目木 丈晴|マーケと営業をつなぐISラジオー Podcast

目木 丈晴|マーケと営業をつなぐIS

BtoBマーケティングと営業の分断をなくし、リード獲得から商談・受注・継続までの売上プロセスを設計しています。 BtoB企業が売上を伸ばすために必要な、マーケティング・インサイドセールス・営業のつなぎ方を、実務目線でお届けします。 リード獲得、ナーチャリング、架電、商談化、営業プロセス設計、ウェビナー活用、失注フォロー、受注後の継続まで、売上を“点”ではなく“線”で設計するための考え方を発信していきます。 fusionvalue.substack.com

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  1. 6d ago

    架電が「つながらない時代」にどう商談化に繋げていくか

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「電話がつながらない」 「アポ取得の数が減っている」 インサイドセールスの現場で、こんな悩みを抱えている方は本当に多いんじゃないかと思います。 実はこの背景には、受付代行やAI受電サービスの普及によって、担当者への接触率そのものが構造的に下がっているという事情があります。 今回は、その構造を整理した上で、AIが人間より先にメッセージを判定する時代に、架電をどうアップデートすればいいのかをお伝えします。 留守電やSMSの使い方を少し変えるだけで、これまで「接触できなかった」で終わっていた案件が、数ヶ月越しに商談化することもあります。 ぜひ最後まで読んでいただき、自社の架電のやり方を見直すきっかけにしていただけたら嬉しいです。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 架電は終わっていない|「電話だけ」で完結する時代は終わった 最近、携帯電話にかけるとAIが一次受けをして要件を求められたり、オフィスにかけると受付代行会社が一次受けをしていたり、以前に比べて電話がつながりにくくなったと感じることが増えました。 このまま架電という手段自体が終わってしまうのではないか、と不安に思う方もいるかもしれません。 先に私の考えをお伝えすると、架電という手段そのものが終わったわけではないと思っています。 終わったのは、リストの上から順番に電話をかけて、つながらなければそれで終わり、というやり方です。 今、担当者に電話で接触できる割合は、業界やターゲットにもよりますが、10%から15%ほどと言われています。 場合によっては数%まで落ちることもあります。 つまり、架電の8割から9割は「担当者と話せない時間」になっているということです。 これだけ聞くと、「もう電話は非効率なんじゃないか」と思う方も多いはずです。 でも私の見解は逆で、架電の価値はむしろ上がっていると感じています。 ただし、電話一本で完結させようとする設計のままだと、その価値を取りこぼしてしまいます。 なぜ「つながらない」が構造的に起きているのか なぜここまで担当者に接触しづらくなったのか、構造から見ていきたいと思います。 理由は、受付代行サービスやAI受電サービスが増えたこと、そして担当者名が分からない電話は取り次がない運用をする企業が増えたことです。 加えて、今起きている一番大きな変化は、AIが人間より先にメッセージを判定するようになったということです。 留守番電話の自動文字起こし、SMSの自動仕分け、AI受付、自動音声スクリーナー。 こういった仕組みが一気に広がっています。 つまり、私たちが「顧客に電話している」つもりでも、実際には最初に顧客企業のAIフィルターによって判定されている、という構造に変わってきているんです。 このAIは、その連絡が重要かどうか、誰につなぐべきか、ノイズかつなぐべき電話かを、短い情報だけで判定します。 ここを考慮せずに昔ながらのやり方で勝負しようとしても、担当者につながる前に弾かれてしまうんですね。 じゃあどうするか。ここで大事なのは、AIの存在に嘆くのではなく、人間の心理とAIの判定構造、両方を踏まえて戦術をアップデートすることです。 具体的には、次の3つのポイントがあると考えています。 ①AIによる一次受けを前提に留守電を残す 以前は、留守電を残しても後で聞かれないケースが多かったと思います。 忙しい担当者ほど、録音をわざわざ再生して確認するのは手間になりますから。 でも今は、留守電の内容がAIによって自動で文字起こしされ、テキストで届くようになっています。 忙しい決裁者や担当者ほど、録音を聞くよりテキストで要件を確認したいはずです。 だからこそ、留守電の価値は以前より上がっていると私は感じています。 「どうせ聞かれないから」と留守電を残さないのは、今の時代ではかなりもったいないことだと思います。 ②SMSも録音もテキスト化されて届くことを前提に動く 留守電と同じ構造が、SMSにもあります。 電話に出られなかった相手に対して、要件が端的にテキストで残っていれば、それが折り返しや返信のきっかけになります。 ここで大事なのは、「音声で話す前提の言葉遣い」と「テキストで読まれる前提の言葉遣い」は違う、ということです。 電話なら多少回りくどくても、声のトーンや間で伝わることがあります。 でもテキスト化されると、その情報はすべて削ぎ落とされて、文字の情報だけが残ります。 だから、誰が、何の用件で、何を確認したいのかを、短く明確な言葉で残す必要があるんです。 ③最初の2行で開くかどうかが決まる SMSは、通知画面やロック画面ではプレビューの数行しか表示されません。 タップして全文を開いてもらえるかどうかは、その最初の2行で決まります。 ここに、「自分に関係がある」「今の自分に必要だ」と一瞬で判断してもらえるキーワードを置けるかどうか。 会社名や、相手が抱えていそうな課題に関わる言葉、緊急性を感じさせる言葉、こういったものを冒頭に凝縮できるかどうかで、その先を読んでもらえるかが決まってしまいます。 この3つに共通しているのは、「人間に届く前に、AIやメッセージのフィルターを通っている」という前提を持つことです。 ここまで考えて架電アプローチを設計できている会社と、できていない会社とでは、同じ架電数をかけても反応率がまったく変わってくると感じています。 電話は「アポ獲得の手段」から「一次情報を取りに行くチャネル」へ もう一つ、大事な発想の転換があります。 これまで多くの会社は、架電の成果を「つながったかつながらなかったか」だけで評価してきました。 でも、これからのインサイドセールスに必要なのは、電話を単なるアポ獲得の手段ではなく、「顧客理解の一次情報を取りに行くチャネル」として捉え直すことだと思っています。 例えば、担当者につながらなくても、部署名が分かった、担当者名が分かった、競合サービスを使っていることが分かった、今はタイミングではないけれど数ヶ月後に動きそうだ。 こういった情報は、今すぐのアポ取得にはならなくても、未来の商談を作る重要なシグナルになります。 ここで問題になるのは、この情報を「接触できなかった」の一言で切り捨ててしまうことです。 接触できなかった企業も見込み情報としてきちんと管理して、電話・留守電・SMS・メール、こういった複数の接点を組み合わせて、数ヶ月先の商談化を設計していく。 こうした架電設計が、これからのスタンダードになっていくと考えています。 【事例】1回で終わらせなかった架電 ここで、とある企業であった話を紹介します。 最初の架電では担当者につながらず、受付で止まってしまったケースがありました。 多くのインサイドセールスは、受付NGだからという理由でそこで終わりにしてしまいます。 でも、このケースでは、まず留守電を残しました。 要件を10秒ほどで端的に伝える内容にして、AIによる文字起こしで担当者に届くことを見込んだ上で、「誰が、何の目的で、どんな価値を提供できるか」を冒頭に凝縮しています。 翌日には、SMSでも同様の要件を送っています。 ここでも最初の2行に、相手の業界でよくある課題のキーワードを置いて、タップして続きを読んでもらえるようにしました。 結果として、電話をかけた当日には反応がなかったものの、数日後に担当者本人からSMSへの返信があり、そこから日程調整のやり取りが始まって、最終的に商談化に繋がっています。 このケースのポイントは、「1回の架電で決着をつけようとしなかった」ことです。 架電、留守電、SMS、これらを組み合わせて複数の接点で情報を積み重ねていった結果、商談に繋がりました。 AIが発展したことによって、これまで商談化しなかった案件が商談に繋がった、そんな例だと思っています。 まとめ 架電がつながりにくくなった背景には、受付代行やAI受電サービスの普及という構造的な理由があります。 ただ、これは架電という手段が終わったことを意

    架電が「つながらない時代」にどう商談化に繋げていくか
  2. Aug 2

    ISの役割を定義する|SDR・BDR・どちらでもない?

