人をつなぐ、未来をつなぐ。 トレードオンの交渉学

NPO法人日本交渉協会,安藤雅旺,星野良太

交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。 ◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版 ◎聞く人:星野良太/NPO法人日本交渉協会 理事/人まず株式会社代表/声メディアWorkTeller主催/著書:「コロナ時代にオンラインでコーチングをはじめてみた。」 【運営】 日本交渉協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。 【関連資格】 交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。

  1. 2D AGO

    #130「異文化理解で磨くグローバル交渉力」第2回:7つのマインドセット(実践編)

    前回に引き続き、組織開発コンサルタント・コーチの祖父江玲奈氏をゲストにお迎えし、「異文化理解で磨くグローバル交渉力」をテーマにお送りします。第2回となる今回は、ホフステードの6次元モデルをベースに、実務で役立つ「7つのマインドセット(文化クラスター)」と、タイプ別の具体的な交渉・対応のヒントについてお届けします。 ◎祖父江 玲奈 氏のご経歴 ・中央大学総合政策学部卒業 ・アクセンチュアにて、組織戦略、組織設計、人材開発戦略を中心とするコンサルティング業務に従事。多くのインターナショナルプロジェクトに参画 ・日産自動車株式会社にて、女性への魅力創出グループ課長。ダイバーシティの取り組みの一環として、女性の視点を新しい商品開発の視点と位置付け、組織横断でのプロジェクトを企画・推進 ・2013年に独立、組織開発や異文化をテーマとしたグローバル企業のリーダー育成プログラムなどを手がけている Hofstede-Insights Japan 異文化適応力認定ファシリテーター Global Coaching Institute 認定コーチ TLC(リーダー層の360度フィードバックプログラム)認定プラクティショナー ・デンマークの滞在を通じて、幸福感を支える価値観「ヒュッゲ」に出会う。人とつながる喜びやライフスタイルの可能性を伝える活動を展開している 【主なサービス領域および実績】 ・コーチング:グローバル企業のリーダーシップ開発、女性リーダー育成など ・組織変革コンサルティング:グローバル企業の本社機能改革、グローバル人材育成の検討など 共訳書:『異文化理解で磨くグローバル交渉力―「なぜ?」を読み解く文化の7タイプ』 【TODAY’S TOPICS】  ◎タイプ別マインドセットの解説 勝負型(競争・コンテスト):アングロサクソン系(米・英など)。競争で上に行きたいという意欲が強い。個人対個人の信頼関係や、楽観的で意欲的な姿勢が重視される。 つながり重視型(ネットワーク):北欧系。平等主義で人のつながりや弱者支援を重視する。どちらか一方が有利になるのではなく、お互いのニーズを満たす「Win-Win型」のアプローチが望ましい。 プロセス信奉者(油の効いた機械):ドイツを中心とするゲルマン系。秩序や正確性、専門性を非常に尊重する。コネではなく、明確な評価基準や意思決定プロセスに基づいた論理的な提案が説得力を生む。 外交官(太陽系):ラテンヨーロッパ系(仏・伊・西など)。権威を尊重しながらも個人の意見も主張する二律背反的な文化。相手の立場を踏まえ、ダンスを踊るように緩急をつけた交渉が必要。 身内びいき型(ピラミッド):中南米・アフリカ・ロシア・韓国など。集団主義が強く、組織や集団へのメリットを重視する。関係構築に時間はかかるが、一度信頼を得れば交渉はスムーズに進む。 スタミナ自慢(家族):中国や華僑を含むアジア圏。規律が厳格ではない一方で、重層的なレポートラインを通じた合意形成が必要。成果が出るまでに非常に多くの時間と体力を要する。 職人型(日本):完璧主義や道を追求する考え方が非常に強い、独自の文化圏。仕事以外の場でも何かを追求する姿勢が賞賛される。 交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。

