ヒダテン!ボイスドラマ

飛騨高山を舞台にした珠玉のボイスドラマをお届けします。コミュニティFM Hit's FM(Hida Takayama Tele FM) で放送中の人気ラジオ番組! ヒダテン!のCV声優10名 が入れ替わりパーソナリティを務める「Hit’s Me Up!(ヒッツ・ミー・アップ!)」の中で放送されているボイスドラマです!ボイスドラマを通じて飛騨高山の魅力に触れてみてください! <番組の特徴> ・ 飛騨高山を舞台にしたボイスドラマを多数制作! これまでに100本以上の作品を発表し、地元の魅力を物語として発信 ・ 放送情報   放送局1: Hit's FM(Hida Takayama Tele FM)   放送時間:毎週金曜10:30-11:00/毎週土曜13:30-14:00   放送局2: FMらら(FMラインウェーブ株式会社)   放送時間:毎週金曜13:00-13:30   配信:Spotify、apple(iTune)ミュージック、amazonミュージック、YouTubeミュージック、CastboxなどのPodcastで番組とリンクして配信中! 飛騨高山の美しい風景とアニメ文化をつなぐ、唯一無二のラジオ番組! 「Hit’s Me Up!」を聴けば、新たなエンタメの扉が開きます!

  1. 2d ago

    ボイスドラマ「J〜真夏の夜の夢」

    もし、歴史を動かした科学者が、戦時中の飛騨・久々野村で一人の少女と出会っていたら──。 言葉を超えて心が通い合う、戦争と平和を描いたヒダテン!渾身のボイスドラマ 【ペルソナ】 ・J(41歳/CV:日比野正裕)=ジュリアス・ロバート・オッペンハイマー。マンハッタン計画の長。トリニティ実験の爆発による風圧で次元をスリップ。久々野村へ ・とめ(3歳/CV:坂田月菜)=高山市久々野で生まれ、久々野で育った少女。母親はとめを産んですぐに亡くなり、父親は1年前に出征して戦死。炭小屋にひとりで暮らす。畑の中に倒れているJを見つけて自分の住む炭小屋へ連れていき匿う。トメ、とはこれ以上女子が生まれないようにという意味でつけられた名前 ・村人(39歳/CV:山﨑るい)=結というつながりの中でとめを見守る村人 【プロローグ:トリニティ実験】 ◾️SE:激しい雷雨の音 『我は死神なり、世界の破壊者なり』 ◾️SE:小鳥のさえずり(平和なイメージ) ◾️激しく咳き込みながらもたばこを吸うJ 「(ゴホゴホ) タ、タバコをくれ!」 <Shu「Didn't you just have one?」(今吸い終えたばかりだろ)> 「いま吸い終えたばかり? そんなこと、君には関係ないだろう」 <Shu「I'm worried about you. 」(心配してるんだ)> 「なあ、シュウ。 我々がこれからしようとしているのは、本当に正しいことなんだろうか?」 <Shu「Japan is allied with Hitler, you know.」(日本はナチスの同盟国だぞ)> 「ああ。 確かにニッポンはナチスドイツの同盟国」 <Shu「We are going to end the war, aren't we?」(戦争を終わらるんだろ)> 「だが、いくら残虐行為を繰り返しているとはいえ、 我々の開発したこの兵器は・・・」 ◾️SE:カウントダウンの声「Thirty seconds and counting.」 私の言葉を遮るように、”ガジェット”のカウントダウンが始まった。 ”ガジェット”、というのは、爆縮型のプルトニウム原子爆弾。 まもなくニッポンへ投下される大量破壊兵器と同じ形の爆弾である。 私の名前は、ジュリアス。 友人で同僚のシュウイチからは『J』と呼ばれている。理論物理学者で、『トリニティ計画』の最高責任者。 プロジェクトは、アインシュタインが大統領に送った手紙から始まった。 ナチスより先に核の開発を。 アジアで傍若無人な行為を繰り返すニッポンも止めなければ。 開発に関わる者の中に、その信念を疑うものなどいなかった。 だが、戦争が長期化すると、ナチスの勢力が弱まってくる。 そして・・・ ◾️SE:カウントダウン「Ten、Nine、Eight・・・」 1945年5月。ナチスドイツが降伏。ニッポンは空襲ですでに壊滅状態。 それでも私は、軍事的使用以外の選択肢はない、と主張した。 ◾️SE:カウントダウン「Three、Two、One、Now!」〜爆発音・衝撃波 ガジェットが炸裂した瞬間。 我々は『数千もの太陽が同時に昇るような光』に包まれた。サングラスをしていても、 とても目を開けていられない。 空気が焼けるように・・・熱い! 30秒後に襲ってきたのは、すべてをなぎ倒す超音速の衝撃波。 まるで空間そのものを歪めてしまうような・・・ いや、違う。 実際に空間は歪んでいたのだ。 遠のいていく意識。 私の目の前は真っ白になっていった・・・ 【シーン1:大野郡久々野村】 ◾️SE:ヒグラシの声と小鳥のさえずり(平和なイメージ) う・・う〜ん・・・ ハッ! ここは・・・どこだ? 砂漠ではない・・・ いったい・・どこまで吹き飛ばされたんだ。 森・・・・・? トリニティサイトの近くにこんな森があったか? ロスアラモスの麓(ふもと)か? 私が横たわっているこの巨木は・・・なんだ? エドゥリス松でもジュニパーでもない。 赤みを帯びて、幾重にも剥がれ落ちるような皮・・ 触れれば驚くほど柔らかく・・そして温かい。 顔を上げれば・・・なんだ、この真っ赤な果実は? 小さなカップのような形。 緑の葉の中で、血のように滴る赤色。 なんと不吉な・・・ やはり・・・・・なにかおかしい。 あの、世界を焼き尽くすような熱線はどこへ行った? 肌を焦がす熱さは? いや、それだけじゃない。 トリニティサイトの音が、なにもしない。カウントダウンを告げたスピーカーの雑音も、科学者たちの歓声も、大地を揺るがす地鳴りさえ・・・ 一体どこへ行ってしまったんだ? まるで何事もなかったかのように、 すべてが嘘のように消え去っている。 残されたのは、ただ、湿った土の匂いと、冷ややかな風。  ここはどこだ? 私はもう、この世にいないのか・・・? 最悪の状態を想像して天を仰いだとき・・・ 私の口に何かがふれた。 え? とっさに身構える。 すると・・・ 私の口に触れたのは・・・ 大きな葉っぱ・・・? 水がたまっている・・・ 葉っぱの向こうには、茎を持った小さな・・・少女? 3歳くらい・・・? 薄汚れた森の精のような・・・ 泥と炭で汚れた、表情のない顔。 少女が自分の手のひらより大きな葉っぱを近づけてくる。 顔よりも大きな葉になみなみとたまった水。 呆然と見つめる私に、少女はもう一度水を差し出す。 小さな顎を突き出して、飲め・・と言っているのか。 「これを・・?」 まるで私の声が聞こえていないかのように、また顎を突き出した。 私は無意識に息を大きく吸い込む。 穢れのない、無垢な空気。 と同時に気づく。 喉が、焼けるように渇いている。 私は少女の手から奪うように水をとり、喉に流し込んだ。 冷気が身体中に染み渡る。 生き返るような心地だった。 無我夢中で水を飲み干したあと、私は少女に向かって話しかける。 「ありがとう。 ここは・・・どこなんだい?」 少女は不思議そうに小首を傾げる。 私の動く「唇」をじっと見つめながら。 英語が・・通じないのか。 と、そのとき・・・ 『とめ!』 木の裏側、反対方向から”声”がした。 私が後ろを振り返ると、それを見た少女は体を傾けて、視線をそちらへ。 そのまま木の裏側へ走っていった。 頭の後ろで、聞きなれない”声”が響く。 気づかれないように、そっと覗き込むと・・・ (※耳が聞こえないとめの目の前で目を見ながら話しかけるので大きい声になる) 『ああ、そこにおったんか。 あかんやないか。小屋からあんまり遠くへ行ったら』 『ほれ、配給のいも。おまえの分や。 うちらの組であずかっとったで。持ってけ』 『ええか。 お前は一人やし、まだちんまいけど、それでもここ久々野の村人や。 今はな、みんなで助け合わんと。 それにな、大きい声じゃ言えんけど・・・ 子どもがこんなとこでフラフラしとると、 しょっぴかれるぞ。憲兵に』 『と言っても、わからんか。そらそうや。 しかたないわなあ。はっはっは』 あれは・・・なんと言っているんだ? ここはアメリカじゃないのか・・・? それにあの格好・・・ 砂漠の先住民のような粗末な衣服。 よく見ればあの少女も、ボロ布一枚まとってるだけではないか。 やがて、少女は手になにかを抱えて戻ってきた。 それを私に差し出し・・・ また顎を突き出した。 これは、ヤムイモか・・ 私は立ち上がって片手で受け取る。 少女は私の手をとって歩き出した。 森の奥から聞いたこともない、どこか物悲しい生き物の声が響きわたっていた。 ◾️SE:ヒグラシの声 【シーン2:炭焼き小屋】 ◾️SE:夜の虫の声 少女が私を連れていったのは、森の奥深く。 そこには今にもつぶれそうな、粗末な小屋。 かつては炭焼き小屋だったのだろう。 土間のあちこちには、黒い粉がマダラ模様となってしみこんでいた。 少女は小さな手をつかって竃に火を起こす。 先ほど村人から分けてもらったイモを釜で炊きはじめる。 本当にここにひとりで住んでいるのか。 信じられない。こんなに小さい子が・・・ 私は小屋の真ん中に束ねてあった藁にもたれて腰を下ろす。 ここに飛ばされてから、体のだるさがおさまらない。 少女は私の元にやってきて、土間にしゃがみこんだ。 ん? なにか言いたいのか? 黙って木の枝をとり、土間になにか描き始めた。 なんだろう。 右から左へ、2つの・・・文字? 名前? そうか・・・この子の名前。 さっき、村人はたしか・・・ト、メ・・と呼んでいた。 だが、そこに書かれてあったのは、 くずれてはいるが・・・アルファベットの「K」?と「S」? K.S・・・ クサカ、シュウイチ、私の同僚、シュウのイニシャルと同

