岡大徳のポッドキャスト

岡大徳

病院事務長が実務と経営の視点で語る、医療制度の最新動向。急性期〜回復期で幅広い部門を統括してきた経験をもとに、最新の令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈)や施設基準、医療DXの解説を音声で配信。経営層から現場の事務担当者まで、忙しい合間に「現場で使える知識」をアップデートできます。 www.daitoku0110.news

  1. 4h ago

    【令和8年度改定】精神科救急急性期医療入院料の対象患者拡大を解説

    精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者は、急性期の全身管理と専門的な精神科医療の双方を必要とします。こうした患者は、身体面の急性期に対応できるICU等を備えた病院の精神病床でいったん受け入れられ、その後、専門的な精神科医療を担う病院へ転院する流れが想定されます。しかし現行制度では、この転院患者が精神科救急急性期医療入院料等の算定対象に含まれていませんでした。そこで本メルマガでは、令和8年度診療報酬改定における精神科救急急性期医療入院料等の対象患者の見直しを解説します。 今回の改定は、精神科救急急性期医療入院料及び精神科救急・合併症入院料の対象患者に、新たな転院患者を追加するものです。追加される患者は、ICU等の高度急性期病床を有する病院の精神病床に入院していた患者です。この患者が当該保険医療機関へ転院した場合に、対象患者となります。一方、精神科急性期治療病棟入院料は、今回の追加対象に含まれません。 改定の背景:身体と精神を併せ持つ患者の医療提供体制の推進 今回の改定は、精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者の医療提供体制を推進する観点から行われました。このような患者は、精神症状への対応だけでなく、身体面の急性期治療も同時に必要とします。そのため、身体治療の急性期は高度急性期病床を持つ病院が担い、その後の精神科医療は専門病院が担う、という役割分担が望まれます。 しかし現行制度では、この役割分担を診療報酬が十分に評価できていませんでした。高度急性期病床を持つ病院の精神病床から専門病院へ転院した患者が、精神科救急急性期医療入院料等の対象患者に含まれていなかったためです。この結果、身体・精神の連携を担う病院間の転院が、診療報酬の面で評価されにくい状況でした。今回の見直しは、この転院患者を対象患者に加えることで、両者の連携を後押しするものです。 追加される対象患者:高度急性期病床を持つ病院からの転院患者 追加される対象患者は、高度急性期病床を持つ他の病院の精神病床から当該保険医療機関へ転院した患者です。この患者が対象となるには、転院元の病院と、そこでの入院料に関する2つの条件を満たす必要があります。以下では、この2つの条件を順に説明します。 第一の条件は、転院元の病院が高度急性期病床を持つことです。具体的には、次のいずれかを算定する病棟又は病室を有する病院が該当します。 * 救命救急入院料 ・特定集中治療室管理料(ICU) * ハイケアユニット入院医療管理料(HCU) * 脳卒中ケアユニット入院医療管理料(SCU) * 小児特定集中治療室管理料(PICU) * 総合周産期特定集中治療室管理料(母体・胎児集中治療室管理料を算定するものに限る) 第二の条件は、その病院の精神病床で所定の入院料を算定していたことです。具体的には、転院元の病院において、次のいずれかを算定した後に当該病棟へ転院した患者が対象となります。対象となる入院料は、精神病棟入院基本料(10対1、13対1及び15対1入院基本料に限る)、特定機能病院入院基本料(精神病棟に限る)、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、児童・思春期精神科入院医療管理料の6区分です。 以上の2つの条件を満たす転院患者が、今回新たに対象患者へ加わります。つまり、身体の急性期治療が可能な病院の精神病床でいったん受け入れられ、その後に専門病院へ移った患者を評価する仕組みです。 対象となる2つの入院料と、対象外の入院料 今回の見直しは、2つの入院料に同じ形で適用されます。適用されるのは、精神科救急急性期医療入院料と精神科救急・合併症入院料です。両者ともに、上記の転院患者を対象患者へ追加する規定が新設されました。 精神科救急急性期医療入院料では、対象患者の第3区分として新設されました。従来の第3区分(治療抵抗性統合失調症治療薬による治療のための転棟患者)は、繰り下がって第4区分となります。 精神科救急・合併症入院料でも、同じ考え方で対象患者の第4区分として新設されました。従来の第4区分(治療抵抗性統合失調症治療薬による治療のための転棟患者)は、繰り下がって第5区分となります。 一方、精神科急性期治療病棟入院料は、今回の追加対象に含まれません。別表第十のタイトルには3つの入院料が並びますが、転院患者が追加されるのは上記2つのみです。実務では、この点を取り違えないよう注意が必要です。 実務上のポイント:転院元の体制と入院料の確認 実務では、転院元の医療機関の体制と入院料を確認することが重要です。対象患者となるかどうかは、転院してきた患者そのものではなく、転院元での状況によって決まるためです。 まず、転院元が高度急性期病床を持つ病院かを確認します。救命救急入院料やICU等を算定する病棟・病室を持つ病院であるかが判断の起点です。次に、その病院で患者が算定していた入院料を確認します。精神病棟入院基本料等の対象6区分のいずれかに該当すれば、当該病棟への転院後に対象患者となります。 こうした確認を行うことで、身体と精神を併せ持つ患者の転院が、適切に評価されるようになります。転院元の情報を診療録や診療情報提供書で把握し、算定要件との照合を確実に行いましょう。 まとめ 令和8年度診療報酬改定では、精神科救急急性期医療入院料及び精神科救急・合併症入院料の対象患者が拡大されました。新たに追加されるのは、ICU等の高度急性期病床を有する病院の精神病床から当該保険医療機関へ転院した患者です。この見直しは、精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者の医療提供体制を推進するものです。なお、精神科急性期治療病棟入院料は今回の追加対象に含まれない点に留意してください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    【令和8年度改定】精神科救急急性期医療入院料の対象患者拡大を解説
  2. 1d ago

