があるから、いじめはなくならないし、SNSの叩きも消えない。そこから「叱るカフェ」構想まで飛躍していきます。若手っぽいできそうに見える部下役を選べたり、叱り方をフィードバックしてもらえたり…。半分冗談、半分リアル。笑いながら話しているのに、妙に現実味があるのが怖いところです。 後半は一転してまじめモードに。ホシノが小学生時代の跳び箱エピソードを振り返りながら、「厳しく詰められた経験が、自分の限界を超えるスイッチになったことがある」という話を共有。ここから、 厳しい指導が有効に見えるのはなぜか 本来は別アプローチでも到達できた可能性 外から見るとハラスメントでも、当人の主体性があるかで意味が変わる スポーツや芸術の世界での「理不尽を選びに行く」構造 といったテーマにぐっと話が広がります。 そして「叱られて伸びる」という思い込みが、実は自分の成功体験の偶然から来ているだけかもしれない、という指摘も。その一方で、叱る側は叱る側で、自己効力感や即効性に頼ってしまいがちで、結果として反省が遅れやすい。そんな人間の弱さも共有されました。

    19 分钟
  2. 12月11日

    ep48-4「叱る依存が止まらない」(村中直人さん)/叱ることはなぜ気持ちいいのか、そしてなぜやめられないのか

    ・『叱る依存が止まらない』(村中直人さん) こんにちは、ホシノです。今回からは、アワノさんの選書『叱る依存が止まらない』に入っていきます。タイトルだけで胸がざわつく方、多いんじゃないでしょうか。僕自身、家庭で子どもに声色を変えてしまう瞬間があったりして、冒頭からちょっと反省モードで話が始まっています。 アワノさんがこの本を選んだ背景には、今年の夏に経験したパワハラ的な場面があったとのこと。「なぜ人は叱るのか?」そこに強い関心を持ち、関連する本をいくつも読みあさった中で、この一冊がいちばん腑に落ちたそうです。 今回のキーワードは大きく3つ。①叱るとは何なのか(定義)相手を変えたい気持ち、権力の非対称、ネガティブ感情。この3つが揃うと「叱る」になる、という整理がまず興味深い。 ②叱ることは実は「脳にとって快感SNSの炎上や不倫叩きも同じ構造。正しい側に立って相手を処罰すると、脳が報酬を感じてしまう。だからやめられない。クセになる。これは聞いていて、ちょっとゾッとするところでもあります。 ③叱るは「即効性が高い」けれど、学びにはつながらない子どもも部下も、その場では動きを止めてくれる。でもそれは「逃げる/戦う」の反応であって、理解や内省ではない。だから長期的な行動変容には結びつかない。この話は、親としても研修講師としても刺さるポイントでした。 叱ることが完全に悪ではなく、命の危険など「緊急時のブレーキ」としては必要。でもそれ以外の場面では、依存として扱うべき側面がある。そんな導入回になりました。 次回は、この仕組みを踏まえて「じゃあどうすればいいのか?」をガッツリ議論していきます。どうぞお楽しみに。

    18 分钟
  3. 12月4日

    ep48-3「モモ」(ミヒャエル・エンデ)/フィクションが描く「時間と聞くの知恵」

    ・『モモ』(ミヒャエル・エンデ) こんにちは、ホシノです。今回も引き続き『モモ』について。アワノさんと雑談しつつ、本の広がり方やメッセージ性についてだいぶ深めていきました。 まず驚くのは、『モモ』の世界規模の読まれ方。50年経っても国境を越えて読まれ続ける理由は、やっぱり普遍性があるからなんでしょうか。時間泥棒の話も、雑談が失われていく社会の話も、まるで現代そのまま。近代統一のテーマなんでしょうね。会話の中では「消費社会」「都市化」「家族の変化」みたいな背景にも触れつつ、モモが象徴する聞くという行為の価値が、なぜ昔から必要とされてきたのかを考えました。 今回のポイントは2つ。 ① フィクションだから言えることがある。時間泥棒とお人形のエピソード、子どもたちの空想遊び、都市の変化…社会批評をそのまま書くより、物語に落とし込んだ方が伝わる。『One Piece』や詩、戦後文学の話まで広がりつつ、ストーリーが人を動かす理由を改めて確認しました。 ② モモは聞く天才だが、本人は自覚していない。モモが人の話を聞くことで、町の人の本質や創造性が引き出されていく。でも本人はそれを「スキル」とは思っていない。ただ、相手に時間を渡すだけ。そのシンプルさが、現代の傾聴とは少し違う形で響く理由なのかもしれない。しかも途中でモモ自身が迷ったり弱ったりする描写もあり、そこでまた心をつかまれました。 話の終盤では、「これは大人のほうが効く本だね」「研修の教材にもなるんじゃ?」なんて話にまで伸びていき、気づけば『モモ』をいろんな角度から再発見する回に。 次回は、いよいよアワノさんの一冊『叱る依存が止まらない』(村中直人さん)へ。「叱る」「導く」「正解を求める心」――こちらも現代性ど真ん中のテーマです。どうぞお楽しみに。

