育てるブランディング

ID INC.

この番組は、企業ブランディングを手掛けるID株式会社が、ブランドの育て方について話すポッドキャストです。ゼロから作るブランディングのノウハウや、クライアントと二人三脚で育てているブランドの裏側についてお話ししていきます。 #育てるブランディング ▶︎▶︎MC ・北川 巧(ID inc. クリエイティブディレクター代表取締役) ・谷 春香(フリーランス、グラフィックデザイナー&イラストレーター) ▶︎▶︎ID INC. Website ・⁠https://include.bz/⁠ ▶︎▶︎note(ポッドキャスト連動記事)  ・⁠https://note.com/kitakawa⁠ ▶︎▶︎配信スケジュール ・毎週火曜日 朝7:00AM ▶︎▶︎お便りフォーム ・⁠https://forms.gle/eLWAVXnw7JNs3T6ZA

  1. 3d ago

    #039 ブランドの「らしさ」は5つある〜考え方・見え方・聞こえ方・感じられ方・接し方〜

    第39話:ブランドの「らしさ」は5つある〜考え方・見え方・聞こえ方・感じられ方・接し方〜 「うちらしさを大切にしたい」「あの会社らしいよね」——ブランディングの現場で一番よく使われるのに、いざ「それって何ですか?」と聞かれると説明できない言葉、「らしさ」。北川の定義はシンプルで、〈ロゴを隠しても、その会社だとわかる状態〉。顔が見えなくても、声や歩き方やシルエットで「あ、あの人だ」とわかる、あの感覚と同じです。では、その「らしさ」は何でできているのでしょうか? 今回は、ID INC.がこれまで「考え方・見え方・動き方」の3つで説明してきた枠組みを、5つに整理し直した話。土台にしたのは、フランスの経営学者ジャン=ノエル・カプフェレの「ブランド・アイデンティティ・プリズム」(外形・人格・文化・関係・反射・自己像の6面)。ただ「御社の反射は何ですか」と聞かれても困るので、実務で使える言葉に置き換えました。①考え方(MVV・パーパス・行動指針・ブランドストーリー)、②見え方(VI・ロゴ・色・フォント)、③聞こえ方(トーン・オブ・ボイス/言葉づかい。プリズムでは人格に含まれますが、受け手に届いた時点で"外に出ているもの"として独立させました)、④感じられ方(態度・表情・佇まい、ブランドパーソナリティ)、⑤接し方(ペルソナ、カスタマージャーニー、提供価値、ブランドプロミス、タッチポイント設計)。5つとも「〜方」で揃えているので、覚えやすいはずです。 ポイントは、内面と外面に分かれること。「考え方」と「感じられ方」が〈何者なのか〉という内面、「見え方・聞こえ方・接し方」が〈それをどう外に出すか〉という外面。内面が固まらないまま外面を作るとバラバラになるし、内面だけ立派でも外面がなければ誰にも届かない。そして従来の「動き方」は、誰に対しても変わらない部分=感じられ方と、相手や場面で変える部分=接し方に分かれました。この5つの器は、埋めるためだけでなく、「どこがまだ手薄か」を見つけるチェックリストとしても使えます。冒頭のニュースで触れた、〈AIっぽさを感じた人の約半数が静かに離脱する〉という調査とも地続きの話。AIを使いこなせるかどうかは、ツールの問題ではなく「らしさ」を定義できているかどうかの問題です。 【今回のトピック】・「らしさ」とは何か——ロゴを隠しても、その会社だとわかる状態・3つから5つへ——ブランドプリズムを下敷きに、実務で使える器に置き換える・内面(考え方・感じられ方)と外面(見え方・聞こえ方・接し方)の関係・「動き方」はどこへ消えたか——変えない部分と、相手で変える部分に分ける この番組は、企業ブランディングを手掛けるID株式会社が、ブランドの育て方について話すポッドキャストです。 ゼロから作るブランディングのノウハウや、クライアントと二人三脚で育てているブランドの裏側についてお話ししていきます。 #育てるブランディング ▶︎▶︎MC・北川 巧(ID INC. クリエイティブディレクター代表取締役)・谷 春香(フリーランス、グラフィックデザイナー&イラストレーター) ▶︎▶︎ID INC. Website・https://include.bz/ ▶︎▶︎branding.bz(ブランディング・ビズ|無料登録できます)・https://branding.bz/ ▶︎▶︎note(ポッドキャスト連動記事)・https://note.com/kitakawa ▶︎▶︎配信スケジュール・毎週火曜日 朝7:00AM ▶︎▶︎お便りフォーム・https://forms.gle/eLWAVXnw7JNs3T6ZA