    ボイスドラマ「J〜真夏の夜の夢」
  2. Jul 24

    ボイスドラマ「根古石」

    悪夢に苦しむ少女。失われた故郷。そして、姿を消した一匹の猫。 恐ろしくも切ない物語を、ぜひ最後までお楽しみください・・・ 【ペルソナ】※舞台は昭和35年春/荘川村中野から高山市(現在の市街地)へ ・さくら(15歳/岩波あこ)=祖父母と暮らす荘川村中野から高山市の親戚の家へ ・こうめ(15歳/坂田月菜)=高山市内にある旅館の娘。実は密かに金森の血統を守ってきた旧家 ・祖母(71歳/山﨑るい)=荘川村中野から親族の住む新淵へ ・七儺(岩波あこ)=さくらの夢に現れて苦しめる 【プロローグ:出会い】 ◾️SE:村の中の環境音 「さくら・・ 高山へ行っても元気でな。 しっかり勉強してこいよ」 祖母が目を潤ませて私を見送る。 祖父は何も言わず、寂しそうな顔をこちらに向けていた。 昭和35年。 1960年の春。 荘川村中野。 御母衣ダムの建設とともに、住人たちは引っ越しを始めた。 ある者は郡上八幡へ あるものは名古屋へ またあるものは東京へ・・ 荘川や白川村へ残る者はごくわずかだった。 私はさくら。 ここ荘川村中野で、祖父母との3人暮らし。 祖父母は高齢を理由に遠くへは行かず、荘川村に残る決断をした。 今後は新淵にある親戚の家で世話になる。 本来なら私も一緒に新淵へ行くはずだった。 だが今年はちょうど、中学卒業。高校進学の年。 高山にある名門の進学校・神山高校へ行く。 入学試験はこの春。3月。 受験したときは、まさか受かるなんて思ってもみなかった。 何も考えずに受験したので、合格してからは大変。 祖父母は私のために、親戚中へ掛け合った。 結局決まったのは、高山の叔父の家。 県事務所近くの古民家に居候。 通学は自転車。 雪が降ったら大変そう。 そして、今日が入学式。 祖父母が見送る中野のバス停。 祖父は必死で泣くのを我慢してる。 潤んだ瞳を見ていると 嬉しさよりも寂しさが募る。 私にも、心配事がひとつ。 新しい生活のことじゃない。 実は引っ越しが決まってから、サクラの姿が見えなくなっちゃったんだ。 サクラ、っていうのは、うちで飼っている三毛猫。 私と同じ名前。 私が生まれる前からいたから、もうかなりおばあちゃんのはず。 祖父母は、新淵への引っ越しが決まった日、 ”サクラをどうしよう?”ってすごく悩んでた。 聞くでもなく、私に抱かれたサクラは耳をそばだてていたけど・・ え? まさか・・心配かけないために、自分で姿を消したの? 翌日から祖父母と私・3人で、必死にサクラを探しまわる。 でも結局、入学式の今日まで、その姿を目にすることはなかった。 時間になり、遠くからバスがやってくる。 そのとき・・・ ◾️SE:ネコの鳴き声(ニャー) 「さくら?」 振り返ってもなにもない。 祖父も祖母も聞こえていないようだ。 やがて、乗合バスがバス停に到着。 私は後ろ髪を引かれながら、ステップを上がる。 庄川(しょうがわ)のせせらぎが雪解け水を運んでいた。 【シーン1:根古石】 ◾️SE:高山陣屋の環境音 「じいちゃん、ばあちゃんがいつまでも元気でいられますように」 桜山八幡宮。 秋の高山祭の舞台。 神山高校からの帰り道、 私は宮川沿いの参道から、八幡さまへ。 祖父母のことを思って真剣にお祈りした。 私の大切な家族。 見送りのときの顔が頭から離れない。 私は、まるで神様に呼ばれるように、毎日参道脇に自転車を停める。 でも、お参りする理由はそれだけじゃない。 「サクラが無事でいますように」 私が生まれたときから一緒の猫、 サクラのことも、ずうっと心に引っかかっていた。 八幡さまでは本殿に参拝。 そのあとは江名子川(えなこがわ)のほとりへ。 秋葉さまの前で自転車を停め、小さく頭を下げる。 初夏の遊歩道は風が気持ちいい。 安川通(やすがわどおり)から上三之町を通って市役所へ。 中橋を渡れば飛騨県事務所。 ここから叔父さんの家までは自転車で5分もかからない。 このコース、ちょっと遠回りだけど、私のお気に入り。 どうして県事務所の前を通るかというと・・・ 裏手に、『旧陣屋稲荷宮』っていうお稲荷さんがあるの。 そこで、ちょっとかわったものを発見したんだ。 『根古石』。 『根っこ』に『古い』に『石』と書く。 最初はなんなのかわからなかったけど。 先生に聞いたら、とっても悲しい伝説を教えてくれた。 それは江戸時代のお話。   郡代の娘が池のほとりで佇んでいると・・・ 可愛がっていた猫が唸りながら着物の裾をくわえて離さない。 まるでその場から娘を引き離そうとするように。 それを見ていた郡代は、 「畜生の分際で無礼な!」 と、腰にさした刀を脱いて一刀両断。 一太刀で猫の首を撥ねてしまった。 猫の首はそのまま池のほとりの松の木へ。 必死の形相で、そこにいた大蛇に噛みつく。 娘を狙っていた大蛇は、喉を噛まれて息絶えていた。 郡代は自分の早とちりを悔やんで、手厚く供養。 稲荷宮(いなりのみや)を建て、その傍らに大きな石を据えて祀った。 そう。これは、命をかけてお姫様を守った飼い猫の話。 その猫を祀った石が『根古石』。 私はひどく感動した。 だから毎日ここへきて手を合わせている。 忠義ある猫の供養と同時に、 『サクラ、お願い。元気でいて!』 猫の話を聞くと、どうしてもサクラと重なっちゃう。 もしかしてサクラ、 引っ越しする私たちのお荷物にならないように 姿を消したんじゃ・・・ サクラ・・・ 声が聞きたいよ・・サクラ・・・ 【シーン2:悪夢】 ◾️SE:高山陣屋の環境音 「おのれ〜! よくもわしの命を奪ったな〜! 許さんぞ〜!」 「ハッ!」 また、あの夢だ。 このところ、毎晩見る悪夢。 恐ろしいもののけの夢。 大蛇のような体。 頭には大きなツノ。 耳まで裂けた口。 猫のようにギラギラ光る目・・・ 猫・・・!? まさか・・・まさか・・・ サクラ? いや、そんなことはない。 絶対にありえない。 だけど、高山へ来てから、毎日この夢。 どうして・・・? 睡眠不足で勉強にも身が入らない。 明日から期末考査だというのに・・・。 【シーン3:ともだち】 ◾️SE:教室のチャイム(No.261849) 「ねえ、ひょっとして徹夜〜? 目の下のクマ〜 勉強が好きなんだね」 「え・・あ・・・えっと・・・」 「こうめ。 私の名前よ」 「あ・・・こ、こうめさん・・・私は・・」 「さくらさん、でしょ?」 「あ・・・うん」 「よろしくね。 どうやって話しかけようかと思ってたの」 「・・・どうして?」 「あなた、帰るとき、いつも上三之町、通っていくでしょ」 「なんで知ってるの?」 「私の家も、そっちだから」 「そうなんだ」 「上三之町で旅館をやってるの。 江戸時代から続いてる、古〜い旅館」 「へえ〜」 「さくらさんも上三之町に住んでるの?」 「ううん。うちは県事務所からずっと南へ下ったとこ」 「え〜。じゃなんで?」 「あのへんの雰囲気が好きなんだ」 「そうなのね」 初めて言葉を交わしたのに、 私とこうめは旧友のように喋り続けた。 私が荘川出身だということ。 住んでいた村がダムに沈むこと。 私は高山へ来て初めて、自分のことを他人に話した。 こうめも自分のことを、あっけらかんと話してくれる。 こうめの家は、古くからの女系家族らしい。 代々婿養子を迎えて、血筋を絶やさないようにしていた。 「それから・・・これはあまり大きな声で言えないけど」 もったいぶって話しだしたのは・・・ 「実はうち・・・陰陽師の血統なの」 「え・・・陰陽師って・・」   「そう・・・この世の闇と光、陰と陽のバランスを司る存在。 結界を張り、式神を使役し、牙をむく妖魔をあの世へ送り返す。 陰と陽、どちらにも属しながら、その境界を守り抜くのが私たち・陰陽師の宿命よ」 「す・・・すごい・・」 「うちは代々女系家族だって言ったじゃない」 「うん」 「穢れ(けがれ)を浄化する能力は、一族の女性にしか遺伝しないの。 うちがやってる『おもてなしの心』そのものが式神や結界を動かすエネルギー。 代々の女将はそれを仕切っているんだ」 「そ、そうなんだ・・・ でも、どうしてそれを私に話すの」 「ふふ・・・ あなたもう気づいてるんでしょ?」 「え・・・なに?」 「最近、あなたの周りで変なことが起きていること」 「あ・・・」 「さあ、今度はあなたの番よ。私、自分のこと打ち明けたんだから」 「う・・」 「その目