    25 min
  2. MAR 26

    #129「異文化理解で磨くグローバル交渉力」第1回:ホフステードの6次元モデル(理論編)祖父江 玲奈

    今回から2回にわたり、組織開発コンサルタント・コーチである祖父江玲奈氏をゲストにお迎えし、「異文化理解で磨くグローバル交渉力」をテーマにお話しいただきます 。第1回となる今回は、理論編をお届けします 。 ◎祖父江 玲奈 氏のご経歴 ・中央大学総合政策学部卒業 ・アクセンチュアにて、組織戦略、組織設計、人材開発戦略を中心とするコンサルティング業務に従事。多くのインターナショナルプロジェクトに参画 ・日産自動車株式会社にて、女性への魅力創出グループ課長。ダイバーシティの取り組みの一環として、女性の視点を新しい商品開発の視点と位置付け、組織横断でのプロジェクトを企画 ・推進・2013年に独立、組織開発や異文化をテーマとしたグローバル企業のリーダー育成プログラムなどを手がけている Hofstede-Insights Japan 異文化適応力認定ファシリテーター Global Coaching Institute 認定コーチ TLC(リーダー層の360度フィードバックプログラム)認定プラクティショナー ・デンマークの滞在を通じて、幸福感を支える価値観「ヒュッゲ」に出会う。人とつながる喜びやライフスタイルの可能性を伝える活動を展開している 【主なサービス領域および実績】 ・コーチング:グローバル企業のリーダーシップ開発、女性リーダー育成など ・組織変革コンサルティング:グローバル企業の本社機能改革、グローバル人材育成の検討など 共訳書:『異文化理解で磨くグローバル交渉力―「なぜ?」を読み解く文化の7タイプ』 【TODAY’S TOPICS】  ◎異文化理解の重要性とホフステードモデルとの出会い ・14カ国・400名超のプロジェクトで直面した「英語力の問題だけではない」トラブルの経験 ・プロジェクトの遅延やコスト増という致命的な課題を解決するための指針 ・学術的でありながらビジネスパーソンに使いやすい「ホフステードモデル」の有用性 ◎文化を捉える「6次元モデル」の解説 権力格差:権威・権力のある人が社会でどう位置づけられているか。意思決定をピラミッド組織で行うか、現場で決めることができるか。 個人主義 対 集団主義:自分自身と核家族を重視するか、拡大家族などの内集団を重視するか。はっきり言うコミュニケーションか、空気を読むか。 男性性 対 女性性:競争社会でより成功・達成したい意欲の高い社会か、弱者を守りみんなで協力して安全を守ろうとする社会か。 不確実性の回避:不確実なことへの不安を避けるために、制度や仕組み、ルールを作って低減しようとする度合い。 短期志向 対 長期志向:ビジネス指標において、財務的な利益を重視するか(短期)、継続的な顧客満足度を重視するか(長期) 。 人生の楽しみ方:欲求を抑えておかないと危ないと考えるか、人生はコントロールできるから楽しんでいこうと考えるか。 ◎交渉への応用 ・相手の言いたいことや行動を深く理解することで、交渉の「切り札」を増やしていく  交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。

    20 min
  3. MAR 19

    #128 普段着の交渉学①「妻の相談に正論で返した失敗」 星野良太

    今回から、番組パーソナリティ 星野良太による新コーナーがスタートします。 交渉とは、決して会議室の中だけの特別な儀式ではありません。初回となる今回は、星野自身の「反省ストーリー」を題材に、家庭や職場でのコミュニケーションを円滑にするヒントをお届けします。ビジネスモード全開で妻の相談に乗った結果、なぜか「混乱」を招いてしまった理由とは?交渉学の基本である「ポジション」と「インタレスト」の視点から紐解きます。 ◎星野良太の経歴 ・日本交渉協会 理事/株式会社ひとまず 代表取締役/コピーライター 【TODAY’S TOPICS】 ◎「普段着の交渉学」が目指すもの ・合意のその先にある「腹落ち感」と「行動の質」 ・継続的な関係性を築くための信頼蓄積型コミュニケーション ◎星野の反省:妻の「味噌の価格設定」相談事件 ・なぜ「正論」は相手に響かなかったのか? ・ビジネスモードのスイッチが招いたボタンの掛け違い ◎交渉学の鍵「ポジション」と「インタレスト」 ・ポジション(主張):提示された条件や言葉 ・インタレスト(関心):その言葉の裏にある「思い」「不安」「期待」 ◎長期的な信頼に繋げるために ・相手の背景(インタレスト)に寄り添うことで変わる合意の形・日常のつまずきを「交渉学視点」で振り返る大切さ ------- 交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。