  2. Aug 24

    #038 開業から1年経ったジャングリア沖縄から見えた、地域ブランディングの核

    第38話:開業から1年経ったジャングリア沖縄から見えた、地域ブランディングの核 開業から1年。SNSでは、いまも「叩かれた」記憶のほうが先に立つ——ジャングリア沖縄。けれど、公表された数字を見ると、まったく別の景色が見えてきます。りゅうぎん総合研究所と沖縄セルラー電話が共同で発表した経済効果は、開業から半年で322億円。スマホの位置情報(匿名化された人流データ)の分析からは、来場者が名護・本部・今帰仁といった北部に宿泊・滞在するケースが多く、北部地域への来訪者は前年同期比で46万人以上増加。長年の課題だった「素通り観光」の改善に貢献している、と評価されています。 今回は、森岡毅さんのインタビュー記事「森岡氏の告白 ジャングリア沖縄の反省と希望」を起点に、地域ブランディングの核を探ります。森岡さんは、批判の渦中でもぶれない理由を「北極星」という言葉で語ります。実はUSJ時代にも沖縄でのテーマパーク計画を10年近く進め、契約寸前で白紙になった過去がある——その挫折を越えて実現したのがジャングリアです。そして「これは1テーマパークを成功させるプロジェクトではない」「地域創生の理想的なモデルをつくる」と、50年後の沖縄を見据えている。ブランディングの観点で見ると、これは“ジャングリアを起点に広域経済圏を育てる”という構造の話になります 同じ構造で成功した国内の先例として取り上げるのが、瀬戸内の直島。今でこそ「アートの島」ですが、始まりは1985年、旧福武書店(現ベネッセ)創業者・福武哲彦さんと当時の直島町長の思いが重なったところから。しかも最初はアートではなく、1989年のキャンプ場から。ベネッセハウス(安藤忠雄さん設計)、空き家をそのまま作品にする「家プロジェクト」(第1弾「角屋」には島民も制作に参加)、2004年の地中美術館を経て、今では犬島・豊島まで含む「ベネッセアートサイト」へ。40年かけて、一企業のプロジェクトが瀬戸内のブランドになった話です。一方で、人気が出すぎたことによるオーバーツーリズム——生活圏をどう守るかという新しい課題も生まれている。成功のあとにも課題は続く。だからこそ、地域も「育てていく」感覚が欠かせません。 【今回のトピック】・数字で見るジャングリア——半年で経済効果322億円、北部への来訪者は46万人以上増・森岡毅さんの「北極星」——批判の中でもぶれない核と、10年越しの挫折からの実現・直島の40年——キャンプ場から「アートの島」へ、家プロジェクトと島民の参加・地域ブランドが強くなった先の課題——オーバーツーリズムと、育て続けるという視点 この番組は、企業ブランディングを手掛けるID株式会社が、ブランドの育て方について話すポッドキャストです。 ゼロから作るブランディングのノウハウや、クライアントと二人三脚で育てているブランドの裏側についてお話ししていきます。 #育てるブランディング ▶︎▶︎MC・北川 巧(ID INC. クリエイティブディレクター代表取締役)・谷 春香(フリーランス、グラフィックデザイナー&イラストレーター) ▶︎▶︎ID INC. Website・https://include.bz/ ▶︎▶︎branding.bz(ブランディング・ビズ|無料登録できます)・https://branding.bz/ ▶︎▶︎note(ポッドキャスト連動記事)・https://note.com/kitakawa ▶︎▶︎配信スケジュール・毎週火曜日 朝7:00AM ▶︎▶︎お便りフォーム・https://forms.gle/eLWAVXnw7JNs3T6ZA