    ボイスドラマ「根古石」
  3. Jul 17

    ボイスドラマ「覚醒」

    80年前の朝日村。 戦争孤児の少女と、正体を隠して生きる少女。 二人の出会いが、現代へ続く「覚醒」の物語を動かし始めます。 飛騨に伝わる八百比丘尼伝説を描いた和風ホラーボイスドラマです・・・ 【プロローグ:出会い】 ◾️SE:村はずれの辻の環境音/〜駆けつける足音 八夜の泣き声「お願いです、通してください。私はただこの村に用があって」 「おまえら!なにしとるんや!」 「なんじゃあ?伽耶! 邪魔するなて」 「大人がよってたかって、女子(おなご)をいじめるとはなにごとや!」 「女子 って、お前も同じくらいの歳やろうに」 そうだ。わしと同じくらい。 十六か十七くらいの女の子が、目の前で泣いている。 「それにいじめとるんやないぞ。 このガキが、村に入ろうとするからじゃ」 「ええやないか。入れてやれば」 「あほか。 ただでさえ、食糧難やっちゅうのに、 これ以上よそもんに食い扶持減らされてたまるか」 「おまえらだって、 名古屋とか大阪から疎開してきた、よそもんだろ」 「うるせえ。 つべこべ言うと、お前も村から叩き出すぞ、伽耶!」 怖い顔して私を睨みつける疎開者たち。 1946年。益田郡(ましたぐん)朝日村。 終戦からまもなく1年が経とうという頃。 朝日には名古屋や大阪から、疎開者がぞくぞくとつめかけた。 なかでも多かったのは引揚兵や復員兵たち。 小さな村はよそものでごった返していた。 ただでさえ平地が少なく、米の収穫量が限られている朝日村。 急激な人口流入は激しい食糧難をもたらした。 配給や耕作地をめぐる諍いも毎日絶えない。 疎開者たちは森を切り拓いて自分たちのために畑と住処(すみか)を作った。 林業に関わっていく者も多い。 彼らはいつも数人で村の辻に立ち、入ってくる者を見張っていた。 「ええか。ガキ。 十(とお)数えるうちに出ていかんと、痛い目を見るぞ! いち!」 「待て! この子はわしが面倒みる。連れてくぞ」 「おいおい。 ガキがガキの面倒みるってか」 「うるさい。 そんなこと言っとってええのか。 今度腹痛(はらいた)になっても薬草を煎じてやらんぞ」 「う・・なんだと・・」 わしは、少女の手をとり、うちへ向かって歩いていく。 疎開者の男は恨めしそうな顔でわしを睨んでいた。 【シーン1:ともだち】 ◾️SE:朝日川のせせらぎ/小さな足音 「ありがとう」 消え入りそうな声で少女が呟く。 「助けてくれて」 「ええんやよ。 わしだって、もともとよそもんやし」 「どういうこと?」 「戦時中はわしも疎開者やったんだて」 「え・・」 「実家は名古屋や。 戦況が悪化した去年の正月。 とうさまとかあさまは、わしをひとりでここ、朝日村へ行かせたんや。 「そうなの・・」 「そのすぐあとで名古屋の大空襲や。 B29が、とうさまとかあさまと家を焼き尽くした」 「そんな!」 「新聞もなんも教えてくれんからな。 わしが知ったのは、5月になってから。 名古屋城が焼け落ちた、ってみんな騒いどった頃や。 ちょうどそのころ、 疎開先のここへとうさまとかあさまのお骨が届いた」 「やだ・・」 「お骨ったって、骨なのかどうかもようわからん。 砂みたいな焦げカスだけや。 その中に手紙がねじこまれとったわ」 「手紙・・?」 「親戚のおじさんからでな。 みんな、家も焼けてしもうたで、帰ってくるな。 お骨はそっちで弔ってくれ、って」 「ひどい・・」 「ああ。でも戦争なんて、そんなもんやろ。 そういうわけでわしは戦災孤児になった」 「そう・・」 「今からいくんは、わしのうちや。 炭焼き小屋だけどな。 杣衆(そましゅう)の面倒みてやるかわりに、住まわせてもろうとるんじゃ」 「面倒・・?」 「うん。わしには薬草の知識があるからな」 「薬草?」 「ああ。よもぎとかクロモジとか。 朝日には掃いて捨てるほどあるじゃろ。 わしが疎開する前、かあさまが薬草のこといろいろ教えてくれてな。 これは食べれる。 これは食べたらあかん。 ゲンノショウコってやつは腹の具合がわるいときに煎じて飲む。 ドクダミは便秘に効く。 ヨモギは風呂に入れて疲れをとれ。 怪我したら、クロモジの葉を粉末にして止血しろ・・・」 「すごい・・」 「なんか感じるものがあったんじゃろなあ。 かあさまは一生懸命わしに知識を詰め込んだわ。 結局、その知識を活かして、 杣衆たちの体調管理と、薬膳料理を作ってやっとるんや」 「素敵なおかあさま・・」 「そうやな。 こうして生きていられるのも、かあさまのおかげやな」 「いいお話・・・ ねえ、おうちはもうすぐ?」 「まだまだ先や。 あと1時間以上は歩くぞ。大丈夫か?」 「平気よ」 「秋神川を上っていくで。 小瀬ヶ洞(おぜがほら)って集落から山の中へ入る」 「あなた、名前は? さっき、伽耶って呼ばれてたけど」 「そう。伽耶。 御伽噺(おとぎばなし)の『とぎ』という字に、有耶無耶(うやむや)の『や』。 まるで御伽噺みたいに、戦争で人生有耶無耶にされとるから。はは。 そうそう。萱(かや)って薬草もあるんだ。 心を穏やかにする作用があってね」 「へえ〜。 ・・・あ、私は八夜。八夜って呼ばれてる。 八つの夜。 でも本名は八百代姫(やおよひめ)」 「八百代姫?お姫様なの!?」 「違うよ。 私の生まれた時代、女の子にはみんな姫ってつけてたの」 「時代って。 私とそんなに変わんないでしょ。 まだ16よ、私」 「そうだね・・・」 「八夜はどこからきたの?」 「小浜」 「小浜ってどこ?」 「若狭よ。遠敷郡(おにゅうぐん)小浜町」 「北国(ほっこく)の方?」 「そう。海がきれいなまちよ」 「海!いいなあ。 戦争が始まる前に、行ったっきり」 「今度、おいでよ」 「うん、いきたい!」 「約束ね」 指切りをする八夜の手はすごく冷たかった。 驚きを気取られないようにして、 私は、秋神川のほとりを足早に歩く。 渓谷に沿ったひたすら一本道。 秋神川には、御嶽山からの雪解け水が激しく流れる。 やがて、見えてきたのは小瀬ヶ洞の集落。 そのまま蜘蛛だ淵を通り過ぎる。 淵は川底が見えないほど、深い闇の中。 私はいつもここを通るとき、目を閉じて通り過ぎる。 蜘蛛の糸に引きずり込まれないように。 集落を抜けて森の中へ入れば、炭焼き小屋までは20分くらい。 森へ入るには、小さな吊り橋を渡らなければならない。 「吊り橋を渡るんだ。すてき」 「ねえ、ついさっき・・・ 1時間くらい前に会ったばっかりなのに、私たち、もうともだちみたいだね」 「ともだち・・・?」 「うん。 私、里にはあんまり行かないから、ともだちなんていないんだ」 「そうなの?」 「さっきはたまたま、久々野に薬草売りにいくところだったの」 「ああ、ごめんね。邪魔しちゃって」 「いい、いい。 だって、ともだちができたんだもん。 お金には換えられないよ」 「ホントに・・私のともだちになってくれるの?」 「やだなあ。もうともだちじゃない」 「ありがとう・・・」 え・・・ 八夜・・泣いてるの? 心配して顔を覗き込もうとすると・・ 「あのね、伽耶」 そう言うと、懐から小さな包みを取り出した。 「これ、あげる」 それは、片手よりも小さな桐の箱。 中からとり出したのは・・ 「干し肉よ」 「干し肉?」 「とっても貴重な干し肉」 「え・・・そんな大事なものなんて、もらえないわ」 「初めてできたともだちにもらってほしいの」 「そんな・・・」 「なにか大きな病にかかったり、大怪我をしたときに食べて」 「くすり?」 「まあ・・・くすりみたいなもの」 そう言って、八夜は私に桐の箱を手渡す。 森の奥深く、木々の向こうに、粗末な炭焼き小屋が見えてきた。 ◾️SE:犬の声 「あ、クコだ」 「クコって?」 「犬よ。 野犬だけど私になついていて、飼ってるみたいなもん」 「犬・・・」 あれ?なんかいつもと違う。 クコは凶暴に吠えたてながら私たちのもとへ走ってくる。 私はとっさに八夜をかばって、前に出た。 「いや・・」 「クコ!どうしたの!? そんなに吠えて。 やめて。 私の大事なおともだちなのよ」 「伽耶・・」 クコは唸り声をあげて私たちに飛びかかる。 私は顔を背けた。 その瞬間・・・ 「あっ!」 手に持っていた桐箱をくわえて、そのまま森の中へ走り去った。 「ああ!」 「クコ!返して!戻ってきなさい!」 「そんな・・そんな・・・」 私は、炭焼き小屋

