ヒダテン!ボイスドラマ

飛騨高山を舞台にした珠玉のボイスドラマをお届けします。コミュニティFM Hit's FM(Hida Takayama Tele FM) で放送中の人気ラジオ番組! ヒダテン!のCV声優10名 が入れ替わりパーソナリティを務める「Hit’s Me Up!(ヒッツ・ミー・アップ!)」の中で放送されているボイスドラマです!ボイスドラマを通じて飛騨高山の魅力に触れてみてください! <番組の特徴> ・ 飛騨高山を舞台にしたボイスドラマを多数制作! これまでに100本以上の作品を発表し、地元の魅力を物語として発信 ・ 放送情報   放送局1: Hit's FM(Hida Takayama Tele FM)   放送時間:毎週金曜10:30-11:00/毎週土曜13:30-14:00   放送局2: FMらら(FMラインウェーブ株式会社)   放送時間:毎週金曜13:00-13:30   配信:Spotify、apple(iTune)ミュージック、amazonミュージック、YouTubeミュージック、CastboxなどのPodcastで番組とリンクして配信中! 飛騨高山の美しい風景とアニメ文化をつなぐ、唯一無二のラジオ番組! 「Hit’s Me Up!」を聴けば、新たなエンタメの扉が開きます!

  1. 1d ago

    ボイスドラマ「蛟」

    時代に忘れられた水の女神と、山に生きる青年 時は1912年――明治45年、大正元年。 前年、国鉄中央線が全線開通し、飛騨の工女たちが歩いた過酷な「野麦越え」は、その役目を終えようとしていました。 最後の野麦越え。工女たち。美女峠。そして・・・ 人と神。歴史と伝承。そして、時代が変わっても変わることのない人の想い。 明治から大正へと移り変わる飛騨を舞台に描く、少し不思議で、どこか懐かしい愛の物語です 【ペルソナ】 ※1912年(明治45年/大正元年〜大正三年)の春〜夏・水波=みずは(年齢不詳/CV:蓬坂えりか)=記憶を失った女性。実は水の女神、水龍    の化身 ・惣太=そうた(25歳/CV:日比野正裕)=朝日村で一人炭焼きを営む住む寡黙な青年 ・澪=みお(2歳/CV:坂田月菜)=惣太と水波の娘。半人半妖 【シーン1/美女ケ池行き倒れ】 ・少女の姿をした記憶喪失の龍神・水波が美女ケ池のほとりで倒れている ・冬に備えてナラ材を切り分けた木こりの惣太が運搬路を整えるため通りがかって発見する ◾️創作・糸引き唄(※唄:蓬坂えりか&坂田月菜) ※音声/https://hidaten.com/wp-content/uploads/2026/09/itohikiuta.wav 〽ハァー 野麦(のむぎ)越えるときゃ 雪さえ溶ける 溶けぬ涙が エーヨー 胸を突く 〽糸を引きましょ お国のために 親に仕送り エーヨー 果てるまで 真っ暗な闇の中から『糸引き唄』が聞こえてくる。 『お国のために、家族のために』 吹雪の美女峠。 工女たちの足音と、唄声。 ああ、そうだ。覚えているとも。 粗末な単衣(きもの)を何枚も重ね着して、 三幅前掛け(みはば/まえかけ)を帯代わりに結んだ生娘(むすめ)たち。 頭には手拭いを巻いて、脚には脚絆(きゃはん)。 足袋の上からわらじを履いて、雪の峠を超えていく。 美女峠は、過酷な道行きの入口。 家族と離れ、野麦峠へと向かう『十三見送り(じゅうさんみおくり)』。 『永の別れ』をねぎらうために、私は少女たちに餅をふるまった。 親も子も、泣きそうな顔で『うまい』『うまい』と言うておった。 最後の工女行列を見送った冬。 役目を終えた私はどうなるのだろう? いや、そもそも、『私』とはだれなんだ? 記憶の上に、果てしない忘却の雪が降り積もる。 冬が終わり、春の足音が聞こえてくるまで・・・ 「おい、あんた!大丈夫か?生きてるか!」 底なしの闇の中から、誰かが私を呼び覚ます。 暗い。冷たい。水の底。 ただ揺蕩(たゆた)うだけの深い眠りを覚ます響き。 胸の奥がぎゅっと締め付けられるような・・・ 記憶の彼方から届く声。 私は、閉じていた瞼を、ゆっくりと押し上げる。 「おお、気がついたか」 視界に飛び込んできたのは、眩い木漏れ日。 そして、私の顔を覗き込む一人の男。 荒れた手、煤けた衣服、私を見つめる、強い眼差し。 炭焼きの男。 その口から言葉が漏れる。 「びっくりしたぞ。 あんた、草むらのなか、美女ケ池の水際で倒れとったんや」 「美女が池・・・」 「ああ。 真冬なら今頃生きちゃおらんやろが」 「私は・・・私はだれじゃ・・・」 男は眼を丸くして驚き、そのあと言葉が続かない。 私も男と目が合った瞬間、再び、忘我の眠りに落ちていった。 【シーン2/惣太の炭焼き小屋】 ◾️虫の声 「ああ、よかった。 眼を覚ましたな。生きてたんだ」 「虫の声・・・もう夜か・・」 「ちゃうて。 あんた、3日間眠ってたんや」 「三日・・・ ん?ここは・・・どこじゃ?」 「オレの家や。炭焼き小屋。 美女ケ池からはそう遠くない」 「・・・そうか・・」 「自分のこと、思い出したか?」 「私・・私は・・・」 「まあええわ。 ゆっくり思いだしゃええ」 「ああ・・・」 「腹へったやろう?」 私の返事を聞く前に、男は囲炉裏に向かった。 火吹き竹で消し炭を煽ると、またたく間に赤い火が熾(おこ)る。 煤けた鉄鍋に山の湧き水を注ぎ、自在鉤(じざいかぎ)に掛けた。 「オレは・・・惣太だ」 半身(はんみ)を起こした私に、男が名乗る。 「見ての通り、ここで炭を焼いとる」 話しながら、山菜を豪快につかんで鍋に入れた。 そのまましゃがみ込んで火吹き竹を強く吹く。 すると、眠っていた炭がパッと赤く色づいた。 月明かりだけだった小屋の闇に、ぼおっと赤い炎が灯った。 「いまは辛抱のときやけどな。 冬になれば、高山の町から炭問屋の手代がここまで買い付けにくるんや」 惣太は生簀(いけす)代わりの木桶から、元気のいいヤマメを取り出す。 手早く腹を裂いて塩を振る。 手慣れた仕草で、竹串に刺し灰のなかに勢いよく突き刺した。 「オレの焼くナラ炭は町でも評判がええんや。 火持ちが最高だそうだ。 岡谷にある製紙工場のボイラー係も『オレの炭じゃなきゃ湯の沸きが悪い!』 つって、わざわざ指名してくるんやさ」 惣太の言う通り、炭火は勢いを増していく。 パチパチと爆ぜる炭の音。 脂の乗った魚の香ばしい匂いが煙とともに小屋を満たしていった。 「金儲けだけやないぞ。 美女峠の頂上に休憩小屋があるやろ。 あそこにもオレの炭をおろしとる。こっちは利益なんて度外視や。 峠を越えて野麦へ向かう工女たちのためやから・・・ みんな、この先、地獄のような山越えをするんや。 少しでもぬくとうしてやりたいやないか」 惣太は背中を向けて焼いたヤマメをひっくり返す。 何回か繰り返すと、今度は頭を下にして垂直に立てた。 「そやけどなあ。 それももう終わりや。 去年・・・明治44年の5月に、国鉄の中央線が全線開通したやろ。 これで、工女たちはもう野麦の峠を越えんでもようなった。 中津川の坂下駅まで歩いていって、そこから汽車に乗って岡谷へ一本や。 ほんとうによかったわ・・・ おりゃあ、胸を撫で下ろしてるんやけどな、なんやちょっと寂しゅうて。 工女たちの行列がもう二度と見られんと思うとなあ・・・」 惣太が寂しそうな顔をしながら、焼き上がりを確認する。 ヒレまで綺麗に白く焼き上がったヤマメの塩焼き。 小屋の中にはもう美味しそうな匂いが充満している。 惣太は串を抜くと、私の前へ突き出した。 「さあ、焼けたぞ。食え。 とにかく食って、精をつけろ」 私は串を受け取り、そのままかじりつく。 それを見た惣太は安心したようにまた話しだす。 「このあと、どこへ行くんや?」 私が何も答えず、ひたすらヤマメにしゃぶりついていると・・・ 「まあ、ほんなことええわ。ゆっくりしていけばええ」 そう言って、鍋の中に地味噌をひとつまみ入れる。 木杓子(きじゃくし)で鍋をかき回すと、大きなお椀にすくって私の方へ差し出した。 「これも食べろ」 「惣太の分は?」 「オレは腹が減っとらん」 そう言って背中を向けた。 後ろを向いたまま、ボソっと呟く。 「なあ・・・無理にとは言わんが・・・ もし、行くあてがないなら・・・ ずうっとここにおればええ」 「わかった」 「ほんとうか?」 満面の笑みで振り返る。 それが可笑しくて、可愛くて、私も思わず笑ってしまった。 そのとき・・・ 「あぶない!」 「え?」 「このやろう!」 そう言って、惣太が踏みつけたのは、大きな百足! 私は・・・恐ろしくて、声も出ない。 惣太は震えが止まらない私を抱き寄せる。 「なんや。意外と怖がりなんやな」(※笑いながら) どうしてこんなに恐ろしいのだろう。 意味がわからず震えていると、惣太は、 「なあ、やっぱり・・・ここにいてくれや」 そう言って私を強く抱きしめた。 月明かりに照らされる2つの影。ただ虫の声だけが、賑やかに、激しく、鳴り響いていた・・・ 【シーン3/3年後/惣太の炭焼き小屋】 ◾️野鳥の声 「かあさま、びじょがいけまであそびにいってもいい?」 「気をつけるのよ。水のそばには近寄らないでね」 「はあい!いってきます」 娘の澪が元気よく小屋から飛び出していった。 あれから3年。 私は惣太と夫婦となり、月日を重ねた。 明治から大正へ。 元号が変わって最初の夏。 私は惣太の間に娘をさずかった。 記憶は相変わらず曖昧だったが、 澪が生まれて、名前を決めたとき、 不意に自分の名前が浮かんできた。 水波。 名前を思い出したことを惣太は心から喜んでいた。 「水波。澪。 意味はようわからんけど、どっちもきれいな名前やなあ」 でも、その瞳の奥に見えたのは小さな闇。 きっと私が記憶を取り戻すことを、心のど