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「インサイドセールスを立ち上げたいけれど、SDRにすべきかBDRにすべきか、それとも受注まで担わせるべきか分からない」。 こんなお悩みをよくいただきます。 実は多くの企業が、インサイドセールスを立ち上げる最初の一歩でつまずいているのが、この「役割定義」なんです。 今回は、なぜIS(インサイドセールス)の定義がこれほどバラバラなのか、その構造的な背景を整理したうえで、自社に合ったIS設計をどう考えればいいのかをお伝えします。 海外SaaSの分業モデルと日本の大手企業モデル、両方の成り立ちを知ることで、よその会社の成功事例をそのまま真似して歪みが生まれる失敗を避けられるはずです。 こちらの記事をご覧いただければ、「うちの会社にとってのISとは何か」を自分の言葉で定義できるようになっているはずです。 ぜひ最後まで読んでいただき、自社の営業組織を見直すきっかけにしていただけたら嬉しいです。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 インサイドセールスの役割に正解はない インサイドセールスの役割に、決まった正解はありません。 インサイドセールスの役割としては、大きく分けてSDRとBDRがあります。 SDRは反響型(インバウンドコール)、BDRは新規開拓型(アウトバウンドコール)の営業を指します。 ISがSDRなのか、BDRなのか、それともクロージングまで担うのか。 これは会社によって違って良いと、私は考えています。 大事なのは、「うちの会社にとってのISとは何か」を自分たちで定義することです。 よその会社の成功事例をそのまま真似すると、たいてい歪みが生まれます。 なぜそう言えるのか、まずは構造から見ていきましょう。 なぜ「IS」という言葉はこんなにバラバラなのか インサイドセールスという言葉は、もともとSaaSの世界から輸入されてきた背景があります。 SaaS発の分業モデル 海外のSaaS企業では、SDR(Sales Development Representative)、BDR(Business Development Representative)、AE(Account Executive)を明確に分けています。 AE(Account Executive)は直訳すると企業の管理職にあたり、支援先企業のオンボーディングや定期MTGに同席しながら深く関わり、LTV(顧客生涯価値)を最大化させる役割を担います。 インサイドセールスは商談前のアポ獲得を担う前工程、AEがフィールドセールスとしてクロージングを担当する。 この「ザ・モデル」に代表される分業モデルが、そのまま日本にも輸入されました。 つまりSaaSにおけるインサイドセールスは、フィールドセールスの手前を切り出した「前工程専門職」として定義されているんですね。 大手企業型の完結モデル 一方で、大手メーカーや大手SIer(System Integrator)の世界だと、インサイドセールスはまったく違う意味を持ちます。 こちらは、アポに繋げる人ではなく、WEB商談で案件をクロージングまで持っていく人を指します。 なぜかというと、大手企業には昔から、電話やメールで中小企業の注文や相談を受けて、提案から受注まで一貫して担う内勤営業チームが存在していたからです。 そこにインサイドセールスという言葉の潮流が来て、既存のチームがそのままラベリングし直された、というのが実態なんですね。 同じ「インサイドセールス」という言葉を使いながら、SaaS業界では「前工程だけの専門職」、大手企業では「完結型のチャネル営業」。 全然別のものを指しているわけです。 面白いのは、この2つが今、収斂し始めているという動きです。 SaaS側ではISの担当者がフィールドセールス工程まで対応するケースが増え、SDR・BDRの業務に加えてクロージングまでやる動きが出てきています。 大手企業側では、そこにデジタルとAIが本格的に乗ってきていて、プロセスの可視化と最適化が進んでいます。 到達点は同じで、セールスプロセス全体に責任を持ち、テクノロジーでそれを支える組織へと変わり始めているんです。 「役割の分け方」がズレると何が起きるか ここで、具体的なケースを2つご紹介します。 IS/FSの案件定義がズレるケース よくあるのが、インサイドセールスとフィールドセールスの間で「良い案件」の定義がズレているケースです。 インサイドセールスは「将来ニーズも含めて商談機会を作る」役割。 フィールドセールスは「今すぐ受注できる案件を取りに行く」役割。 この2つ、似ているようで全然違います。でも評価制度がフィールドセールスの受注率だけに寄っていると、フィールドセールスから見れば将来案件は「歩留まりを下げるノイズ」に見えてしまいます。 ここでよくある失敗が、「じゃあアポの質を上げよう」、「アポ条件を厳しくしよう」となることです。 しかしいきなり条件を厳しくすると、商談の母数が減り、将来有望な顧客を捨てることになり、結果としてパイプライン全体が先細りになっていきます。 やるべきことは、アポ条件をいじることではなく「案件タイプを分けておくこと」です。 導入時期が3か月以内で課題が顕在化していて検討意欲がある案件はフィールドセールスへトスし、導入時期が4か月以降でまだ情報収集段階の案件は、フィールドセールスの通常KPIから外して、インサイドセールスが継続的にナーチャリングする。 さらに大事なのは、将来案件を失注にしないことです。 「今はまだ早い」は失注ではなく、育成ステータスに置くべきなんですね。 ここを分けるだけで、「アポの質が悪いのか」、「FSの捌き方の問題なのか」、「そもそもタイミングのズレなのか」が見えるようになってきます。 この問題の本質は、アポの良し悪しではありません。 部門間で「良い案件」の定義が揃っていないこと。 これが部署間の分断が起きる要因なんです。 CSとCISの役割を分けるケース もう一つ、別の切り口の例もご紹介します。 既存顧客に対するクロスセルの話です。 よく「既存顧客を一番理解しているのはカスタマーサクセスだから」という理由で、クロスセルもCSに任せる会社があります。 ですが、これも実は無理があります。 カスタマーサクセスは信頼構築と活用支援に注力する役割です。 一方でクロスセルは、課題仮説を持って踏み込んで提案する、受注後に行う営業活動です。 似ているようで、必要な筋力がまったく違うんですね。 そこで、カスタマーサクセスとは別に「カスタマーインサイドセールス(CIS)」という役割を切り出し、商談創出を担わせるという設計があります。 これも結局、インサイドセールスという言葉に決まった業務範囲があるわけではないのと同じで、自社の商材、契約構造、組織体制に応じて、どこまで担わせるかを設計するものなんです。 自社に合ったIS設計を考える3つの視点 ここまでの話を踏まえて、自社に合ったインサイドセールスの設計を考えるときの視点を3つ、整理しておきます。 1. 商材と契約構造 単価が高くて検討期間が長い商材なのか、単価が低くて即決に近い商材なのか。 サブスクモデルなのか売り切りなのか。 サブスクモデルであれば、受注はゴールではなく、継続してはじめて成果になります。 だから商談化だけを切り出すのではなく、「継続に耐える受注かどうか」まで含めて設計する必要があります。 2. 組織体制 営業担当者の人数、フィールドセールスの体制、それから既存の内勤営業チームがすでにあるのかどうか。 ゼロから作るのか、既存の機能を再定義するのかで、設計の出発点はまったく違ってきます。 3. 評価制度との整合性 インサイドセールスにどこまで担わせるかを決めても、評価制度がそれとズレていたら現場は必ず苦しくなります。 アポ獲得までなのか、商談化までなのか、クロージングまでなのか。 担う範囲と評価軸は、必ずセットで設計します。 ここが抜けると、先ほどのIS・FSの話のように、部門間で「良い案件」の定義がズレたまま運用が始まってしまいます。 大事なのは、「SDR的にやるべきか、BDR的にやるべきか」という型探しではありません。 自社の商材と組織と評価制度から逆算して、インサイドセールスの役割を自分たちで定義することです。

    ISの役割を定義する|SDR・BDR・どちらでもない?
  3. Jul 26

    ナーチャリングは「育てる」より「切らさない」

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「メルマガは配信しているのに、なぜか検討が進まない」 「ウェビナーには来てくれたのに、その後どうフォローすればいいか分からない」 こんなモヤモヤを抱えている営業・マーケ担当者の方は、意外と多いのではないでしょうか。 今回は「ナーチャリング」というテーマを取り上げます。 ナーチャリングという言葉自体は知っていても、実際に何をすればいいのか、メール・ウェビナー・コンテンツをどう使い分ければいいのか、意外と整理されていない方が多い印象です。 今回お伝えする内容は、私自身が現場で見てきた事例と、自分自身の購買体験から見えてきた構造をもとにしています。 こちらをご覧頂ければ、「なぜ今のナーチャリングがうまくいっていないのか」がはっきりし、明日から見込み顧客との接点をどう設計し直せばいいか、具体的なイメージが持てるはずです。 最後にはチェックリストもご用意していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 結論:ナーチャリングは「育てる」より「関係を切らさない」 結論から言うと、ナーチャリングを「育てる」という言葉のイメージで捉えている会社ほど、うまくいっていません。 ナーチャリングの本質は、見込み顧客を教育して購買意欲を高めていくことではなく、「関係を切らさないこと」だと私は考えています。 「育てる」という発想は、こちらが能動的に働きかけて相手を変化させていくというイメージです。 しかし実際の見込み顧客は、そんなにこちらの思い通りには育ってくれません。 検討タイミングは相手側の事情で動きますし、こちらが送ったメールを読むかどうかも相手次第です。 私がずっと現場で見てきた感覚で言うと、ナーチャリングでうまくいっている会社がやっているのは、育てることではなく、相手が検討を始めるタイミングが来たときに、自分たちが選択肢の中に残っているようにしておくこと。 関係を切らさない、思い出してもらえる状態を維持し続けること。 これがナーチャリングの本質だと考えています。 実はこれ、私自身の話でもあります。 以前、ある高額な買い物をしたときのことを振り返ると、そのサービスを最初に知ってから実際に購入するまで、だいたい2年かかっていました。 その2年間、ずっとそのサービスのことを覚えていられたのは、定期的に何かしらの接点があったからです。 もし途中で接点が切れていたら、おそらく別のサービスで決めていたと思います。 見込み顧客の8割ほどは、今すぐ客ではありません。 情報収集段階だったり、課題は感じているけれど優先順位が低かったりします。 それなのに今すぐ客だけを見て設計してしまうと、市場をものすごく狭く見積もることになるのです。 なぜ「育てる」という発想がズレるのか 一律の育成シナリオが温度感のバラつきを無視してしまう 育てるという発想でナーチャリングを設計すると、ステップメールを組んで、1通目はこの内容、2通目はこの内容、3通目でオファーを出す、という一直線のシナリオを作りがちです。 これ自体は悪くありませんが、問題は、このシナリオが「相手は今、検討を始めたばかりだ」という前提で作られていることです。 実際の見込み顧客のリストには、検討をこれから始める人もいれば、半年前に一度検討して止まっている人もいますし、情報収集だけしたくて他は何も考えていない人もいます。 温度感がバラバラなのです。それなのに全員に同じ育成シナリオを流すから、途中で読まれなくなり、配信停止が増え、開封率がどんどん落ちていきます。 これが「育てる」発想の落とし穴です。 行動データを検討度の高さと誤認してしまう もう一つ見落とされがちなのが、「資料請求した」、「ウェビナーに参加した」という行動があると、それだけで検討度が高いと決めつけてしまうケースです。 実際は違います。 ウェビナーに参加した人が全員、今すぐ客なわけではありません。 逆に、まだ資料請求もしておらず今すぐ客でもない人でも、課題の言語化がきちんとできていて、自社に相談する理由が明確になっていれば、商談化も受注も普通に起きます。 つまり大事な軸は2つあります。 1つは「課題がどれだけ顕在化しているか」、 もう1つは「売り手との関係性がどれだけできているか」。 この2つが両方揃って初めて、見込み顧客は前に進みます。 行動データだけを見て育てる育てないを判断しているうちは、この構造になかなか気づけません。 事例:広告経由リードで起きていたこと ここで、私が実際に見てきたケースを1つご紹介します。 ある企業様では、広告経由でリードを集めていて、 * 資料請求も増えている * ウェビナー参加者も申し込みが取れている * メルマガも配信している 数字だけ見ると順調でした。 それなのに、なぜかアポに繋がらず、アポに繋がっても受注しないという相談を受けたことがありました。 話を聞いてみると、広告経由で獲得したリードは、実はまだその会社のことを深く知らない状態でリストに入っていました。 たまたま広告を見て、少し気になって資料をダウンロードしたという方が多かったのです。 それだけの温度感なのに、リストに入った直後にいきなり営業電話をかけたり、一方的な自社紹介のメールだけを送ったりしていて、相手からすると「まだ相談するほどじゃないのに売り込まれそう」としか感じないわけです。 そこで見直したのは、リード獲得後の関係性設計そのものでした。 * 獲得した直後に必要なのは売り込みではなく、相手がまだ言語化できていない課題を整理してあげること。 * 比較検討の基準を渡してあげること。 * よくある失敗パターンを先回りして伝えること。 そうすると「この会社は自分たちの状況をちゃんと分かってくれている」と思ってもらえるようになります。 これができるようになってから、その会社は見込み顧客を大きく3つに分けて運用するようにしました。 * 導入時期が近くて課題も顕在化していて、そのまま商談に進めていい層 * もう少しインサイドセールスで追加のヒアリングをすべき層 * まだナーチャリングを続けるべき層 この3分類ができてから、営業側に渡すリードの質が変わり、商談化率も受注率も上がりました。 メール・ウェビナー・コンテンツの使い分け では、実際にどう使い分けるのか。ここは3つの手段で整理するとわかりやすくなります。 メールの役割 メールの役割は「軽い接点を、頻度高く、コストをかけずに維持すること」です。 ここで大事なのは、メールに過度な期待をしないことです。 メール1本で検討を進めようとするのではなく、メールの役割は「忘れられないこと」に徹します。 だから内容も、売り込み色を強くしすぎず、業界の情報や他社の取り組み事例のような、読んでも負担にならないものが向いています。 ウェビナーの役割 ウェビナーの役割はメールとは全く違っていて、「温度感が上がってきた人を、一気に濃い接点に引き上げること」です。 ウェビナーは仕事の時間を30分から1時間確保して参加するものなので、それなりに参加のハードルが高く、参加してくれること自体が温度感の高さを示すサインではあります。 ただし、ウェビナーに参加した=検討度が高い、と単純に決めつけてはいけません。 参加者の中にも温度感の差があるので、ウェビナーの後には必ずインサイドセールスからの個別フォローを組み合わせて、そこで初めて本当の温度感を確認します。 これで初めてウェビナーが機会損失を生まない施策になります。 逆に、ウェビナーをやりっぱなしで参加者リストをそのまま放置している会社は少なくありませんが、これはかなりもったいないことをしています。 コンテンツの役割 コンテンツは、メールとウェビナーの間をつなぐ役割です。 ブログ記事や事例集、ホワイトペーパーのようなものですね。 コンテンツの役割は、相手が自分のタイミングで、自分のペースで理解を深められる場所を用意しておくこ

