目木 丈晴|マーケと営業をつなぐISラジオー Podcast

目木 丈晴|マーケと営業をつなぐIS

BtoBマーケティングと営業の分断をなくし、リード獲得から商談・受注・継続までの売上プロセスを設計しています。 BtoB企業が売上を伸ばすために必要な、マーケティング・インサイドセールス・営業のつなぎ方を、実務目線でお届けします。 リード獲得、ナーチャリング、架電、商談化、営業プロセス設計、ウェビナー活用、失注フォロー、受注後の継続まで、売上を“点”ではなく“線”で設計するための考え方を発信していきます。 fusionvalue.substack.com

  1. 4d ago

    営業代行に任せたのに社内に何も残らない理由

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「営業代行にお願いして、アポ取得の件数は約束どおり出ている。それなのに、なぜか受注が増えない」。 新規開拓を外部に任せている会社から、こうしたご相談をいただくことがあります。 予算をかけて動いてもらっているのに、手応えがない。 かといって、何を直せばいいのかもわからない。 そんなもどかしさを感じている方も多いのではないでしょうか。 今回は、営業代行や外部パートナーと組むときに、社内と社外の間で何が途切れているのか。 そして、どう組めば外注の成果が自社に残るのかを、KPI設計・情報設計・プロセス設計の3つの視点からお伝えします。 私自身、フュージョンバリューとして、外部パートナーの立場で企業の営業支援に入ることが多くあります。 頼む側と頼まれる側の両方を見てきて感じるのは、外注がうまくいかない原因は、代行会社の腕前や商材の良し悪しよりも、「社内と社外のつなぎ目」が設計されていないことにある、ということです。 そしてこれは、契約前の決めごとと日々の運用で防ぐことができます。 読み終えるころには、外部パートナーとの契約で「何件アポ取得できるか」以外に何を決めればいいのかがはっきりし、外注した営業活動を自社の資産に変えるイメージが持てるはずです。 記事の最後には、自社の外注の状態を確認できるチェックリストも用意しています。 今の契約内容を思い浮かべながら、ぜひ最後までお付き合いください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 結論|外注すると新しいつなぎ目が生まれる 前回のメルマガでは、営業からマーケへの「逆流」、つまり商談の声がマーケに戻ってこない問題についてお話ししました。 また、第20回では、小さいチームでIS・マーケ・営業をどう回すかというテーマで、「作業は手放していいけれど、顧客理解は手放さない」というお話をしています。 リソースが足りないなら、架電は営業代行に、広告運用は代理店に依頼していい。 ただ、作業と一緒に顧客理解まで外に出してしまうと、アポ取得数は増えても、事業には何も残りません。 では、実際に外注するとき、外注先とはどう組めばいいのでしょうか。 先に結論をお伝えします。 外注をすると、社内と社外の間に新しいつなぎ目が生まれます。 そして、そのつなぎ目で一番こぼれやすいのが「顧客の声」です。 営業代行に渡すのは「作業」ですが、「顧客の声」は自社に戻してもらう必要があります。 もう少し踏み込むと、私は営業代行を「架電の手足」として使うのではなく、「仮説を検証するパートナー」として組むものだと考えています。 ですから、外部パートナーと組むときに決めるべきことは、「何件アポ取得できるか」ではありません。 「何を検証して、何を、どこに戻してもらうか」です。 こうした運用こそが、長い目で見たときに安定した営業活動につながると私は思っています。 よくある状態|アポ件数は達成しているのに受注しない まず、よくある状態を見てみます。 ある会社が、新規開拓のために営業代行と契約しました。 契約の中身は「月20件のアポ取得」です。 3か月がたち、アポ取得の件数はほぼ約束どおり達成されています。 代行会社からは毎月きれいなレポートが届き、架電件数、接続率、アポ取得率が並んでいます。 ところが、受注がほとんど生まれていません。 社内の営業からは「アポの質が悪い」「行ってみたら、情報収集のつもりだったと言われた」という声が上がります。 一方で代行会社からすると、「約束した件数は出していますよね」となる。 