    ボイスドラマ「蛟」
  2. Sep 11

    ボイスドラマ「奥飛騨百姓座敷湯守」

    昭和の頑固親父 VS 令和のギャル娘 12年前に家を飛び出した娘・凛子が、奥飛騨の老舗温泉旅館「湯守」に突然帰ってきた! 「昭和男児とかマジでサゲ」「ギャル女将とかアゲてこ」 飛騨弁とギャル語が飛び交う、100年続く温泉宿の跡取り騒動。 変えてはいけないもの。変わらなければ、守れないもの。 5代目の父から6代目の娘へ、そしていつか7代目へ――。 笑って、ぶつかって、最後はじんわり。奥飛騨の湯けむりに包まれる、父と娘の物語・・・ 【ペルソナ】※舞台設定は現代/新平湯温泉 ・静馬(しずま/64歳/CV:日比野正裕)=百姓屋敷を改造した老舗旅館湯守の5代目 ・凛子(りんこ/30歳/CV:坂田月菜)=静馬の娘。高卒で東京へ家出したギャル娘 【プロローグ/家出】 ◾️SE:セミの声(ニイニイゼミ) 「ばかやろう! 毎晩毎晩ほっつき歩きやがって! そんなチャラチャラしたやつは、娘でもなんでもない! いますぐこの家から出ていけ!」 「はいはい、お疲れサマンサ〜。 そうやってすぐにブチるの、マジでウケる。 そんだけ激おこぷんぷん丸だと血管切れるよ? ウチの人生ウチが決めるんで。 とりま、あざした〜!」 そう言って、娘の凛子が家を出ていったのが12年前。 世間では『ギャル』というらしいが、下品な化粧と言葉使い。 いったいどこの国の言葉なんだ・・・ 私の名前は静馬。 奥飛騨温泉郷・新平湯温泉にある老舗旅館 『奥飛騨百姓座敷・湯守(ゆもり)』の5代目当主である。 うちは元々、江戸時代から続く豪農の百姓屋敷。 明治の終わり頃、初代がこの場所へ太い梁を移築。 湯守として温泉旅館を始めた。 今年でちょうど100年になる。 じいさんも親父も、絵に描いたような昭和の頑固親父だった。 『男は黙って背中で語れ』 『客には命を削っておもてなしをしろ』 口を開けば飛騨弁の怒声が飛ぶような環境。 当然のように私も、典型的な昭和男子として生きてきた。 最近ではなんだっけ? パワハラ?モラハラ?なんやそれ? ちょっと大きい声を出しゃあ『威圧的』やの、 気合いを入れようと背中を叩けば『暴力』やの。 コンプライアンスだの何だのって横文字にすりゃあいいと思って。 男ってのはなぁ! 健さんも言ってるやないか。 理屈じゃねえ、行動で語れ。 女は一歩引いて、男の背中を支えるもんだ! 汗水垂らして、泥にまみれて、必死こいて働く姿を見せる。 言葉が足りんけりゃあ、愛のムチだって必要だわ。 でなきゃ、奥飛騨の厳しい冬が乗り越えられるかっての! 湯口から吹き出す源泉の熱さに耐えられるかってんだ! 今の若い奴らは、ちょっと怒られたくらいで『心が折れた』だの 『メンタルがどうの』だの、くだらないことばっか言いやがって。 一人前になるまでは、寝る間も惜しんで精進しろ、っつうの。 「はい、今の全部アウト〜。 セクハラ・パワハラ・ジェンハラのトリプル役満やめてもろて?」 「り、凛子!?」 【シーン1/出戻り】 ◾️SE:セミの声(ミンミンゼミ) 「お父ちゃん!声デカすぎだって。 バス停まで余裕で聞こえてるからね? ただでさえ昭和男児とかー、世間的にマジでサゲなのに」 「お前、いつ帰ってきたんだ?」 「新宿を7時に出て、いま新平湯温泉に着いたー。 つか最近の高速バス、ガチでリッチすぎてビビるんだけど! 移動中ずっと爆睡できたし、普通に優勝だわ」 「なんだ、それが12年ぶりに再会した親に言うセリフか?」 「それよりー、お父ちゃん、いまのお客さんに聞かれたらガチで詰むって。 昭和男児って、老害ムーブ全開でマジ公害レベルだから」 「うるさい! それより昼飯は食べたのか? まかないでよかったら食ってけ」 「え、食べる食べる! まかないとかガチで神なんだけど! ぶっちゃけお腹ペコペコすぎてたから、超助かる〜。 とりま秒で荷物置いてくるから、よろしくね!」 12年ぶりに新平湯へ帰ってきた娘。 今年で30になるっていうのに、なんだ、あの化粧に言葉使いは。 出てったときより、酷くなってるんじゃないか。 目の周りは真っ黒、爪に変な飾りまでつけおって。 とてもじゃないが、あれじゃあ、ご近所様や宿のお客様には見せられん。 「ちょっと、お父ちゃん、ウチの部屋まんまにしといてくれたん? マジ感謝!マインド神すぎてアゲ!」 荷物を部屋に置きにいった娘が走って戻ってきた。 なにを言ってるのかよくわからんが・・・ まあ、部屋をそのままにしとくのは当たり前だろう。 一人娘なんだから。大事な跡取りなんだし。 「つかウチさー、これから湯守で働こうと思って」 「なんだと? うちの旅館で働く?」 「いーじゃん、今ってどこも人手不足でマジ詰んでない?明日から手伝うからさー、ギャル女将とかアゲてこ」 言葉がそのあと続かなかった。 娘が帰ってくるのは嬉しいが、いきなり旅館を手伝うと言われても。 喜びよりも不安の方がはるかに大きい。 いつもよりセミの声がうるさく響いていた。 【シーン2/帳場に立つギャル女将】 ◾️SE:セミの声(ヒグラシ) 「いらっしゃいませ〜! 遠くからガチでお疲れサマンサです!湯守へようこそー!」 翌日から凛子は帳場に立った。 どこで見つけてきたのか、ド派手なピンクの浴衣。 帯はリボンのように結び、 髪はきっちりまとめるどころか、ゆるく巻いてアップにしている。 化粧はいわゆるギャルメイク?というのか、見るに耐えない。 その顔を満面の笑みにしてお客さんに話しかける。 「とりま、こちらにお名前とか書いてくださーい!アゲ!」 「ちょっと!凛子!こっちこい!」 「えー、なにー?お父ちゃん!」 「なんだ、いまの接客態度は!?」 「ギャル女将なんだからフツーっしょ!」 「全然普通じゃない! それに、その格好!チンドン屋じゃあるまいし」 「は?それ差別用語!サゲ!」 「だいたい、誰が帳場に立ってもいいと言った? 女の分際で・・・」 「へ? お父ちゃん、いつの時代生きてんの?」 「なことはいいから、ここは中居頭のさくらさんに任せろ。 言いたいことがあったら厨房で聞いてやる」 「はぁ〜、ダルみざわなんだけど〜」 うちの旅館・湯守には女将はいない。 普段は仲居頭がお客様のお出迎えにあがる。 凛子は仲居頭に頭を下げて厨房の方へ向かった。 【シーン3/厨房の静馬と凛子】 ◾️SE:厨房のガヤ 「おっ、カイトっち、おつー!」 凛子は見習いの板前・カイトに声をかける。 「てか昨夜(ゆうべ)、ウチの歓迎会に、最後まで付き合ってくれてありがとね!」 「パワハラ親父に無理やり飲まされてたっぽだけど、体調大丈夫そ?」 「マジ我慢しなくていいからさ、モームリと思ったら休んじゃいな!」 「アホか!凛子! 見習いのカイトにくだらんことを吹き込むな!」 「はぁ?」 「おいカイト!今朝厨房の仕込みに遅れたそうだな! たかが二日酔いくらいでそんな風になってどうする? 人並みに酒も飲めないで一人前の板前になれると思うか? 高卒のお前をわざわざ引き取って一から育ててやったのに、 いつまで半人前でいるつもりだ! やる気ねえなら明日から来なくていいぞ、クビだクビ!」 「ちょっと!なに言ってんの!お父ちゃん! 最初から最後まで全部アウトすぎて、もはやウケるんだけど」 青白い顔をしたカイトに背中を向けて、ものすごい剣幕で凛子が捲し立てる。 「『酒くらい飲めて一人前』とかなにそれ? 昨日無理やり飲ませたのテメェだし完全アルハラだから! てか、そんな二日酔いの状態で早朝から包丁握らせるとか、ありえんわ! 宿の安全管理どうなってんの? カイトっちの学歴出して『高卒の小僧』とか言うのも普通にアウトだし! 『クビ』とか脅すの最悪のパワハラじゃん。マジ大丈夫!?しっかりしてよ!お父ちゃん!」 「ったく、めんどくせえ世の中だな。 ま・・その、なんだ・・・ カイト、お前も、この先いい人見つけて、身を固めることも考えとけよ」 「お父ちゃん! 『身を固めろ』とか、サイテー! 結婚とか恋愛なんて個人の自由だし! マインドが昭和すぎて脳みそ化石レベルなんだけど!」 「ばかやろう!所帯を持ってこその男の甲斐性。家を守る嫁さんがいるから、男は思う存分戦えるんだ!」「はぁ!?なにそれ? 男のために女が犠牲になるのが当たり前とか、 マジで聞いてて虫唾が走るんだけど! 外で戦うとか、カッコつけてんじ