    ナーチャリングは「育てる」より「切らさない」
  4. Jul 20

    リード獲得の設計|何のためにリードを集めるか

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「リードは増えているのに、商談が一向に増えない」 「架電しても温度感が低くて話にならない」 「マーケからは“ちゃんと渡してます”、営業からは“質が悪い”の水掛け論になっている」 こんな感覚、心当たりはないでしょうか。 今回は、この状態がなぜ起きるのかを、「リード獲得の設計」という切り口から解説します。 実は多くの会社が、リードを「量」で評価してしまい、「何のために集めているのか」という一番大事な問いを置き去りにしています。 これは根性論でも属人的なスキルの話でもなく、構造の問題です。 だからこそ、設計さえ直せば再現性を持って改善できます。 この記事を読み終える頃には、自社のリード獲得がどこでズレているのか、そして何から手をつければ商談化率・受注率が変わっていくのかが見えてくるはずです。 少し長めの内容になりますが、ぜひ最後までお付き合いください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 「量より質、目的から逆算する」という結論 結論から申し上げると、リード獲得で大事なのは「量より質、そして目的から逆算する」ということです。 当たり前のように聞こえるかもしれませんが、これがきちんとできている会社は、実はそれほど多くありません。 むしろ多くの会社は真逆のことをやっていて、「まずリード数を増やそう」から入ってしまいます。 そして、CPL(リード一件あたりの獲得コスト)を下げることそのものが目的化してしまい、「何のために集めているリードなのか」という問いが抜け落ちてしまうのです。 なぜこうなるのか?「リードの質」を誰が決めているのか? マーケティング部門の力が強い会社でよく起きることですが、「優良リード」の定義が、マーケ側のロジックだけで決まってしまいます。 役職、企業規模、業種、どのコンテンツをダウンロードしたか、サイトへの訪問回数、メールの開封状況。こうした「測れる指標」の組み合わせでスコアリングされたリード(MQL)、そこから営業へ引き渡していいレベルのリード(SQL)への遷移率。 こういった数字が、ダッシュボード上には綺麗に並びます。 一見、合理的に見えるのですが、営業現場で実際に起きているのは「スコアが高いリード」と「本当に受注につながる顧客」のズレです。 スコアの高いリードは、確かに反応は良いものです。 資料請求もしますし、商談にも応じます。 ただ、決裁権を持っていなかったり、本当の課題を抱えていなかったり、予算がなかったりするのです。 一方で、本当に受注につながるのは、スコアには映らない要素を持っている顧客です。 組織内の人間関係、決裁者の関心の温度、社内の意思決定タイミング。 こうした「測れない文脈」を読む力こそが営業の価値なのですが、マーケのスコアリングは、この部分を無視してしまいがちなのです。 つまり、マーケが「量」で測れる指標だけでリードの質を先に定義してしまうと、営業側が本来持っている「文脈を読む力」を発揮する場所がなくなっていきます。 これが、リードは増えているのに受注が伸びない、という現象の構造的な原因なのです。 もう一つの原因「翻訳不足」 もう一つ、よく見かける原因があります。 それが「言葉のズレ」です。 BtoBのマーケでよくある訴求は、「営業DXを推進します」、「リード獲得を最大化します」、「商談化率を改善します」といった言葉です。 間違ってはいないのですが、現場の担当者が本当に頭の中で考えているのは、これとは違うことが多いのです。 * 資料請求は増えたのに、営業が追ってくれない * アポは取れているのに、受注につながらない * 展示会後のリードが放置されて終わっている * マーケと営業で「良いリード」の定義がズレている こちらの方が、圧倒的に自分ごととして響くのではないでしょうか。 多くの場合、問題はもっと手前にあり、「誰の、どんな悩みを、どんな言葉で拾うか」が曖昧なまま、広告もLPもメルマガも架電施策も走らせてしまっています。 これは努力不足ではなく、翻訳不足なのです。 事例:広く集めたウェビナーが商談化しなかった理由 実際にあったケースをご紹介します。 あるBtoB企業では、ウェビナーを月に何本も開催し、毎回100人、200人という申込みを集めていました。マーケ側としては「集客成功」と評価していたのです。 しかし、実際の商談化率を見ると、かなり低い状態でした。 理由は、ウェビナーのテーマが「業界トレンド解説」のような、誰でも興味を持てる広いテーマだったからです。 参加者の大半は情報収集目的で、購買検討に入っている層はごく一部でした。 目的が「一人でも多くの人に知ってもらう認知獲得」であれば、当初のウェビナー設計で問題ありませんでした。 しかし、この企業の目的は「受注につながる商談化」だったため、設計が目的とズレていたのです。 そこで、ウェビナーの目的そのものを見直しました。 「集客数を増やす」のではなく、「BANT条件(予算・決裁権・必要性・導入時期)の観点で確度の高い層にリーチする」という目的に組み替え、テーマを絞り込んで、導入検討層だけが興味を持つような踏み込んだ内容に変更しました。 結果、参加者数自体は半分近くまで減りました。 しかし、そこからのトスアップ(インサイドセールスから営業への引き渡し)数と、アポ取得率は大きく上がりました。 マーケのKPIだけを見ると悪化しているように見えますが、会社全体で見た商談化率、そして最終的な受注数は、明らかに改善したのです。 目的から逆算するとはどういうことか ①「受注」から逆算して設計する リード獲得の設計は、「集める」ところから考えてはいけません。 「受注」から逆算する必要があります。 順番としては、まず自社が受注しやすい顧客像を明確にします。 次に、その顧客像が実際にどういう情報を求めていて、どういうタイミングで動くのかを考えます。 そして最後に、その顧客像にリーチするための獲得チャネルとコンテンツを設計します。 多くの会社はこの順番が逆になっていて、「今使えるチャネルは何か」、「今作れるコンテンツは何か」から考えてしまいます。 そうすると、集客はできても、その先の商談化・受注にはつながらないリードばかりが集まることになります。 ②「どの文脈で想起されるか」を設計する もう一つ大事な視点は、「リード獲得の前に、どの文脈で想起されるか」ということです。 特にBtoBの、大企業向けの営業ではこの傾向が顕著です。 決裁者はいきなりサービス比較をしているわけではありません。 「この領域、そろそろ変えないとまずい」、「このままだと営業生産性が上がらない」という問題意識が先にあり、その文脈の中で企業を認知します。 つまり、マーケの役割は単にリードを集めることではなく、営業が入りやすい「会話の前提」を市場に作ることなのです。 インサイドセールスも同様で、「資料DLありがとうございます、ご状況いかがですか」で終わるのか、「御社のフェーズだと、今のボトルネックはリード数ではなく商談化率の低下ではないですか」と仮説を持って入れるのか。ここで商談の質は大きく変わってきます。 三つの設計との接続 これは、これまでお伝えしてきた三つの設計(KPI設計・情報設計・プロセス設計)の話ともつながっています。 KPI設計でお伝えした「共通KPI」を思い出してください。 リード獲得の場面でも、マーケ単体の「獲得数」ではなく、部門をまたいだ「商談化率」や「受注貢献度」まで見えるKPIを設計する必要があります。 情報をつなぐ設計で言えば、獲得したリードがどんな属性で、どんな行動をしていて、どんな問題意識を持っているフェーズにいるのかという情報が、マーケからインサイドセールスへ、インサイドセールスからフィールドセールスへ、きちんと連携される仕組みが必要です。 プロセスをつなぐ設計では、リードの温度感や文脈に応じて、ナーチャリングに回すのか、すぐにインサイドセールスが架電してアポ取得を狙うの