    ボイスドラマ「覚醒」
  4. Jul 10

    ボイスドラマ「スイートラディッシュ」

    高校では目立たない存在。 だけどネットの世界では、何万人ものファンに愛される人気VTuber。 そんな二つの顔を持つ女子高生・ナヴィが主人公の物語です。 【ペルソナ】※ナヴィはフランス語で「赤かぶ」 ・ナヴィ(17歳JK)=高山市内の高校2年生。陰キャでコミュ症。対人恐怖症。だが裏の顔は・・ ・スウィートラディッシュ=全国的に大人気のVtuber。通称『スイラジ』すべてが謎 ・ジン(17歳)=高山市内の高校2年生。祭り屋台に命をかける祭り男子。だが裏の顔は・・ ・フェニックス=スウィートラディッシュと人気を二分するイケメンVTuber。通称『ホウ』 ・イチゴ(17歳/CV=岩波あこ)=スイラジガチ推しの同級生。別に友達ではない ・ナヴィのママ(CV=山﨑るい)=Vtuberのことはよくわからないけど薄々気づいている 【プロローグ:LIVE配信】 ◾️SE:アニソンのアウトロ〜 「みんな〜!おつラディ〜!スイートラディッシュの”歌ってみたライブ”、最後の曲は 『アイニキテ』でした〜! アンコールのコメントもたくさんありがとう〜! ア〜シの想い、”ラジ部”のみんなに届いたかな?っ。 次の配信は来週! スケジュールはXに載せるから、ちゃんとチェックして待っててね? 遅刻は厳禁だよ〜! 忘れたらおこだからね〜 ハッシュタグはいつもの『スイラジ』〜 そしゃ、バイバイ!」 「あれ・・、いまアタシ、なんてった? あ〜、まいっか」 ◾️SE:LIVE終了の音「ピ」 ア〜シはスイートラディッシュ。 通称”スイラジ”。 みんな知ってる、人気ナンバーワンのアイドルVtuber。 今夜のライブ配信も、10,000人以上のファンが参加してくれた。 バーチャルスタジオをレンタルして、 3曲もうたっちゃったからねー。 スイラジのビジュは、王道のアイドル系。​​ ゆるふわに巻いた高めのツインテール。 赤かぶをモチーフにしたリボン付きの結び目。 ラディッシュのしずくをイメージしたチョーカー。 トップスは赤白のギンガムチェックのビスチェ。 デコルテがきれいに見えるハートネック。 肩口はシースルー素材のパフスリーブ。 ボトムスはボリュームたっぷりの3段フリルミニスカート。 腰の後ろには、赤かぶの葉をイメージしたオーガンジーリボン。 ダンスするたびにひらひらと揺れる。 スイラジは、大手事務所に所属せず、フリーで活動中。 ゲーム実況とかはやらずに、フリートークと歌がメイン。 アイドルVtuberの世界では、イケメンVのフェニックスと人気を二分してる。 ・・・っと あ、あか〜ん。もうこんな時間やん。 勉強やんなきゃ。 明日期末なのに〜 そう。 スイートラディッシュの中の人は、 ア・タ・シ・・現役JKのナヴィ。 市街地の高校に通う二年生なんだ。 仮想世界ではバリバリのアイドル。 1万人の前でも余裕で歌えんのに、リアル出ると・・・ マジ無理。詰む。 だってアタシ、陰キャ、コミュ症なんだも〜ん! 【シーン1:期末1日目】 ◾️SE:教室のチャイム やっぱりだめだったぁ。終わった〜。 英語も歴史も数学も全滅。まじで1ミリも分かんなかった〜。 余裕で赤点だ〜。 期末前日にライブ配信やるなんて・・・ バカじゃん、アタシ。 「ねえ、昨日のスイラジ見た?」 え? 「そうそう、あの最後の・・」 昨日のアタシのライブのこと? 「だよね!言ったよね。 『そしゃ』って」 あ・・・ 「うんうん。やっぱそうじゃない。 スイラジってさ・・」 やばっ。 「高山住み〜!?」 やらかした〜。 やっぱバレてたか〜。 「ひょっとして私たちの周りにいたりして〜? きゃ〜!」 期末1日目終わったあと、みんな教室に残ってだべってる。 ってか、みんな昨日ライブ見てたの? 期末前日に。 でもでも。 どうする? 「ほ〜んとにいるかもよ〜」 さっきからずっとマウントとってるイチゴと・・ 目が合った・・・ え? 一瞬の沈黙。 そして・・・ 「ないない!」 はぁ〜っ。 よかった、アタシ。陰キャで。 と思ったそのとき・・・ 「ちげーよ」 ジン・・・ 「スイラジがこんなとこにいるわけないだろ」 いるけど・・・ 「それに『そしゃ』なんて言ってない。 『そいじゃ』の聞き間違いだよ」 「え〜そうかな〜。 『そしゃ』って言ったじゃん」 うん。言った。たぶん・・・ 「なコトより、明日の試験、いいのかよ。 早く帰らなくても・・」 「あ、やばっ。 帰るわ。 ばいちゃ」 「昭和かよ。ったく。 じゃ、オレも帰るわ。 お前も早く帰れよ、ナヴィ」 「あ・・・うん・・・」 「じゃあな」 アニメの主人公みたく爽やかに、ジンが教室を出ていった。 そういえば、子どもの頃はよくジンと遊んだな・・・ コミュ症のアタシをいつも外に連れ出してくれたジン。 毎日のように遊んでたのに・・・ 中学の門をくぐり、高校に入ると、まったく会話はなくなった。 みんな慌てて帰り、たった一人残った教室。 夕陽がアタシを赤く染めていった。 【シーン3:期末が終わって】 ◾️SE:教室のチャイム 「終わったぁ〜。期末ぅ〜。 おつラディ〜!」 教室のあちこちから『おつラディ』という通称『ラジ語』が飛び交う。 結局、アタシの高2・二学期の期末は、史上最悪の点数で幕を閉じた。 「ねえちょっと、みんな。知ってる?」 アタシに背中を向けたイチゴが、陽キャ一軍界隈のメンツを集める。 なんで、いつもアタシのすぐ横なの? 知らんけど。 「スイラジの中の人・・梨柿(リカ)らしいよ」 ▪️クラス中にどよめきがおこる「ええ〜っ」 リカ、というのはクラスでいっちゃん可愛い、って自分で言ってる女子。 今までも、原宿行ったらスカウトされた、とか、 人気インフルエンサーとつながってる、とか、アピってたっけ。 「この前もリカ、帰るとき『そしゃバイバイ』って言うからさ。 こっちが『えっ?』ってなったら、 『やばいやばい!』ってガチ焦りで帰ってったわ」 ふう〜ん。 ま、いいんじゃない。 これで、誰もアタシに疑惑の目は向けないだろうし。 ん? なことしなくても、そもそも誰もアタシのことなんて気にもしてないか。 へへっ。 ニヤけた顔で黒板の方を向くと、怖〜い顔でジンがアタシを睨んでた。 え?なんで?アタシ、なんか、悪いことした? アタシが悲しそうな顔になると、ジンは無視して教室を出ていく。 なんかアイツ、最近やなやつ。 【シーン4:食卓にて】 ◾️SE:食事中のガヤ 「ちょっと〜、ナヴィ。 食事中にスマホさわんないで」 「え〜。だってママ〜。 この前のライブの再生数、あんまし伸びないんだもん」 「くだらないこと言ってないで、ちゃんと味わって食べなさい。 あげづけの冷や奴と、あげづけの挟み焼きよ。 あんたの大好物でしょ」 「え? やった!いっただきま〜す!」 「はぁ〜。さっきから目の前に置いてあるのに・・・っとにもう」 さっと炙って細かく切ったあげづけに、旬のみょうがをどっさりのせた冷や奴。 醤油ベースの旨味と、みょうがの爽やかさが絶妙。喉越しもう神!って感じ。 あげづけの間に大葉ととろけるチーズを挟んだ、挟み焼き。 トースターでカリッと焼いたこの食感。 もうマジ、やばみ〜! 「あんた、ライバーだかワイパーとか知んないけど、 次のテストで赤点とったら、パソコン没収するからねー」 「え〜〜〜〜!?」 「ったりまえじゃない。 学生の本分は、勉強なのよ、わかってる」 「わかってま〜す」 「じゃ、しっかりやんなさい」 やっぱり、今回の期末で過去最低スコアだったからな〜。 ママもパパも相当ビビってたし。 配信の回数、少し減らそうかな・・・ そんな後ろ向きのことを真剣に考えているとき・・・ ◾️SE:DMの着信音 SNSのDMが届いた。 『よぉ、スイラジ。 最近配信が止まってるやん。 ひょっとして俺にビビり散らかして逃げた説ある?』 フェ、フェニックスぅ〜!? 『そうじゃないなら、 今週末”タイマン・コラボ生配信”で白黒つけようぜ』 この〜! クソイケVが〜 『今週の日曜、21時。 枠はこっちのチャンネル。 内容は”歌とセリフ対決”。 リスナーのリアルタイム投票で勝敗を決める。 言い訳なし。 負けた方は、次回の配信から、ずうっと飛騨弁で雑談すること」 な、なんだとぉ〜!? こいつ、なにか知ってるのか〜! 『ま、スイラジがガチでビビってんなら、そのままバックれてもいいけど?笑 逃げないなら、日曜の夜、画面の裏で待ってる。そしゃ』 くっそ〜。