    8 min
  4. MAR 12

    #127_孫子の兵法で読む交渉学⑮「九変篇」その2 窪田恭史

    日本交渉協会常務理事でありナカノ株式会社代表取締役の窪田氏をゲストにお迎えし、「九変篇」その2をお届けします。本エピソードでは、将軍の優れた資質が状況によっては欠点となり敗北を招く「五危」に触れつつ、心理学の研究結果を交えて「不確実な交渉の場において、個人の性格や特性がどのような影響を及ぼすのか」を深掘りします。 ◎窪田恭史氏のご経歴 日本交渉協会 常務理事/燮(やわらぎ)会 幹事 ナカノ株式会社 代表取締役 日本古着リサイクル輸出組合 理事長 表情分析、FACS認定コーダー 日本筆跡心理学協会 筆跡アドバイザーマスター 早稲田大学政治経済学部卒 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)でのコンサル業務を経てナカノ株式会社に入社、2024年より現職。「交渉分析」理論の日本への導入にも尽力。 【TODAY’S TOPICS】 ◎「九変篇」と交渉における絶対的法則の不在 ・戦争に「こうすれば絶対に勝てる」という法則がないように、交渉においても知識や訓練は無敵の術ではない 。 ・将軍の優れた資質であっても、状況によっては欠点となり敗北を招く「五危」が存在し、これは交渉者の性格にも同じことが言える 。 ◎交渉結果の約半分は「個人の特性」で決まる ・ワシントン大学のヒラリー・エルファンバイン教授らの調査によれば、交渉結果や満足度の違いの49%が個人の特性に起因する。 ◎性格の5因子モデル(OCEAN)から見る交渉の傾向 開放性:創造性が高い人はお互いの利益を最大化する統合型交渉に向くが、分配型交渉では振るわない傾向がある 。 誠実性:誠実さそのものよりも、それに基づいた入念な準備に時間をかけられるかどうかが結果を左右する 。 外向性:外向性が高い人は、分配型交渉において内向的な人よりも低い結果に終わるという意外なデータがある 。 協調性:人に合わせすぎるタイプは分配型交渉で結果が低くなりがちであり、相手を優先するタイプ同士の交渉は満足度が高くても実利的な成果は上がりにくい 。 神経症傾向:交渉結果そのものには影響しにくいが、交渉後に「嫌な経験だった」とネガティブに捉えてしまうことが多い 。 ◎その他の特性と、交渉における「行動」の変化 ・自尊心が強すぎる人は共通の価値を生み出す前に交渉を打ち切る傾向があり、似た者同士の交渉は仲良くなりやすいがより良い結果には結びつかないデータも存在する 。 ・性格そのものを変えるのは難しくても、自分の長所と短所を理解し、知識と訓練によって行動を変えることは十分に可能である 。 --------- 交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。

    7 min
  5. MAR 5

    #126 交渉アワード受賞事例紹介⑥「気持ちはひとつ。よい商品を世に出したい気持ちはみんな同じ」

    今回も「第1回交渉アワード」の受賞事例をご紹介していきます。 5回目となる今回は、東南アジアのメーカーで商品企画を担当するAEさんの交渉事例です。発売直前に突きつけられた本社基準という壁に対し、10年前の苦い教訓を糧に「聴く力」と「発想の転換」で突破し、チームを一つにまとめたエピソード。組織の板挟みの中でも「共通の目的」を見失わずに道を切り開いた仕掛け人による、情熱の交渉ストーリーです。 コメンテーターは、日本交渉協会理事の加藤です。   ◎AE氏(第1回交渉アワード銅賞受賞) ・東南アジアのメーカーにて商品企画に従事。 ・新製品の騒音測定基準をめぐる、開発部門および部長との激しい衝突を解決。 ・「共通の目的を忘れないこと」を信念に、立場の違いを「よい商品を世に出したい」という一点で統合し銅賞を受賞。   【TODAY’STOPICS】 ◎10年前の「怒り」の後悔を武器に変える ・かつて会議で感情を爆発させ、プロジェクトを破綻させてしまった苦い教訓。 ・反射的な抗議メールを寸前で踏みとどまり、「怒りは誰の得にもならない」と冷静な対話を選択。 ・相手を打ち負かすのではなく、まずは関係各所の「声」を丁寧に聴くことから始める。   ◎本社ルールと市場実態の矛盾を解くロジック ・評価グループが固執する「本社基準」と、設計グループが訴える「使用環境の実態」との板挟み。 ・競合他社のリサーチを徹底し、「なぜこの商品を開発するのか」という原点に立ち返る。 ・感情論を排し、現場の矛盾を解決するための客観的な根拠を組み立てる準備。   ◎組織の顔を立て、市場で勝つ「第3の案」の提示 ・カタログを家庭用と業務用の二種類に分けるという、本社の体面と実利を両立させるアイデア。 ・開発部長との直談判において、相手の懸念を払拭しつつ「皆の努力を無駄にしない」情熱を伝える。 ・頑なだった部長から「よし、それでいこう」という合意を引き出す、納得感のある着地点。   ◎「気持ちはひとつ」がもたらしたチームの共創 ・交渉の結果、製品は数値基準をクリアし、対立していたメンバー全員に安堵が広がる。 ・「よい商品を世に出したい」という共通の思いを再確認した統合型交渉の成功。 ・耳を傾ければ道は開けるという信念が、次なる製品開発へのスタートラインとなる。   交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。