    リード獲得の設計|何のためにリードを集めるか
  5. Jul 12

    情報とプロセスの分断が売上を止める

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「リードは順調に増えているのに、なぜか商談化率が上がらない」 「アポ取得はできているのに、その後の商談がなかなか前に進まない」 そんなモヤモヤを抱えている営業責任者の方、経営者の方は、実は少なくないのではないでしょうか。 今回は、BtoB企業の売上を止めてしまう「情報の分断」と「プロセスの分断」について、具体的な事例を交えながら整理していきます。 マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスがそれぞれ持っている情報の扱い方や、工程と工程のつなぎ目にルールがあるかどうかを見直すだけで、同じ人員・同じKPIのままでも成果は大きく変わります。 私自身、複数のBtoB企業でこの「つなぎ目」の設計支援を行い、実際に商談化率や受注率の改善につなげてきました。 この記事を通じて、自社のどこで情報とプロセスの分断が起きているのか、具体的な着眼点を持ってチェックしていただけたらと思います。 ぜひ最後までお読みいただき、今日からできるチェックポイントとして活用してください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 KPIだけでは、組織は動かない 前回のメルマガでは、分断を解決する統合設計の3つの柱のうち、1つ目の「KPI設計」について詳しくお伝えしました。 個人が持つKPIとチームで共有するKPIの切り分け方、3ステップでの設計プロセス、ボトルネックになっている工程に比重を寄せて調整するやり方まで、一通りお話ししています。 今回は、残り2つの柱です。 「情報をつなぐ設計」と「プロセスをつなぐ設計」について、掘り下げていきます。 先に結論からお伝えすると、KPIだけ揃えても、組織は動きません。KPIというのは「何を目指すか」を揃えるものです。 でも、実際に現場が動くときに必要なのは、それだけではなく「今どういう状態にあるか」という情報と、「次に何をするか」というプロセスです。 この2つが揃って、初めてKPIが機能します。 KPI設計を「目的地を揃える設計」だとすると、情報設計とプロセス設計は、「そこにたどり着くための地図と道を作る設計」だとイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。 なぜ「情報」は分断するのか BtoBの組織で情報が分断してしまう理由は、実はシンプルです。 部門ごとに「見ている情報」「持っている情報」が違うからです。 マーケティングは、リードがどの経路で流入し、どんなコンテンツを見て、どのタイミングで資料請求したかという行動データを持っています。 インサイドセールスは、実際の電話やメールのやり取りの中で、リードの温度感や予算感、意思決定のタイミングといった、いわゆるBANT情報を持っています。 フィールドセールスは、商談の中で見えてくる決裁プロセスの詳細や競合の動きなど、さらに生々しい情報を持っています。 この3つの情報は、どれも大切なものです。 ですが、多くの会社では、それぞれが部門の中に閉じてしまっています。 マーケティングが持つ行動データはマーケティングの中だけ、インサイドセールスが電話で聞き出した情報はインサイドセールスの頭の中だけ、フィールドセールスが商談で得た情報は商談メモの中だけ、という状態です。 つまり、情報が「ない」わけではなく、「つながっていない」だけなのです。 私は、ここがとても大事なポイントだと考えています。 具体例:トスアップの場面で何が起きているか 具体例を挙げると分かりやすいと思います。 マーケティングが獲得したリードを、インサイドセールスにトスアップする場面を想像してみてください。 多くの会社でありがちなのが、渡す情報が「会社名・氏名・連絡先」だけになっているパターンです。 もし、そのリードがどの記事を読み、どのウェビナーに参加し、どれくらいの頻度でサイトを訪れているかという行動データがあれば、インサイドセールスは電話をかける前に、ある程度の仮説を立てられます。 「この会社は料金ページを2回見ているから、比較検討フェーズに入っているかもしれない」といった具合です。 この情報がないと、インサイドセールスは毎回ゼロからヒアリングし、温度感を探るところから始めなければなりません。 架電時間も長くなりますし、相手にとっても、同じことを何度も答える負担になります。 逆の流れも同じです。 インサイドセールスがせっかく電話で聞き出した「導入検討の背景」や「決裁者の懸念点」といった情報が、フィールドセールスに渡らないまま終わってしまうケースも非常に多く見られます。 フィールドセールスは商談の場でもう一度同じことを聞き直すことになり、相手からすると「電話の方に話したのに、また同じことを聞かれるのか」というストレスにつながります。 情報設計とは、「どの情報を、どのタイミングで、どのフォーマットで、次の部門に渡すか」を、あらかじめ決めておく設計のことです。 CRMやSFAに項目を作る、トスアップのフォーマットを統一するなど、やり方はさまざまですが、大切なのは「渡す情報の粒度と項目を、事前に決めておく」ということです。 なぜ「プロセス」は分断するのか 続いて、プロセスをつなぐ設計についてお話しします。 プロセスの分断が起きる理由も、情報の分断とよく似ています。各部門が「自分の工程のゴール」だけを見て仕事を設計しているからです。 マーケティングはリード獲得数を、インサイドセールスはアポ取得数を、フィールドセールスは受注を、それぞれゴールにします。 それぞれの工程単体で見れば、どれも間違っていません。ですが、工程と工程のつなぎ目の部分、ここの設計が誰の担当でもなくなっているケースが多いのです。 たとえば、インサイドセールスがせっかくアポに繋げても、その後フィールドセールスがすぐにフォローできる体制になっていなければ、鮮度が落ちてしまいます。 ホットな状態で渡したはずなのに、商談の日程調整に1週間かかってしまい、その間に温度感が冷めてしまう、ということが実際に起きるのです。 これは、インサイドセールスやフィールドセールスの努力不足で起きているのではありません。 「アポ取得後、何時間以内に一次接触する」というプロセスのルールが、そもそも設計されていなかっただけなのです。 具体例:ナーチャリングの場面で何が起きているか もう一つ、具体例を挙げます。 ナーチャリングのプロセスも同様です。マーケティングが「今は温度感が低いから、まだ商談化しないリード」と判断し、メルマガでナーチャリングを続けているとします。 ですが、そのリードが実は、インサイドセールスとの過去のやり取りの中で「半年後に予算がつく予定です」と明確に話していたとしたら、どうでしょうか。 この情報がプロセスに組み込まれていなければ、マーケティングは半年間、ただの一斉配信のメルマガを送り続けるだけになってしまいます。 しかし、これが分かっていれば、「半年後の予算化タイミングに合わせて、個別のフォローを入れる」という、もう一段階踏み込んだプロセスを組むことができます。 プロセス設計とは、工程ごとのタスクを決めることではなく、「工程と工程の間で、誰が、いつ、何をトリガーに、次のアクションを起こすか」を決める設計です。 このつなぎ目にルールがあるかないかで、同じ情報量、同じKPIであっても、成果は大きく変わってきます。 KPI・情報・プロセスは、互いに補い合っている ここまでの内容を整理すると、次のようになります。 KPI設計は、「どこを目指すか」という方向性を揃える設計です。 情報設計は、「今どういう状態にあるか」を部門間で共有する設計です。 プロセス設計は、「次に誰が何をするか」というつなぎ目のルールを作る設計です。 この3つの設計は、バラバラに存在しているのではなく、お互いに補い合っている関係にあります。 KPIだけあっても、情報が流れてこなければ判断できません。 情報が流れてきても、プロセスのルールがなければ、誰も動きません。 この3つが揃って、初めて

  6. Jul 5

    KPI設計の作り方

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「リードも順調、アポ取得も順調なのに、なぜか受注が増えない」 こんな悩みを抱えている営業マネージャーや事業責任者の方は、少なくないのではないでしょうか。 今回のメルマガでは、なぜ部門ごとのKPIが「真面目に頑張れば頑張るほど」全体の成果を下げてしまうのか、その構造と、解決のための「KPI設計の作り方」を、3つのステップに分けて解説します。 これは単なる理論ではなく、現場で実際に機能する設計の手順です。 根拠は、マーケ・インサイドセールス・フィールドセールスという3つの部門のKPIが、それぞれ単独で完結してしまっていることそのものが分断の原因になっている、という構造的な視点にあります。 この記事を読み終えたとき、「自社のKPIのどこに根拠がなくて、どこに偏りがあるのか」が見えるようになっているはずです。 ぜひ最後まで読んで、自社のKPI設計を見直すきっかけにしてください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 部門ごとのKPIが、なぜ機能しないのか 多くのBtoB企業では、マーケはリード数とリード単価(CPL)、インサイドセールスはアポ取得数、フィールドセールスは商談数と受注率というように、部門ごとにKPIが完結してしまっているケースが多く見られます。 これの何が問題かというと、それぞれのKPIが「自分の工程さえ良ければOK」という設計になっていることです。 マーケはリード数を増やせば評価されます。だから質が低くても数を増やそうとします。 インサイドセールスはアポ取得数を増やせば評価されます。だから受注に繋がらなくてもアポに繋げようとします。 個々で見ると、これは評価される行動を取っているだけなので合理的です。 しかし全体で見ると、リードの質は下がり、アポの質も下がり、結局フィールドセールスが疲弊する、という構造になってしまいます。 つまり、KPI設計が悪いと、各部門は真面目に頑張れば頑張るほど、全体の成果が下がっていくという状態が生まれてしまうのです。 KPI設計の基本原則「個別KPI」と「共通KPI」 この問題を直すための原則が、「個別KPI」と「共通KPI」を分けて持たせるという考え方です。 個別KPIだけでは前工程・後工程への意識が働かない 個別KPIとは、その部門が直接コントロールできる数字のことです。 マーケならリード数、インサイドセールスならアポ取得数がこれにあたります。 これ自体は必要なKPIですが、これだけだと前工程・後工程への意識が働きません。 共通KPIで「次工程の結果」も評価に組み込む そこで、もう一段上の「共通KPI」を全部門に持たせます。 共通KPIとは、商談化率や受注率のように、複数の部門が関わって初めて結果が出る数字のことです。 * マーケのKPIに、リード数だけでなく商談化率も入れる * インサイドセールスのKPIに、アポ取得数だけでなく、その先の受注率も関わらせる * フィールドセールスのKPIに、受注率だけでなく、リードやアポの質に対するフィードバック実施率を入れる こうすることで、それぞれの部門が「自分の工程だけ良ければいい」という意識から、「次の工程がうまくいくかどうかも自分の評価に関わる」という意識に変わっていきます。 KPI設計、3つの手順 実際にKPIを設計するときの手順は、大きく3つのステップに分けられます。 ステップ1:ゴールから逆算する 最初に追いかけるのは、各部門の個別KPIではなく、会社全体の売上目標です。 そこから、必要な受注数、必要な商談数、必要なアポ取得数、必要なリード数というように、上流に向かって逆算していきます。 この逆算を行うと、各部門のKPIの数字に「根拠」が生まれます。 「なんとなくリード数100件」ではなく、「受注10件のために商談化率20%なら、アポ50件、アポ取得率10%ならリード500件必要」という、つながりのある数字になります。 ステップ2:ボトルネックに合わせてKPIの比重を変える 全部門に同じ比重で共通KPIを持たせる必要はありません。 今ボトルネックになっている工程、つまり全体の流れを止めている部分に重きを置きます。 例えば、リードはたくさんあるのにアポに繋がらないなら、インサイドセールスのアポ取得率の比重を上げます。 アポは取れているのに受注しないなら、フィールドセールスの受注率と、その手前のアポの質、つまりインサイドセールスの「受注率への関与」の比重を上げます。 ステップ3:定期的にKPIを見直す KPIは、一度作ったら終わりではありません。 事業のフェーズが変わったり、ボトルネックが変わったりすれば、KPIも変わっていきます。 月次や四半期のタイミングで、「今のKPI設計は今のボトルネックに合っているか」を見直すサイクルを、最初から仕組みに入れておくことが大切です。 具体例:受注が伸びない会社のKPI再設計 ある会社で、リード数はちゃんと取れているのに、受注がなかなか増えないという課題があったとします。 最初のKPI設計は、マーケがリード数、インサイドセールスがアポ取得数、フィールドセールスが受注数という、それぞれ単独のKPIでした。数字を見ると、リード数も順調、アポ取得数も順調、だけど受注数が伸びません。 ここでステップ1のとおり売上目標から逆算してみると、必要な商談化率に対して、実際の商談化率がかなり低いことが分かりました。 つまり、ボトルネックは「アポは取れているけれど、その先の商談化率」にあったのです。 ステップ2で、ここにKPIの比重を置きます。 インサイドセールスのKPIに、アポ取得数だけでなく商談化率も加えて、フィールドセールスからのフィードバックを必須にしました。 すると、インサイドセールスは「とにかくアポに繋げる」スタンスから、「このリードはまだ温度感が低いから、もう少しナーチャリングしてからアポ取得を狙おう」というスタンスに変わっていきます。 アポ取得数自体は一時的に少し減りましたが、商談化率と受注率が上がり、最終的な受注数は増えました。 ステップ3で、これを四半期ごとに見直すサイクルに乗せて、ボトルネックが変わればまたKPIの比重を調整する、という運用にしています。 チェックリスト:自社のKPI設計を確認する * 各部門のKPIに、共通KPI(商談化率・受注率など)が組み込まれているか * 各部門のKPIの数字に、売上目標からの逆算という根拠があるか * 今のボトルネックがどこにあるか、データで特定できているか * ボトルネックに応じてKPIの比重を調整する仕組みがあるか * KPI設計そのものを見直すサイクル(月次・四半期など)が運用に組み込まれているか 次回は、「情報をつなぐ設計」と「プロセスをつなぐ設計」の中身をもう少し深掘りしていこうと思います。 『BtoB売上構造診断シート』プレゼント 自社のマーケ・IS・営業のプロセスのどこにボトルネックがあるのかを確認したい方は、『BtoB売上構造診断シート』を無料でお届けしています。 5段階スコアを入力するだけで、ボトルネックが可視化されます。 Substackの購読登録いただいた方にお渡ししておりますので、登録後(購読ボタンから)に届くメールからお受け取りください。 🎙Podcast でも配信中 「マーケと営業をつなぐISレター」は、Podcast(番組名は「マーケと営業をつなぐISラジオ」)でも配信しています。移動中や作業中に聞きたい方はぜひお聴きください。 * Spotify * Apple Podcasts ℹ️自社の売上プロセスを一緒に整理しませんか? リード獲得から商談化・受注・継続まで、どこで詰まっているかを無料相談で整理できます。お気軽にご連絡ください。 ✉お問い合わせはこちら This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit fusionvalue.substack.com