    ボイスドラマ「スイートラディッシュ」
  5. Jul 3

    ボイスドラマ「クロモジ」(後編:朝日町編)

    飛騨の山々に自生する薬木「クロモジ」。 その爽やかな香りは、人の心をほっと落ち着かせてくれます。 福地山の山中で出会ったひとつの出来事。何気ない日常の中で見失いかけていた想い。そして、誰かを思う気持ち。 自然の恵みと人とのつながりを描いた、心温まる物語・・・ 【ペルソナ】 ・よもぎ(26歳/CV:蓬坂えりか)=カフェ「よもぎ」オーナー。漢方薬剤師。薬草を求めて奥飛騨温泉郷福地温泉の山へ入ったとき道に迷ってしまう→冷静なよもぎは薬草掘り用のスコップを岩にうちつけて、国際基準となっている山の遭難信号のリズムを鳴らす ・シズル=シュウ(38歳/CV:日比野正裕)=東京で働いていたマーケティング会社を辞め、地域おこし協力隊として奥飛騨温泉郷福地温泉に移住。福地温泉を選んだのは元々化石に興味があったから。現在は信飛トレイルの活動に関わり、福地温泉の旅館を手伝いながら平湯のカフェにも集まる 【シーン1:再会/カフェよもぎ】 ◾️SE:カフェの雑踏 「よもぎちゃん、そのヘンテコな置物はなんだい? こないだから気になっとったんやけど」 「これ? 三葉虫のペーパーウェイトよ。レプリカだけど」 「へえ〜 なんか形とか大きさとかアレみたいやな。 あの、ほれ、ゴキ・・」 「やめてよ、マサさん。 これ、オリジナルで作ってもらったのよ。世界でひとつだけのウェイトなのに」 「作ってもらった?だれに?」 「ないしょ」 「おお、おお、すみにおけんな、よもぎちゃんも」 常連客のマサさんが、三葉虫を指差してからかう。 1週間前に、シズルさんが作ってくれた、ちょっぴり歪なペーパーウェィト。 彼が持っている化石で型をとって作ってくれた。 ここは朝日町の薬膳カフェ『よもぎ』。 私はオーナーのよもぎ。 今日もたくさんのお客さんで賑わっている。 ◾️SE:カフェの雑踏〜お客さんの来店を告げるカフェベル 「いらっしゃいませ・・・あ・・ シズルさん・・」 「よもぎさん・・きちゃった・・・ すみません・・連絡もせずにいきなり」 「いえ、そんな・・大歓迎よ」 「おお〜。 王子様の登場やな」 「もう〜。マサさん! こんど言ったらもう漢方の処方してあげないから」 「あはは・・・」 「さ、すわって」 「はい、ありがとうございます」 「まずはこれ、どうぞ」 「あ・・」 「トウキとクロモジの『巡り(めぐり)アロマ茶』よ」 「ああ、この前の・・」 「トウキは冷え性の改善、クロモジは胃腸を整えるの」 「へえ〜」 「クロモジっていうのは、よもぎと並ぶ朝日の至宝。 このお茶は、奥飛騨と朝日のイイトコどり」 「そうなんだ」 「食前茶よ、召しあがって」 「食前茶?」 「そ。ランチ、食べていけるんでしょ」 「うん! ひょっとして薬膳ランチ?」 「そうよ、召しあがって」 「楽しみだな〜」 私がその日、シズルに出したのは、薬膳参鶏湯(サムゲタン)。 レシピはもちろん、この前福地で採取した薬草たち。 トウキの根、ナツメ、クコの実に、もち米を入れてトロトロに煮込む。 臭み消しと香り付けにもクロモジの枝を入れてある。 薬膳参鶏湯、実はあれから毎日準備してたんだ。 シズルさんがいつきてもいいように、って。 我ながら私って、ピュア。ふふ・・ 「すっごく美味しい! 体中がポカポカしてくる」 「そおかぁ、こんところ毎日ランチがサムゲタンだったのは こういうことかぁ」 「マサさん、うるさい。 ヘンなこと言ってると、蜘蛛だ淵へ引きずり込むわよ〜」 「お〜こわ〜。女郎蜘蛛よもぎかぁ」 「もう〜」 「ねえ、よもぎさん」 「なあに?」 「クモダブチってなに?」 「ああ、蜘蛛だ淵? そうねえ・・・ よかったらランチのあと行ってみましょうか」 「あ、はい」 好奇心満開で私たちを見るマサさん。 それを横目に、私たちはお店を出た。 留守番を頼んだおばあちゃんは、何も言わずにニコニコしている。 シズルのSUVで秋神ダムへ。 真上から照りつける太陽は、もう夏の準備を始めていた。 【シーン2:仄暗い水底より/秋神ダム・蜘蛛だ淵】 ◾️SE:ダム周辺のざわめき〜野鳥の鳴き声 「これが秋神ダムかぁ」 「蜘蛛だ淵はあのあたりかな」 「ダムの底?」 「メンテナンスで水抜きするときか、 夏に渇水になるときじゃないと見えないわ」 「水位が下がると見えたりするの?」 「そうねえ。 谷筋(たにすじ)って言って、秋神川の元のルートがうっすらと見えることがあるの」 「見てみたいなあ」 「ひかれるわよ〜」 「どういうこと?」 私はシズルさんに蜘蛛だ淵の伝説を語る。 むか〜しむかし。秋神川の奥深く。 小瀬ヶ洞(おぜがほら)っていう小さな集落があったの。 川の中には、深くて、吸い込まれそうなほど大〜きな淵。 それが『蜘蛛だ淵』。 『蜘蛛だ淵』には、恐ろしいほど大きな蜘蛛のヌシが住んでいた。 ある日、一人の木こりが、淵のそばで一休みしていたとき。 細くて白い糸が、どこからともなく、すうっと伸びてきて、木こりの足首に巻き付いた。 糸の先を見ると、深い深い水底へと繋がっている。 『まずい!』 そう思った木こりは、足首の糸をそっと外して、 すぐそばにあった大きな切り株に巻き付けた。 すると、淵の底から地響きがして、切り株が、根っこごと引き抜かれる。 そのまま凄まじい水しぶきを上げて淵の底へ沈んでいった・・・ おしまい。 「こっわ〜っ」 「そう?」 「え、なんで? だって、それって、恐ろしい化け物だろ、蜘蛛の」 「どうして? 木こりは助かったのよ」 「え・・」 「切り株を水底へ引きずり込んだ蜘蛛のヌシは、すぐに気づいたと思う。 自分が命がけで引っ張ったものが、ただの冷たい切り株だったって。 ヌシはね、人を襲いたかったんじゃないのよ。 深い深い、誰も光を届けてくれない冷たい水の底。 何百年も、たった一人で寂しかったんじゃないかな。 ただ、誰かに触れてほしくて、誰かと繋がりたくて・・・ 精一杯糸を伸ばしただけだったのかも。 だから、だまされたと知った蜘蛛のヌシは、 それから二度と、水面に糸を伸ばすことはなかったの。今、『蜘蛛だ淵』はダムの底に沈んで、もう誰も見ることはできないでしょ。 あの冷たい水の、さらにその底。 誰も来ない暗闇で、ヌシは今でも静かに、誰かを待っているのかもしれない・・・ 「そっか・・・ 伝記や伝説って、そういう見方もあるんだね」 「そうよ。 両面宿儺だってそうじゃない。 日本書紀であんな風に書かれて。 本当は七儺(しちな)っていう鬼や災害から飛騨を守ったのに」 「よもぎさんがそんな風に考えるなんて意外だな」 「そう? 実は私、シズルさんには言ってないけど・・」 「なに?」 「待っている人がいるの・・・いや、いたの。・・・過去形かな」 「え・・」 「シズルさんが以前住んでた東京に」 「そうなんだ・・」 「でも、その人、帰ってくるかどうかも、わかんない」 「どういうこと・・・?」 「繋がってると思ってた糸は・・切れちゃったみたいだから」 「よもぎさん・・・」 「ごめんね、変な話して」 「いや、そうじゃなくて・・・実は私も話があるんだ」 「話・・?」 「私は、来週から東京へ行く」 「え・・東京?」 「東京・丸の内の大手企業にプレゼンしてくるんです。 福利厚生として、朝日のクロモジを使った薬草プログラムと、 信飛トレイルでのリトリートツアーを導入する、ウェルネスビジネス。 起業したばかりの私の会社と東京の大手企業との、公式な提携合意書。 それを手土産にして戻ってくる」 「すごっ」 「契約の手続きやユーザー研修があるからしばらく帰れないけど」 「そうなの・・・」 「待っていてくれませんか?」 「え・・・」 「展開早すぎかもですが・・・」 「そんなことないわ」 「え?」 「じゃあ、東京へ行く前に糸をしばっておかないと」 「よもぎさん・・」 そう言って私は、背中からシズルを抱きしめた。 シズルは何も言わず、胸の前で私の手を優しく包み込む。 秋神ダム・蜘蛛だ淵から伸びる透明な蜘蛛の糸。 それは私たちの心を静かに、しっかりと結んでいった。 【シーン3:帰還/カフェよもぎ】 ◾️SE:カフェのざわめき あれから半月。 たった2週間が1年にも10年にも感じられた。 シズルが東京へ発った日から作り始めた、クロモジの薬草エキス。 乾燥させたクロモジの枝と葉を、ウォッカ