    精神科救急急性期医療入院料の要件見直し|「入院形態」から「必要性」評価へ

    精神科救急急性期医療入院料等は、年間の新規入院患者のうち6割以上が非同意入院であることを、施設基準として求めてきました。この入院形態に基づく要件は、基準を満たすために非自発的入院を促しかねないと指摘されてきました。令和8年度診療報酬改定は、この割合要件を、緊急的な入院医療の必要性を測る「精神科救急等病棟必要性チェックリスト」の得点へと見直します。 この見直しにより、施設基準は「非同意入院の割合」から「チェックリストの得点」を問う要件へと変わります。改定後の要件は、年間新規患者の6割以上がチェックリストで3点以上であることとされました。この見直しの狙いは、入院形態を問わず、緊急的な入院医療の必要性そのものを評価することにあります。あわせて、令和8年5月31日までの非同意入院患者を3点以上とみなす経過措置が設けられ、精神科救急・合併症入院料も同様に見直されます。 見直しの背景:入院形態そのものを問う現行要件の課題 現行の割合要件は、非同意入院という入院形態そのものを基準としている点に課題がありました。この課題を、要件の内容、算定病棟の実態、指摘されてきた懸念の順に説明します。 現行の施設基準は、算定病棟に対し、年間新規患者の6割以上が非同意入院であることを求めています。ここでいう非同意入院とは、措置入院、緊急措置入院、医療保護入院、応急入院、鑑定入院、医療観察法入院の6つを指します。つまり現行要件は、患者の入院医療の必要性ではなく、本人の同意によらない入院の割合を、病棟の質の指標として用いてきました。 この非同意入院の割合は、算定病棟の多くで6割を大きく上回っています。保険局医療課の調べでは、精神科救急急性期医療入院料の算定病棟における非同意入院割合は、6割台よりも高い水準に分布の山が寄っていました。要件の下限である6割を、実態が大きく超えている状況です。 この入院形態を問う要件には、非自発的入院を促しかねないという懸念が寄せられてきました。精神病床の入院患者では、医療保護入院が約半数を占めています。そのため、過度な強制入院につながらないよう配慮すべきという声が強まっていました。支払側委員も、患者の特性に応じた治療・ケアの観点から、入院の必要性を判断する指標やチェックリストを患者割合要件として活用すべきと意見していました。 見直しの具体的内容:チェックリスト得点への置き換え 改定は、割合要件の判定基準を「非同意入院か否か」から「チェックリストで3点以上か否か」へ置き換えます。この置き換えを、要件の変更点と、その根拠となった研究データの順に説明します。 要件の変更点は、6割という水準を保ったまま、その分子の数え方を入れ替えたことです。現行要件は「年間新規患者の6割以上が6つの非同意入院のいずれかであること」でした。改定後の要件は「年間新規患者の6割以上が精神科救急等病棟必要性チェックリストで3点以上であること」となります。判定の対象が、入院形態から、緊急的な入院医療の必要性を測る得点へと移ります。 このチェックリストは、高規格病棟を必要とする患者をおおむね捉えられることが、研究で裏づけられています。全国161の該当医療機関のうち81医療機関から得られた2164名のデータを用いた分析では、チェックリスト3点以上の割合は73.1%であり、非自発入院の割合74.9%とほぼ一致しました。また、臨床判断による必要性評価を基準とした場合、3点以上という基準は感度83.64%、特異度51.87%、AUC0.75を示しました。この結果は、入院形態を問わず、必要性の高い患者をおおむね捉えられることを示しています。 経過措置と対象範囲:円滑な移行への配慮 この見直しには、経過措置と対象拡大という2つの配慮が設けられています。この2つを、移行期の負担軽減と、同時に見直される入院料の順に説明します。 経過措置は、移行期の患者を非同意入院の実績で読み替える仕組みです。令和8年5月31日までに新規入院した患者については、6つの非同意入院のいずれかに該当すれば、チェックリストで3点以上とみなします。この読み替えにより、チェックリストの運用が定着するまでの間、算定病棟の負担が軽減されます。 対象範囲は、精神科救急急性期医療入院料にとどまりません。同じ考え方に基づき、精神科救急・合併症入院料についても、割合要件が同様に見直されます。緊急的な入院医療を担う病棟の評価を、入院形態から必要性へと統一する方向です。 まとめ 令和8年度診療報酬改定は、精神科救急急性期医療入院料等の割合要件を、非同意入院の割合からチェックリストの得点へと見直します。改定後の要件は、年間新規患者の6割以上がチェックリストで3点以上であることです。この見直しは、非自発的入院を促しかねない現行要件を改め、入院形態を問わず入院医療の必要性そのものを評価することを狙いとしています。あわせて、令和8年5月31日までの経過措置が設けられ、精神科救急・合併症入院料も同様に見直されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    精神科救急急性期医療入院料の要件見直し|「入院形態」から「必要性」評価へ
  3. 2d ago