  7. Jun 28

    分断を解決する統合設計とは何か

    リードはあるのに動かない。それは”分断”ではなく”設計”の問題です。 こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「リードは増えているのに、なぜか売上につながらない」 「マーケと営業がうまく噛み合わない」 こうした悩みを抱えている経営者・営業責任者の方、実は少なくないんですよね。 多くの場合、その原因を探っていくと「誰が悪いのか」という話になってしまいがちです。 今回の記事では、その分断を解決するための「統合設計」という考え方を、KPI・情報・プロセスという3つの観点から具体的に整理してお伝えします。 なぜこの3つなのかというと、分断が起きている会社のほとんどが、この3つのどこかに「つなぎ目の設計不足」を抱えているからです。 実際の現場を見てきた中で、共通してこの構造に当てはまっていました。 読み終えていただくと、自社のどこに設計の抜けがあるのかが見えてきて、「人を変える」のではなく「仕組みを変える」という、再現性のある改善の方向性が分かるようになります。 チェックリストも用意していますので、ぜひ最後までご覧いただけたらと思います。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 統合とは「部門をなくす」ことではない 前回の記事では、マーケと営業が分断する本当の理由として、3つの構造的な原因をお伝えしました。 * KPIが部門ごとに切り離されている * リードを「渡す」設計になっていて「つなぐ」設計になっていない * インサイドセールスがつなぎ目として機能していない 今回はその続きとして、「実際にどう設計を変えるのか」という具体論をお届けします。 結論を先にお伝えすると、解決の方向性は「統合」です。 ただ、ここで誤解されやすいので最初に整理しておきたいのですが、統合というのは部門をなくすことではありません。 マーケ部門、インサイドセールス、フィールドセールス、それぞれの役割はそのまま残ります。 また、一担当者がマーケから営業まで全部一人でやる、という話でもありません。 ここで言う統合とは、KPI・情報・プロセス、この3つをつなぐ設計にしていくということです。 つまり、組織図を変えるのではなく、設計図を変えるという話なんですよね。 分断を解決する3つの設計ポイント 設計① KPIをつなぐ 今は部門ごとにKPIが切り離されています。 マーケはリード数やCPL、インサイドセールスはアポ取得数、フィールドセールスは商談数と受注率。 それぞれが自分のKPIだけを追ってしまうのが問題でした。 これを直すには、部門個別のKPIに加えて、共通の上位指標を持たせる必要があります。 例えば、マーケのKPIにリード数だけでなく商談化率も入れる。 インサイドセールスのKPIにアポ取得数だけでなく、その先の受注率も少し関わらせる。 そうすると、マーケは「とにかくリードを増やす」だけでなく「商談につながるリードを増やす」という意識に変わります。 インサイドセールスも「とにかくアポに繋げる」だけでなく「受注につながるアポに繋げる」という意識に変わります。 評価の物差しが変わると、行動が変わるということです。 設計② 情報をつなぐ リードを渡す瞬間に、文脈や温度感が消えてしまうのが、これまでの問題でした。 これを直すには、リードの行動履歴や温度感が、部門を超えて見える状態にしておく必要があります。 どのコンテンツを見たのか、ウェビナーでどんな質問をしたのか、電話でどんな課題を話していたのか。 こうした情報が、マーケからインサイドセールス、インサイドセールスからフィールドセールスへ、ちゃんと引き継がれる状態にするということです。 そうすると、営業が初回商談で一から確認する必要がなくなって、見込み客の方も「また同じ話をさせられる」とならずに済みます。情報をつなぐというのは、結局、見込み客の体験を分断させないということでもあるんですよね。 設計③ プロセスをつなぐ 今は「渡したら終わり」というバトンリレー型の設計になっています。 マーケは「リードは渡した、あとは知らない」、インサイドセールスは「アポに繋げた、あとは知らない」という状態です。 これを直すには、渡した後も、その結果に責任を持つ設計にする必要があります。 例えば、インサイドセールスがアポに繋げた商談について、フィールドセールスが商談の結果をフィードバックする。 「このアポは温度感が高くて受注に近かった」、「このアポはまだ検討段階じゃなかった」というように。 このフィードバックが、インサイドセールスのアポ取得の基準を見直すきっかけになりますし、さらに遡って、マーケのリード獲得の設計を見直すきっかけにもなります。 プロセスをつなぐというのは、一方通行のバトンリレーではなく、結果が前工程に戻ってくる仕組みを作るということです。 実務への落とし込み【ウェビナーの例】 以前の記事でもウェビナーの例をお話したのですが、同じ例で統合設計を入れるとどう変わるか、お伝えします。 ウェビナーを開催して、参加者リストをインサイドセールスに渡す、というところまでは同じです。 ただ、ここで情報をつなぐ設計が入っていると、参加者の行動履歴、どのセッションを最後まで見ていたか、アンケートでどんな質問をしていたか、こうした情報が一緒に渡ります。 インサイドセールスは、それを見て、温度感の高そうな人から優先的に架電します。 温度感が低そうな人には、無理にアポ取得を狙うのではなく、ナーチャリングに回します。 KPIをつなぐ設計も入っていれば、インサイドセールスは「アポ取得数」だけでなく「その先の受注率」も意識しているので、無理にアポへ繋げようとはしません。 そして商談が終わったら、フィールドセールスが「このアポは良かった」、「このアポはまだ早かった」というフィードバックをインサイドセールスに返します。 これがプロセスをつなぐ設計です。 このフィードバックが積み重なっていくと、次のウェビナーの集客設計や、架電の優先順位の基準の精度がどんどん上がっていきます。 結果として、アポ取得数は以前より少なくなるかもしれませんが、受注に近い商談の比率は上がっていきます。 マーケもインサイドセールスもフィールドセールスも、それぞれ役割は変わっていません。 変わったのは、KPIの持たせ方と、情報の流れ方と、結果が戻ってくる仕組み、この3つだけです。 次回は、もう少し具体的に「KPI設計の作り方」について、深掘りしていきます。 チェックリスト:自社の統合設計できていますか? * マーケのKPIに「商談化率」など、後工程につながる指標が含まれているか * インサイドセールスのKPIに「受注率」への意識が組み込まれているか * リードの行動履歴・温度感が、部門を超えて見える状態になっているか * アポに繋げた商談の結果が、インサイドセールスにフィードバックされているか * そのフィードバックが、マーケのリード獲得設計の見直しにつながっているか 一つでも当てはまらない項目があれば、それが「分断」が起きている設計上の抜けかもしれません。 『BtoB売上構造診断シート』プレゼント 自社のマーケ・IS・営業のプロセスのどこが詰まっているかを確認したい方は、『BtoB売上構造診断シート』を無料でお届けしています。 5段階スコアを入力するだけで、ボトルネックが可視化されます。 Substackの購読登録いただいた方にお渡ししておりますので、購読ボタンから登録後に届くメールからお受け取りください。 🎙Podcast でも配信中 「マーケと営業をつなぐISレター」は、Podcast(番組名は「マーケと営業をつなぐISラジオ」)でも配信しています。移動中や作業中に聞きたい方はぜひお聴きください。 * Spotify * Apple Podcasts ℹ️自社の売上プロセスを一緒に整理しませんか? リード獲得から商談化・受注・継続まで、どこで詰まっているかを無料相談で整理できます。お気軽にご連絡ください。 ✉お問い合わせはこちら This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit fusionvalu