どちらも嘘をついているわけではないのに、話が噛み合わないのです。 そして契約を見直すことになったとき、ふと気づきます。 3か月で何千件も電話をかけたはずなのに、社内に残っているのは、アポの件数と架電件数の数字だけ。 * どの業界が反応したのか * どんな理由で断られたのか * 料金を聞いたときの反応はどうだったのか * 「今はタイミングじゃないけど、半年後なら」と言っていた会社はどこなのか こうした情報は、すべて代行会社のスプレッドシートの中にあります。 そして契約が終わると、一緒に振り返ることもできなくなってしまうのです。 なぜ社内に何も残らないのか 営業代行そのものが悪いわけではありません。 新規開拓の初速を出したい。短期間で市場の反応を見たい。 こうした場面では、営業代行は強力な手段になります。 問題は、多くの会社が「営業を外注している」つもりで、実は「売れない原因の特定」まで外注先に任せきりになり、回収できていないことだと私は考えています。 誰に売るのか。 なぜ今その顧客なのか。 何を訴求すれば刺さるのか。 ここが曖昧なまま任せると、架電数が増えるだけで、売上の改善にはつながりません。 構造で見ると、原因は3つあります。 【原因1】契約のKPIがアポ件数で切られている 代行会社は、約束した数字に向かって最適化します。 それは当然のことです。 【原因2】何を戻してもらうかが決まっていない 戻す項目が決まっていないから、レポートが数字だけになってしまいます。 【原因3】戻す場所とタイミングがない 月に一度レポートを受け取って終わり。 社内の営業が商談でどう感じたかも、代行会社には伝わりません。 前回お話しした「逆流」の問題が、社内と社外の間でも起きているのです。 しかも社外、つまり外注先との間では、社内以上に起きやすくなります。 3つの設計で外部パートナーとのつなぎ目をつくる ここからは、この3つの原因を、このメルマガで繰り返しお話ししてきたKPI設計・情報設計・プロセス設計の視点で解いていきます。 KPI設計|アポ件数ではなく「仮説」と「有効商談」で握る 営業代行との契約をアポ件数だけにすると、どうしてもアポの基準は緩んでいきます。 代行会社にとっては、アポ件数を最大化するのが合理的だからです。 これは代行会社の質の問題ではなく、構造の問題です。 そこで私は、契約の前に2つのことを決めておくようおすすめしています。 一つ目は、何の仮説を検証するのかです。 たとえば、「従業員300名前後の製造業で、人手不足に悩んでいる工場長に、この訴求は刺さるのか」。 こうした仮説を持って架電すると、結果が「アポが何件だったか」だけでなく、「仮説が合っていたのか、ズレていたのか」という学びになります。 二つ目は、「有効商談」の定義です。 課題がはっきりしているか。検討の時期が見えているか。 決裁に関わる人とつながっているか。 第17話と第19話では、マーケと営業の間で「良いリード」の定義がズレているというお話をしました。 社外のパートナーとの間では、このズレがさらに大きくなります。 だからこそ、最初に定義をそろえておく必要があるのです。 アポ件数の目標を置くこと自体は構いません。 ただ、それと並べて「有効商談になった割合」を毎月一緒に見るようにします。 これだけで、代行会社との会話が「件数が足りている、足りていない」から、「どんなアポなら商談になるのか」に変わっていきます。 情報設計|数字ではなく「3つの情報」を戻してもらう 次に、何を戻してもらうかです。 私は、外部パートナーに戻してもらう情報を3つに絞っています。 一つ目は、アポにならなかった会社の見込み情報です。 担当者にはつながらなかったけれど、部署名はわかった。 担当者の名前もわかった。 「今は他社のサービスを使っている」と聞けた。 「来期なら検討するかも」と言われた。 これらは今すぐのアポにはならなくても、数か月後の商談の種になります。 しかも量で言えば、アポになった会社より、ならなかった会社の情報のほうが圧倒的に多いのです。 二つ目は、断られた理由をお客様の言葉で残してもらうことです。 「興味なし」の一言で終わらせず、「今のやり方で困っていない」なのか、「去年似たサービスを入れて失敗した」なのかまで残す。 前回もお伝えしましたが、お客様の声は要約した瞬間に言葉の温度が消えてしまい