    ボイスドラマ「奥飛騨百姓座敷湯守」
  3. Sep 4

    ボイスドラマ「異世界マルス」

    「縄文とか、マジ興味ないんだけど。」 歴史が苦手な久々野中3年生・輝李(エリー)が、学校の倉庫で見つけたのは——どう見ても「スマホスタンド」な縄文土器!? スマホを置いた瞬間、飛ばされたのはエルフと魔王が存在する異世界「マルス」だった! でも、この世界……どこかおかしい。 5000年前の久々野。幼い頃の妄想。八尺川でなくしたスマホケース。そして「創造主」と呼ばれる輝李——。 すべてがつながったとき、異世界マルスの本当の秘密が明らかになる・・・ 異世界×縄文時代×久々野。まさかの組み合わせで贈る、時空を超えたファンタジー! 【ペルソナ】※舞台設定は現代 ・輝李(エリー/15歳/CV:坂田月菜)=久々野中学校3年生 ・静馬(しずま/35歳/CV:日比野正裕)=歴史教師 ・イブ(5015歳/CV:坂田月菜)=縄文時代から存在する異世界マルスに住むエルフ ・アダム(5035歳/CV:日比野正裕)=異世界マルスを破壊しようと企む魔王 【プロローグ/久々野中学校】 ◾️SE:教室のガヤ〜机をバン!と叩く音 「輝李!」 「うわ!びっくりした! あ、先生、ふぁ〜おはようごさいます・・」 「おはようございます、じゃないだろ。 午後イチの授業だっちゅうの。 2学期始まったばかりなのに、よくそんなに居眠りできるな」 「いえ、そんな・・・大したことじゃ・・・」 「誉めとらんわ!」 「あ、サーセン!」 ◾️SE:教室の笑い声 「まあいい。 今学期からは歴史の授業、縄文時代に入るから。 みんな、ちゃんと聞けよ。 ここ、テストに出るぞ。 聞いとるか、輝李」 「縄文とかまじ興味ないんだけど。 同じ時代なら、中世ヨーロッパとか北欧とかの方がよくない? 城とか騎士とか海賊とか、普通にかっこいいし」 「あのなー。 日本の縄文時代と、中世ヨーロッパや北欧バイキングの時代、 一緒だと思ってるみたいだけどな。 それ、時代が数千年もズレているんだよ」 「え?まじ?」 「なんでオレがウソ言うんだ。 おい、輝李。 罰として、お前倉庫までお使いに行け。 授業で使う『縄文土器のレプリカ』を持ってこい!」 はぁ、まじだりぃ。 自分の忘れ物とか押し付けないでほしいんだけど。 てか、まじで眠すぎ・・・ ウチの名前は輝李(エリー)。 久々野中3年。 ガチで好きなのはゲーム・・・あ・・と・・違くて、eスポーツ。 勉強はマジ無理。 つか、ウチに超だるい用事押し付けてきたの、歴史の静馬だし。 歴史ってマジ覚えること多すぎて、疲れるわ。 縄文とか弥生とか言われても、イミフすぎて詰み。 ◾️SE:ひたひたと学校の廊下を上履きで歩く音 え、てか倉庫遠いし暗いしで、マジ怖いんだけど。 縄文、縄文って・・・ 縄文の資料どこにあんの。 あ、これかも・・・ 『堂之上遺跡関係』って書いてあるデカいダンボール・・・ ◾️SE:ダンボールの中をガサゴソまさぐる音 もう〜、土器のレプリカ、ってなんなん? 壺とかお椀とかそういう系? いや、待って。あれじゃね?ゴーグルかけた宇宙人みたいなやつ・・・ そんなん、どこにもないじゃん。 てかそもそも堂之上遺跡とか、保育園のとき以来行ってないし。 そういやあの頃マジで友だちいなくて、いつもひとりぼっちだったわ・・・ 堂之上遺跡の竪穴住居を見ながら、ひとりで一生妄想してたなあ・・・ ん?あれ? ワンチャンこれじゃね?土器のレプリカ。 板みたいなやつ。縄文っぽい模様がついてるし。 でも、なんか違うっぽいっていうか・・・ ほぼスマホスタンドじゃん。サイズ感といい、形といい・・・ それは・・・ 手のひらにすっぽり収まるくらいの、土の塊。 絶妙にコンパクトなサイズ。 グレーというか、ちょっと青みがかった不思議な色をしている。 土器にしてはツルツルしてるし。 形はもうスマホスタンドそのもの。 ウチは、思わず自分のスマホを出して置いてみた。 すると・・・ え・・・? 周りの音が、一瞬で消えた。 グラウンドから聞こえていた体育の授業も、遠くの道路を走る車の音も。 次の瞬間、目の前の景色がグワッと歪んだ。 目眩がして思わず目を閉じる。 そのわずか一秒後。 「え・・・?え・・・?ええええええええ!?」 【異世界召喚シーン/異世界マルス】 ◾️SE:ヨーロッパの街のガヤ 目を開けると、 そこは倉庫の中じゃなかった。 眩しい日差しに赤レンガの屋根。 石畳の道。 太陽が低い! 果物とか雑貨売ってる屋台。 小高い丘の上にそびえるお城。 街を行き交う人々はみんな・・・外・国・人! いやいやいや、待って待って待って! ここって、中世ヨーロッパとか北欧とかの街並みじゃね? てかさ、これ・・・ウチがちっちゃい頃、 妄想してた異世界まんまなんだけど!ヤバい! でも、どっかおかしい。 そうだ。景色がなんかボンヤリしてる。 写真にフィルターかけて滲ませたみたいに。 おもわずスマホを見る。 『圏外』の文字。 そりゃそうでしょ。異世界なんだから。 「・・・ちょっと・・・」 「ちょっと!」 「え?」「ウチ?」 「当たり前じゃん!あんたに決まってるでしょ」 わ! 出た! この人・・・ とんがった耳、鋭い目つき、小ぶりな体・・・ 「エルフだ!」 「みりゃわかるでしょ。 それよりあんた、見ない顔だけど・・・だれ? どっから来たの?」 「っと・・・ウチは・・エリー。 久々野からきたの」 「クグノ? って・・・もしかしてあれ?世界中の商品が集まり、ギルドで栄えているという、あの・・」 「いや違くて。日本の、岐阜の、高山の、久々野」 「ふむ。きいたことのない街だな。 まあいい。 で、なにしにここマルスへきた?」 「マルス?」 「おいおい。街の名も知らずにきたのか?」 「てか、あんたはだれ?マルスってのはなに?」 「私? 私はイブ。 見ての通りエルフだ。魔法使い。 自慢じゃないけど、魔力は多分この世界で一番強いよ。 マルスってのは、この世界で一番交易が盛んな街。ご覧のように商人や旅人でいつも賑わっている」 エルフのイブが胸を張って答えた。なんかよく見ると、整った顔立ち。人気アニメに出てくるエルフと似ているかも。 「あと、あそこの露天で売ってるあれもマルスだ」 「え?あれって・・・リンゴじゃん!」 「リンゴ、ってなんだ?」 やばい。 頭が混乱してきた。 いや。 そもそも、異世界に召喚された時点でもうぶっ飛んでるんだけど。 「お前、エリーからはまだ返事を聞いてないぞ。 マルスへなにしにきた?」 「え〜っと・・・ 来たくてきたわけじゃなくて・・なんかのきっかけで召喚されちゃったみたいで・・・」 「きっかけ?召喚?」 そう、きっかけ・・・ って・・・あ? ウチはあわててポケットを探る。 あった。 縄文土器?みたいな、スマホスタンド?みたいなのと・・スマホ。 なくしたら帰れないよな、きっと。 私は土器をポケットに戻して、スマホを手にした。 『圏外』。 そりゃそうだ。 「それはなんだ?」 「これ?これは、スマホ・・・・・」 「まさか・・・まさか、その形・・・欠片の片割れでは・・・」 「欠片?片割れ?イミフなんだけど」 「世界の欠片だよ」 「よけいわかんないし」 「欠片を集めた者が世界を救う。そういう言い伝えrがあるんだ」 「救わなくたって、みんな平和で幸せそうじゃん」 「いや。この国を滅ぼそうとする者がいる」 「え?そんなんいるの?」 「黄泉の国に住まう、魔王だ」 「でた・・・魔王!黄泉の国! うわ、ゴテゴテの厨二病じゃん」 「なに?」 「なんでもない」 「魔王と言ってもその姿はドラゴンそのもの」 「すご」 「ワイバーンという種類のドラゴンだ。 口から火を吹きながら空を飛ぶ」 「なんで魔王はマルスを滅ぼすの?」 「この世界をなかったことにしたいのさ」 いや理不尽すぎるでしょ・・・ てか、ゲームでも、魔王系ってそんなもんか。 なんかいや〜な予感がする。 この流れだと、きっともうすぐ魔王も出てくるんじゃない? 早よ元の世界、久々野中学校へ帰らんと。 歴史の教師の静馬。 あいつ絶対怒ってるし。 なんて、考えてたとき・・・ 急に空が真っ黒になり、冷たい風が吹きつけた。 「見つけたぞ!イブ!」 「でたな!アダム!」 「え?アダムって?」 「決まってるだろ、ヤツだよ!魔王!」 名前、可愛すぎるだろ。 つか、なんか、どこかで聞いたことのある声・・・ 「みんな! 露店を引け! いますぐ