  3. Aug 17

    #037 自社の「何屋か問題」整理術〜マスター・マルチ・サブ、3つの見せ方〜

    第37話:自社の「何屋か問題」整理術〜マスター・マルチ・サブ、3つの見せ方〜 社長の興味や社会のニーズに応えていくうちに、事業がどんどん増えていく。新規事業がいつのまにか伸びて、メインの事業と売上が逆転することも。そして気づけば、「結局、うちって何の会社なんだっけ?」と、社外からも——下手をすると社内からも——わからなくなる。北川が勝手に呼んでいる、この“何屋か問題”。どう整理すればいいのでしょうか? 今回のテーマは、その“何屋か問題”の整理術。まず前提として、事業が多いこと自体は悪くありません。チャレンジ意欲はビジネスの大事な部分。問題は、足し算をしたあとに“整理”をしていないこと——つまり、部屋と同じで「片づけ」の問題です。しかもここで言う整理は、事業を減らす・やめる話ではなく、増えた事業を“どう見せるか”の話。事業の数はそのままでも、見せ方を変えるだけで、社外にも社内にも説明しやすくなります。 その見せ方が、大きく3つ。①マスターブランド型——1枚の看板に全部寄せる。グループで70以上のサービスを持ちながら、共通の楽天IDとポイントで束ねる楽天が好例で、「楽天なら」という一つの信頼を全事業に効かせられる。複数ブランドを育てる費用がかからないぶん、中小企業が一番マネしやすい型でもあります。②マルチブランド型——看板をはっきり分ける。星のや・界・リゾナーレ・OMO・BEBとコンセプトごとに分ける星野リゾートのように、お客さんが“目的で選べる”状態をつくる(ただしブランドを複数育てるのは体力勝負なので、中小は「主役を1つ決めて、毛色の違う事業だけ小さく分ける」で十分)。③サブブランド型——その中間。親が品質を保証しつつ、名前は独立させる。Apple WatchやApple TVには“Apple”が冠につく一方、iPhoneやMac、iPadは冠なしで独立したブランドとして立っている、あの構造です。 どれを選ぶかの物差しは、「らしさ」をどう持たせるか。谷さんの言う“暖簾分け”のイメージが、意外としっくりきます。整理のパターンを決めておくと、社内にも社外にも、ぐっと説明しやすくなるはずです。なお、冒頭のコーナーではOpenAIの新しい音声モード「GPT-Live」を実際に使って会話する実験も。そして番組内で予告した「そもそも“らしさ”とは何か?」の回も、近日中にお届け予定です。 【今回のトピック】・“何屋か問題”の正体——事業が多いことではなく、見せ方を片づけていないこと・マスターブランド型——楽天に学ぶ「1枚の看板に寄せる」、中小が一番マネしやすい理由・マルチブランド型——星野リゾートの分け方と、中小がマネするときの現実解・サブブランド型——Appleの「冠がつく製品/つかない製品」に見る中間の型 この番組は、企業ブランディングを手掛けるID株式会社が、ブランドの育て方について話すポッドキャストです。 ゼロから作るブランディングのノウハウや、クライアントと二人三脚で育てているブランドの裏側についてお話ししていきます。 #育てるブランディング ▶︎▶︎MC・北川 巧(ID INC. クリエイティブディレクター代表取締役)・谷 春香(フリーランス、グラフィックデザイナー&イラストレーター) ▶︎▶︎ID INC. Website・https://include.bz/ ▶︎▶︎branding.bz(ブランディング・ビズ|無料登録できます)・https://branding.bz/ ▶︎▶︎note(ポッドキャスト連動記事)・https://note.com/kitakawa ▶︎▶︎配信スケジュール・毎週火曜日 朝7:00AM ▶︎▶︎お便りフォーム・https://forms.gle/eLWAVXnw7JNs3T6ZA