  2. Oct 18

    「渡したリードが微妙」と言われたら|営業の声を次の施策に変える3つの設計

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「先月お渡ししたリード、どうでした?」と営業に聞いても、「うーん、ちょっと微妙でしたね」としか返ってこない。 マーケティングを担当されている方なら、一度はこんな場面を経験されたことがあるのではないでしょうか。 何が微妙だったのかがわからないまま、来月もまた同じ施策を回すしかない。 もどかしいですよね。 この記事では、営業の現場にある「商談の声」が、なぜマーケに戻ってこないのか。 そして、どうすれば戻ってくるようになるのかを、KPI設計・情報設計・プロセス設計の3つの視点から整理します。 私はこれまで、マーケ・インサイドセールス・営業のつなぎ目を支援する中で、リードの質が上がらない原因の多くは、マーケの腕前ではなく「営業からマーケへの情報の流れ」が設計されていないことにあると感じてきました。 営業の人がサボっているわけではありません。 戻す仕組みがないだけなのです。 この記事では、営業の「微妙でした」を、来月の施策を変えるための具体的な材料に変える方法を解説します。 営業から「最近のリード、いいですね」と言われる状態に、一歩近づけると思います。 記事の最後には、自社の状況を確認できるチェックリストも用意しています。 ぜひ最後までお付き合いください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 結論|つなぎ目は一方通行ではない 前回のメルマガでは、これまでの第3回から第20回までを振り返る総集編をお届けしました。 #21 売上が止まる部門の「つなぎ目」全体像|#3〜#20総集編 「問題の正体」「解き方の型」「売上の流れに沿った応用」「共通言語と運用」の4つのパートに分けて、一本の線でつないでみたのです。 総集編をまとめながら、私は一つのことに気づきました。 ここまでお話ししてきた内容は、ほとんどが「前向きの流れ」だったのです。 マーケがリードを集め、インサイドセールスに渡し、インサイドセールスが営業にトスアップする。 左から右へ、バトンをどう渡すかという話でした。 ところが実際の現場では、右から左へ戻ってくるはずの情報も、同じくらい途切れています。 そこで今回は、新しい章の一回目として、この「逆流」を取り上げます。 先に結論をお伝えします。 営業からマーケに「商談の声」が戻ってこないと、マーケはズレたリードを集め続けることになります。 そしてこの逆流は、気づいた人がその都度教えるやり方では回りません。 何を・いつ・誰が戻すのかを設計して、初めて流れるようになります。 よくある状態|「微妙でした」で会話が終わる 冒頭の場面をもう少し掘り下げてみます。 マーケの担当者が「先月のリード、どうでした?」と聞き、営業が「ちょっと微妙でしたね」と答える。 会話がここで終わると、マーケには何もわかりません。 業種がズレていたのか、会社の規模なのか、タイミングなのか、そもそも課題が違ったのか。 原因がわからないから、来月も同じ広告、同じホワイトペーパーで、同じようなリードを集めることになります。 SFAを見ても、失注理由の欄には「価格」や「時期尚早」といった一言しか入っていない。 そんなケースも多いのではないでしょうか。 ここは少し注意が必要だと私は考えています。 「価格が高い」というのは、お客様の本音というより、断るときに使いやすい言葉であることが多いのです。 本当は商談の中で「何と比べて高いと感じたのか」「何が見えていれば高くないと思えたのか」まで聞けていたかもしれません。 それでも、入力されるのは「高い」の一言だけになってしまう。 つまり、一番大事な情報は営業の頭の中にはあるのです。 ただ、そこから外に出てこない。 以前の回(第17回・第19回)で、マーケと営業の「良いリード」の定義がズレているので、すり合わせましょうというお話をしました。 ところが実は、定義を一度話し合っても、ズレはすぐに戻ってしまいます。 なぜかというと、すり合わせた後の「答え合わせ」がないからです。 営業からマーケに「このリードはここが合っていて、ここがズレていた」という情報が戻ってこない限り、定義は定着していきません。 営業の声がマーケに戻らない3つの理由 では、なぜ営業の声はマーケに戻らないのでしょうか。 原因は大きく3つあると私は考えています。 【理由1】戻しても営業にメリットが見えない 営業の評価は受注で決まります。 そのため、マーケに情報を戻す時間は「自分たちの本来の仕事ではない」と捉えられてしまいます。 【理由2】何を戻せばいいのか決まっていない 戻す項目が決まっていないから、「微妙でした」というざっくりとした感想だけになってしまいます。 【理由3】戻す場所とタイミングがない 商談が終われば、すぐ次の商談が入っています。 わざわざマーケにフィードバックする時間を、予定に組み込んでいる営業はほとんどいません。 こうして並べてみると、この3つはそのまま、このメルマガで何度もお話ししてきたKPI・情報・プロセスの話なのです。 ここからは、一つずつ設計の視点で見ていきます。 3つの設計で逆流をつくる KPI設計|戻す人にメリットが見える数字にする 第7回では、マーケのKPIをリード数だけにせず、商談化や受注まで見ましょうというお話をしました。 今回は、そこにもう一つ加えたいと思います。 それは、営業からマーケへの逆流そのものを数字で見るということです。 私が特に大事だと考えているのは、マーケ側の数字です。 営業が情報を戻しても、マーケが何も変えなければ、営業は「書いても意味がない」と感じて、すぐに書かなくなります。 逆に「先月いただいた声をもとに、このホワイトペーパーの切り口を変えました」と返ってくると、営業は自分の情報が使われたことを実感できます。 そして最終的には、戻した情報でリードが変わり、営業自身の商談が楽になっていく。 ここまでつながって初めて、営業にとってのメリットになるのです。 ただし、数字は増やしすぎないでください。 追う数字は少ないほど回ります。逆流のKPIは、表の2つだけで十分です。 情報設計|「感想」ではなく「3つの項目」を戻す 次は、何を戻すかです。「微妙でした」という感想を使える情報に変えるために、私は3つの項目だけを戻してもらうようにしています。 📋 商談後に戻す3つの項目 ①お客様が実際に使った言葉 要約せず、発言をそのまま残す ②見送り・失注の本当の理由 「価格」で終わらせず、何と比べたか・誰が反対しそうかまで一行で ③リードの答え合わせ どの広告・資料から来たか/課題は想定どおりだったか 一つ目の「お客様が実際に使った言葉」は、要約しないことが何より大切です。 たとえば営業がメモに「業務効率化したい」と書いたとします。 でもお客様が実際に口にしたのは、「月末はエクセルの突き合わせで毎回残業になっている」という言葉だったかもしれません。 マーケにとって価値があるのは、圧倒的に後者です。 広告の文章も、ホワイトペーパーのタイトルも、お客様の言葉に近いほど刺さります。 要約した瞬間に、言葉の温度は消えてしまうのです。 二つ目は、見送りや失注の本当の理由です。 第14回の失注後のナーチャリングでは、失注理由と再提案できる時期を残しましょうとお伝えしました。 実はこれは、営業のためだけの情報ではありません。 マーケにとっても、効果的な施策や刺さるコピーを考えるうえで欠かせない材料になります。 三つ目は、リードの答え合わせです。 このお客様はどの広告や資料から来たのか。実際に話してみたら、課題は想定どおりだったのか、ズレていたのか。 「ホワイトペーパーは業務効率化の資料だったけれど、本当の関心は監査対応だった」といった一行です。 この3つが毎回たまっていくと、マーケは「どの入口から、どんな課題を持った人が来ているのか」を、数字だけでなく言葉で理解できるようになります。 プロセス設計|いつ・誰が・どこで戻すかを決める 最後はプロセス設計です。ポイ