    ボイスドラマ「異世界マルス」
  4. Aug 28

    ボイスドラマ「糸」

    あの日から、私たちの「糸」は紡がれていた――。 1980年、飛騨・六厩。千鳥格子御堂の前で出会った15歳の桜小花と柊壱。 ピアノを夢見る少女。飛騨の匠を夢見る少年。 15歳の夏、22歳の再会、そして30歳――。 別々の人生を歩んだ二人をもう一度結んだのは、故郷の風景と、あの日贈った一台のウォークマン、そして次の世代へと受け継がれた「夢」でした。 「思えば私たちの糸は、あの日から紡ぎはじめていたのだろう・・・」 【ペルソナ】※2人とも1965年生まれ ・桜小花(さやか/15歳/23歳/30歳/CV:岩波あこ)=故郷・荘川で実家はそば農家 ・柊壱(しゅういち/15歳/23歳/30歳/CV:岩波あこ)=清見で飛騨の匠を目指す 【第一章/出会い(1980年8月/15歳)】 ◾️SE:自転車のブレーキの音 「きゃあ〜!」 「どいて!どいてぇ〜!」 「あぶない!」 ◾️SE:自転車の転倒音 「やっちゃったぁ・・・」 「あ〜あ」 「ってててて・・・」 「おい、大丈夫か?」 「う〜、ひざ痛ぁ・・・ あ、ごめんなさい!  急な坂道でブレーキが効かなくなっちゃって・・ 怪我、なかった?」 「オレは平気だけど・・・ お前、血が出てるぞ。膝」 「え? あ、ほんとだ。 またばあちゃんに怒られちゃうな。へへへ・・・ ・・・ってごめん。 うちは桜小花。 あんたは?見ない顔やけど・・・」 「オレ?」 「あたりまえでしょ。あんた以外誰がいるの?」 「オレは・・・柊壱」 「ふうん。 どこの人?六厩じゃないよね」 「森茂(もりも)」 「森茂、って清見村やん」 「そんなこと知らん」 「知らん、ってあんた、住んでんでしょ」 「1週間前からな」 「引っ越してきたってこと?」 「ああ・・・よりによって、こんなど田舎に」 「悪かったわね、ど田舎で。 でも住んでみればいいところよ。 冬はちょ〜っと寒いけど」 「好きで引っ越してきたわけじゃねえし」 「どこから引っ越してきたの?」 「東京だよ、ひばりが丘の団地」 「そんな場所言われてもわからんわ。 ふ〜ん。東京っこかあ・・・」 「ふん」 「で、なんで千鳥格子御堂(ちどりごうし/おみどう)の前にいるの?」 「ん?・・・知らん。これ、そういう名前なんだ」 「すごいでしょ。千鳥格子のその扉、釘を1本も使ってないのよ」 「ええっ?じゃ、どうやって作ったんだ」 「それが匠の技ってもんよ」 「すごいな・・・」 ずうっと苦虫を噛み潰してた柊壱の顔が、はじめてほころぶ。 これが私と柊壱との出会いだった。 2人とも中学三年生。15歳。 荘川に住む私は、村立の荘川中学校。 清見の柊壱は、清見中学校の森茂分校に通っている。 だから学校で顔を合わせることはなかったけど、 夏休みの間、柊壱はいつもここ、千鳥格子御堂にいた。 うちはそば農家だから、種まきが終わったこの時期は大忙し。 間引きに除草、中耕(ちゅうこう)や培土(ばいど)、そして台風対策。 毎日毎日、六厩の家から千鳥格子御堂の前を通って畑へ。 そば畑は、三尾河(みおご)へ向かう新軽岡峠(しんかるおかとうげ)の傾斜地にある。 行きは、上り坂で大変だけど、帰りは下り坂で楽ちん。 この夏、私は理由をつけて、ひとりで帰るようにした。 そうすれば毎日柊壱とお話できたから。 「さやか、ってどう書くの?」 「桜の小さい花、って書くんだ。 私が生まれた年、荘川桜に初めて花が咲いたの」 「荘川桜って?」 「ダムに沈んだ集落で咲いてた、おっきな桜の木。 移植されて初めて花を咲かせたのが1965年」 「そうなんだ」 「ねえ、もうすぐ夏休み終わっちゃうね」 「ああ」 「そしたらもう・・会えないな」 「なんで?土日とかにここくればいいじゃん。家、こっから近いんだろ?」 「荘川中学校って新淵(あらぶち)にあるんよ。 遠くて通えないから寄宿舎に入ってるの」 「そうなのか」 「シュウは中学卒業したらどうするの?」 「オレ・・・高山の工業高校へ行こうと思って」 「工業?」 「うん。こういうのを作ってみたいんだ」 「千鳥格子御堂?」 「だってオレ、桜小花に聞いてから調べたんだ。 了宗寺(りょうしゅうじ)を建てたとき、余った木材で作られたらしいんだけど・・・ これ、いまや誰も再現できないんだってさ」 「よく調べたわね」 「桜小花は? 中学卒業したらどうすんだ?」 「そば畑の手伝いかなあ。 うちはじいちゃんとばあちゃんだけやから、 私がいないと大変でしょ」 「高校、いかないのか・・」 「実は、迷ってるんだ」 「どうして?」 「ホントは、ピアノの勉強、したかったの」 「ピアノ?」 「シュウには言ってなかったけど、 県のピアノコンクールでいいとこまでいったのよ」 「へえ〜」 「でもうちにはピアノないし、いつも学校で弾いてたから」 「音楽学校とかいけばいいじゃねえか」 「無理よ。そんなお金、うちにはないもん」 「お金なんて・・」 「それより、ねえ、お盆はなにか予定ある?」 「ないよ。母ちゃんもずっと仕事でいないし」 「じゃあ、盆踊りいかない?」 「盆踊り?」 「うん。了宗寺でやるの。 農作業もお盆の間は休みだし。 白川郷の『平瀬踊り』とか流すんだって」 「盆踊りとか平瀬踊りとか、だっせえなあ(笑)」 「じゃあいかないのね」 「いくよ」 柊壱は後ろを向いたまま答える。 鷲ヶ岳に沈む夕陽が、そばの花を赤く染めていた。 ◾️SE:盆踊りの音 「ごめん!お待たせ!」 「遅い」 「悪い悪い。了宗寺の場所、よくわかんなくてさ・・でも、あ・・・」 「なに・・・? なに見てんのよ」 「浴衣・・・」 「悪かったわね。どうせ似合ってませんよ〜だ」 「きれいだな・・・」 「え?」 「え? い、いや、浴衣、浴衣が・・・」 「そうだ、柊壱・・・これ・・」 「な、なに・・・それ」 「あけてみて」 ◾️SE:紙包みを開ける音 「これって・・・」 「あんた、欲しいって言ってたじゃない」 「ウォークマンじゃねえか」 「カセットテープに、私の好きな曲いっぱい入れといたから。 高校行っても、少しは私のこと覚えておいてよ」 「桜小花・・・」 柊壱と過ごす夏休みは、こうして終わった。 祭囃子が切ない旋律を響かせる。 私は盆が明けると、そのまま新淵の寄宿舎へと戻っていった。 【第二章/玉響の再会(1987年9月/22歳)】 ◾️SE:蝉の声 「桜小花」 「え? ・・・シュウ・・?」 「いると思ったよ」 1987年9月。 あの日と同じ、千鳥格子御堂。 7年ぶりに耳にする柊壱の声が、私の時間を止めた。 「7年ぶりだね」 「海外にいった、ってきいたけど・・・」 「ああ。イタリアのミラノ工科大学で家具のデザインを学んでる」 「すごい」 「秋になったらデンマークのフォルケホイスコーレへ行く」 「なあに、それ?」 「北欧の市民学校だよ。そこで木工・家具コースに留学するんだ。 卒業したら現地の家具マイスターの元で修行さ」 「シュウ・・すごく遠くにいっちゃったのね・・・」 「直行便で12時間かな」 「そう・・・」 「桜小花は?いまなにしてるの?音楽大学?」 「まさか。ずうっと畑仕事よ。 去年からはおばあちゃんと2人きりになっちゃったから、もう忙しくて・・」 「大変・・だったんだな」 「お母さんは元気?」 「母さんか・・・ 彼女は高校卒業の年に再婚したよ」 「え・・・」 「なんかさ、新婚夫婦のお邪魔虫になりたくなかったし。 ちょうどいいタイミングと思ってミラノに行ったんだ」 「すごいね、ひとりで」 「まあな。 でもさ、オレ、中学卒業するまで、何度もここへ来たんだぜ」 知ってる・・・ そう言おうとしたとき、道に止めた車からクラクションが鳴った。 イタリア製のスポーツカー。 オープンカーの助手席からサングラスをはめた女性が手を振っている。 「あ、ああ。彼女。パートナーなんだ。 ミラノで家具工房をやってるオーナーの娘。 紹介するよ」 「いい。大丈夫。 このあとまだ畑で作業残ってるし」 「桜小花、オレ、夢は捨ててないから」 「え・・・」 「必ずこの千鳥格子御堂を再現してみせる。 そうしたら・・・」 「がんばってね」 「桜小花・・・」 柊壱が次の言葉を口にする前に、私は自転車に乗る。 通りすぎるとき、彼の後ろのポケットからウォークマンが見えた。 首元を見るとシャツと同系色のヘッドフォンがかかっている。 あの日と同じ、夕陽の赤が西の空を染めていった。 【第三章/終章(1995年9月/30歳)】 ◾️SE:

    ボイスドラマ「糸」
  5. Aug 21

    ボイスドラマ「星の降る里/朝日編」

    夕焼けの道の駅を出発し、二人は約19km先の星空を目指した。 秋神川のせせらぎ。 真っ暗な峠道。 足の痛みと、くじけそうになる心。 それでも隣には、出会ったばかりの友達がいた。 星夜が探す「フォーマルハウト」と、朝陽が探す「伊吹麝香草」。 二人が長い夜の果てに見つけたものとは・・・ 【ペルソナ】 ・星夜=せいや(16歳/CV:坂田月菜)=東京・広尾のマンションに住むJK。夏休みを利用して母の実家・久々野へ遊びにきた星空・星座オタクの若干厨二病気味「みなみのうお座」が見たい ・朝陽=あさひ(16歳/CV:蓬坂えりか)=朝日村で生まれ育ったJK。夏休みに自分の住む民家から鈴蘭高原の「星のベンチ」までナイトウォークを計画中。「伊吹麝香草」を採りにいきたい ・星夜のママ=(42歳/CV:山﨑るい)=20歳で久々野を出て東京のヘアデザイナーとして働く 【シーン1/高山線久々野駅ホーム】 ▪️SE:高山線鈍行列車が到着する音 ▪️SE:携帯電話の着信音 「もしもし?あ、おばあちゃん? うん。いま久々野駅。 あ、ちょっとだけ遅くなるかな。 え?うん、ホント。 だ〜いじょうぶだから。心配せんといて。 帰り?ああ、うん。電話するから。 ありがとう。うん、じゃあね』 心配そうな声で、おばあちゃんが電話してくる。 ま、そりゃそうだよね。 夏休みの無謀な計画を、今朝いきなりおばあちゃんに話したんだもん。 私の名前は、朝陽。 16歳。高校生。 朝日町に住んでいて、朝陽。 小さい頃はよくからかわれたけど、いまはすっかりお気に入り。 だって、自分の名前も、朝日町も大好きなんだもん。 1番線に高山行きの下り普通列車が入ってきた。 私はゆっくりと乗り込む。 特急をやり過ごし、上りの列車が入ってくるまでは、しばらく待ち時間。 私は『北天(ほくてん)の星』という本を広げて、読み始める。 こういう、のんびりした時間って大好き。 ▪️SE:ディーゼル列車(キハ)の車内音 【シーン2/高山本線高山行き鈍行列車】 ▪️SE:高山線下り普通列車が到着する音/走り込んでくる音 「はぁっはぁっはぁっ・・・」 美濃太田行き上り普通列車から降りてきた少女。 ってか、私と同じ歳くらい。 向かい側に停まっていた、この車両にすごい勢いで走りこんできた。 そんなに慌てなくても、目の前に停まってるのに。 おっきなスーツケースまで引いて。 列車を乗り間違えたのかしら。 ううん、違う。 ホームのお母さん?に手を振ってる。 列車が動き出すと、少女は振り向いてこちらへ歩いてきた。 「あの、ここ、座っても大丈夫ですか?」 「あ、はい。 どうぞ。空いてますから」 「ありがとうございます〜。よっこらしょっと」 なんか、面白そうな子。 私は本を読むふりをして、ちらちらっと彼女を見る。 すると・・・ 「それ、北天の星?スターアトラス?」 「え?」 びっくりした。 チラ見してたのバレたのかしら。 私は冷静を装って、返事をした。 「この本のこと?」 「あ、うん・・・そうそう。 いや、うちも星座とかガチオタだから」 「すご〜い。 スターアトラスなんて言葉、はじめて聞いた」 「星図のことだよ。ひょっとして星とか好き?」 「星は好き。 今日高山へ行くのも星に関係あるんだ」 「え?なに?なに?」 「あ、そのまえに・・私は朝陽。『朝』の『太陽』って書くの。 16歳、高校生よ。朝陽って呼んでね」 「あ〜ごめんなさい。 うちは、星夜。『星』に『夜』って書くんだ。歳はタメだよ。星夜って呼んで」 「星夜・・・。 かっこいい名前。うらやましいなあ」 「なんで?朝陽の方がいけてるし」 「ありがと」 「で、星に関係することって?」 「うん。『星空ベンチ』」 「”星空ベンチ”!?なにそれ!?」 「去年の11月にできたんだ。 鈴蘭高原ってとこにある、『星を見るためだけのベンチ』」 「え?すごぉい!」 「『バスが停まらない停留所』にあるの」 「やだ、なに?面白〜い!」 「でしょ。 その『星空ベンチ』まで、道の駅から歩いていくことを考えてるの。 ナイトウォーク」 「すごっ。 その道の駅から星空ベンチまではどのくらいあるの?」 「20キロ弱かなあ。 上り坂だから5時間くらいはかかる」 「すごすぎる! でも・・・めっちゃ興味ある!」 「今高山へ向かってるのは、その準備のため」 「どんな準備?」 「山道、夜道を歩くからね。 まずは野生動物対策のアイテム。 熊避けの鈴と爆竹、熊避けスプレー」 「ああ、確かに」 「遠くまで照らすヘッドランプ」 「ヘッドランプ?」 「そ。懐中電灯だと片手が塞がっちゃうでしょ。 行く先と足元を照らす、超強力なライト。 それをゴムバンドで頭に直接巻きつけるの」 「なるほどねー」 「2本バンドだと私みたいなポニーテールや 星夜みたいなツインテールでも髪型崩れにくいから」 「いいねー」 「あとは、簡易的なシュラフと防寒着かな」 「防寒着?高山こんなに暑いのに」 「なに言ってるの。 鈴蘭高原は標高1300メートルよ。 夜の気温は15度以下になるからね」 「そうなんだ。 でも・・・いいなあ・・・」 「え?」 「ねえ、朝陽・・・・うちも一緒に行っちゃだめ?」 「ええ〜っ?」 「うちも、高山にきたらやりたいことがあって」 「なに?」 「見つけたい星があるの」 「星?」 「うん。 フォーマルハウトっていう星」 「フォーマル・・ハウト?」 「夏の終わりの夜遅くから、南の夜空に輝き始める星」 「へえ〜」 「みなみのうお座の一等星だよ。 みなみのうお座って、フォーマルハウト以外はみんな暗い星ばかりなんだ」 「みなみのうお座?初めてきいた。 でもなんでフォーマルハウトが見たいの?」 「あのね・・・フォーマルハウトの別名は、”南の孤独星”。 ひとりだけで輝いてる星」 「ふうん」 「うちみたい」 「どういうこと?」 「うちこう見えて、東京じゃ友だちとか全然いないんだ」 「そうなの・・・?」 「ねえ、朝陽。お願い。 私も『星空ベンチ』へ連れてって!」 「え〜💦ホントに大丈夫? 途中、コンビニも自販機もないんだよ」 「ヘーキ」 「う〜ん・・・ 楽しいことばっかり言っちゃったけど、けっこう危ないよ。 お母さんとか許してくれる?」 「大丈夫。 うちが頼めば、ママ絶対OKだから」 「そっか・・・それなら・・」 なんて言っちゃったけど、大丈夫かなあ・・・ それにこの子、星夜。本気で言ってる? 結局、私と星夜は、市街地で一緒に買い物をした。 シュラフまで買っちゃったけど、本気で行くつもり? 帰りの列車に乗ったのは、夜7時前。 夕陽はもう傾いていた。 『星空ベンチ』ナイトウォークの日程は、聖夜の提案で新月の夜。 星が一番きれいに見えるからだって。確かにそうだ。 久々野駅に着くと、位山の上に宵の明星が輝いていた。 【シーン3/道の駅 ひだ朝日村/ナイトウォーク】 ▪️SE:ヒグラシの声 「星夜〜、こっちこっち」 「朝陽、お待たせ」 「ちゃんとお母さん、許してくれた?」 「うん。 その代わり、スマホのGPS共有させられちゃった。 それに、この前買った充電器だけじゃなくて、 ママのでっかい充電池まで持たされてる。重いのに」 「私もおばあちゃんとGPS共有してきたよ。 位置情報アプリでいつでも居場所を共有してる、ほら」 そう言って、私は朝陽にスマホの画面を見せる。 ダークモードで画面の明るさは最小。 GPS使うとバッテリーの減りが早いから。 よし、ぬかりはない。 「道の駅でよもぎのみたらしだんごか五平餅、食べてからいこうか?」 「わ、やった!食前デザートだね」 午後5時。 道の駅 ひだ朝日村。 建物も駐車場も夕陽がオレンジ色に染めていく。 「よし、いこ!」 「うん! あ、待って。出発の記念写真」 私は自撮り棒で2ショットをパシャ。 ▪️SE:シャッター音 あごピースでポーズをとる2人。 背景は乗鞍岳。 夕陽に照らされてオレンジ色から茜色に変わっていく。 「アーベントロート」のショーが始まっていた。 「めっちゃキレイ。加工いらんやつじゃん」 「ここからしばらくは、民家が続くから大丈夫だよ」 「国道を歩くんだよね」 「そ、秋神ダムまでは361号よ。 車はそこそこ多いから気をつけてね」 私たちは国道を東へ。 少しずつ山沿いの道に入っていく。 「知ってる?この道。別名『ぶり街道』」 「ブリ?なんで?高山って海ないじゃん」 「江戸時代にー、富山で獲