  4. Aug 10

    #036 ブランドを「日常業務」に落とし込む〜運用マニュアルの作り方〜

    第36話:ブランドを「日常業務」に落とし込む〜運用マニュアルの作り方〜 理念を掲げて、ガイドラインも作った。社員も「知ってる」「分かる」「いいね」と言ってくれる。……でも、行動や習慣までは変わっていない。冒頭で取り上げた大伸社コミュニケーションデザインの「インターナルブランディングに関する実態調査2026」でも、“わかる”までが約7割、“行動・習慣”まで到達したのは約3割。しかもレポートは、課題は「伝わらない」ことではなく「行動につながらない」ことだと締めくくっています。では、その行動は、どう設計すればいいのでしょうか? 今回のテーマは「ブランドを『日常業務』に落とし込む〜運用マニュアルの作り方〜」。カギは、ガイドラインとマニュアルは別物だという整理です。ガイドラインは「辞書」——何かを定義し、“わかる”ためのもの。マニュアルは「教科書」——“できる”ようになるためのもの。辞書をどれだけ分厚くしても「できる」には届きません。しかもガイドラインが日常業務で開かれない理由は2つ。①引く言葉を知っている人しか引けない(業務の側から引けない)、②「誠実であろう」は書いてあっても、「この場面で、具体的にどう動くか」までは書かれていない。この2つを両方解いている例として、良品計画の「MUJIGRAM(ムジグラム)」を紹介します。全13冊・約2000ページ。それでも読まれるのは、目次が作り手の分類ではなく“使う側の目的”で組まれ、各項目が手順ではなく「何のためにやるのか」から始まるから。前身の「店舗運営基準書」が本部主導で根づかなかった反省から、ベテラン店長を委員に立てて現場の手で作り直した——という背景も効いています。 そして運用マニュアルには、もう一つ欠かせない視点が「更新」。無印はバインダー綴じにしてページを差し替え、年間およそ1万件の現場要望をもとに毎月更新し続けているそうです。番組後半では、ID INC.が支援した運用マニュアル制作プロジェクト——Googleフォームで現場のナレッジを集め、AIで整理し、Web化+印刷で紙でも渡せる形にした事例もご紹介。共通するのは、現場の人自身が書くこと(IKEA効果=自分で組み立てたものには愛着が湧く)。最後は、調査タイトルにあった「5年の壁」の話へ。行動・習慣まで届いた会社が半数を超えるのに必要な期間は、およそ5年。マニュアルもブランドも、完成はなく、育て続けるものです。 【今回のトピック】・調査で見えた壁——“わかる”は約7割、“行動・習慣”は約3割。課題は「伝わらない」ではない・ガイドラインは「辞書」、マニュアルは「教科書」——わかる、と、できる、の違い・MUJIGRAM——使う側の目的で組む目次、手順の前に「何のために」、現場の手で作る・更新をどう回すか——バインダー方式、Web化、そして「5年の壁」 この番組は、企業ブランディングを手掛けるID株式会社が、ブランドの育て方について話すポッドキャストです。 ゼロから作るブランディングのノウハウや、クライアントと二人三脚で育てているブランドの裏側についてお話ししていきます。 #育てるブランディング ▶︎▶︎MC・北川 巧(ID INC. クリエイティブディレクター代表取締役)・谷 春香(フリーランス、グラフィックデザイナー&イラストレーター) ▶︎▶︎ID INC. Website・https://include.bz/ ▶︎▶︎branding.bz(ブランディング・ビズ|無料登録できます)・https://branding.bz/ ▶︎▶︎note(ポッドキャスト連動記事)・https://note.com/kitakawa ▶︎▶︎配信スケジュール・毎週火曜日 朝7:00AM ▶︎▶︎お便りフォーム・https://forms.gle/eLWAVXnw7JNs3T6ZA