    「渡したリードが微妙」と言われたら|営業の声を次の施策に変える3つの設計
  3. Oct 12

    売上が止まる部門の「つなぎ目」全体像|#3〜#20総集編

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 マーケはリードを集めている。インサイドセールスはアポ取得に向けて動いている。フィールドセールスは商談を重ねている。 それぞれが目標を追って頑張っているのに、なぜか売上が伸びない。 そんなモヤモヤを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。 今回は、#3から前回の#20までの18本を振り返る総集編です。 毎回テーマを変えてお届けしてきましたが、実はすべてひとつの話をしてきたつもりです。 今回はその18本を4つのパートに整理し、一本の線でつなぎ直してみます。 なぜ一本の線で見ることが大切なのか。 それは、売上が止まる場所は個々の部門の中ではなく、部門と部門の「つなぎ目」にあるからです。 どこか一カ所だけを改善しても、別のつなぎ目で流れは止まってしまいます。 全体を地図として見ることで、はじめて自社のボトルネックが見えてきます。 こちらの記事をご覧いただくことで、これまでのISレターの全体像をつかめるだけでなく、自社の課題に合わせて「どの記事から読めばいいか」がわかるようになります。 最近購読を始めてくださった方にとっては、バックナンバーの道しるべになるはずです。 最後には、自社のつなぎ目を点検できるセルフチェックリストもご用意しました。 ぜひ最後までお付き合いください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 売上が伸びないのは人ではなく設計の問題 この18本で一貫してお伝えしてきたことを一言でまとめると、「売上が伸びないのは、人の問題ではなく設計の問題」です。 各部門はそれぞれの役割で成果を出そうとしています。 それでも売上が伸びないのは、部門と部門のつなぎ目で、数字や情報の流れが途切れているからです。 そして、そのつなぎ目を直すための道具として、このメルマガで何度もお伝えしてきたのが、次の三つの設計です。 ▼【図解カード】つなぎ目を直す三つの設計 【#3〜#5】問題の正体を見つける 最初のパートは、「いったい何が起きているのか」を明らかにした回です。 #3 リード獲得数を増やしても売上が伸びない理由 「リードを300件集めました」は、マーケとしては目標達成です。 しかし、そのうち何件が商談になり、何件が受注したのかを、意外と誰も追っていません。 部門ごとにKPIは達成しているのに、売上は止まっている。これがISレターの出発点でした。 #3 リード獲得数を増やしても売上が伸びない理由 #4 インサイドセールスは“アポ獲得部隊”ではない インサイドセールスをアポの件数だけで評価すると、とにかくアポに繋げることが目的になってしまいます。 しかし、本来の役割はマーケとフィールドセールスの間に立ち、顧客の温度感や文脈を見極めることです。 #4 インサイドセールスは“アポ獲得部隊”ではない #5 マーケと営業が分断する本当の理由 ここで分断の原因を三つに整理しました。 KPIがバラバラであること。「つなぐ」ではなく「渡す」だけのプロセスになっていること。 そして、インサイドセールスが橋渡し役として機能していないことです。 ここまで読んで「これ、うちのことだ」と感じた方も多いのではないかと思います。 #5 マーケと営業が分断する本当の理由 【#6〜#8】解き方の型をつくる 問題が見えたところで、次のパートでは「では、どう解決していくのか」を考えました。 #6 分断を解決する統合設計とは何か 大事なのは、統合とは部門をなくすことでも、全員を何でも屋にすることでもない、という点です。 部門は分けたままでかまいません。 そのかわりに、KPIと情報とプロセス、この三つをつなぐ。 これがISレターの「三本柱」の始まりでした。 #6 分断を解決する統合設計とは何か #7 KPI設計の作り方 三本柱の一つ目であるKPI設計を具体的に掘り下げました。 個人のKPIと、部門をまたいだ共通のKPIを分けること。 