    精神科救急医療体制加算の見直し|令和8年度改定を実績評価の視点で解説

    精神科救急医療体制加算は、充実した精神科救急医療体制の構築を評価する加算です。この加算は、従来、精神科救急医療体制整備事業の類型に応じて評価されてきました。しかし、この類型に応じた評価では、個々の病棟が実際に担う救急受入の実績が点数へ十分に反映されませんでした。そこで本記事では、令和8年度改定における精神科救急医療体制加算の見直しの内容を解説します。 今回の見直しは、救急受入実績に基づく評価への転換を柱とします。まず、評価体系が事業類型に応じたものから救急受入実績に基づくものへ改められます。次に、加算の区分が3区分から2区分へ再編されます。さらに、120床を超えて届出を行う場合の特例的な規定が廃止されます。 評価体系の見直し:類型から実績へ 評価体系は、事業類型に応じた評価から救急受入実績に基づく評価へ見直されます。この転換により、加算の区分も再編されます。 現行の精神科救急医療体制加算は、3つの区分で構成されていました。区分は、精神科救急医療体制整備事業の類型に応じて分けられていました。点数は、加算1が600点、加算2が590点、加算3が500点です。 見直し後の加算は、2つの区分へ再編されます。点数は、加算1が600点、加算2が500点です。中間区分であった590点の加算2は廃止されます。なお、改定後も「加算2」という名称は残りますが、その点数は現行の加算3を引き継ぐ500点です。この再編により、評価の基準は事業類型から救急受入の実績へと移ります。 施設基準の見直し:実績の水準で区分 施設基準は、救急受入実績の水準によって加算1と加算2を区分するよう改められます。区分の差は、求められる実績の量に表れます。 加算1の施設基準は、精神科救急医療に係る十分な実績を求めます。現行では、相当程度の実績で加算1を算定できました。見直し後は、十分な実績が加算1の要件となります。この引き上げにより、加算1はより高い救急受入実績を担う病棟へ重点化されます。 加算2の施設基準は、精神科救急医療に係る相当程度の実績を求めます。加算2は、病床数や体制の要件を加算1と共有します。一方で、実績の要件は、加算1の「十分な実績」より緩やかな「相当程度の実績」にとどまります。この違いにより、実績の水準に応じた2段階の評価が実現します。 120床超特例の廃止 120床を超えて届出を行う場合の特例的な規定は、廃止されます。この特例は、病床数の上限を例外的に緩めるものでした。 現行の特例は、120床を超える病棟にも加算の算定を認めていました。特例の対象は、2つの条件をともに満たす病棟です。第一に、令和4年3月31日時点で旧医科点数表の精神科救急入院料を算定していることです。第二に、都道府県等から、地域の医療提供体制や医療計画上の必要性等に係る文書が提出されていると確認できることです。対象となる病棟は、この特例により、当時の病床数を上限として加算を算定できました。ただし、特例で算定する場合、点数は所定点数の100分の60(60%)に減額されていました。 見直し後は、この特例が廃止されます。加算を算定する病棟の病床数は、原則どおり120床までとなります。60%に減額して算定する規定も、あわせて削除されます。この廃止により、病床数の要件は全ての病棟で一律となります。 まとめ:実績評価への一本化がポイント 今回の見直しは、精神科救急医療体制加算を救急受入実績に基づく評価へ転換するものです。評価体系は、事業類型に応じたものから救急受入実績に基づくものへ改められ、区分は3区分から2区分へ再編されます。施設基準は、加算1に十分な実績を、加算2に相当程度の実績を求め、実績の水準で2段階に区分されます。加えて、120床を超えて届出を行う場合の特例的な規定が廃止されます。実績評価への一本化が、今回の見直しの核心です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    精神科救急医療体制加算の見直し|令和8年度改定を実績評価の視点で解説
  4. 3d ago