    ボイスドラマ「星の降る里/朝日編」
  6. Aug 14

    ボイスドラマ「星の降る里/久々野編」

    東京では、友達がいなかった。 だから彼女は、暗い星々の中でひとり輝く「南の孤独星」に、自分を重ねていた。 夏休み、飛騨・久々野へ帰省した星夜が、列車の中で出会ったのは、朝日町に暮らす同い年の少女・朝陽。 二人は約19km先の「星空ベンチ」を目指し、夜の山道へ歩き出します・・・ 【ペルソナ】 ・星夜=せいや(16歳/CV:坂田月菜)=東京・広尾のマンションに住むJK。夏休みを利用して母の実家・久々野へ遊びにきた星空・星座オタクの若干厨二病気味「みなみのうお座」が見たい ・朝陽=あさひ(16歳/CV:蓬坂えりか)=朝日村で生まれ育ったJK。夏休みに自分の住む民家から鈴蘭高原の「星のベンチ」までナイトウォークを計画中。「伊吹麝香草」を採りにいきたい ・聖夜のママ=(42歳/CV:山﨑るい)=20歳で久々野を出て東京のヘアデザイナーとして働く 【資料/映画「朝日町の絶景/星空ベンチ」(飛騨あさひ観光協会)】 https://www.hidaasahi.jp/観るスポット/星空ベンチ 【シーン1/高山線で久々野駅】 ▪️SE:高山線普通列車の車内音/シートに腰掛ける2人 「やばっ、充電器忘れたかも💦』 「なに、聖夜?ま〜た忘れ物?」 「ママ、駅にコンビニあるよね?』 「あるわけないでしょ、久々野駅に」 「ええええええ! 充電マジで終わるんだけどー!」 「行く先々でなんかググってばかりいるからでしょ」 「ググってないし!インスタでディグってるだけだし!」 「一緒じゃん」 「一緒じゃない!」 「とにかく、あんたが使ってるような可愛い充電器は、 高山まで戻んないと売ってないから」 「じゃ、ワンチャン行ってくるわ」 「は?ひとりで?」 「あたり前じゃん、うちのこと、いくつだと思ってんの」 「迷子とかなんないでよ」 「だーかーらー、いくつだと思ってんの?」 「16歳と3か月でしょ」 ママがいじわるそうな顔で笑う。 うちは星夜。 漢字で書くと「星」の「夜」。 渋谷区住みの、マジでイケてる女子高生! 夏休みを利用してママの実家・久々野に帰省してきたんだけど・・・ 高山着いてから鈍行への乗り換え時間が、2時間半って・・・ ガチでやばくない?ってか、うちら異世界転生すんの? やるじゃん、久々野・・・ 「星夜、もう久々野着くわよ。準備しなさい。 あら、反対側のホーム、高山行きがもう停まってるわ。 ちょっと。急がないと・・」 「あーいい。いい。 走るのだるいから次でいいわ」 「なに言ってんの。 山手線じゃないんだからね。 これ逃したら、また1時間以上待たないといけないのよ」 「マジ?」 「マジマジ。 だから、扉が開いたら、ダッシュで下りにかけこんで」 結局、うちらが乗ってきた美濃太田行きが久々野に着いたのは3時13分。 下りの高山行きが発車したのは3時14分だった。 誰がこんな時間割組んだんだよ! っとにもう〜 ▪️SE:全力で走っていく足音 【シーン2/高山本線高山行き普通列車】 ▪️SE:ディーゼル列車(キハ)の車内音 「はぁっはぁっはぁっ・・・」 ひっさしぶりの全力疾走。 しかもスーツケースひいてとか、ありえんし。 疲れたわ〜。 お、席あいてんじゃん。 同い年くらいの女の子の横。 ラッキー、座っちゃおっと。 「あの、ここ、座っても大丈夫ですか?」 「あ、はい。 どうぞ。空いてますから」 「ありがとうございます〜。よっこらしょっと」 「うふふ・・・」 久々野から高山までは、たった20分。 池袋から渋谷くらいじゃん。 なのに、1回乗り遅れたら1時間30分待ちってどういうこと〜。 なんてこと考えながら、ふと隣の席を見ると、 窓際の女子が、なにか本を読んでいる。 え・・・それって・・・ 「それ、北天(ほくてん)の星?スターアトラス?」 「え?」 あ、やば・・・つい心の声が口から出ちゃった・・・ 「この本のこと?」 「あ、うん・・・そうそう。 いや、うちも星座とかガチオタだから」 「すご〜い。 スターアトラスなんて言葉、はじめて聞いた」 「星図のことだよ。ひょっとして星とか好き?」 「星は好き。 今日高山へ行くのも星に関係あるんだ」 「え?なに?なに?」 「あ、そのまえに・・私は朝陽。『朝』の『太陽』って書くの。 16歳、高校生よ。朝陽って呼んでね」 「あ〜ごめんなさい。 うちは、星夜。『星』に『夜』って書くんだ。歳はタメだよ。星夜って呼んで」 「星夜・・・。 かっこいい名前。うらやましいなあ」 「なんで?朝陽の方がいけてるし」 「ありがと」 「で、星に関係することって?」 「うん。『星空ベンチ』」 「”星空ベンチ”!?なにそれ!?」 「去年の11月にできたんだ。 鈴蘭高原ってとこにある、『星を見るためだけのベンチ』」 「え?すごぉい!」 「『バスが停まらない停留所』にあるの」 「やだ、なに?面白〜い!」 「でしょ。 その『星空ベンチ』まで、道の駅から歩いていくことを考えてるの。 ナイトウォーク」 「すごっ。 その道の駅から星空ベンチまではどのくらいあるの?」 「20キロ弱かなあ。 上り坂だから5時間くらいはかかる」 「すごすぎる! でも・・・めっちゃ興味ある!」 「今高山へ向かってるのは、その準備のため」 「どんな準備?」 「山道、夜道を歩くからね。 まずは野生動物対策のアイテム。 熊避けの鈴と爆竹、熊避けスプレー」 「ああ、確かに」 「遠くまで照らすヘッドランプ」 「ヘッドランプ?」 「そ。懐中電灯だと片手が塞がっちゃうでしょ。 行く先と足元を照らす、超強力なライト。 それをゴムバンドで頭に直接巻きつけるの」 「なるほどねー」 「2本バンドだと私みたいなポニーテールや 星夜みたいなツインテールでも髪型崩れにくいから」 「いいねー」 「あとは、簡易的なシュラフと防寒着かな」 「防寒着?高山こんなに暑いのに」 「なに言ってるの。 鈴蘭高原は標高1300メートルよ。 夜の気温は15度以下になるからね」 「そうなんだ。 でも・・・いいなあ・・・」 「え?」 「ねえ、朝陽・・・・うちも一緒に行っちゃだめ?」 「ええ〜っ?」 「うちも、高山にきたらやりたいことがあって」 「なに?」 「見つけたい星があるの」 「星?」 「うん。 フォーマルハウトっていう星」 「フォーマル・・ハウト?」 「夏の終わりの夜遅くから、南の夜空に輝き始める星」 「へえ〜」 「みなみのうお座の一等星だよ。 みなみのうお座って、フォーマルハウト以外はみんな暗い星ばかりなんだ」 「みなみのうお座?初めてきいた。 でもなんでフォーマルハウトが見たいの?」 「あのね・・・フォーマルハウトの別名は、”南の孤独星”。 ひとりだけで輝いてる星」 「ふうん」 「うちみたい」 「どういうこと?」 「うちこう見えて、東京じゃ友だちとか全然いないんだ」 「そうなの・・・?」 「ねえ、朝陽。お願い。 私も『星空ベンチ』へ連れてって!」 「え〜💦ホントに大丈夫? 途中、コンビニも自販機もないんだよ」 「ヘーキ」 「う〜ん・・・ 楽しいことばっかり言っちゃったけど、けっこう危ないよ。 お母さんとか許してくれる?」 「大丈夫。 うちが頼めば、ママ絶対OKだから」 「そっか・・・それなら・・」 とは言ったけど、ママホントに許してくれるかなあ・・・ そのあと、うちと朝陽は、市街地でしっかり買い物をした。 なんか、渋谷でショッピングするより何倍も楽しい。 帰りの列車に乗ったのは、夜7時近く。 夕陽がもう沈みかけていた。 結局、『星空ベンチ』ナイトウォークの日程は、うちの提案で新月の夜。 星が一番きれいに見えるから。 ママは最初大反対してたけど、おばあちゃんが推してくれて、 条件付きでOKになった。 久々野駅に着くと、西の稜線に宵の明星が輝いていた。 【シーン3/聖夜の母の実家/久々野町大西地区】 ▪️SE:ヒグラシの声 「じゃ、行ってきま〜す!」 『星空ベンチ』ナイトウォークの日、 うちは待ち合わせの2時間前、午後3時におばあちゃんちを出た。 おばあちゃんちは、久々野町大西。 待ち合わせの道の駅 ひだ朝日村までは8kmくらいあるんだって。 渋谷から品川くらいか。 まあまああるじゃん。 しかもうちの格好は、ギャル寄りのアウトドア? トップスは、メンズサイズの白いグラフィックTシャツ。 それを、ミントグリーンのナイロン製ショートパンツにタックイン。 ボトムスには、UVカットと吸汗速乾を兼ね備えた、漆黒のコンプレッションレギンス。