受注から逆算すること。 そして、ボトルネックになっている工程に合わせて比重を調整していくことです。 #7 KPI設計の作り方 #8 情報とプロセスの分断が売上を止める 残りの二つ、情報をつなぐ設計とプロセスをつなぐ設計を深掘りしました。 部門をまたいだ瞬間に情報が抜け落ちる。 引き継いだ後のことを誰も追わない。 こうした隙間を設計で埋めていくお話です。 #8 情報とプロセスの分断が売上を止める この三本柱が、ここから先のすべての記事の土台になっています。 【#9〜#16】売上の流れに沿って設計を当てはめる 最もボリュームのあるパートです。 ここでは三本柱を、リードの入口から受注後まで、売上の流れに沿って一つずつ当てはめてきました。 流れの順番で見たほうがわかりやすいため、配信順とは少し入れ替えてご紹介します。 ▼【図解カード】売上プロセスと記事の対応表 #9 リード獲得の設計|何のためにリードを集めるか まずは入口です。 何のためにリードを集めるのかを考え、数ではなく売上から逆算して、どんなリードが必要なのかを決める。 リード獲得は、三本柱のさらに上流にある「入口の設計」だというお話でした。 #9 リード獲得の設計|何のためにリードを集めるか #10 ナーチャリングは「育てる」より「関係を切らさない」 ウェビナーに参加した、資料をダウンロードした。 こうした行動を「買う気がある」と早とちりしないことが大切です。 相手のタイミングが来るまで、関係を切らさないこと。 それがナーチャリングの本質だと考えています。 #10 ナーチャリングは「育てる」より「関係を切らさない」 #11 ISの役割を定義する|SDR・BDR・どちらでもない? SDRやBDRといった型に当てはめる前に、自社にとってのインサイドセールスの役割を定義しようというお話です。 #11 ISの役割を定義する|SDR・BDR・どちらでもない? #12 架電が「つながらない時代」にどう商談化に繋げていくか 電話がつながりにくくなっている今、架電をアポ取得のためだけの手段ではなく、最初の情報を集める接点として設計し直す必要があります。 #12 架電が「つながらない時代」にどう商談化に繋げていくか #13 商談化率を上げるトスアップ設計 インサイドセールスからフィールドセールスへの受け渡しでは、事実を並べるだけでなく「文脈」を渡すことが重要です。 いわば文脈のバトンパスです。 ここで商談化率は大きく変わります。 #13 商談化率を上げるトスアップ設計 #16 ウェビナーは「集客」で終わっていませんか|商談化までの設計 参加者数だけをKPIにせず、参加中の反応や質問、アンケートの中身をインサイドセールスに渡して、温度感に合わせてフォローを変えていく。 この取り組みでアポ取得率が2〜3%から8%まで上がった例もご紹介しました。 #16 ウェビナーは「集客」で終わっていませんか|商談化までの設計 #14 失注を資産に変えるナーチャリング設計 商談の後、失注は終わりではなく次の入口です。 なぜ失注したのか、いつなら再提案できるのか。 この二点を残しておくだけで、半年後、一年後の商談につながっていきます。 #14 失注を資産に変えるナーチャリング設計 #15 CSに攻めを背負わせないアップセル・クロスセル設計 最後は受注後です。 既存のお客様との関係を守るカスタマーサクセスと、アップセルやクロスセルを仕掛けるカスタマーインサイドセールス(CIS)を分けて設計する考え方をお伝えしました。 #15 CSに攻めを背負わせないアップセル・クロスセル設計 こうして並べてみると、入口から受注後まで、どの工程にも「つなぎ目」があります。 そして、どのつなぎ目でも、KPI設計・情報設計・プロセス設計の三本柱が効いてくるのです。 【#17〜#20】部門をまたぐ共通言語をつくる 最後のパートでは、部門をまたいで動くための「共通言語」と「現実的な運用」について考えてきました。 #17 MQLとSQLの定義合ってますか? マーケが「良いリード」と言っているものと、営業が「良いリード」と思っているものは、しばしばズレています。 だからこそ、マーケと営業の間の約束事として、「良いリード」の定義を言葉で揃えておくことが大切です。 #17 MQLとSQLの定義合