    令和8年度改定|精神病床の透析患者受け入れを後押しする包括範囲の見直し

    維持透析を必要とする精神疾患患者は、精神病床での受け入れを必要とする場面があります。しかし従来の精神科入院料は透析に係る費用を包括的に評価しており、精神病床は透析費用を別途算定できませんでした。この包括評価は、精神病床が透析患者を受け入れにくい要因となっていました。令和8年度診療報酬改定は、この課題を解消し透析患者の受け入れを推進するため、精神科入院料の包括範囲を見直します。 今回の見直しは、6つの精神科入院料の包括範囲から透析に係る評価を除外するものです。対象は、精神科救急急性期医療入院料をはじめとする6種類の入院料です。除外されるのは、人工腎臓、腹膜灌流、およびこれらに係る特定保険医療材料の評価です。この除外により、精神病床は透析費用を出来高で算定できるようになります。 見直しの背景:透析患者を受け入れにくい包括評価 今回の見直しは、維持透析を必要とする精神疾患患者の受け入れを推進する狙いがあります。維持透析の患者が精神疾患を併発すると、透析と精神科医療の両方を受けられる病床が必要になります。この受け皿を担うのが精神病床です。 今回の見直しの対象となる入院料は、いずれも包括払いを基本とします。包括払いとは、個々の診療行為ごとに費用を積み上げるのではなく、あらかじめ定められた1日あたりの入院料にまとめて評価する方式です。この方式では、入院料に含まれる診療行為を実施しても、その費用を別途請求できません。 従来の包括払いは、透析に係る費用も入院料に含めていました。そのため、これらの入院料を算定する精神病床は、透析患者を受け入れても、透析にかかる費用を回収できませんでした。この算定上の制約が、精神病床による透析患者の受け入れをためらわせる要因となっていたのです。 対象となる入院料:精神病床で算定する6種類 見直しの対象は、精神病床で算定する6つの特定入院料です。いずれも包括払いを基本とする入院料であり、今回の見直しで包括範囲がそろって変わります。 対象となる6つの入院料は、次のとおりです。 * 精神科救急急性期医療入院料 * 精神科急性期治療病棟入院料 * 児童・思春期精神科入院医療管理料 * 精神療養病棟入院料 * 認知症治療病棟入院料 * 地域移行機能強化病棟入院料 これら6つの入院料は、急性期から療養、地域移行まで、精神医療のさまざまな段階をカバーします。そのため今回の見直しは、幅広い精神病床で透析患者を受け入れやすくする効果を持ちます。 除外される項目:透析に係る3つの評価 6つの入院料の包括範囲からは、透析に係る3つの評価が除外されます。いずれも人工腎臓または腹膜灌流に直接関わる項目です。 除外される3つの評価は、次のとおりです。 * 人工腎臓(区分番号J038) * 腹膜灌流(区分番号J042) * 特定保険医療材料(区分番号J400のうち、人工腎臓または腹膜灌流に係るもの) これら3つの評価は、改定前は入院料に含まれ、別途算定できませんでした。改定後は包括範囲から外れ、入院料とは別に算定できるようになります。なお、透析以外の診療行為の取り扱いは、改定前と変わりません。 現場への影響:透析費用を出来高で算定可能に 除外により、精神病床は透析費用を出来高で算定できるようになります。出来高とは、実施した診療行為ごとに費用を積み上げて算定する方式です。透析を実施した分だけ費用を請求できるため、受け入れに伴う負担が軽くなります。 透析費用を算定できることは、精神病床が透析患者を受け入れる動機になります。維持透析を必要とする精神疾患患者にとって、これは受け入れ先の広がりを意味します。透析と精神科医療の両方を必要とする患者が、適切な病床にたどり着きやすくなるのです。 まとめ:包括範囲の見直しで透析患者の受け入れを推進 令和8年度診療報酬改定は、維持透析を必要とする精神疾患患者の受け入れを推進するため、精神科入院料の包括範囲を見直します。対象は、精神科救急急性期医療入院料など6つの入院料です。これら6つの入院料の包括範囲から、人工腎臓、腹膜灌流、およびこれらに係る特定保険医療材料の評価を除外します。除外により、精神病床は透析費用を出来高で算定できるようになり、透析患者を受け入れやすくなります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    令和8年度改定|精神病床の透析患者受け入れを後押しする包括範囲の見直し
  5. 4d ago

    精神科慢性身体合併症管理加算とは?令和8年度改定で新設された700点の全貌