    ボイスドラマ「クロモジ」(後編:朝日町編)
  6. Jun 26

    ボイスドラマ「トウキ」(前編:奥飛騨温泉郷編)

    飛騨の山で受け継がれてきた薬草「トウキ」。 古くから女性の健康を支える薬草として知られ、人々の暮らしとともに歩んできました。 福地山で起きた予期せぬ出来事。山の厳しさと優しさ。そして、人を信じる心。 飛騨の自然と薬草文化を背景に描く感動の物語・・・ 【ペルソナ】 ・シズル=シュウ(38歳/CV:日比野正裕)=東京で働いていたマーケティング会社を辞め、地域おこし協力隊として奥飛騨温泉郷福地温泉に移住。福地温泉を選んだのは元々化石に興味があったから。現在は信飛トレイルの活動に関わり、福地温泉の旅館を手伝いながら平湯のカフェにも集まる ・よもぎ(26歳/CV:蓬坂えりか)=カフェ「よもぎ」オーナー。漢方薬剤師。薬草を求めて奥飛騨温泉郷福地温泉の山へ入ったとき道に迷ってしまう→冷静なよもぎは薬草掘り用のスコップを岩にうちつけて、国際基準となっている山の遭難信号のリズムを鳴らす 【シーン1:遭難信号】 ◾️SE:森の中の野鳥 =スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る 「え? いまの音・・・」 ◾️もう一度スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る 「7、8、9・・・ まさか・・・」 ◾️スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る(以降等間隔で合計6回鳴る) 「1分間に6回・・ 間違いない、救難信号だ」 山岳遭難信号。 これを使うということは、熟練のハイカーか・・ とにかく、音のする方向を見定めよう。 ◾️スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る(合計6回まで) 雨上がりの奥飛騨温泉郷・福地温泉(ふくじおんせん)。 立ち込める霧の彼方から、かすかな遭難信号が響いてくる。 私の名前はシズル。 福地温泉を拠点とする地域おこし協力隊だ。 かつては、東京・丸の内で働くAI分析アナリスト。 その仕事を辞めて、福地に移住してきたのが3年前。 移住の目的は、地域おこし協力隊。 福地温泉の旅館を手伝いながら、奥飛騨温泉郷の魅力を発信している。 もともと子どもの頃から、筋金入りの化石オタクだった。 部屋にはアンモナイトの置物が鎮座している。 福地温泉に移住したのも、日本最古の化石が発見された場所だから。 とはいえ、化石発見エリアの一の谷(いちのたに)へは、立ち入りが厳しく禁じられている。 私は午後から、『福地化石遊歩道』の安全点検をしていた。 ◾️スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る(以降60秒おきに6回鳴る) 「1分間の静寂のあと・・・再度発信」 国際基準通りだ。 あの音・・・ 高く澄んだ、小さな鐘のような音・・・ 岩に打ちつけている・・ でもペグやサバイバルナイフじゃない。 鉄製のハンマー? いや、もっと薄い・・・スコップかな。 なんとか日が暮れる前に見つけてあげないと・・ ◾️スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る(以降60秒おきに6回鳴る) 遊歩道から見て、上の方の斜面。 福地山(ふくじやま)の深い森の奥から音が響いてくる。 1メートル先も見えないような深い霧。 私は音のする方へ、急ぎ足で向かった。 と、霧の中から現れたのは、剥き出しになった石灰岩の岩盤。 音はこの岩に反響している。 そのまま歩くと、すぐに見えてきたのは、登山道の入口。 それは毎日のように歩いている道。 私は一気に坂を駆け上がった。 はあっ、はあっ。 ◾️スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る(以降60秒おきに6回鳴る) 音が徐々に大きく、クリアになってくる。 テンポは・・少し不規則になってきたかな。 疲れてきているんだろう・・・ 急ごう。 と、リズムが乱れ始める。 もう少しだ。がんばれ。 ん? 音が真横になった・・ あそこだ。 あの枯れ沢の斜面。 誤って足を踏み入れたか、滑り落ちたのかも。 私は、登山道から離れた斜面を駆け降りる。 音はどんどん近くなる。よし、そろそろいいだろう。 『おお〜い!聞こえるか〜!』 『こっちよ〜!』 間髪入れずに明るい声が帰ってくる。 女性? 私の頭の中には、自撮り棒を持つ山ガールの姿が浮かんでいた。 【シーン2:発見】 ◾️SE:日が落ちかけた森のざわめき 『ありがとうございます』 ベンチほどの小さな岩。体を斜めにして腰掛ける女性。 この岩に・・打ちつけていたのは・・・ やっぱりスコップだ。 服装はちゃんとした山歩きスタイル。 実用的な防虫ネット付きの帽子。 首元に巻いているのは、パステルグリーンのタオル。 オリーブグリーンのレインウェア。たぶんゴアテックスかな。 泥除けの頑丈なスパッツ。 登山靴の先には湿った黒土がべっとりと付いている。 彼女がレインウェアを脱ぐと、中はチェック柄のトレッキングシャツ。 腕には緑色の腕章。(※福地温泉観光協会の腕章のこと) リュックにはラミネート加工された許可証らしきものがぶら下がっている。 『本当に助かりました』 「驚いたなあ」 『え?どういうこと?』 「第一声を聞いたときは、もっと、こう・・・ ギャルっぽい人かと思って・・」 『なに、その表現? そんな軽い感じに聞こえました?』 「いや、そうじゃないんだけど・・声から、カラフルなウインドブレーカーを着た山ガール、ってのを想像しちゃったんです」 『それ褒め言葉ですか〜?声、勉強して声優にでもなろうかしら』 「あ、ご、ごめんなさい! そ、それより、大丈夫ですか? お怪我とかはありませんか?」 『大丈夫。この格好ですから』 「どうして登山道からはずれちゃったんですか?」 『ごめんなさい。 トウキを探して奥へ入ってったら迷っちゃって』 「トウキ?」 『薬草です。 別名”婦人病の万能薬”』 ああ、そうか。だから・・・ さっきのは薬草採取の許可証か・・ 『ほら。 嗅いでみて』 彼女はリュックから薬草を取り出し、私の顔に近づける。 『セロリに似て、爽やかで強い、独特の香りなの』 「ホントだ・・・ 薬草のこと、詳しいんですね」 『はい。 朝日町で”よもぎ”って薬膳カフェをやってるんです。 よかったら一度いらっしゃいませんか』 「よもぎ・・」 『ええ。 あ、ちなみに私の名前もよもぎ、です』 「そうでしたか・・・ おっと・・・いかん!」 『どうしました?』 「ほら、日が沈んでしまう」 『ほんとだ・・・』 「急ぎましょう」 『はい』 少し申し訳なさそうな顔をして、彼女=よもぎは立ち上がった。 私は、LEDライトのスイッチを入れる。 夕陽が笠ヶ岳(かさがたけ)の向こうへ吸い込まれていく。 グラデーションは一段と濃くなり、シルエットの稜線が闇に浮かび上がっていた。 【シーン3:下山】※この状況ではビバークの方が圧倒的に危険なので夜道を2人で下山します ◾️SE:森の中を歩く足音〜夜の森のざわめき〜フクロウの鳴き声 『すみません、荷物まで持ってもらって』 「いえいえ、薬草なんて軽いから全然!」 『あの・・・ひとつ伺ってもいいですか?』 「はい」 「さっき、どうしてビバークしなかったんですか? ああいうときって、ビバークするものだと思ってました』 「夜の山道を歩くのは危険だから、ですよね」 『ええ』 「実は今日みたいな状況のときは、留まる方が圧倒的にリスクが高いんです」 『そうなんですか?』 「はい。 最初のリスクは『低体温症』。 今日は雨でしたよね。 レインウェアを着てても内側は汗で濡れてる。 奥飛騨の夜はこの時期でもかなり冷えますから」 『なるほど』 「2つ目のリスクは『野生動物』。 このあたりはツキノワグマの生息地ですからね。よもぎさんの持っている薬草の香りが クマを引き寄せます」 『そっか〜』 「さっきの枯れ沢から登山口までは1時間ちょっとの距離。 ここは私が毎日歩いている、ホームグラウンドなんです。 心配しなくても、間違いなく無事に帰れますよ」 『わかりました』 「説教っぽいこといってすみません」 『とんでもない。 あ、もうひとついいですか?』 「どうぞどうぞ」 『まだ、お名前聞いてないなって・・』 「あ〜!そうでした!失礼しました!」 『ふふふ・・』 「シズルです!シズル。ごめんなさい」 『シズルさん・・・いいお名前』 「あ、ありがとうございます」 『奥飛騨温泉郷に住んでいるんですか?』 「はい、そうなんです。 ここ、福地に住んでます」 『福地温泉って確か、日本最古の化石が発見されたんでしたっけ?』 「よくご存知ですね」 「なに