    8 min
  6. FEB 26

    #125 交渉アワード受賞事例紹介⑤「問題を障害ではなく、より良い近隣関係を築くチャンスへと変えた」

    今回も「第1回交渉アワード」の受賞事例をご紹介していきます。5回目となる今回は、マンションの騒音トラブルを見事に解決した交渉事例です。相手を責めるのではなく、共感の言葉から入り、自身の費用負担という大胆な譲歩を交えて解決策を提示し、曖昧な「お互い様」という言葉を具体的なルールへと落とし込み、近隣関係を改善したスマートな交渉ストーリーです。 コメンテーターは、日本交渉協会代表理事の安藤です。 ◎山本美和氏(第1回交渉アワード銅賞受賞) ・分譲マンションに居住。 ・上の階の家族の子どもたちが走り回る騒音トラブルに対し、管理組合への相談から直接交渉へシフト。 ・「音をゼロにするのではなく、双方の生活を尊重できるルールを作ろう」と立ち上がり、見事な価値交換で合意を得て銅賞を受賞。 【TODAY’STOPICS】 ◎相手の防御反応を解く「共感」からのスタート ・管理組合の注意喚起でも改善せず、「子どもが小さくお互い様」と主張する相手。 ・まずは「子育ては本当に大変ですよね」と相手に寄り添う言葉をかける。 ・感情論になりやすい生活の問題において、冷静に相手の立場を理解することで対話の土台を作る。 ◎被害の具体化と解決策を「セット」で提示する巧みさ ・「夜9時頃のリビング中央の音」とピンポイントで発生源を伝達。 ・費用を負担するので「ジョイントマット」を敷かないかという解決策を提示。 ・常識を捨て、自身の生活の質を取り戻すための「投資」と捉え直す大胆な譲歩。 ◎「夜間の静寂」と「日中の寛容」の価値交換 ・マットを敷くだけでなく、「夜9時以降は走らない」という具体的なルールも提案。 ・代わりに「日中は多少の音を気にしない」と寛容さを示し、相手の納得度を高める。 ・お互いにとって受け入れやすい提案を重ね、納得できる「感情の着地点」を見つけ出す。 ◎対立を協力関係へと変えたスマートな着地 ・結果として夜間の騒音は劇的に減少し、山本さんは精神的な平穏を取り戻す。 ・相手側も近隣トラブルの加害者という罪悪感から解放され、配慮に感謝。 ・問題を単なる障害として終わらせず、より良い近隣関係を築くチャンスへと変えた交渉事例。 ーーーーー 交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。