    精神科慢性身体合併症管理加算は、令和8年度診療報酬改定で新たに設けられた加算です。精神病床に入院する患者は、高齢化が進んでいます。高齢化に伴い、糖尿病などの身体合併症を慢性的に抱える患者が増えています。こうした患者には、精神科以外の医師による継続的な診療体制が欠かせません。しかし、この継続的な身体管理には、これまで独立した評価がありませんでした。本メルマガは、この課題に対応するため新設された加算の内容を、対象患者から施設基準まで解説します。 精神科慢性身体合併症管理加算は、精神科以外の医師が身体合併症を管理した場合を評価する、月1回700点の加算です。対象となる患者は、糖尿病の患者や特定疾患療養管理料の対象疾患を有する患者に限られます。算定するには施設基準の届出が必要で、算定した日には既存の精神科身体合併症管理加算を併算定できません。施設基準では、精神科を標榜する病院であることと、病棟への内科医の配置が求められます。 新設の背景|高齢化する精神病床と身体合併症への対応 精神科慢性身体合併症管理加算は、精神病床の高齢化という背景から新設されました。この加算は、慢性的な身体管理を要する患者への診療体制を確保し、適切な対応を推進する狙いを持ちます。 精神病床に入院する患者は、高齢化が進んでいます。高齢化した患者は、糖尿病をはじめとする身体合併症を慢性的に抱えるケースが増えています。こうした身体合併症は、精神疾患とは異なる専門的な管理を必要とします。そのため、精神科以外の医師による継続的な診療が求められます。 継続的な身体管理は、これまで十分に評価されてきませんでした。従来の評価は、急性期の身体合併症への対応が中心でした。一方で、慢性的に管理が必要な身体合併症への継続的な対応には、独立した評価がありませんでした。この空白を埋めるため、本改定は継続的な管理を行った場合を新たに評価します。 加算の概要と対象患者|700点で評価する診療と対象疾患 精神科慢性身体合併症管理加算は、精神科以外の医師による診察を月1回700点で評価します。対象となる患者は、糖尿病や特定疾患療養管理料の対象疾患を有する患者に限られます。 この加算は、精神科以外の医師が診察を行った場合に算定します。精神病床に入院し、慢性的に身体合併症への対応を要する患者が対象です。その患者に対して、内科医などの精神科以外の医師が身体合併症の診察を行うと、月1回700点を所定点数に加算できます。 対象となる患者は、次の疾患を有する患者に限定されています。 * 糖尿病の患者 * 特定疾患療養管理料の対象疾患(胃炎及び十二指腸炎を除く。)の患者 特定疾患療養管理料の対象疾患には、胃炎及び十二指腸炎が含まれません。この2つの疾患は、本加算の対象から除外されています。対象疾患を確認する際は、この除外規定に注意が必要です。 算定要件|届出・回数・併算定できないケース 精神科慢性身体合併症管理加算の算定には、施設基準の届出が前提となります。算定は月1回に限られ、他の加算や医師の診察内容によっては算定できないケースがあります。 算定する保険医療機関は、施設基準の届出を済ませている必要があります。届出先は、地方厚生局長等です。届出た医療機関が、厚生労働大臣の定める疾患を有する精神障害者に必要な治療を行った場合に、この加算を算定できます。 算定の対象となる患者には、入院料の条件があります。対象は、精神科慢性身体合併症管理加算を算定できる入院基本料または特定入院料を、現に算定している患者に限られます。この条件を満たす患者について、1月に1回だけ所定点数に加算します。 この加算を算定した日には、精神科身体合併症管理加算(A230-3)を併算定できません。両者は同じ日に重ねて算定することができません。したがって、既存の精神科身体合併症管理加算との使い分けが必要になります。 精神療法を行った医師が、そのまま身体合併症の診察もした場合は、この加算を算定できません。入院精神療法(I001)や通院・在宅精神療法(I002)を行った医師本人が診察したケースが該当します。この場合、身体合併症の診察であっても加算を算定できません。一方で、精神療法を行った医師とは別の医師が身体合併症を診察した場合は、算定の対象となります。 施設基準|精神科標榜と内科医の配置 精神科慢性身体合併症管理加算の施設基準は、精神科の標榜と内科医の配置を柱とします。この基準は、精神疾患と身体合併症の両面に対応できる体制を求めるものです。 施設基準として、次の3つの要件が定められています。 * 精神科を標榜する保険医療機関である病院であること * 当該病棟に内科の医師が配置されていること * 精神障害者であって身体合併症を有する患者の治療を行うにつき十分な体制を有していること これらの要件は、身体合併症への継続的な対応を担保する狙いを持ちます。精神科の標榜は、精神疾患への対応を前提として求められます。内科医の配置は、身体合併症への専門的な診療を確保するために必要です。十分な体制の確保は、精神と身体の両面を継続的に管理するために欠かせません。 まとめ|身体と精神の両面を支える新たな評価 精神科慢性身体合併症管理加算は、精神病床の高齢化に対応するため新設された、月1回700点の加算です。対象となる患者は、糖尿病や特定疾患療養管理料の対象疾患を有する患者に限られます。算定するには施設基準の届出が必要で、算定した日には精神科身体合併症管理加算を併算定できません。施設基準では、精神科を標榜する病院であることと、病棟への内科医の配置が求められます。この加算は、精神疾患を抱える患者の身体合併症を継続的に管理する体制を、診療報酬の面から支えるものです。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    精神科慢性身体合併症管理加算とは?令和8年度改定で新設された700点の全貌
  6. 5d ago