  8. Jun 14

    インサイドセールスは"アポ取得部隊"ではない

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「インサイドセールスを入れたのに、なぜか受注が増えない」 そんな声を、営業責任者や事業責任者の方からよく聞きます。 架電数は増えた、アポ取得数も上がった。でも売上は動かない。 今回のISレターでは、インサイドセールスの本来の価値とは何かを、組織の分断構造と絡めて整理していきます。 私自身、マーケティングからインサイドセールス、フィールドセールスまでを一気通貫で見てきた経験から、分断が起きる根本的な原因は役割設計にあると確信しています。 この記事をご覧いただくと、インサイドセールスを「架電代行」から「売上プロセスのハブ」として再設計するための視点が持てるようになります。 インサイドセールスの設計に課題を感じている方、導入を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 インサイドセールスへの”よくある誤解” インサイドセールスと聞いたとき、どんなイメージが浮かびますか。 多くの場合、「架電してアポ取得に繋げる人たち」というイメージが先行します。 電話をたくさんかけて、アポ取得ができればOK、取れなければアウト。 KPIはアポ取得数だけ、という設計です。 これは、インサイドセールスを「安く使える架電代行」として捉えているパターンです。 そうなると当然、成果も架電数とアポ取得数しか見なくなります。 ところが、これがまさによくある失敗パターンの入口になっています。 インサイドセールスの本来の価値 インサイドセールスの本来の価値は、「マーケティングが育てたリードを、フィールドセールスが受け取れる状態に変換すること」です。 マーケティングで獲得したリードには「今すぐ検討している人」もいれば、「なんとなく興味がある人」もいます。 この”温度差”がバラバラなリードを、営業が商談できる状態に整えていくのがインサイドセールスの役割です。 つまり、アポ取得に繋げることは手段であって、目的ではありません。 「質の高い商談機会をいくつ作れたか」、「案件化率はどうか」、「受注につながった商談の比率はどうか」、こういった指標で評価していく必要があります。 アポ取得部隊化すると何が起きるか 分業体制が生む「部分最適の罠」 「ザ・モデル」という組織設計の考え方があります。 マーケティング → インサイドセールス → フィールドセールス → カスタマーサクセスという分業体制のことです。 SaaS企業を中心に広まった考え方ですが、運用を間違えると「部分最適の罠」にはまります。 各部門が自分のKPIだけを最優先にして動くせいで、全体としての成果が出なくなる状態のことです。 分断が引き起こす「無駄な商談」の連鎖 インサイドセールスがアポ取得数だけを追いかけると、温度感の低いリードにも無理やりアポ取得に繋げようとします。 フィールドセールスには「話は聞くよ」程度のリードが大量に流れ込み、無駄な商談が増え、営業は疲弊し、受注率も下がっていきます。 さらにマーケとの連携も壊れ、「マーケのリードは質が低い」「ISがアポ取得に繋げてくれない」という責任の押し付け合いが起きます。 「売上プロセス全体を誰も責任を持たない状態」 これが典型的な分断の構造です。 正しいIS設計にすると何が変わるか リードの「温度」をBANTで管理する 正しく設計すると、まずリードの「温度管理」が機能し始めます。 リードと接触して「課題・予算・決裁権・検討時期」を確認します。 これをBANT情報と言います。Budget(予算)・Authority(決裁権)・Needs(課題・ニーズ)・Timeframe(検討時期)の頭文字です。 この4つを把握できている商談とそうでない商談では、受注率がまったく違ってきます。 ナーチャリングとトスアップで「一本の線」をつくる 温度が低いリードはすぐにアポ取得に繋げるのではなく、メールや追加コンテンツで関係性を育てていきます(リードナーチャリング)。 そして検討が進んだタイミングでBANT情報とともにフィールドセールスに引き渡す(トスアップ)。 こうすることで、フィールドセールスは最初の商談から勝算のある提案ができるようになります。 マーケから見ても「自分たちが作ったリードがちゃんと商談になっている」という実感が持てるようになります。 各部門がバラバラに動くのではなく、一本の売上プロセスとして機能し始めます。 これがインサイドセールス本来の価値です。 今日の整理 インサイドセールスは、アポ取得部隊ではありません。 マーケティングが獲得したリードを、フィールドセールスが受け取れる状態に変換することがインサイドセールスの本来の価値です。 アポ取得数だけを追いかける設計は、部門間の分断を生み、売上プロセス全体を壊していきます。 大切なのは、案件化率・商談の質・マーケから受注までの一貫したプロセス設計です。 「これ、うちの話だ」と感じた方は、ぜひ一度、インサイドセールスの役割設計を見直してみてください。 確認チェックリスト * インサイドセールスのKPIはアポ取得数だけになっていないか * フィールドセールスへのトスアップ時にBANT情報を渡しているか * 温度の低いリードへのナーチャリング設計があるか * マーケ・IS・営業の間でリード品質の定義が共通化されているか * 各部門が「売上全体」を見る仕組みがあるか 『BtoB売上構造診断シート』プレゼント 自社のマーケ・IS・営業のプロセスのどこが詰まっているかを確認したい方は、『BtoB売上構造診断シート』を無料でお届けしています。 5段階スコアを入力するだけで、ボトルネックが可視化されます。 Substackの購読登録いただいた方にお渡ししておりますので、購読ボタンから登録後に届くメールからお受け取りください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 🎙 Podcast でも配信中 「マーケと営業をつなぐISレター」は、Podcast(番組名は「マーケと営業をつなぐISラジオ」)でも配信しています。移動中や作業中に聞きたい方はぜひお聴きください。 * Spotify * Apple Podcasts ℹ️ 自社の売上プロセスを一緒に整理しませんか? リード獲得から商談化・受注・継続まで、どこで詰まっているかを無料相談で整理できます。お気軽にご連絡ください。 ✉お問い合わせはこちら This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit fusionvalue.substack.com

  9. Jun 14

    マーケと営業が分断する本当の理由

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「リードは増えているのに、なぜか売上につながらない」 そんな悩みを抱えていませんか。 こうした状況に陥ると、どうしても「マーケが悪い」、「営業が悪い」という犯人探しになりがちです。 しかし、その議論をいくら続けても、問題は解決しません。 今回は、マーケと営業が分断してしまう構造的な原因を3つに整理してお伝えします。 これはマーケ・インサイドセールス(IS)・営業のKPI設計とプロセス設計に潜む、組織の”設計ミス”の話です。 実は、この分断は人の問題ではなく、設計の問題です。 原因を正しく理解することで、「何を変えればいいのか」が初めて見えてきます。 今回の内容を読み終えたとき、「うちの会社はここが詰まっていたのか」と、課題の所在が明確になるはずです。 ぜひ最後までお読みください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 マーケと営業の分断は「人の問題」ではなく「設計の問題」 マーケと営業が分断するのは、担当者の意識や能力の問題ではありません。 構造的な原因があり、その原因は大きく3つです。 1. KPIが部門ごとに切り離されている 2. リードを「渡す」設計になっていて「つなぐ」設計になっていない 3. インサイドセールスがつなぎ目として機能していない 順番に解説します。 原因①:KPIが部門ごとに切り離されている 分業の設計自体は悪くない 「ザ・モデル」という言葉をご存知でしょうか。 Salesforceが提唱し、日本でも広く普及した分業型の営業プロセス設計で、マーケ・インサイドセールス・フィールドセールス・CSがそれぞれの役割を担います。 分業すること自体は悪くありません。問題は、KPIの切り方にあります。 部門最適が全体最適を阻害する 各部門のKPIを整理すると、こうなります。 * マーケ:リード数、CPL(1リードあたりのコスト) * インサイドセールス:架電数、アポ取得数 * フィールドセールス:商談数、受注率 それぞれが自部門のKPI達成に最適化されます。 これは当然のことで、社内評価がそれに基づいているのですから、行動が変わるはずがありません。 結果として何が起きるか。 マーケは量を優先してリードを大量に流します。 インサイドセールスは温度感の低い見込み客にも架電してアポに繋げようとします。 フィールドセールスには「質の低いリードばかり回ってくる」という不満が積もります。 全員が自分のKPIを達成しようとしているのに、売上が上がらない。 部門ごとのKPI達成が、売上を止める。 これが構造の核心です。 原因②:リードを「渡す」設計になっている バトンリレーの落とし穴 ザ・モデルは、次の部署へリードを受け渡していく流れです。 マーケがリードを獲得して→ISに渡す→ISがアポに繋げて→フィールドセールスに渡す。 一見、スムーズなバトンリレーに見えます。 しかしこの「渡す」という発想自体に問題があります。 渡した瞬間、責任が消える リードを渡した瞬間、前工程の部署は責任を持たなくなりがちです。 * マーケ:「リードは渡した。商談化しないのはISが悪い」 * IS:「アポに繋げた。受注しないのはフィールドセールスが悪い」 そして、もう一つ深刻な問題があります。情報が引き継がれないことです。 なぜこの人がリードになったのか。 電話でどんな課題を話していたのか。 何に関心を持っていたのか。 こうした文脈が、次の部署に渡る際にすべて失われてしまいます。 営業が初回商談で一から確認することになり、見込み客は「また同じ話をさせられる」という体験をします。 これは商談の温度を下げる原因にもなります。 「つなぐ」設計とは、バトンだけでなく、そこに至る背景情報・文脈・温度感を一緒に渡すことです。 原因③:インサイドセールスがつなぎ目として機能していない ISが「アポ取得部隊」になっている インサイドセールスの本来の役割は、リードナーチャリングとトスアップです。 * リードナーチャリング:まだ検討段階にない見込み客を継続的にフォローし、購買意欲を育てること * トスアップ:タイミングが来たリードを、適切な状態で営業に渡すこと ところが、アポ取得数だけを追うISは、温度感の低い見込み客を無理やり商談に押し込んでしまいます。 その結果、営業の工数が増え、受注率が下がり、ISと営業の関係が悪化していきます。 ISがつなぎ目として機能するための条件 ISがマーケと営業のつなぎ目として機能するためには、マーケが何を意図してリードを生み出したのか、そして営業がどのようなゴールで商談を進めているのかを、両方理解している必要があります。 しかし多くのケースで、ISはその文脈を切り離された状態で業務に当たっています。 これが分断を生む3つ目の構造的原因です。 ウェビナー施策でよく起きること【分断の具体例】 BtoBではウェビナーを開催してリードを獲得し、商談化につなげる手法がよく使われます。 この施策でも、同じ分断が起きます。 ウェビナー参加者リストをISに渡し、ISが翌日から全員に架電します。 「先日のウェビナーいかがでしたか?詳しいお話ができればと思いまして」というアプローチです。 しかし、参加者の温度感はバラバラです。 今すぐ比較検討している人もいれば、情報収集の段階の人もいます。 それでも同じトークで架電すれば、数字上のアポ取得率は一定取れるかもしれません。 商談に入ると「まだ予算が出ない」、「今は検討時期じゃない」という状況が増えます。 すると * 営業:「ISが流してくるアポは質が低すぎる」 * IS:「ちゃんとアポに繋げているのに評価されない」 * マーケ:「リードは出している。あとはISと営業の問題では」 全員がやるべきことをやっている。誰もサボっていない。それでも売上は上がらない。 これが分断の本質です。問題は人にあるのではなく、構造にあります。 本日のまとめ 今回お伝えしたように、マーケと営業の分断は個人の問題ではなく、構造の問題です。 解決の方向性は「統合」です。部門をなくすことではなく、KPI・情報・プロセスをつなぐ設計にしていくことです。 一担当者がマーケから営業まで全部一人でやる、という話でもありません。 次回は「では実際にどう設計を変えるのか」という具体論をお届けします。 分断を解消するためのチェックリスト 自社の状況を確認するために、以下の項目を点検してみてください。 * マーケ・IS・営業のKPIは「売上」という共通ゴールに紐づいているか * リードを渡す際に、接触背景・課題・温度感も一緒に共有されているか * ISはアポ取得数だけでなく、商談化率・受注率でも評価されているか * ナーチャリング対象と商談化対象のリードが分類されているか * ウェビナー参加者などのリストに対し、温度感に応じたアプローチが設計されているか 『BtoB売上構造診断シート』プレゼント 自社のマーケ・IS・営業のプロセスのどこが詰まっているかを確認したい方は、『BtoB売上構造診断シート』を無料でお届けしています。 5段階スコアを入力するだけで、ボトルネックが可視化されます。 Substackの購読登録いただいた方にお渡ししておりますので、購読ボタンから登録後に届くメールからお受け取りください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 🎙Podcast でも配信中 「マーケと営業をつなぐISレター」は、Podcast(番組名は「マーケと営業をつなぐISラジオ」)でも配信しています。移動中や作業中に聞きたい方はぜひお聴きください。 * Spotify * Apple Podcasts ℹ️自社の売上プロセスを一緒に整理しませんか? リード獲得から商談化・受注・継続まで、どこで詰まっているかを無料相談で整理できます。お気軽にご連絡ください。 ✉お問い合わせはこちら This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit fusionvalue.substack.com