  4. Oct 4

    小さいチームの分断は「担当者の頭の中」で起きている

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「マーケもISも営業も、2〜3人で回しているんです」。 最近、こうした声をいただくことが増えました。 なかには、コンテンツを作って、架電して、商談まで一人でこなしている方もいらっしゃると思います。 毎日フル回転なのに、なぜか成果が積み上がっていかない。 そんなもどかしさを感じていないでしょうか。 今回は、小さいチームでIS・マーケ・営業をどう回すかについて、私の考えをお伝えします。 少人数の現場で起きている「見えない分断」の正体と、それをKPI設計・情報設計・プロセス設計の3つの視点で解消する方法です。 これまで多くのBtoB企業の営業プロセスに関わってきて感じるのは、少人数の会社が苦しくなる原因は、人手不足そのものではないということです。 人が足りないことよりも、限られた時間の中で情報がこぼれ落ちていることのほうが、はるかに大きな損失になっています。 そしてこの損失は、仕組みで防ぐことができます。 読み終えるころには、「全部を頑張る」のではなく「どこに力を使うか」がはっきりし、今の人数のままでも商談につながる流れを作るイメージが持てるはずです。 自社の体制を思い浮かべながら、ぜひ最後まで読んでみてください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 小さいチームは「つなぎ目」を仕組みにする 先に結論をお伝えします。 小さいチームがやるべきなのは、「全部を少しずつやる」ことではありません。 やらないことを決めて、そのかわり「つなぎ目」だけは仕組みにすることです。 このメルマガでは、マーケ・IS・営業の分断が売上を止める、という話を繰り返しお伝えしてきました。 部門が分かれているから情報が途切れ、KPIがバラバラだから部分最適になってしまう、という構造です。 では、少人数で全部門を兼務していれば分断は起きないのでしょうか。 私の答えは「いいえ」です。 小さいチームでも分断は起きます。 ただしそれは、部門と部門の間ではなく、「担当者の頭の中」で起きているのです。 小さいチームで起きている「見えない分断」 毎日フル回転なのに成果が積み上がらない たとえば、営業担当が2人いて、1人はマーケと営業を兼務している。 社長自身も商談に出ている。 そんな体制の会社を想像してみてください。 午前中にメルマガを書き、午後にリードへ架電し、夕方に商談へ出て、夜に提案書を作る。 まさにフル回転です。 ところが、こうした会社のお話を伺っていくと、次のようなことが起きています。 ウェビナーを開催して、参加者のリストはある。 でも、架電できたのは2週間後。 その間に、相手の温度感はすっかり下がってしまっている。 架電のときに「今期は予算がないけれど、来期は検討したい」と聞いていた。 けれど、その情報は担当者の頭の中にしかなく、3か月後には誰も覚えていない。 そして、私が一番もったいないと感じるのが、商談がうまくいかなかったケースです。 マーケもISも商談も同じ担当者がやっているのに、うまくいかなかった要因がマーケの訴求にもISのトークにも反映されていないのです。 役割を替えるたびに文脈がリセットされている 何が起きているのかというと、1人の担当者が「マーケの自分」「ISの自分」「営業の自分」を、ばらばらに切り替えて動いてしまっているのです。 役割を替えるたびに、前の役割のときの文脈を自分でリセットしてしまう。 組織としては分かれていなくても、時間軸の上で分業が起きていて、そのつなぎ目で情報が落ちている。 これが、小さいチーム特有の分断だと私は考えています。 なぜ分断が起きるのか|3つの設計で分解する では、なぜこのような状態になるのでしょうか。 このメルマガで繰り返し使っている3つの軸、KPI設計・情報設計・プロセス設計で分解してみます。 KPI設計【追う数字が多すぎる】 小さいチームほど、大きな会社の真似をして、数字を全部追おうとしがちです。 