    精神科リエゾンチーム加算が300点から最大1,000点へ|令和8年度改定の全容

    令和8年度診療報酬改定は、精神科リエゾンチーム加算の要件と評価を見直します。精神科リエゾンチーム加算は、一般病棟に入院する患者の精神症状を早期に把握し、精神科専門医療につなぐチーム診療を評価する加算です。この加算は、現行では対象患者の状態を問わず週1回300点の一律評価にとどまっており、多様な精神疾患に対応するチームの専門性を反映できていませんでした。本記事は、令和8年度改定で加算がどう変わるのかを、背景・改定内容・実務対応の順に整理します。 改定の要点は、認知症・せん妄以外の患者への診療を手厚く評価する点にあります。第1に、加算が「1 認知症又はせん妄の場合 300点」と「2 それ以外の場合 700点」の2区分に分かれます。第2に、区分2の患者に週2回以上診療した場合の「複数回診療加算」300点が新設されます。この2点により、区分2の患者では週あたり最大1,000点の算定が可能となります。なお、算定頻度は改定前後を通じて週1回が上限です。 1. 見直しの背景:専門性が評価に反映されていなかった 見直しの背景には、精神科リエゾンチームの専門性と現行評価とのギャップがあります。中央社会保険医療協議会(中医協)は、「様々な精神疾患に対応できる精神科リエゾンチームの専門性を評価する観点から、精神科リエゾンチーム加算の要件及び評価を見直す」との方向性を示しました。この方向性は、令和6年度入院・外来医療等における実態調査の結果に基づいています。 実態調査は、精神科リエゾンチームが多様な精神疾患に介入している実態を明らかにしました。介入した患者像は、せん妄を有する患者が97.7%、抑うつを有する患者が90.1%、その他の精神疾患を有する患者が88.5%、認知症患者が83.2%、自殺企図で入院した患者が77.9%でした。つまり、チームの介入対象は認知症やせん妄にとどまらず、抑うつ、自殺企図、その他の精神疾患まで広がっています。 対象の広がりに対し、認知症とせん妄への対応は他の加算でも担われています。実態調査によれば、認知症ケア加算やせん妄ハイリスクケア加算を届け出る医療機関の多くも、認知症やせん妄には対応できると回答しました。これに対し、統合失調症や気分障害などの多様な精神疾患に対応できると回答した医療機関は、精神科リエゾンチーム加算の届出施設に偏っていました。この差が、認知症・せん妄以外の患者への評価を引き上げる根拠となります。 2. 改定内容①:加算が300点と700点の2区分に分かれる 改定の第1の柱は、加算の2区分化です。現行の「精神科リエゾンチーム加算(週1回)300点」は、令和8年度改定後、次の2区分に再編されます。 * 区分1:認知症又はせん妄の場合 …… 300点 * 区分2:それ以外の場合 …… 700点 区分1は、認知症またはせん妄の患者を対象とし、現行と同じ300点を維持します。区分2は、それ以外の患者を対象とし、700点へと大幅に引き上げられます。ここでいう「それ以外」とは、抑うつを有する患者、精神疾患を有する患者、自殺企図により入院した患者のうち、認知症とせん妄に該当しない患者です。 区分1と区分2の具体的な線引きは、今後の通知等で示される見込みです。改定案の算定要件は、区分の判定基準までは定めていません。認知症と抑うつを併存する患者などの取扱いは、告示・通知の内容を確認してください。 算定対象となる患者の範囲そのものは、改定後も変わりません。届出を行った保険医療機関において、精神科の医師、看護師、精神保健福祉士等が共同して精神症状の評価等の必要な診療を行った場合に算定します。対象患者は、抑うつ若しくはせん妄を有する患者、精神疾患を有する患者、自殺企図により入院した患者です。認知症ケア加算1を別に算定できない点も、現行から変更ありません。 算定頻度も、実質的には変わりません。現行は点数名に「(週1回)」と付されており、改定案では算定要件の注1に「週1回に限り」と規定されます。つまり、週1回が上限である点は改定前後で同じであり、規定場所が整理されただけです。 3. 改定内容②:複数回診療加算300点が新設される 改定の第2の柱は、複数回診療加算の新設です。区分2(認知症・せん妄以外)の患者に対し、週2回以上精神科リエゾンチームによる診療を行った場合、複数回診療加算として週1回に限り300点を加算できます。この加算により、区分2の患者では週あたり最大1,000点(700点+300点)の算定が可能となります。 複数回診療加算には、2つの制限があります。第1に、対象は区分2の患者に限られ、区分1(認知症・せん妄)の患者は対象外です。第2に、週2回以上診療しても、加算できるのは週1回・300点までです。 4. 実務対応:区分の判定と記録の整備がカギになる 実務では、区分の判定と記録の整備が算定の前提となります。区分1と区分2で点数が400点も開くため、患者ごとの区分判定が算定額を左右します。 区分判定では、認知症とせん妄の有無を診療録上で明確にする必要があります。抑うつと認知症を併存する患者、術後せん妄から精神症状が遷延した患者など、区分の境界に位置する症例は少なくありません。こうした症例では、チームがどの病態を主たる対象として介入したのかを、精神症状の評価結果とともに記録しておきましょう。 診療回数の管理も、複数回診療加算の算定に欠かせません。複数回診療加算は、週2回以上の診療を要件とします。したがって、各回の診療日、参加職種、評価内容をチーム記録に残す運用が求められます。なお、現行の留意事項は、1週間当たりの算定患者数を1チームにつき概ね30人以内としています。この取扱いが改定後どうなるかは個別改定項目に示されていないため、通知等での確認が必要です。 まとめ:認知症・せん妄以外への介入が評価の中心へ 令和8年度改定は、精神科リエゾンチーム加算を専門性に応じた評価へと組み替えます。加算は「認知症又はせん妄の場合 300点」と「それ以外の場合 700点」の2区分となり、後者には週2回以上の診療を評価する複数回診療加算300点が新設されます。最大1,000点となるのは区分2の患者に限られ、算定が週1回を上限とする点は改定前後で変わりません。届出医療機関は、区分判定の根拠と診療回数を記録に残す運用を、施行前に整えておきましょう。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    精神科リエゾンチーム加算が300点から最大1,000点へ|令和8年度改定の全容
  7. 6d ago