    ボイスドラマ「星の降る里/久々野編」
  7. Jul 24

    ボイスドラマ「根古石」

    悪夢に苦しむ少女。失われた故郷。そして、姿を消した一匹の猫。 恐ろしくも切ない物語を、ぜひ最後までお楽しみください・・・ 【ペルソナ】※舞台は昭和35年春/荘川村中野から高山市(現在の市街地)へ ・さくら(15歳/岩波あこ)=祖父母と暮らす荘川村中野から高山市の親戚の家へ ・こうめ(15歳/坂田月菜)=高山市内にある旅館の娘。実は密かに金森の血統を守ってきた旧家 ・祖母(71歳/山﨑るい)=荘川村中野から親族の住む新淵へ ・七儺(岩波あこ)=さくらの夢に現れて苦しめる 【プロローグ:出会い】 ◾️SE:村の中の環境音 「さくら・・ 高山へ行っても元気でな。 しっかり勉強してこいよ」 祖母が目を潤ませて私を見送る。 祖父は何も言わず、寂しそうな顔をこちらに向けていた。 昭和35年。 1960年の春。 荘川村中野。 御母衣ダムの建設とともに、住人たちは引っ越しを始めた。 ある者は郡上八幡へ あるものは名古屋へ またあるものは東京へ・・ 荘川や白川村へ残る者はごくわずかだった。 私はさくら。 ここ荘川村中野で、祖父母との3人暮らし。 祖父母は高齢を理由に遠くへは行かず、荘川村に残る決断をした。 今後は新淵にある親戚の家で世話になる。 本来なら私も一緒に新淵へ行くはずだった。 だが今年はちょうど、中学卒業。高校進学の年。 高山にある名門の進学校・神山高校へ行く。 入学試験はこの春。3月。 受験したときは、まさか受かるなんて思ってもみなかった。 何も考えずに受験したので、合格してからは大変。 祖父母は私のために、親戚中へ掛け合った。 結局決まったのは、高山の叔父の家。 県事務所近くの古民家に居候。 通学は自転車。 雪が降ったら大変そう。 そして、今日が入学式。 祖父母が見送る中野のバス停。 祖父は必死で泣くのを我慢してる。 潤んだ瞳を見ていると 嬉しさよりも寂しさが募る。 私にも、心配事がひとつ。 新しい生活のことじゃない。 実は引っ越しが決まってから、サクラの姿が見えなくなっちゃったんだ。 サクラ、っていうのは、うちで飼っている三毛猫。 私と同じ名前。 私が生まれる前からいたから、もうかなりおばあちゃんのはず。 祖父母は、新淵への引っ越しが決まった日、 ”サクラをどうしよう?”ってすごく悩んでた。 聞くでもなく、私に抱かれたサクラは耳をそばだてていたけど・・ え? まさか・・心配かけないために、自分で姿を消したの? 翌日から祖父母と私・3人で、必死にサクラを探しまわる。 でも結局、入学式の今日まで、その姿を目にすることはなかった。 時間になり、遠くからバスがやってくる。 そのとき・・・ ◾️SE:ネコの鳴き声(ニャー) 「さくら?」 振り返ってもなにもない。 祖父も祖母も聞こえていないようだ。 やがて、乗合バスがバス停に到着。 私は後ろ髪を引かれながら、ステップを上がる。 庄川(しょうがわ)のせせらぎが雪解け水を運んでいた。 【シーン1:根古石】 ◾️SE:高山陣屋の環境音 「じいちゃん、ばあちゃんがいつまでも元気でいられますように」 桜山八幡宮。 秋の高山祭の舞台。 神山高校からの帰り道、 私は宮川沿いの参道から、八幡さまへ。 祖父母のことを思って真剣にお祈りした。 私の大切な家族。 見送りのときの顔が頭から離れない。 私は、まるで神様に呼ばれるように、毎日参道脇に自転車を停める。 でも、お参りする理由はそれだけじゃない。 「サクラが無事でいますように」 私が生まれたときから一緒の猫、 サクラのことも、ずうっと心に引っかかっていた。 八幡さまでは本殿に参拝。 そのあとは江名子川(えなこがわ)のほとりへ。 秋葉さまの前で自転車を停め、小さく頭を下げる。 初夏の遊歩道は風が気持ちいい。 安川通(やすがわどおり)から上三之町を通って市役所へ。 中橋を渡れば飛騨県事務所。 ここから叔父さんの家までは自転車で5分もかからない。 このコース、ちょっと遠回りだけど、私のお気に入り。 どうして県事務所の前を通るかというと・・・ 裏手に、『旧陣屋稲荷宮』っていうお稲荷さんがあるの。 そこで、ちょっとかわったものを発見したんだ。 『根古石』。 『根っこ』に『古い』に『石』と書く。 最初はなんなのかわからなかったけど。 先生に聞いたら、とっても悲しい伝説を教えてくれた。 それは江戸時代のお話。   郡代の娘が池のほとりで佇んでいると・・・ 可愛がっていた猫が唸りながら着物の裾をくわえて離さない。 まるでその場から娘を引き離そうとするように。 それを見ていた郡代は、 「畜生の分際で無礼な!」 と、腰にさした刀を脱いて一刀両断。 一太刀で猫の首を撥ねてしまった。 猫の首はそのまま池のほとりの松の木へ。 必死の形相で、そこにいた大蛇に噛みつく。 娘を狙っていた大蛇は、喉を噛まれて息絶えていた。 郡代は自分の早とちりを悔やんで、手厚く供養。 稲荷宮(いなりのみや)を建て、その傍らに大きな石を据えて祀った。 そう。これは、命をかけてお姫様を守った飼い猫の話。 その猫を祀った石が『根古石』。 私はひどく感動した。 だから毎日ここへきて手を合わせている。 忠義ある猫の供養と同時に、 『サクラ、お願い。元気でいて!』 猫の話を聞くと、どうしてもサクラと重なっちゃう。 もしかしてサクラ、 引っ越しする私たちのお荷物にならないように 姿を消したんじゃ・・・ サクラ・・・ 声が聞きたいよ・・サクラ・・・ 【シーン2:悪夢】 ◾️SE:高山陣屋の環境音 「おのれ〜! よくもわしの命を奪ったな〜! 許さんぞ〜!」 「ハッ!」 また、あの夢だ。 このところ、毎晩見る悪夢。 恐ろしいもののけの夢。 大蛇のような体。 頭には大きなツノ。 耳まで裂けた口。 猫のようにギラギラ光る目・・・ 猫・・・!? まさか・・・まさか・・・ サクラ? いや、そんなことはない。 絶対にありえない。 だけど、高山へ来てから、毎日この夢。 どうして・・・? 睡眠不足で勉強にも身が入らない。 明日から期末考査だというのに・・・。 【シーン3:ともだち】 ◾️SE:教室のチャイム(No.261849) 「ねえ、ひょっとして徹夜〜? 目の下のクマ〜 勉強が好きなんだね」 「え・・あ・・・えっと・・・」 「こうめ。 私の名前よ」 「あ・・・こ、こうめさん・・・私は・・」 「さくらさん、でしょ?」 「あ・・・うん」 「よろしくね。 どうやって話しかけようかと思ってたの」 「・・・どうして?」 「あなた、帰るとき、いつも上三之町、通っていくでしょ」 「なんで知ってるの?」 「私の家も、そっちだから」 「そうなんだ」 「上三之町で旅館をやってるの。 江戸時代から続いてる、古〜い旅館」 「へえ〜」 「さくらさんも上三之町に住んでるの?」 「ううん。うちは県事務所からずっと南へ下ったとこ」 「え〜。じゃなんで?」 「あのへんの雰囲気が好きなんだ」 「そうなのね」 初めて言葉を交わしたのに、 私とこうめは旧友のように喋り続けた。 私が荘川出身だということ。 住んでいた村がダムに沈むこと。 私は高山へ来て初めて、自分のことを他人に話した。 こうめも自分のことを、あっけらかんと話してくれる。 こうめの家は、古くからの女系家族らしい。 代々婿養子を迎えて、血筋を絶やさないようにしていた。 「それから・・・これはあまり大きな声で言えないけど」 もったいぶって話しだしたのは・・・ 「実はうち・・・陰陽師の血統なの」 「え・・・陰陽師って・・」   「そう・・・この世の闇と光、陰と陽のバランスを司る存在。 結界を張り、式神を使役し、牙をむく妖魔をあの世へ送り返す。 陰と陽、どちらにも属しながら、その境界を守り抜くのが私たち・陰陽師の宿命よ」 「す・・・すごい・・」 「うちは代々女系家族だって言ったじゃない」 「うん」 「穢れ(けがれ)を浄化する能力は、一族の女性にしか遺伝しないの。 うちがやってる『おもてなしの心』そのものが式神や結界を動かすエネルギー。 代々の女将はそれを仕切っているんだ」 「そ、そうなんだ・・・ でも、どうしてそれを私に話すの」 「ふふ・・・ あなたもう気づいてるんでしょ?」 「え・・・なに?」 「最近、あなたの周りで変なことが起きていること」 「あ・・・」 「さあ、今度はあなたの番よ。私、自分のこと打ち明けたんだから」 「う・・」 「その目