  10. Jun 7

    リード獲得数を増やしても売上が伸びない理由

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「マーケに投資してリード数は増えた。でも売上がついてこない。」 BtoB企業の現場で、こうした声を本当によく耳にします。 数字は動いているのに、売上という最終ゴールだけが動かない。 この違和感、覚えがある方も多いのではないでしょうか。 この記事では、リードを増やしても売上が伸びない構造的な理由を分解してお伝えします。 単なるリードの質・量の問題ではなく、マーケ・インサイドセールス・営業の「分断」がどのように機会損失を生んでいるかを、具体的な事例を交えて解説します。 BtoBのマーケティングプロセスには、実は「詰まりやすい場所」が決まっています。 その場所を特定することで、やみくもに施策を増やすのではなく、ピンポイントで構造を改善できるようになります。 この記事を読み終えるころには、「うちのボトルネックはここだ」と見当がつくようになるはずです。ぜひ最後までお読みください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 なぜリードが増えても売上につながらないのか まず最初に、一つ問いを立てさせてください。 「リードが増えれば、売上は増えますか?」 増えると思ってマーケティングに投資してきた企業は少なくないはずです。でも現実には、リードが増えた割に売上が伸びなかった、という経験をされている方が多いのではないでしょうか。 結論を先にお伝えすると、こうなります。 リードが増えても、売上に変わる「経路」が機能していないから。 つまり、問題はリードの数ではありません。リードから売上までのプロセスのどこかに「詰まり」があるのです。 水道管に例えるとわかりやすいのですが、蛇口をどれだけ開いても、途中の管が詰まっていれば水は出てきません。それと同じことが、BtoBの営業プロセスで起きています。 分業が生み出す「部分最適」の罠 それぞれが自分のKPIだけを追い始める 多くのBtoB企業では、以下のような分業体制をとっています。 * マーケティングがリードを獲得する * インサイドセールスがアポ取得につなげる * フィールドセールスが商談して受注する 一見、合理的な分業です。しかし、ここに落とし穴があります。 それぞれの担当が、自分のゴールだけを追い始めてしまうのです。 マーケティングが評価されるのはリードの数です。リード数が伸び悩むと、温度感の低いリードを積み上げる動きが生まれます。 インサイドセールスが評価されるのはアポ取得数です。架電数を消化してアポ取得数を積み上げることが仕事になる。すると、リードの質よりも件数優先という動きになりがちです。 フィールドセールスが評価されるのは受注数です。でも渡ってくる商談の質が低いから、受注率が上がらない。 全員が自分のKPIを達成しているのに、売上だけが伸びない。 これが「部分最適」の構造です。 ホットリードが冷える瞬間 部分最適の中でも、最もコストが高いのが「ホットリードが冷える瞬間」です。 展示会やセミナーに来た人は、来た直後が最も温度感が高い状態です。「課題を解決したい」、「情報収集したい」という気持ちが最高潮になっています。 ところが現実には、 * マーケがリストをインサイドセールスに渡すまでに3〜4日かかる。 * インサイドセールスが架電リストを消化するまでにさらに1週間かかる。 気づけば2週間後に「先日セミナーでお会いした〇〇です」という電話がかかってくる。 相手からすれば「誰だっけ?」となり、熱はすでに冷めています。 これは、マーケが悪いわけでも、インサイドセールスが怠けていたわけでもありません。分断があるから、タイミングがずれる。ただそれだけのことです。 マーケと営業は「欲しいリード」が違う もう一つ、よく起きる構造的なズレがあります。 マーケが取ってくるリードと、営業が欲しいリードが、そもそも違う問題です。 マーケは「CPAを下げろ」というプレッシャーがあるため、広く薄くリードを取りに行きがちです。一方、営業が欲しいのは、課題感が明確で、予算感もあって、決裁者に近いリードです。 この認識がズレたまま、お互いが別々のゴールを追い続けると、マーケは「リードを渡した」と言い、営業は「使えないリードが来た」と言い、こうした不毛な対立が生まれます。 どちらかが悪いのではありません。構造の問題です。 実際に何が起きているか:事例の分解 リードを3倍にして、売上が1.2倍にしかならなかった会社 あるBtoB企業で、こんなことがありました。 マーケへの投資を増やし、月のリード獲得数を100件から300件に伸ばしました。3倍です。 でも売上は1.2倍にしかなりませんでした。 なぜか。 リード数を増やすために、ターゲットを広げたからです。 本来は特定業界の従業員100名以上の情報システム部門の担当者がターゲットでした。 それを「業界全般」「情シス関係者全般」まで広げた結果、温度感も課題感もバラバラなリードが大量に流入しました。 インサイドセールスはそれを全件対応しなければなりません。 温度感の低いリードに時間を使って、本当にホットなリードへの対応が遅れます。 アポ取得率は下がり、営業に渡る商談の質も落ちので受注率も低下します。 マーケティングチームは「リードを増やす」というミッションを達成しました。 でも売上という観点では逆効果になっていました。これがまさに部分最適が生み出す機会損失です。 構造を変えると何が起きたか 同じ会社が、方向性を変えました。 まずリードの数を追うことをやめて、ターゲット企業リストを先に定義しました。 そのターゲット企業に対して、マーケティングとインサイドセールスが連動して動く設計にしました。 リード獲得後15分以内にインサイドセールスが対応する仕組みも整えました。 結果、リード数は300件から150件に半減しました。 でも売上は1.8倍になりました。 これが「構造を変える」ということです。 今日の整理:売上が止まる3つの詰まりポイント 今回の話を整理すると、リード獲得数を増やしても売上が伸びない理由は一言でいえばこうです。 「分業の歪みが、プロセスのどこかを詰まらせているから」 マーケ・インサイドセールス・営業、それぞれが自分のゴールを追うこと自体は悪いことではありません。 でも全体の売上というゴールが共有されていないと、それぞれの頑張りが噛み合わなくなります。 自社のプロセスを確認するチェックリスト もし「リードは増えているのに売上が伸びない」と感じているなら、以下の視点でプロセスを見直してみてください。 マーケティング ✅ターゲット企業・ペルソナが具体的に定義されているか ✅リード獲得の評価指標に「商談化率」が含まれているか ✅リード獲得後48時間以内にインサイドセールスへ渡せているか インサイドセールス ✅ホットリードへの架電優先順位が明確になっているか ✅アポ取得数だけでなく「商談化率・受注率」も評価されているか ✅インサイドセールスと営業間で定期的な情報共有があるか フィールドセール ✅失注理由を記録し、マーケ・ISへフィードバックしているか ✅マーケ・IS・営業が共通の売上目標に向けてKPIを設計しているか ✅リード→商談→受注の各転換率を組織全体で把握しているか 詰まっている場所によって、打つべき手は全く異なります。 まずはどこが詰まっているかを把握することが、改善の第一歩です。 『BtoB売上構造診断シート』プレゼント 自社のマーケ・IS・営業のプロセスのどこにボトルネックがあるのかを確認したい方は、『BtoB売上構造診断シート』を無料でお届けしています。 5段階スコアを入力するだけで、ボトルネックが可視化されます。 Substackの購読登録いただいた方にお渡ししておりますので、登録後(購読ボタンから)に届くメールからお受け取りください。 🎙 Podcast でも配信中 「マーケと営業をつなぐISレター」は、Podcast(番組名は「マーケと営業をつなぐISラジオ」)でも配信しています。移動中や作業中に聞きたい方はぜひお聴きください。 * Spotify * Apple Podcasts ℹ️ 自社の