  5. Aug 3

    #035 値上げでブランドを強くする会社、弱くする会社

    第35話:値上げでブランドを強くする会社、弱くする会社 値上げは、経営者にとって最も気が重い決断のひとつ。「お客さんが離れてしまうんじゃないか」——その不安が先に立って、なかなか踏み切れない。でも、同じ値上げでもファンが増える会社と、印象を落とす会社がある。この差は、いったいどこから生まれるのでしょうか? 今回のテーマは「値上げでブランドを強くする会社、弱くする会社」。カギは、第10話で扱った「ブランドプロミス」=企業がお客さんに約束する価値です。価格とは、企業が定めた価値と、お客さんが感じる価値の“目線合わせの指標”。だから値上げは、そのギャップを埋める行為であり、言ってみれば「答え合わせ」。避けたいケースは2つあります。①説明の主語が全部“自分理由”(「原材料の高騰により」「諸般の事情により」)、②価格は据え置きで中身をこっそり減らす“実質値上げ”。どちらも、お客さん目線では得がないか、後から「隠された」と受け取られてしまいます。 面白いのは、冒頭のニュースで取り上げたカルビー。実は値上げも内容量の見直しも行っていて、一見この2つに当てはまるのに、炎上どころか惜しむ声すら出ている。違いは「説明の粒度」と、全部“自分から”言っていること(白黒パッケージの袋には、わざわざ理由まで印刷されていました)。そして目的はコスト削減ではなく「市場への安定的な製品供給」。もう一社、鎌倉シャツは、2022年の値上げの際に「値上げから逃げてはいけない」「日本製を守るための決断」と宣言し、30年で2回・約4割の見直しにとどめながら、約170人のほぼ正社員の販売員による“感じのいい”接客で支持を広げています。共通するのは、価格以外に「何を守るか」がはっきりしていること。守るために手放せるのは、優先順位が決まっているから。プロミスが明確な会社は、値上げにも前向きで、自信が持てる——値上げに悩む経営者・個人事業主に、そのまま効く回です。 【今回のトピック】 ・値上げが怖い本当の理由と、価格=“価値の目線合わせ”という考え方 ・避けたい2つのケース——「諸般の事情により」と、こっそり減らす実質値上げ ・カルビーはなぜ炎上しないのか——「説明の粒度」と、自分から言い切る姿勢 ・鎌倉シャツ「値上げから逃げてはいけない」——価格以外に“何を守るか”を決める この番組は、企業ブランディングを手掛けるID株式会社が、ブランドの育て方について話すポッドキャストです。 ゼロから作るブランディングのノウハウや、クライアントと二人三脚で育てているブランドの裏側についてお話ししていきます。 #育てるブランディング ▶︎▶︎MC・北川 巧(ID inc. クリエイティブディレクター代表取締役)・谷 春香(フリーランス、グラフィックデザイナー&イラストレーター) ▶︎▶︎ID INC. Website ・https://include.bz/ ▶︎▶︎note(ポッドキャスト連動記事) ・⁠https://note.com/kitakawa⁠ ▶︎▶︎配信スケジュール・毎週火曜日 朝7:00AM ▶︎▶︎お便りフォーム・https://forms.gle/eLWAVXnw7JNs3T6ZA

  6. Jul 27

    #034 社内で“ブランドが想起されない”理由 〜エボークトセットで考える接点設計〜

    第34話:社内で“ブランドが想起されない”理由 〜エボークトセットで考える接点設計〜 「うち、ブランディングが全然社内に浸透しないんですよ」——よく聞く悩みです。でも、よくよく話を聞いてみると、行動としてはもう浸透していることがある。ブランディングのおかげで採用の質が上がっても、社内では「リクルーターが優秀だった」で終わる。サービスが褒められても「営業ががんばったから」になる。ちゃんと効いているのに、誰も「これはブランドのおかげだ」と紐づけていないだけ。この“見えない浸透”を、どうすれば実感に変えられるのでしょうか? 今回のテーマは「社内で“ブランドが想起されない”理由」。第10・11話のインナーブランディング(心理的オーナーシップ、キャズム)を、もう一段掘り下げる回です。カギは、第12話で扱った「エボークトセット(想起集合)」。あのときは“お客さんが買うときに頭に浮かぶ候補リスト”の話でしたが、同じことが社内の「原因さがし」でも起きている、というのが今回の発見です。何かいいことが起きたとき、頭に浮かぶ原因の候補に「ブランディング」という言葉が入っていない——だから紐づかない。冒頭のヤンマー「HANASAKA」の“やっていた活動に、後から名前がついた”という話が、まさにこの構造を表しています。 では、どう紐づけるか。北川が示すのは3つの層です。①基準点=何に紐づけるかの“物差し”を、ミッション・バリューで一つに揃える。②運ぶ人=管理職が、自分の言葉で現場に渡す(「教える側に回ると一番学べる」を利用して、管理職同士で講師を交代する工夫も)。③日常の接点でこまめに紐づける——年間目標シートで「この目標はどの価値観に効くか」を先に書き(事前)、1on1で「あの対応、まさにうちの“挑戦を後押しする”だったね」と後から名前をつける(事後)。ポイントは、新しい施策を増やすのではなく、“今あるもの”に「ブランドの言葉を一言のせる」だけ、ということ。だから明日からできる。作ったブランドを、社内でどう“育てる”か——実務にそのまま効く回です。 【今回のトピック】・「浸透してない」の正体——行動は浸透しているのに、ブランドに紐づいていないだけ・原因の“想起集合”——エボークトセットで読み解く、社内でブランドが想起されない理由・紐づけの3つの層——①基準点(物差し)②運ぶ人(管理職)③日常の接点で紐づける・明日からできる——目標シートで“事前”、1on1で“事後”、既にある場に言葉を一言のせる この番組は、企業ブランディングを手掛けるID株式会社が、ブランドの育て方について話すポッドキャストです。 ゼロから作るブランディングのノウハウや、クライアントと二人三脚で育てているブランドの裏側についてお話ししていきます。 #育てるブランディング ▶︎▶︎MC ・北川 巧(ID inc. クリエイティブディレクター代表取締役) ・谷 春香(フリーランス、グラフィックデザイナー&イラストレーター) ▶︎▶︎ID INC. Website ・⁠https://include.bz/⁠ ▶︎▶︎note(ポッドキャスト連動記事) ・https://note.com/kitakawa ▶︎▶︎配信スケジュール ・毎週火曜日 朝7:00AM ▶︎▶︎お便りフォーム・https://forms.gle/eLWAVXnw7JNs3T6ZA