    ボイスドラマ「トウキ」(前編:奥飛騨温泉郷編)
  7. Jun 19

    ボイスドラマ「いつかの弁当」

    マッチングアプリで元上司とブラインドデート!?不器用すぎる大人の恋の物語 【ペルソナ】 ・さくら(CV=29歳:岩波あこ)=静と同じ市民課に務める市職員。彩羽にとっては相談できる唯一の女性 ・彩羽(いろは=18歳/CV:坂田月菜)=高校生のとき東京から高山市街地へ引っ越してきて、卒業後は高山市役所市民課で働く市職員 ・静(しずか=61歳/CV:日比野正裕)=大学新卒以来高山市役所市民課で働く生え抜きの市職員 【プロローグ:市役所の休憩室】 ◾️SE:休憩室のざわめき/お湯を沸かす音など 「いただきま〜す」 「まあ、おいしそうなお弁当」 「あ・・さくらさん・・」 遅い昼食をとろうと休憩室に入ると 新人の彩羽と目が合った。 ちょうどお弁当を食べようとしていたらしい。 「お疲れ様です!」 私はさくら。 高山市役所で働く市民課の戸籍係。 彩羽は住民登録係だから、仕事上はそんなに接触はないんだけど・・ いや。 それは違うわね。 ちょっと前までは接触どころか、 彩羽のおうちでご飯まで食べるような関係だったし。 実は、彼女のお祖父様が、私の元上司。 詳しいことは、前編の『最後の弁当』『最初の弁当』を聴いてね。 「さくらさんもいまからお昼ですか?」 「うん。 遅くなっちゃったけど・・ 彩羽さんも?」 「はい。 朝からずっとバタバタして・・マイナンバーの申請とかいっぱいで」 「それ、こも豆腐?」 「そうです・・」 「ひょっとして・・・部長・・いえ、おじいさまの手料理?」 「はい!」 「すごいわねえ、部長、じゃなくて、おじいさまも」 「部長でいいですよ。 その方があの頃を思い出してワクワクするし」 「ごめんなさい。じゃ、お言葉に甘えて」 「こも豆腐って珍しいんですか?」 「ううん、その逆。 むしろ、高山のソウルフード」 「へえ〜」 「お豆腐を”こも”に包んで、茹でてから出汁で煮込むの」 「”こも”?」 「わらで編んだむしろよ。 ほら、お豆腐の表面にわらの模様があるでしょ」 「うん」 「ほんのり、わらのいい香りもしない?」 「ホントだ〜」 「お祝いごととか、ハレの日に出すお料理なのよ」 「知らなかった〜」 「あ、それと・・飛騨牛のしぐれ煮も」 「そう。私が美味しい!って言ったら、毎日お弁当に入れてくれるの」 「へえ〜」 「汁気をしっかり切ってご飯に乗せてるから、お肉がしっとりして美味しいんだ〜」 「部長って・・・彩羽さんにはホント、優しいのねえ」 「・・さくらさん・・・」 「なあに?」 「あの・・・さくらさんに相談したいことがあるんですけど・・・」 向き直った彩羽が、急に真面目な顔になる。 「今日・・・役所が終わってから少し話せませんか?」 「いいわよ。 じゃあ・・・あそこにする? あの・・なんだっけ・・・名前のない・・カフェ」 「やった。前から行きたかったんだ、あのお店」 彩羽は、私の返事を聞くと、安心したように声を弾ませた。 「抹茶バスクチーズケーキ! 食べたーい!」 【シーン1:名前のないカフェ】 ◾️SE:カフェのガヤ 「どうしたの?彩羽さん 食べないの? チーズケーキ」 「はい。 お腹は減ってるけど・・・おじいちゃんのこと考えると・・」 「え?」 「考えれば考えるほど、胃が痛くなりそう」 ※急に深刻になり身を乗り出す 「部長、どうかしたの?まさか・・どこか悪いとか?」 「いや、実は・・・さくらさんにお願いしたいことがあるんです・・・」 「お願い?」 ※悩んだ末に思い切って 「あの・・・おじいちゃんを止めてください!」 「え?なに?いきなり・・」 「このままだと、マッチングアプリに結婚させられちゃう!」 「ちょっとちょっと。 話がよく見えないわ。 落ち着いてお話して」 「はい・・あ・・ごめんなさい」 「マッチングアプリって?」 「恋人とか結婚相手を探すやつです」 「そんなことは知ってるわ」 「おじいちゃん、私が働き初めてから毎日お弁当作ってくれてるんですけど」 「そうね」 「毎朝、朝市で食材買いに出かけるの」 「まあ」 「で、野菜売ってるおばちゃんと仲良くなって」 「ああ、あのおばちゃん?」 「はい。 それで、おばちゃんから、独り身でいるのは大変だからって」 「え? それで?」 「マッチングアプリに登録しなさいって言われて・・」 「登録しちゃったの?」 ※泣きそうな声で 「はい」 「部長ったら・・・」 「私、こっそりおじいちゃんのスマホのぞいたんですけど」 「だめよ、そんなことしちゃ」 「いいの、おじいちゃん危なっかしいんだから。 アカウントのデータ入力だって、私がしてあげてるもん」 「まあ」 「それが最近『いいね!』を結構もらってて」 「部長って、ビジュ悪くないもんね」 「とうとう『お会いしましょ』ってメッセージまで来ちゃったんです」 「あらまあ・・ でも、いいことじゃない」 「なんで? さくらさんはそれでホントにいいんですか?」 「いいに決まってるわ。 部長、奥さん亡くされてからだいぶ経ってるし」 「それそれ。 おばあちゃんだって許すわけない」 「許すわよ」 「どうしてそんなことわかるんですか?」 「だってあのときは部長、見ていて胸が締め付けられるほど痛々しくて・・ 声もかけられなかったもの」 「だったら、よけいダメでしょ」 「ううん。そんな部長が彩羽さんのおかげで、こんなに明るくなったのよ。今度は自分が幸せになる番じゃない」 「違う。次はさくらさんの番なの!」 「また、わけのわかんないこと言って」 「さくらさん」 「なあに?」 「おじいちゃんのこと、好きじゃないんですか?」 「えっ・・な、なに言ってんの!」 「だって・・だって、おじいちゃん、 このままだと誰かと結婚しちゃうかもしれないのに・・」 「い、いいんじゃない・・?部長にとっても、その方が」 「そんなん、絶対よくない」 「言い切っちゃうのね。 でも、彩羽さん・・ 私は・・・大賛成よ。 だって部長には、幸せになってほしいもの」 「それは幸せなんかじゃないって! もう〜、なんて言えば、わかってもらえるの〜」 「さあさあ、それよりケーキ、食べましょ。 上に乗ったアイス、とけちゃうわよ」 「わかった〜。 もう、やけ食いだぁ。 あ・・・でもさくらさん、ひとつだけ約束して」 「なにを?」 「おじいちゃんがマッチングアプリの相手と会うより前に 一度うちへ来ること」 「いいけど・・・なんで? ご無沙汰だから、部長びっくりするんじゃない」 「おじいちゃんはいいの」 彩羽の主張が、だんだん支離滅裂になってくる。 それでも、困り眉のまま、ケーキを口に運ぶと、 「んま〜い!抹茶とチーズのマッチングが、も最高!」 私は思わず吹き出しそうになる。 若いっていいなあ・・・ 結局、週末に彩羽の家へお邪魔することになったけど。 【シーン2:彩羽の家】 ◾️SE:玄関の扉を開ける音 「いらっしゃい!さくらくん!」 彩羽のおうち。 というより部長のご自宅。 部長自ら満面の笑みで迎えてくれる。 4月にリタイアされてから顔を見るのは初めて。 なんだか、在職してるときより、顔色よくなったんじゃないかしら。 「さあ、今日は私が手料理を振る舞うから、 さくらくんはゆっくりしてってくれ」 「いらっしゃ〜い」 後ろから彩羽がひょっこり顔を出す。 「座って座って、さくらさん」 言われるまま食卓へ腰を下ろすと、私の横に彩羽も座った。 「ねえ、おじいちゃ〜ん。 今日はなに作ってくれるの〜?」 「今日のメインディッシュは飛騨牛の『朴葉味噌焼き』だよ。 さくらくんが来るっていうから 奮発してA5ランクのロースにしたんだ」 「わ、やったぁ」 「ホントはフィレにしようと思ったんだがね、 フィレの旨味が味噌の味に負けてしまうといけないから」 「なんだか部長、すっかりプロのシェフみたいですね」 「いやあ、まだまだ勉強中さ。 そうそう、肉は薄切りのロースだけど、野菜をたっぷり入れるからね。飛騨一本太ネギにしめじ、えのき、まいたけ・・」 「おいしそう」 「おじいちゃん、マッチングアプリのお相手にいいとこ見せたいんでしょ」 「え?」 「なっ、な、なにを言うんだ、いきなり・・」 「いつデートするんだっけ〜?」 「ばっ、ばかなこと言ってないで・・・ さ、さくらさんにお茶でも淹れてあげなさい」 「あ、私やります」 「だめ。さくらさんは座ってて。 お客さんなんだか