  11. May 31

    目木のキャリアとフュージョンバリュー創設まで

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「営業とマーケ、両方できる人ってどんな経歴なんだろう?」と思ったことはありませんか。 このメルマガでは毎回、BtoBの売上が止まる構造を分解してお届けしていますが、初回となる今回は少し立ち止まって、私自身のキャリアと、フュージョンバリューを立ち上げるに至った経緯をお話しします。 実は私は、かつてテレアポで1,000件架電してアポイント取得ゼロ、フルコミッションの保険営業で2年間成果なしという経験を持っています。そのどん底からマーケティングに出会い、営業との融合によって成果が出るようになるまでの過程が、今の仕事の根っこにあります。 この記事で、私がマーケと営業を一気通貫で見ることにこだわる理由も見えるはずです。 はじめての方も、ぜひ最後までお付き合いください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 キャリアの概要 まず経歴を簡単にご紹介します。 * 2002年 大学卒業後、大手旅行会社に就職 * 2015年 外資系生命保険会社に転職 * 2017年 生命保険会社を退職 * 2018年 派遣・アルバイトをしながらブログ運営を開始 * 2019年 コールセンターにてテレアポを開始 * 2020年 Web制作・マーケティング支援事業を開始 * 2021年 インサイドセールス支援事業を開始 * 2024年 株式会社フュージョンバリューを設立 数字で並べると一見スムーズなキャリアに映るかもしれませんが、実態は挫折と試行錯誤の連続でした。その「ボコボコの時代」にこそ、今の仕事の本質があります。 34歳で初めてのテレアポ|1,000架電でアポ0件 テレアポは「気合」 旅行会社には約13年在籍しました。前半は店舗での接客販売でしたが、ある時期から法人営業に転換し、テレアポを始めることになります。34歳での初挑戦です。 当時はマニュアルもなく、完全に我流でした。先輩の様子を見よう見まねでやってみましたが、まったく成果が出ず、架電数1,000件でアポイント取得ゼロという結果を叩き出します。 部署では「営業がアポイントを取れないと商談が始まらない」という重圧があり、職場の空気は日に日に重くなっていきました。上司に相談すると返ってきた言葉は、 「気合で取るんだよ」 今思えば、当時の営業はそういう文化でした。根性と気合。そこに構造的な解決策はなかった。 外資系生命保険会社との出会い テレアポで成果が出なかった私は、インバウンドの問い合わせ対応に異動します。そこで出会ったのが、外資系保険会社からの案件でした。 担当者と関係を深めていくなかで、ある日こう声をかけられます。「営業セミナーをやっているから来てみないか」と。 そのセミナーで初めて「営業の哲学」に触れました。顧客理解の深さ、価値を届ける手段としての営業の捉え方。すべてが新鮮で、深く心に刺さりました。「この会社で働きたい」と直感し、半年後に転職を決意します。36歳のことです。 修行の2年間と2度目の挫折 深夜2〜3時まで続いたトレーニング 生命保険会社入社後は、まさに修行の日々でした。 * 入社直後から会社の近くへ引っ越し * 朝から研修・外回り・テレアポ・ロールプレイを繰り返す * 帰宅は深夜2〜3時が当たり前 * 保険資格の取得のために隙間時間で試験勉強 * 休んだのは1月1日だけ(しかも、アポイントが取れなくてしぶしぶ休んだ日) これだけ覚悟を決めて取り組んだにもかかわらず、2年間で成果を出すことができずに退職しました。 壁は「スキル」ではなく「見込み客がいない」こと なぜ成果が出なかったのか。振り返ると、答えははっきりしています。 スキルは磨いた。マインドセットも整えたつもりでいた。でも「見込み客がいない」という壁を越えられなかったのです。 フルコミッションの世界では、見込み客は自力で獲得しなければなりません。しかし私には、それを実現するための「集客の仕組み」がなかった。いくらプレゼンのスキルを磨いても、披露する相手がいなければ成果には繋がりません。 この経験が、後に「マーケティング」という答えに辿り着く原体験になりました。 アルバイトとブログで気づいた「営業とマーケの共通点」 100以上の商材を扱ったコールセンター 退職後は、自分の弱点だったマーケティングを学ぶためにブログを始めながら、アルバイトで生計を立てることにしました。 Amazon倉庫、引越し作業、食材の訪問販売など、さまざまな仕事を経験するなかで転機になったのが、コールセンターのアルバイトです。 そこでは、人材・ITサービス・健康食品など100以上の商材に携わりました。業界もサービスも異なっても、「課題を引き出す力」と「解決策を論理的に伝える力」の2つがあれば成果が出る。この確信を、実地で得ることができました。 ブログ運営で学んだ「顧客理解→課題発見→提案→解決」 ブログも最初は完全な失敗でした。「3ヶ月で100記事書けば月20万稼げる」という情報を信じて書き続けましたが、3ヶ月・100記事で得た収益は1,000円ほど。現実とのギャップに絶望しました。 しかしある時、突然アクセスが急増している記事が現れます。「なぜこの記事だけが成果を出しているのか?」と徹底的に分析した結果、気づいたことがありました。 アクセスが伸びる記事には、検索ユーザーが求めている情報が的確に入っている。 CVする記事には、読者が行動したくなる明確な導線がある。 これは営業で身につけた「顧客理解→課題発見→提案→解決」のプロセスと、まったく同じではないか。 オフライン営業のスキルはオンラインに応用できる。これが私のデジタルマーケティングの入口になりました。 フリーランスから法人化へ|「融合」がキーワード コロナ禍をきっかけにフリーランスとして活動をスタートし、Webマーケティング支援とインサイドセールス支援の両方を手がけるようになりました。 当初はそれぞれ切り分けて考えていましたが、クライアントの課題に深く向き合ううちに気づきます。 インサイドセールスとデジタルマーケティングを掛け合わせると、商談化率が大幅に上がる。営業とマーケは別々にやるのではなく、融合させて初めて売上に繋がる、と。 この確信が、2024年の株式会社フュージョンバリュー設立につながりました。会社名の「フュージョン(融合)」がまさにキーワードです。 * セールス × マーケティング * 人 × テクノロジー * オンライン × オフライン * 法人 × 個人 これまであった価値と価値を融合させることで、新たな価値を創出する。これが私たちのアプローチです。 原点:幼少期に見た「強い日本」とのギャップ 父の背中が見せてくれた景色 少し個人的な話をさせてください。 私は幼少期、父の転勤で中国・北京に住んでいたことがあります。父は大企業の技術職として、日本の技術を中国へ伝える仕事をしていました。 1980年代の当時、日本はバブル経済の絶頂期にありました。世界の時価総額ランキングではトップ10のうち7社が日本企業で、国としての勢いに確かな自信がありました。現地で父が中国の人たちから尊敬されている空気を、子どもながらに肌で感じていたことを今でも覚えています。 「価値の届け方」が最適化されていない 今の日本を見ると、正直悔しい気持ちがあります。 現在、日本勢の時価総額トップはトヨタですが、世界ランキングでは50位台です。1989年と比べれば、その差は歴然です。 ただ、私はこれを「景気が悪い」という言葉だけで片づけたくない。 良い技術がある。良い商品もある。真面目に努力している企業も多い。それでも伸びない理由のひとつは、「価値の届け方」が最適化されていないからだと思っています。 * 営業担当者なら分かるはずです。本来受注できたはずの案件が、初回接触の遅さで失われていることを。 * マーケティング担当者なら分かるはずです。せっかく獲得したリードが、営業に渡った瞬間に止まることを。 * 経営者なら分かるはずです。商品は悪くないのに、属人的な営業に依存して再現性がないことを。 日本企業に足りないのは、努力や根性ではありません。「売れる仕組み」を設計し、改善し、再現可

  12. May 24

    なぜ、売上が止まるのか|「マーケと営業をつなぐISレター」を始めた理由

    こんにちは。 『マーケと営業をつなぐISレター』の目木です。 「施策は打っている。量も増やした。なのになぜ売上が伸びないのか。」 支援先でこの言葉を聞くたびに、私は同じ場所を疑います。 それは、マーケ・IS・営業、それぞれの「つなぎ目」です。 この記事では、売上が止まる構造的な原因と、部門間のズレがどこで生まれるのかを整理します。 私はB2Bの営業・マーケティング支援の現場で、同じ詰まり方をしている会社を繰り返し見てきました。 外から俯瞰すると、止まっている場所はほぼ決まっています。 本記事では、自社のどこで見込み客が離脱しているかに気づき、次に何を見直すべきかが具体的にイメージできます。 チェックリストもご用意していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 「頑張っているのに売れない」の正体 B2Bの営業・マーケティング支援をしていると、こんな場面によく出会います。 マーケティングはリードを獲得している。インサイドセールスはアポを取っている。でも、売上が伸びない。 一見すると、フィールドセールスに問題があるように見えます。 でも私の経験上、本当の原因は別のところにあることがほとんどです。 それは、部門と部門のあいだで起きている、小さな「ズレ」の積み重ねです。 このメルマガを始めたのは、そのズレを「外から見える言葉」で整理し、現場で使えるかたちでお届けしたいと思ったからです。 ザ・モデルがもたらすもの、奪うもの 分業制の設計と、それぞれの役割 近年、多くのB2B企業が「ザ・モデル」と呼ばれる営業分業制を取り入れています。 マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスの4部門が、それぞれの役割を担う形です。 分業が「俯瞰」を奪っていく この仕組みには大きなメリットがあります。 各部門が専門性を高め、リードナーチャリングが強化され、顧客満足度も上がりやすい。それは間違いありません。 ただ、私が現場で繰り返し目にしてきたのは、分業によって「全体を見る人がいなくなる」という現象です。 各部門が自分たちのKPIを一生懸命追えば追うほど、プロセス全体を俯瞰する視点が薄れていきます。 見込み客は、「一本の線」として体験している 現場で起きているズレの正体 事業会社の内側は、部門ごとに分かれています。 でも、見込み客から見ると、すべての接点はひとつの体験として連続しています。 そこにズレがあると、お客様は静かに離脱します。 声を上げることなく、次の連絡を待たずに離脱するのです。 ▼よくあるズレの具体例 ・広告の訴求と、ダウンロードした資料の内容が違う ・インサイドセールスが話した内容と、商談でフィールドセールスが話す内容が食い違っている ・「できます」と言って受注したのに、カスタマーサクセスから「それは対応外です」と言われる これは「伝言ゲーム」と似ています。 外から見ていれば、どこでズレたかはすぐわかる。 でも、内側にいる人たちは気づけない。 そして気づかないまま、施策を変えたり、量を増やしたりしてしまう。 私が一番伝えたいのは、その「気づけない怖さ」です。 今すぐ確認したいチェックリスト * マーケの広告訴求と配布資料の内容は一致しているか * ISが架電で伝える内容とFSの商談トークに齟齬はないか * 営業が「できる」と伝えた内容をCSが把握しているか * 部門間のKPIが断絶なくつながる設計になっているか * 全体を俯瞰できる担当者がプロジェクトにいるか BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 登録していただくと情報を受け取ることができます。 🎙 Podcast でも配信中 「マーケと営業をつなぐISレター」は、Podcast(番組名は「マーケと営業をつなぐISラジオ」)でも配信しています。移動中や作業中に聞きたい方はぜひお聴きください。 * Spotify * Apple Podcasts ℹ️ 自社の売上プロセスを一緒に整理しませんか? リード獲得から商談化・受注・継続まで、どこで詰まっているかを無料相談で整理できます。お気軽にご連絡ください。 ✉お問い合わせはこちら This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit fusionvalue.substack.com

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BtoBマーケティングと営業の分断をなくし、リード獲得から商談・受注・継続までの売上プロセスを設計しています。 BtoB企業が売上を伸ばすために必要な、マーケティング・インサイドセールス・営業のつなぎ方を、実務目線でお届けします。 リード獲得、ナーチャリング、架電、商談化、営業プロセス設計、ウェビナー活用、失注フォロー、受注後の継続まで、売上を“点”ではなく“線”で設計するための考え方を発信していきます。 fusionvalue.substack.com