  7. Jul 21

    #033 BtoBブランディング、3つの勝ち筋〜言葉にする・別の入口・束ねる力〜

    第33話:BtoBブランディング、3つの勝ち筋〜言葉にする・別の入口・束ねる力〜 「うちはBtoBだから、ブランディングは関係ない」——そう考える会社は、まだまだ多いです。決まった取引先がいるし、製品の性能や技術で選ばれてきた。たしかにその通り。でも、業界が成熟してどこの製品も高品質が当たり前になり、価格も性能も横並びになってくると、最後の決め手は「どっちが信頼できるか」になる。その“信頼”は、いったいどこで差がつくのでしょうか? 今回のテーマは「BtoBブランディング、3つの勝ち筋」。IDが最も得意とする領域でもあります。ヒントを、性格の異なる3社から探ります。①台車の老舗・花岡車輌——4代目のデザイナーが、見た目を整える前に「花岡らしさとは何か」を言葉にし、朝礼で唱和して社内に浸透させた(売上は2010年比で約1.6倍に)。②足場レンタルのASNOVA——「無関心の壁」を越えるため、足場を「カセツ(仮設×仮説)」と読み替え、公園でパルクールイベントという“別の入口”を作った。③海運のONE——海運大手3社のコンテナ部門が統合し、マゼンタの企業カラーと、現場社員の声から生まれたスローガン「AS ONE, WE CAN.」で、約1万人の組織を一枚岩にした。 面白いのは、3社の「勝ち筋」が、どれも外側の見た目ではなく“内側”の話だったこと。①自分たちの価値を言葉にできているか、②無関心な相手に別の入口を作れるか、③その言葉を旗にして組織を束ねられるか。BtoBは、営業担当という「人」が価値を届ける世界。だからこそ、社員一人ひとりが自社を誇れているかどうかが、そのまま一番の営業力になります。派手さよりも、芯の強さ。BtoB企業の経営者・広報・営業に関わる方に、特に届けたい回です。 【今回のトピック】 ・BtoBにブランディングは要らない?——コモディティ化の先で効いてくる「信頼」 ・花岡車輌——見た目より先に「自分たちは何者か」を言葉にする(勝ち筋①) ・ASNOVA「カセツ」——無関心な相手に、思わず覗きたくなる「別の入口」を作る(②) ・海運のONE「AS ONE, WE CAN.」——言葉を旗に、バラバラな組織を束ねる力(③) この番組は、企業ブランディングを手掛けるID株式会社が、ブランドの育て方について話すポッドキャストです。 ゼロから作るブランディングのノウハウや、クライアントと二人三脚で育てているブランドの裏側についてお話ししていきます。 #育てるブランディング ▶︎▶︎MC ・北川 巧(ID inc. クリエイティブディレクター代表取締役) ・谷 春香(フリーランス、グラフィックデザイナー&イラストレーター) ▶︎▶︎ID INC. Website ・⁠https://include.bz/⁠ ▶︎▶︎note(ポッドキャスト連動記事) ・⁠https://note.com/kitakawa⁠ ▶︎▶︎配信スケジュール ・毎週火曜日 朝7:00AM ▶︎▶︎お便りフォーム ・⁠https://forms.gle/eLWAVXnw7JNs3T6ZA