    ボイスドラマ「いつかの弁当」
  8. Jun 12

    ボイスドラマ「if。君のその手に触れられたら」

    もし、あの日、古い町並で“あの音”を聞かなかったら。 飛騨高山の伝統工芸「一位一刀彫」をテーマに描く青春ボイスドラマ。 【ペルソナ】※Yew(ユウ)は一位の木の英語名/marja(マリヤ)は一位の木のフィンランド語名 ・ユウ(17歳)/山﨑るい=高根町で生まれた少年/市街地の叔父の家に居候して高校へ通う。市街地の工房で出会ったアッシュに一目惚れして軽い気持ちで一位一刀彫に興味を持つ ・アッシュ/本名はアストリッド(18歳)/山﨑るい=フランス人の留学生。ワーキンングホリデーで出会った一位一刀彫に魅せられて本気で修行したいと思い文化活動ビザ取得を目指す ・マリヤ(17歳)/岩波あこ=ユウの遊び仲間/ユウに好意を寄せるが告白していない ・親方(68歳)/日比野正裕=一位一刀彫の職人。飛騨の匠 ・先生(40歳)/日比野正裕=優しいめがねをはめた先生 [シーン1:古い町並】 ◾️SE:古い町並の雑踏 「Je suis désolée.」 ※アッシュの声(CV:リア)=https://hidaten.com/wp-content/uploads/2026/05/Aicha-Lea.mp3 「え?」「何語?」 「フランス語でしょ」 古い町並に面した一位一刀彫の工房。 通りから見えるところで、女の子がノミをふるってる。 思わず声をかけたら、振り返ったのはなんと・・・金髪の女性だった。 「ちょっともう〜。行くよ、ユウ!」 横で怖〜い顔してボクを睨んでいるのは、同級生のマリヤ。 怒ると怖いんだよなあ。 そのやりとりを見ていた、ブロンド女子が笑ってる。 ボクの名前はユウ。 生まれた家は高根町。 市街地の叔父さんちから高校へ通う一年生。 入学したのは今年の4月。部活は帰宅部。 放課後はいつも寄り道して、古い町並で遊んでる。 で、ボクと同じように古い町並をぶらぶらしてたのがマリヤ。 話しかけたら、同じ高校の同じ一年生だったんだ。 どこに住んでるの、って聞いたら・・ 「荘川よ」 「へえ〜」 「放課後どんなに急いでも 1時間以上バスを待たなきゃいけないの。 だからいつもブラブラしてる。 あんたは?」 「ボクは帰宅部。 実家は高根だけど、市街地のおじさんちに居候」 「荘川と高根じゃ、真逆ね。 はは・・」 という感じで、意気投合。 以来ほとんど毎日、2人で古い町並を徘徊。 今日も今日とて歩いてたら、聞きなれない音が聞こえてきた。 耳をすましたら、なんとノミの音。 あとから聞いたら一位一刀彫っていうらしい。 工房が公開されてて、実演をしてた。 職人さんは若い女の子っぽい。 藍染めの作務衣に、頭に巻いた白い手ぬぐい。 脇目も振らず一心不乱にノミをふるう。 その仕草にボクの目は釘付けになっちゃって・・ それで、つい声をかけちゃったんだ。 まさか金髪女子とは・・・ 少し気恥ずかしくて、足早に立ち去るボクとマリヤ。 「行くよ、ユウ」 背中越しに、フランス語が聞こえてきた。 「Salut!」 ※アッシュの声(CV:リア)=https://hidaten.com/wp-content/uploads/2026/05/Lea.mp3 なんか、周りの観光客にも笑われてるような気がして。 高山駅までの間、マリヤはずうっとボクを睨んでいた。 [シーン2:古い町並の公開工房】 ◾️SE:古い町並の雑踏 「ハーイ!ユウ! マリヤも!」 笑顔でアッシュがボクたちを出迎える。 奥の親方は相変わらず怖い顔。 アッシュというのは、ブロンドの女の子。 マリヤが言ったように、フランス人だった。 翌日。 結局ボクたちは・・ っていうかボクは、アッシュに魅せられて また、工房へ行ったんだ。 マリヤはあきれてたけど、ついてきた。 アッシュは、一位一刀彫の工房で働く、見習い職人。 見習い、とはいっても、この夏でもう一年になるらしい。 で、どちらからともなく、話をするようになって・・・ あ、もちろん、日本語でね。 彼女、アッシュは、英語、フランス語、日本語がペラペラなんだ。 (※以下、流暢な日本語で) 「私、去年の夏に、高山へ来た。 ワーキングホリデーね。 最初は外国人観光客向けのゲストハウスで働いてたの。 お休みの日に、この工房で実演を見てすごくショック受けた」 「なんで?」 「フランスにも木彫りってあるんじゃないの?」 「あるよ。 でも全然違う。 フランスの木彫りはまず先に粘土で模型を作る。 それから彫刻刀とヤスリで磨き上げていくの」 「ふうん」 「でも、一位一刀彫はすごい。 ヤスリを一切使わずに、鋭いノミのタッチだけで完成させるんだもの」 「そうなんだー」 「一度削ったら修正がきかない一発勝負の緊迫感。 ノミだけで動物の毛並みや躍動感を表現してしまう職人の技。 信じられない」 「へえ〜」 「それで親方に頼み込んだの。弟子にしてほしいって」 「よくあの親方が弟子にしてくれたなあ」 「毎日押しかけたもの」 「すごっ」 「箸置きとか根付けなら、もうけっこう自信あるんだ」 「すごいね、アッシュ」 「あの・・・実は・・ボクも弟子入りしたいんだ」 「えっ?」 「今日にでも、親方に言うつもりだった」 「そお〜いいんじゃない。 でもハードル高いよ〜」 突然の言葉に一番驚いたのはマリヤだった。 「本気なの?ユウ」 マリヤの瞳が一瞬、悲しみをたたえたような気がした。 [シーン3:学校のチャイム】 ◾️SE:教室の雑踏 「マリヤ〜、行こうぜ」 「ごめん、ユウ。 今日からはひとりで行って」 「え?なんで?」 「この前の休み、お父さんが自転車を高山駅まで運んでくれたんだ。 駅の駐輪場も定期で借りてくれたの。 自転車なら荘川行きのバスに間に合うもん。 だからもう、工房へはいかない」 「そ、そっか・・・」 (※ここは、わざとらしく話をかえる) 「ねえ、それより聞いて。すごいのよ、高山駅の駐輪場って。 高校生は定期利用で毎月最大500円まで補助されるんだって」 「その言い方、宣伝みたいだな。まわしものか」 「ごめんね、ユウ・・」 「え・・」 「がんばって・・・」 マリヤは寂しく笑って、教室から出ていった。 教室にはボクひとりがとり残された。 [シーン4:アッシュの帰国】 ◾️SE:工房の雑踏 それからボクは、ひとりで工房へ通った。 当然素人にノミなんてさわらせてもらえない。 だからアッシュと親方の作業をずうっと見ている。 圧倒的な熱量でイチイに向き合う二人。 小気味いいノミの音が工房に響く。 木屑がふわりと舞うたび、落ち着いたイチイの香りが鼻腔をくすぐる。 ノミをふったあとは、二人の静かな呼吸音。 普段のアッシュからは想像できないような真剣な表情。 髪をラフにまとめて、ツナギの袖まくり。 額に汗を浮かべながら木を削る。 学校にいるどの女子よりも、 いや、ボクが今まで見てきたどんなものより輝いている。 一位一刀彫という伝統工芸に人生を賭けているんだ。 アッシュの作業をじっと見ていた親方がノミを持つ。 その直後。 響き渡る槌音。 匠の一振りが、ただの四角い木の塊から、命を削り出す。 生まれたのは、福を呼び込む「ふくら雀(すずめ)」。 あっという間にできちゃうんだ・・ アッシュが削り出したのは、香合(こうごう)という茶道具。 すごいな。外国人なのに、風流をちゃんと理解してる。 いや、それよりなにより、なんといってもすごいのは、イチイの木か。 『日本で最も気高い木』というのはヤバすぎてエモい。 「なに〜?ユウ、無口になっちゃって」 沈黙を破ったのは、アッシュだった。 いまだ。 「あ、あの・・・親方・・・ ボクを弟子にしてください!お願いします!」 切り出すタイミングがチョームズい。 親方は何も言わずに、次の作品にとりかかる。 おけおけ。 一発でオッケーもらえるなんて思ってないし。 次の日からもずっと、ボクは通い続けた。 初めて親方の口が開いたのは10日目。 「イチイの木っていうのは赤と白なんだ」 「外側の白太(しらた)と、中心の赤太(あかた)に分かれてるだろう」 「匠はな、この2色の境界線を計算して彫るんだ」 「そうすると、色を塗ってねえのに、キレイな紅白の作品になる」 こうして、ポツポツと話してくれるようになった。 そんなある日。 「ねえ、ユウが初めてここに来てからもうひと月ねえ」 アッシュがボクを工房の裏へ呼び出して言った。 「私は、来月で、日本に来てから一年になるんだ」 「へえ〜。 一年でこんなにうまくなれるんだ。 やっぱセンスかな・・」 「喜んでる場合じゃないのよ」 「え?」 「ワーキングビザは一年で切れちゃうか

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飛騨高山を舞台にした珠玉のボイスドラマをお届けします。コミュニティFM Hit's FM(Hida Takayama Tele FM) で放送中の人気ラジオ番組! ヒダテン!のCV声優10名 が入れ替わりパーソナリティを務める「Hit’s Me Up!(ヒッツ・ミー・アップ!)」の中で放送されているボイスドラマです!ボイスドラマを通じて飛騨高山の魅力に触れてみてください! <番組の特徴> ・ 飛騨高山を舞台にしたボイスドラマを多数制作! これまでに100本以上の作品を発表し、地元の魅力を物語として発信 ・ 放送情報   放送局1: Hit's FM(Hida Takayama Tele FM)   放送時間:毎週金曜10:30-11:00/毎週土曜13:30-14:00   放送局2: FMらら(FMラインウェーブ株式会社)   放送時間:毎週金曜13:00-13:30   配信:Spotify、apple(iTune)ミュージック、amazonミュージック、YouTubeミュージック、CastboxなどのPodcastで番組とリンクして配信中! 飛騨高山の美しい風景とアニメ文化をつなぐ、唯一無二のラジオ番組! 「Hit’s Me Up!」を聴けば、新たなエンタメの扉が開きます!

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