リード数、MQL数、架電数、接続率、アポ取得数、商談数、受注率。 これを少人数で全部管理しようとすると、数字の集計だけで半日がつぶれてしまいます。 しかも、それぞれの数字を上げるための施策がバラバラに走り、結局どれも中途半端になってしまいます。 私は、小さいチームは追う数字を3つまでに絞るのが良いと考えています。 おすすめは、「有効商談数」を軸に置き、その前後を含めた「今月接点を持った見込み顧客の数」「有効商談数」「受注数」の3つです。 ポイントは、部門ごとのKPIを作らないことです。 人数が少ないのにマーケのKPIとISのKPIを分けてしまうと、自分で自分の中に分断を作ることになります。 最初から「売上につながる1本の線」として数字を見られること。 これは、実は大きな組織にはない、小さいチームならではの強みです。 情報設計【文脈が頭の中にしかない】 先ほどの「来期は検討したい」という話を思い出してください。 小さいチームにとって、ここが一番大きな損失につながるポイントです。 大きな組織であれば、ISから営業へトスアップするときに、情報を渡すためのルールを作ります。 けれど小さいチームは、渡す相手がいないので記録しないのです。 「自分が覚えているから大丈夫」。 そう思っていても、3か月後にはもう覚えていません。 そこで私がおすすめしているのが、「未来の自分へのトスアップ」という考え方です。 1人で回していても、次にその顧客に触れるのは、別の日の自分であり、別の役割をしている自分です。 だからこそ、他人に渡すつもりで記録します。 記録する項目は、多くなくて構いません。 最低限、次の5つです。 ▼未来の自分へのトスアップ|記録する5項目 ①なぜ接点を持ったのか ②何に課題を感じているのか ③温度感はどこまで上がっているのか ④社内で誰が関わりそうか ⑤次にいつ・何をするのか これだけ残っていれば、2週間後でも3か月後でも、前回の文脈から会話を再開できます。 顧客から見て「この会社は、前に話したことをちゃんと覚えてくれている」という安心感は、小さい会社が大手に勝てる武器になります。 プロセス設計【全部を同じ優先度で回している】 小さいチームがつらくなる一番の原因は、すべてのリードを同じ優先度で追っていることです。 ここでやるべきなのは、リードを「今すぐ案件」と「将来案件」の2種類に分けることです。 導入時期が近く、課題がはっきりしていて、決裁者も見えている。 これは今すぐ案件です。人の時間をしっかり使い、アポ取得から商談まで最短でつなげていきます。 一方で、課題はあるけれど優先度が低い、情報収集の段階にある。 これは将来案件です。 ここに毎月架電していたら、3人のチームでは絶対に回りません。 将来案件は、メールやコンテンツといった仕組みで関係を維持し、反応があったときだけ人が動くようにします。 もう1つ効果があるのが、時間のブロック分けです。 午前はマーケ、午後の早い時間はIS、というように、役割ごとの時間を決めてしまいます。 そして、役割が変わる前に、先ほどの5項目だけは必ず記録に残す。 これで、切り替えのたびに文脈がこぼれ落ちるのを防げます。 ▼小さいチームの3つの設計|まとめ図解 ここで、よくある打ち手についても触れておきます。 リソースが足りないとき、多くの会社が「どこかを外注しよう」と考えます。 架電は営業代行に、広告は代理店に、という発想です。 外注そのものは悪いことではありません。 ただ、小さいチームがやってはいけないのは、作業と一緒に「顧客理解」まで外に出してしまうことです。 架電を外に出しても、どの業界が反応したのか、どの課題に関心を示したのか、どこで温度感が落ちたのか。 この学びが自分たちに戻ってこなければ、アポ取得数は増えても、事業には何も蓄積されません。 また、最近はAIもかなり実務で使えるようになりました。 企業調査、議事録、CRMへの入力、メールの下書き。 こうした作業は、どんどんAIに任せていいと思います。 小さいチームこそ、AIの恩恵