  8. Jul 13

    #032 AIに「選ばれる」ブランドづくり〜エージェンティックコマース時代の生存戦略〜

    第32話:AIに「選ばれる」ブランドづくり〜エージェンティックコマース時代の生存戦略〜 「シワになりにくくて、出張に着ていけるジャケット、3万円以内で」——そう話しかけるだけで、AIが候補を見比べて“これ”と選んでくれる。そんな買い物が、もう特別ではなくなってきました(Shopifyの調査では、日本の消費者の半数以上が買い物にAIを使うと回答)。これはブランド側から見ると、けっこう怖い話。どれだけSEOを頑張っても、AIが選ぶ候補に入れなければ、そもそも人の目にすら届かない。これからは「人に選ばれる」前に、「AIに選ばれる」必要が出てきたのです。 今回のテーマは「AIに『選ばれる』ブランドづくり〜エージェンティックコマース時代の生存戦略〜」。エージェンティックコマースとは、AIが“代理人”として、探して・比べて・買うまでを代行する仕組みのこと。まず整理として、野村総研による買い物AIの4タイプ——①汎用AI(ChatGPT等、世界中を中立に横断)、②プラットフォームAI(Amazonの「Rufus」など、モール内)、③業界特化AI(専門データが深い)、④ブランドAI(自社商品だけ、世界観で完結)——を紹介します。“売り場の広さ”で地図を描くと、中小・スタートアップは汎用AIで大手と殴り合うより、狭く深い専門性や世界観で選ばれにいくほうが現実的、という見立てが見えてきます。 ポイントは、AIはデザインや“かっこよさ”を見ていない、ということ。AIが読むのは「構造化データ」です。だから、商品のスペックや「こういう人に向いています」という情報を、AIが誤解なく読める形に整える(SEOのAI版=GEO/AEOと呼ばれる考え方)。ただし、データを整えるのは“土俵に上がる”ための準備にすぎません。AIが「数ある中でなぜこれを推すか」の理由は、結局そのブランドの中身——誰に・何を・どんな想いで作っているか。実体のない世界観は、AIにも推せない。だから順番は、まず自社の「誰に・何を・なぜ」をはっきりさせ、それをAIにも読める形に整えること。中身の“らしさ”があるブランドほど、AIにとっても推しやすい。今はまだ黎明期。いち早く動ける機動力こそ、中小・スタートアップ最大の武器です。 【今回のトピック】 ・エージェンティックコマースとは——AIが“代理人”として探し ・比べ・買う時代・買い物AIの4タイプ——汎用/プラットフォーム/業界特化/ブランド、中小はどこで戦うか ・AIはデザインを見ない——「構造化データ」とGEO/AEO(SEOのAI版) ・データだけでは足りない——AIに推される理由は、結局「誰に・何を・なぜ」 この番組は、企業ブランディングを手掛けるID株式会社が、ブランドの育て方について話すポッドキャストです。 ゼロから作るブランディングのノウハウや、クライアントと二人三脚で育てているブランドの裏側についてお話ししていきます。 #育てるブランディング ▶︎▶︎MC ・北川 巧(ID inc. クリエイティブディレクター代表取締役) ・谷 春香(フリーランス、グラフィックデザイナー&イラストレーター) ▶︎▶︎ID INC. Website ・⁠https://include.bz/⁠ ▶︎▶︎note(ポッドキャスト連動記事) ・https://note.com/kitakawa ▶︎▶︎配信スケジュール ・毎週火曜日 朝7:00AM ▶︎▶︎お便りフォーム・https://forms.gle/eLWAVXnw7JNs3T6ZA

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