    【令和8年度改定】精神科地域密着多機能体制加算を新設|最大800点の算定要件を解説

    精神病床に入院する患者数は、減少を続けています。この減少が続くと、小規模な精神科病院や病床削減に取り組む精神科病院は運営が難しくなり、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」(以下「にも包括」)を支える医療機関が地域から失われます。そこで令和8年度診療報酬改定は、小規模医療機関または病床削減に取り組む医療機関を支える新たな評価を設けました。本記事は、この新たな評価である「精神科地域密着多機能体制加算」の内容を、算定要件、施設基準、関連する見直しの順に解説します。 精神科地域密着多機能体制加算は、質の高い入院医療と地域定着支援を一体的に提供する病院を、病床規模と実績に応じて3区分で評価する加算です。第1に、点数は1日につき加算1が800点、加算2が250点、加算3が50点であり、精神病棟入院基本料(10対1、13対1、15対1)または精神科急性期治療病棟入院料を算定する患者が対象となります。第2に、施設基準は全区分共通の「通則」と、区分ごとの個別基準の二層で構成され、個別基準は精神病床の規模と病床削減の進み具合で区分が分かれます。第3に、令和6年度改定で新設された精神科地域包括ケア病棟入院料は、経過措置を設けたうえで廃止されます。 1. 加算の点数と算定要件 精神科地域密着多機能体制加算は、3つの区分に分かれた1日単位の加算です。区分ごとの点数は、加算1が800点、加算2が250点、加算3が50点です。この3区分は、後述する精神病床の規模と病床削減の進み具合によって分かれます。 対象患者は、精神病棟入院料(10対1入院基本料、13対1入院基本料または15対1入院基本料を算定するものに限る)または精神科急性期治療病棟入院料を算定する入院患者です。したがって、18対1や20対1、特別入院基本料を算定する患者は、対象から外れます。 算定要件は、精神科を標榜し、施設基準の届出を行った保険医療機関であることです。この保険医療機関に入院する患者について、届け出た区分に従い、所定点数に加算します。加算の対象となる入院料を現に算定していることが、算定の前提となります。 2. 施設基準の構造と区分ごとの要件 施設基準は、全区分に共通する「通則」と、区分ごとの個別基準の二層で構成されます。この二層構造を理解すれば、自院がどの区分を狙えるかを短時間で判断できます。 通則は、病院全体の規模と体制を問う6項目です。第1に、にも包括の構築に貢献するにつき十分な体制を整備していることが求められます。第2に、許可病床数が350床以下であることが求められます。第3に、許可病床数に占める精神病床の割合が6割5分以上であることが求められます。第4に、常勤の精神保健指定医を2名以上配置していることが求められます。第5に、地域の精神科救急医療体制の確保に協力する体制と実績を有していることが求められます。第6に、退院支援に関する部門を設置していることが求められます。 通則を満たしたうえで、加算1は「精神病床100床以下」の最も小規模な病院を評価します。この区分は、精神病床の平均在院日数が150日以内であること、精神療養病棟入院料または認知症治療病棟入院料を算定する病床の割合が3割以下であること、地域生活に向けた重点的な支援の体制と実績を有すること、入院患者の退院が着実に進んでいることを求めます。多職種配置については、常勤の精神保健福祉士2名以上、常勤の作業療法士1名以上、常勤の公認心理師1名以上を、それぞれ求めます。 加算1と同じ多職種配置を求めつつ、加算2は「精神病床101~150床」または「病床削減を進める151~250床」の病院を評価します。この区分は、精神病床の平均在院日数が150日以内であること、精神療養病棟入院料または認知症治療病棟入院料を算定する病床の割合が3割以下であること、地域生活に向けた重点的な支援の体制と実績を有すること、入院患者の退院が着実に進んでいることを求めます。つまり、平均在院日数と多職種配置を含め、加算1と共通の要件が並びます。加算1と異なるのは、対象となる精神病床の規模と、病床削減の指標です。151床以上250床以下の病院は、届出前月末の精神病床の許可病床数を3年前の年度の1日当たり入院料算定患者数で割った値が0.95以下であること、届出から1年が経過するごとに同様の値が0.95以下であることを求められます。 加算2よりも要件を緩め、加算3は「精神病床250床以下」で病床削減に着手した病院を評価します。この区分は、平均在院日数を250日以内とし、地域生活に向けた重点的な支援についても「適切な」体制と実績で足ります(加算1・2は「十分な」体制と実績)。病床割合の要件も、加算1・2が精神療養病棟入院料と認知症治療病棟入院料の合計で3割以下を求めるのに対し、加算3は精神療養病棟入院料を算定する病床のみが3割以下であれば足ります。多職種配置も、常勤の精神保健福祉士、作業療法士、公認心理師の合計2名以上で足ります。 一方で加算3は、病床削減について3つの条件を重ねて求めます。第1に、届出前月末の精神病床の許可病床数を3年前の年度の1日当たり入院料算定患者数で割った値が0.97以下であることを求めます。第2に、届出時の精神病床の許可病床数を上回らないことを求めます。第3に、届出から1年が経過するごとに、当該月末の精神病床の許可病床数を3年前の精神病床の許可病床数で割った値が0.95以下であることを求めます。この第3の指標は、加算2が入院料算定患者数を分母とするのに対し、許可病床数を分母とする点で異なります。 3. 精神科地域包括ケア病棟入院料の廃止と経過措置 新たな加算の新設とあわせて、精神科地域包括ケア病棟入院料(1日につき1,535点)は廃止されます。この入院料は令和6年度改定で新設されたものです。中医協の資料「個別事項について(その2)精神医療①」は、届出病棟に限らず院内全体で満たす必要のある施設基準が設定されていること、令和7年10月時点の届出医療機関数が31施設にとどまることを、課題として挙げていました。 廃止に伴い、経過措置が2つ設けられます。算定要件については、令和8年3月31日時点で届出を行っていた病棟が令和8年6月1日までに精神科急性期治療病棟入院料2の届出を行った場合、精神科地域包括ケア病棟入院料の算定期間と通算して180日を限度に、同入院料2のハを算定できます。施設基準については、同じく令和8年3月31日時点の届出病棟に限り、令和8年9月30日までの間、基本診療料の施設基準等の第九の十五の(1)ならびに(3)のイおよびニからヘまでを満たせばよいこととされます。 まとめ:小規模・病床削減の病院を3区分で支える 精神科地域密着多機能体制加算は、にも包括を支える病院を将来にわたって確保するための新たな評価です。点数は1日につき800点、250点、50点の3区分であり、精神病棟入院料(10対1、13対1、15対1)または精神科急性期治療病棟入院料の算定患者が対象となります。施設基準は、350床以下・精神病床6割5分以上などの通則と、病床規模および病床削減の進み具合に応じた個別基準の二層で構成されます。あわせて、精神科地域包括ケア病棟入院料は、経過措置を設けたうえで廃止されます。自院の精神病床数と平均在院日数、多職種の配置状況を確認し、狙える区分を早期に見極めてください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    【令和8年度改定】精神科地域密着多機能体制加算を新設|最大800点の算定要件を解説
  8. Jul 16