    ボイスドラマ「根古石」
  8. Jul 17

    ボイスドラマ「覚醒」

    80年前の朝日村。 戦争孤児の少女と、正体を隠して生きる少女。 二人の出会いが、現代へ続く「覚醒」の物語を動かし始めます。 飛騨に伝わる八百比丘尼伝説を描いた和風ホラーボイスドラマです・・・ 【プロローグ:出会い】 ◾️SE:村はずれの辻の環境音/〜駆けつける足音 八夜の泣き声「お願いです、通してください。私はただこの村に用があって」 「おまえら!なにしとるんや!」 「なんじゃあ?伽耶! 邪魔するなて」 「大人がよってたかって、女子(おなご)をいじめるとはなにごとや!」 「女子 って、お前も同じくらいの歳やろうに」 そうだ。わしと同じくらい。 十六か十七くらいの女の子が、目の前で泣いている。 「それにいじめとるんやないぞ。 このガキが、村に入ろうとするからじゃ」 「ええやないか。入れてやれば」 「あほか。 ただでさえ、食糧難やっちゅうのに、 これ以上よそもんに食い扶持減らされてたまるか」 「おまえらだって、 名古屋とか大阪から疎開してきた、よそもんだろ」 「うるせえ。 つべこべ言うと、お前も村から叩き出すぞ、伽耶!」 怖い顔して私を睨みつける疎開者たち。 1946年。益田郡(ましたぐん)朝日村。 終戦からまもなく1年が経とうという頃。 朝日には名古屋や大阪から、疎開者がぞくぞくとつめかけた。 なかでも多かったのは引揚兵や復員兵たち。 小さな村はよそものでごった返していた。 ただでさえ平地が少なく、米の収穫量が限られている朝日村。 急激な人口流入は激しい食糧難をもたらした。 配給や耕作地をめぐる諍いも毎日絶えない。 疎開者たちは森を切り拓いて自分たちのために畑と住処(すみか)を作った。 林業に関わっていく者も多い。 彼らはいつも数人で村の辻に立ち、入ってくる者を見張っていた。 「ええか。ガキ。 十(とお)数えるうちに出ていかんと、痛い目を見るぞ! いち!」 「待て! この子はわしが面倒みる。連れてくぞ」 「おいおい。 ガキがガキの面倒みるってか」 「うるさい。 そんなこと言っとってええのか。 今度腹痛(はらいた)になっても薬草を煎じてやらんぞ」 「う・・なんだと・・」 わしは、少女の手をとり、うちへ向かって歩いていく。 疎開者の男は恨めしそうな顔でわしを睨んでいた。 【シーン1:ともだち】 ◾️SE:朝日川のせせらぎ/小さな足音 「ありがとう」 消え入りそうな声で少女が呟く。 「助けてくれて」 「ええんやよ。 わしだって、もともとよそもんやし」 「どういうこと?」 「戦時中はわしも疎開者やったんだて」 「え・・」 「実家は名古屋や。 戦況が悪化した去年の正月。 とうさまとかあさまは、わしをひとりでここ、朝日村へ行かせたんや。 「そうなの・・」 「そのすぐあとで名古屋の大空襲や。 B29が、とうさまとかあさまと家を焼き尽くした」 「そんな!」 「新聞もなんも教えてくれんからな。 わしが知ったのは、5月になってから。 名古屋城が焼け落ちた、ってみんな騒いどった頃や。 ちょうどそのころ、 疎開先のここへとうさまとかあさまのお骨が届いた」 「やだ・・」 「お骨ったって、骨なのかどうかもようわからん。 砂みたいな焦げカスだけや。 その中に手紙がねじこまれとったわ」 「手紙・・?」 「親戚のおじさんからでな。 みんな、家も焼けてしもうたで、帰ってくるな。 お骨はそっちで弔ってくれ、って」 「ひどい・・」 「ああ。でも戦争なんて、そんなもんやろ。 そういうわけでわしは戦災孤児になった」 「そう・・」 「今からいくんは、わしのうちや。 炭焼き小屋だけどな。 杣衆(そましゅう)の面倒みてやるかわりに、住まわせてもろうとるんじゃ」 「面倒・・?」 「うん。わしには薬草の知識があるからな」 「薬草?」 「ああ。よもぎとかクロモジとか。 朝日には掃いて捨てるほどあるじゃろ。 わしが疎開する前、かあさまが薬草のこといろいろ教えてくれてな。 これは食べれる。 これは食べたらあかん。 ゲンノショウコってやつは腹の具合がわるいときに煎じて飲む。 ドクダミは便秘に効く。 ヨモギは風呂に入れて疲れをとれ。 怪我したら、クロモジの葉を粉末にして止血しろ・・・」 「すごい・・」 「なんか感じるものがあったんじゃろなあ。 かあさまは一生懸命わしに知識を詰め込んだわ。 結局、その知識を活かして、 杣衆たちの体調管理と、薬膳料理を作ってやっとるんや」 「素敵なおかあさま・・」 「そうやな。 こうして生きていられるのも、かあさまのおかげやな」 「いいお話・・・ ねえ、おうちはもうすぐ?」 「まだまだ先や。 あと1時間以上は歩くぞ。大丈夫か?」 「平気よ」 「秋神川を上っていくで。 小瀬ヶ洞(おぜがほら)って集落から山の中へ入る」 「あなた、名前は? さっき、伽耶って呼ばれてたけど」 「そう。伽耶。 御伽噺(おとぎばなし)の『とぎ』という字に、有耶無耶(うやむや)の『や』。 まるで御伽噺みたいに、戦争で人生有耶無耶にされとるから。はは。 そうそう。萱(かや)って薬草もあるんだ。 心を穏やかにする作用があってね」 「へえ〜。 ・・・あ、私は八夜。八夜って呼ばれてる。 八つの夜。 でも本名は八百代姫(やおよひめ)」 「八百代姫?お姫様なの!?」 「違うよ。 私の生まれた時代、女の子にはみんな姫ってつけてたの」 「時代って。 私とそんなに変わんないでしょ。 まだ16よ、私」 「そうだね・・・」 「八夜はどこからきたの?」 「小浜」 「小浜ってどこ?」 「若狭よ。遠敷郡(おにゅうぐん)小浜町」 「北国(ほっこく)の方?」 「そう。海がきれいなまちよ」 「海!いいなあ。 戦争が始まる前に、行ったっきり」 「今度、おいでよ」 「うん、いきたい!」 「約束ね」 指切りをする八夜の手はすごく冷たかった。 驚きを気取られないようにして、 私は、秋神川のほとりを足早に歩く。 渓谷に沿ったひたすら一本道。 秋神川には、御嶽山からの雪解け水が激しく流れる。 やがて、見えてきたのは小瀬ヶ洞の集落。 そのまま蜘蛛だ淵を通り過ぎる。 淵は川底が見えないほど、深い闇の中。 私はいつもここを通るとき、目を閉じて通り過ぎる。 蜘蛛の糸に引きずり込まれないように。 集落を抜けて森の中へ入れば、炭焼き小屋までは20分くらい。 森へ入るには、小さな吊り橋を渡らなければならない。 「吊り橋を渡るんだ。すてき」 「ねえ、ついさっき・・・ 1時間くらい前に会ったばっかりなのに、私たち、もうともだちみたいだね」 「ともだち・・・?」 「うん。 私、里にはあんまり行かないから、ともだちなんていないんだ」 「そうなの?」 「さっきはたまたま、久々野に薬草売りにいくところだったの」 「ああ、ごめんね。邪魔しちゃって」 「いい、いい。 だって、ともだちができたんだもん。 お金には換えられないよ」 「ホントに・・私のともだちになってくれるの?」 「やだなあ。もうともだちじゃない」 「ありがとう・・・」 え・・・ 八夜・・泣いてるの? 心配して顔を覗き込もうとすると・・ 「あのね、伽耶」 そう言うと、懐から小さな包みを取り出した。 「これ、あげる」 それは、片手よりも小さな桐の箱。 中からとり出したのは・・ 「干し肉よ」 「干し肉?」 「とっても貴重な干し肉」 「え・・・そんな大事なものなんて、もらえないわ」 「初めてできたともだちにもらってほしいの」 「そんな・・・」 「なにか大きな病にかかったり、大怪我をしたときに食べて」 「くすり?」 「まあ・・・くすりみたいなもの」 そう言って、八夜は私に桐の箱を手渡す。 森の奥深く、木々の向こうに、粗末な炭焼き小屋が見えてきた。 ◾️SE:犬の声 「あ、クコだ」 「クコって?」 「犬よ。 野犬だけど私になついていて、飼ってるみたいなもん」 「犬・・・」 あれ?なんかいつもと違う。 クコは凶暴に吠えたてながら私たちのもとへ走ってくる。 私はとっさに八夜をかばって、前に出た。 「いや・・」 「クコ!どうしたの!? そんなに吠えて。 やめて。 私の大事なおともだちなのよ」 「伽耶・・」 クコは唸り声をあげて私たちに飛びかかる。 私は顔を背けた。 その瞬間・・・ 「あっ!」 手に持っていた桐箱をくわえて、そのまま森の中へ走り去った。 「ああ!」 「クコ!返して!戻ってきなさい!」 「そんな・・そんな・・・」 私は、炭焼き小屋

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飛騨高山を舞台にした珠玉のボイスドラマをお届けします。コミュニティFM Hit's FM(Hida Takayama Tele FM) で放送中の人気ラジオ番組! ヒダテン!のCV声優10名 が入れ替わりパーソナリティを務める「Hit’s Me Up!(ヒッツ・ミー・アップ!)」の中で放送されているボイスドラマです!ボイスドラマを通じて飛騨高山の魅力に触れてみてください! <番組の特徴> ・ 飛騨高山を舞台にしたボイスドラマを多数制作! これまでに100本以上の作品を発表し、地元の魅力を物語として発信 ・ 放送情報   放送局1: Hit's FM(Hida Takayama Tele FM)   放送時間:毎週金曜10:30-11:00/毎週土曜13:30-14:00   放送局2: FMらら(FMラインウェーブ株式会社)   放送時間:毎週金曜13:00-13:30   配信:Spotify、apple(iTune)ミュージック、amazonミュージック、YouTubeミュージック、CastboxなどのPodcastで番組とリンクして配信中! 飛騨高山の美しい風景とアニメ文化をつなぐ、唯一無二のラジオ番組! 「Hit’s Me Up!」を聴けば、新たなエンタメの扉が開きます!

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