    8 min
  7. FEB 19

    #124 交渉アワード受賞事例紹介④「不安から安心へ:指定管理者制度導入をめぐる交渉の軌跡」

    引き続き、日本交渉協会が開催した「第1回交渉アワード」の受賞事例をご紹介していきます 。今回のコメンテーターは、日本交渉協会代表理事の安藤です 。 今回ご紹介するのは、見事「銅賞」を受賞した、市民病院の職員組合執行委員長を務める橋本さんの交渉事例です。指定管理者制度の導入という組織の大きな転換期において、職員が抱く巨大な不安を「安心」へと変え、対立を超えて「地域医療を守る」という共通の目的に向かって合意を導き出したエピソードをご紹介します。 ◎橋本英幸氏(第1回交渉アワード銅賞受賞)  ・市民病院の職員組合執行委員長。 ・指定管理者制度導入に伴う雇用・処遇の激変に対し、約400名の組合員の生活を守るための交渉に挑む。 ・「交渉とは、対立を超えて人と人とを結びつける懸け橋であり、未来を切り開くための知恵であり希望」と定義し、銅賞を受賞。 【TODAY’S TOPICS】 ◎ 組織の転換期に渦巻く「巨大な不安」との対峙  ・指定管理者制度導入の決定により、現場に広がる「雇用継続」や「退職金」への深刻な懸念 。 ・当局から最初に示された不透明な処遇案に対し、「職員の人生に影響が出る」というリーダーとしての強い危機感 。 ・「反対を唱えるだけでは解決しない」と、現実を踏まえた合意点を見出すための対話を決意 。 ◎ 相手を「地域医療を守る仲間」と捉え直す対話の姿勢  ・十数回に及ぶ難航する協議の中、感情に流されず相手の立場を尊重し、理解を求める工夫に注力 。 ・数字や制度の細部ではなく、そこで働く職員一人ひとりの「顔」と「生活」を軸に据えた訴え 。 ・組合員からの「委員長がいるから頑張れる」という一通のメールを支えに、膠着状態の扉を押し開く 。 ◎ 粘り強い合意形成がもたらした「安心」という成果  ・給与だけでなく、退職金、福利厚生、育児支援など幅広いテーマで誠実な意見交換を継続 。 ・勤務年数や経験への配慮、不利な条件の見直しなど、当初の案を大きく上回る具体的な改善を勝ち取る 。 ・「相手を打ち負かすのではなく、双方が納得できる答えを探す」交渉の本質の体現 。 交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください 。

    6 min
  8. FEB 12

    #123交渉アワード受賞事例紹介③「新旧の対立を超えて、映像サークル企画責任者が導いた共創の文化祭」

    今回も引き続き、日本交渉協会が開催した「第1回交渉アワード」の受賞事例をご紹介していきます。見事「銀賞」を受賞した、若きリーダーによる情熱と配慮の交渉ストーリーを紐解いていきます。コメンテーターは、日本交渉協会代表理事の安藤です。 第3回となる今回は、大杉心乃さんの大学文化祭における交渉事例です。サークルの伝統を守りたい先輩と、新しい挑戦でサークルを活性化させたい自分。一見平行線に見える対立を、相手の不安に寄り添う「第3の案」で解消し、過去最高の来場者記録へと導いた、実地で活かせる交渉エピソードをご紹介します。 ◎大杉心乃氏(第1回交渉アワード銀賞受賞) 三重県在住、大学3年生で映像制作サークルの文化祭企画責任者を務める。 伝統の上映会を重視する4年生の先輩に対し、新企画「撮影体験イベント」の導入交渉に挑む。 「交渉とは相手の立場や気持ちを理解し、信頼を保ちながら納得のいく解決を探る対話のプロセス」と定義し、サークル内に「協力の文化」を根付かせ銀賞を受賞。 【TODAY’STOPICS】 ◎「伝統と変革」がぶつかるサークル内の壁 「新しい挑戦で後輩の意欲を高めたい」大杉さんと、「クオリティと納期を守りたい」先輩Kさんとの対立。 感情的に主張をぶつけるのではなく、まずは1対1での冷静な対話を選択。 相手の反対の裏にある「責任感」と「編集作業への不安」を丁寧に解き明かす。 ◎相手の懸念を1つずつ解消する「具体的な第3の案」 業務分担の完全明確化:編集メンバーと運営メンバーを分け、負担を並行化。 企画のミニマム化:内容を15分枠に絞り、運営の負担を最小限に抑える提案。 集客の相乗効果:イベント内で映画の予告編を流し、メインの上映会へ誘導するWin-Winの仕組み。 ◎感情ではなく「目的」を中心に置く対話術 「文化祭を成功させたい」という、両者が共通して持つ根っこの願いに立ち返る。 相手を「敵」ではなく「別の視点を持つ協力者」と捉え直す発想の転換。 丁寧な合意形成が、単なる妥協ではない「納得感のある決断」を生む。 ◎過去最多の来場記録と、深まったチームの絆 交渉の結果、上映会と体験イベントの両立が実現し、過去最多の来場者を記録。 後輩たちからは「自分たちの意見が形になった」と歓喜の声が上がり、先輩からも感謝の言葉が贈られる。 個人の対話が組織の空気を変え、次年度へと続く新しい伝統を創り出した「統合型交渉」の成功例。 お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。 次回の配信でも、素晴らしい交渉アワード受賞作品をご紹介します。お楽しみに!

    7 min

About

交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。 ◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版 ◎聞く人:星野良太/NPO法人日本交渉協会 理事/人まず株式会社代表/声メディアWorkTeller主催/著書:「コロナ時代にオンラインでコーチングをはじめてみた。」 【運営】 日本交渉協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。 【関連資格】 交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。

You Might Also Like