    【令和8年度改定】精神病棟看護・多職種協働加算を新設|13対1で357点

    厚生労働省は、令和8年度診療報酬改定で「精神病棟看護・多職種協働加算」を新設します。精神病棟入院基本料等の急性期の入院料は、これまで看護職員の配置だけを評価し、精神保健福祉士、作業療法士、公認心理師(以下、3職種)の病棟配置を評価していませんでした。この記事では、新設される精神病棟看護・多職種協働加算の趣旨、対象入院料と点数、施設基準を解説します。 精神病棟看護・多職種協働加算は、看護職員と3職種を併せて配置した精神病棟を1日につき最大357点で評価します。第1に、新設の趣旨は、多職種の配置による質の高い精神医療の提供の推進です。第2に、対象は、精神病棟入院基本料と特定機能病院入院基本料(精神病棟)の13対1・15対1、および精神科急性期治療病棟入院料2の3つです。第3に、施設基準は、看護職員と3職種を合算した人員配置、3職種1名以上の配置、平均在院日数の3つを要件とします。なお、点数は対象入院料ごとに異なります。 1. 新設の趣旨:多職種配置による質の高い精神医療の推進 精神病棟看護・多職種協働加算は、多職種の配置による質の高い精神医療の提供を推進する観点から新設されます。改定資料の「第1 基本的な考え方」は、急性期等の入院料における3職種の病棟配置について新たな評価を行うと明記しています。つまり、この加算は、看護職員以外の職種を病棟に置く体制そのものを評価する点数です。 多職種の配置は、入院医療から地域生活への移行を進めるうえで、繰り返しその必要性を指摘されてきました。良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針(平成26年厚生労働省告示第65号)は、医師、看護職員、精神保健福祉士、作業療法士等の多職種チームによる質の高い医療の提供を求めています。精神疾患の回復期には、精神保健福祉士による環境調整、作業療法士によるリハビリテーション、公認心理師による心理的ケアの必要性が高まるからです。 多職種の配置は、実際の調査でも効果を示しています。中央社会保険医療協議会(中医協)に提出された調査によると、精神病棟入院基本料を届け出る病棟のうち、3職種を各1名以上配置した病棟の平均在院日数は353.9日でした。3職種の配置がない病棟を含む全体の平均在院日数429.2日と比べると、約75日短い水準です。在宅復帰率も、全体の63.8%に対し、3職種を各1名以上配置した病棟では70.2%と高い傾向を示しました。 2. 対象入院料と加算点数:13対1で357点、15対1で196点 精神病棟看護・多職種協働加算の対象は、3つの入院料です。第1に、精神病棟入院基本料の13対1入院基本料と15対1入院基本料が対象になります。第2に、特定機能病院入院基本料のうち精神病棟の13対1入院基本料と15対1入院基本料が対象になります。第3に、精神科急性期治療病棟入院料2が対象になります。いずれも、地方厚生局長等への届出を行った病棟の入院患者について、1日につき所定点数に加算します。 精神病棟入院基本料では、13対1で357点、15対1で196点を算定します。点数は、急性期病院A、急性期病院B、精神病棟入院料の3区分に分かれますが、いずれも13対1が357点、15対1が196点で共通です。 特定機能病院入院基本料では、13対1で355〜357点、15対1で90〜92点を算定します。点数は、特定機能病院A・B・Cの3区分に分かれます。13対1は、Aが356点、Bが357点、Cが355点です。15対1は、Aが91点、Bが92点、Cが90点です。精神病棟入院基本料の15対1(196点)と比べると、特定機能病院の15対1は半分以下の水準にとどまります。 精神科急性期治療病棟入院料2では、入院期間に応じた3段階の点数を算定します。30日以内の期間は123点です。31日以上60日以内の期間は107点です。61日以上90日以内の期間は58点です。入院が長引くほど点数が下がる逓減制であり、早期退院を促す設計といえます。 3. 施設基準:合算配置・3職種1名以上・平均在院日数 精神病棟看護・多職種協働加算の施設基準は、3つの要件で構成されます。第1の要件は、看護職員と3職種を合算した人員配置です。第2の要件は、3職種のうちいずれかを1名以上配置することです。第3の要件は、平均在院日数の上限です。3つの要件の水準は、13対1と15対1で異なります。 13対1入院基本料の場合、合算した人員配置は10対1以上が必要です。具体的には、1日に看護を行う看護職員、作業療法士、精神保健福祉士および公認心理師の数が、常時、入院患者数10またはその端数を増すごとに1以上でなければなりません。この規定にかかわらず、作業療法士、精神保健福祉士または公認心理師の数は1以上とします。平均在院日数は60日以内が上限です。 15対1入院基本料の場合、合算した人員配置は13対1以上が必要です。具体的には、看護職員と3職種の数が、常時、入院患者数13またはその端数を増すごとに1以上でなければなりません。この規定にかかわらず、3職種のうちいずれかの数は1以上とします。平均在院日数は100日以内が上限です。 特定機能病院入院基本料の場合、精神病棟入院基本料と同じ施設基準を適用します。13対1は精神病棟入院基本料の13対1の基準を、15対1は同じく15対1の基準を、それぞれ満たす必要があります。 精神科急性期治療病棟入院料2の場合、15対1の基準のうち人員配置の2要件のみを適用します。適用されるのは、合算13対1以上の配置と、3職種のうちいずれかを1名以上配置する要件です。平均在院日数の要件は適用しません。 4. まとめ:看護職員以外の病棟配置が点数になる 精神病棟看護・多職種協働加算は、看護職員と3職種を併せて配置した精神病棟を1日につき最大357点で評価します。新設の趣旨は、多職種の配置による質の高い精神医療の提供の推進です。対象は、精神病棟入院基本料と特定機能病院入院基本料(精神病棟)の13対1・15対1、および精神科急性期治療病棟入院料2です。施設基準は、看護職員と3職種を合算した人員配置、3職種1名以上の配置、平均在院日数の3つを要件とします。すでに3職種を病棟配置している医療機関は、届出の可否を早期に確認することをお勧めします。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    【令和8年度改定】精神病棟看護・多職種協働加算を新設|13対1で357点

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