    21 分钟
  4. 11月27日

    ep48-2「モモ」(ミヒャエル・エンデ)/聞く力と時間の関係、物語が残してきたもの

    ・『モモ』(ミヒャエル・エンデ) こんにちは、ホシノです。今回はアワノさんに聞いてもらいながら、エンデ『モモ』の話をもう少し。 読み返してみると、「こんなに巧く作られていたんだ…」と驚くほど構成もキャラクターも練られていて、どこか村上春樹作品の空気とつながるような物語感も感じました。 大きなテーマはもちろん「時間」なのですが、それ以外にも気づくものがあった気がします。効率化や生産性ばかりを追いかけて、いつの間にか自分の時間を失っていく。そんな現代の光景にそのまま重なる描写が多くて、50年前の物語とは思えないほど普遍的です。 今回、特に面白かったのは「モモの特技」。彼女は料理が上手いわけでも、面白い話をするわけでもない。ただ聞くそれだけで町の人が次々と訪ねてきて、話すうちに本来の自分が戻ってきたり、仲直りができたり、創作意欲が湧いたりする。物語のなかで語られる 「人のために時間を使う」 という行為と、聞くという行為がだんだんと結びついていきます。 カウンセリングの理論や、いま語られる「傾聴」の文脈とはまた違う、もっと素朴で、もっと人間的な庶民の知として描かれる聞く力。その原石のような感じが、モモという存在の魅力にもつながっているのかなと話しました。 後半では、「聞くことは幸せなのか?」「相手に本音を引き出すとはどういうことか」など、現代のコミュニケーションに置き換えて考えられるポイントもいくつか登場します。次回は、この「聞く」というテーマをもう少し派生させて、お互いの経験や理論を交えつつ話していきます。どうぞお楽しみに。

    16 分钟
  5. 11月20日

    ep48-1「モモ」「叱る依存が止まらない」/読み返す40代、叱ることと導くこと、秋の夜長に考えたい話

    ・『モモ』(ミヒャエル・エンデ) ・『叱る依存が止まらない』(村中直人さん) こんにちは、ホシノです。今回もまずは近況から。気温がすっと下がって、Tシャツから長袖に切り替わるあの瞬間、ちょっと「美術館に入ったみたい」な空気になりますよね。 そんなモードもあってか、今週はエンデの『モモ』を久々に(初めて?)手に取りました。読み返してみたら、ほぼ初読の気持ちに近いほど覚えておらず…。けれど物語の芯にある時間と物語の力は、いま読むとやたら染みるものでした。 アワノさんの一冊は、村中直人さん『叱る依存が止まらない』。親でも上司でも指導者でも、「叱る場面」ってゼロにはならない。じゃあ、叱っている自分は何を求めているのか? 叱られる側はどう受け取るのか? 40代という教える側の立場に立つと、妙に胸がざわつくテーマです。 「正解を教えてほしい」という欲求と、「叱る=導く」の古い価値観。その間で揺れる僕らのリアルが、会話の中でもあちこちに出てきました。 次回からは、まずホシノの『モモ』から話していきます。 大人になって読み返すとこうなるのか…という驚きも含めて、ゆっくり話していきます。どうぞお楽しみに。

    7 分钟

关于

「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに 独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。 扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。 20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から 今の時代に必要だと思われる本だけを三部構成でご紹介していきます。 【profile】 リクルート/リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」、リクルートエージェント「転職成功ガイド」識者 累計約600本以上の記事を監修 https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/profile-tomoki-awano/ 筑波大学→大学院→人材系企業→フリーランスと 20年以上、人と組織の関係性について学習と実践を重ねる。 ◎注目している分野 ・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤 ・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性 ・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育 ・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用 ・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線 ※上記分野のお話が多くなると思います。 ★ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、 こちらまでDMをお寄せください。 https://twitter.com/Tomoki_Awano

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