  5. Sep 27

    「良いリードが来ない」と言う前に確認すること|ターゲット設計とスコアリングの見直し

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 資料請求やウェビナーの申込みは増えているのに、営業からは「最近のリード、質が悪いですよ」と言われてしまう。 マーケは「営業が追客してくれない」と感じ、営業は「リードの質が悪い」と感じている。同じリードを見ているはずなのに、話が噛み合わない。 そんなモヤモヤを抱えている方は、少なくないのではないでしょうか。 この記事では、「良いリードが来ない」と感じたときに、獲得施策を変える前に確認したいことを、ターゲット設計とスコアリングの見直しという切り口で整理します。 3つのステップ、判断の軸を整理した図解カード、自己診断チェックリストまでまとめました。 なぜ、これで問題が解消に向かうのか。それは、多くの場合、原因がリードの数や広告の出来ではなく、「良いリード」の定義がそもそも決まっていない、あるいは部門ごとにズレているという構造の問題だからです。 定義を見直せば、営業と同じ言葉でリードを語れるようになります。 こちらの記事をご覧いただくことで、自社のどこから手をつければよいかが見えて、明日の打ち合わせで「うちの良いリードって何ですか」と切り出せるようになっているはずです。 ぜひ、末尾のチェックリストまで読み進めてみてください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 「良いリードが来ない」の正体はリードの質ではないかもしれません 前回は、コンテンツマーケティングと営業をつなぐ設計として、ホワイトペーパーや事例記事を営業のどのタイミングで使うのか、というお話をしました。 ただ、読んでくださった方の中には、こう感じた方もいらっしゃると思います。 「そもそも、うちに届いているリードがあまり良くないんだよな」と。 コンテンツをどれだけ上手に使っても、届いている相手が違っていれば、成果には繋がりません。 そこで今回は、少し手前に戻って、入口の話をさせてください。 先に、私の結論をお伝えします。 「良いリードが来ない」と感じたとき、最初に疑うべきなのは、リード獲得の施策ではありません。 「良いリード」の定義そのものです。 多くの会社で、この定義が決まっていないか、部門ごとにバラバラになっています。 マーケの言う「良いリード」と、営業の言う「良いリード」が違う。 だからマーケは「良いリードを渡している」と思い、営業は「良いリードが来ない」と思う。 たとえば、こんな状況です。 * マーケのダッシュボードでは、リード数もMQL数も右肩上がり * 営業が追いかけると、担当者には会えるが「情報収集で見ていただけです」で終わる * アポ取得の数字は達成しているのに、商談に行くと決裁に関われる方ではなく、予算の話も出てこない * 結果として受注に繋がらず、マーケは「追客が足りない」、営業は「質が悪い」と言い合う 私は、これをどちらかが悪い話だとは考えていません。 責任の押し付け合いが起きること自体が、構造に問題があるサインだと思っています。 なぜマーケと営業で「良いリード」の認識がズレるのか では、なぜ認識がズレるのか。 私は、判断の軸が根本的に違うからだと考えています。 マーケは、基本的に「測れる指標」でリードの良し悪しを決めます。 役職、企業規模、業種、どの資料をダウンロードしたか、サイトを何回訪問したか、メールを開封したか。 これらを組み合わせて点数をつけるのがスコアリングです。 マーケの仕事としては、とても合理的です。 一方、営業が受注を決めるときに見ているのは、点数には出てこない情報です。 * その会社の中で誰が本当に困っているのか。 * 決裁者の関心はどのくらいあるのか。 * 予算はいつ動くのか。競合とはどういう関係なのか。 こうした「文脈」です。 つまり、マーケは「平均的に効くもの」を基準にし、営業は「目の前の一社に効くもの」を基準にしています。 だから、スコアが高いリードほどよく反応してくれるのに、その方が意思決定者ではなかったり、実は本当の課題がなかったり、予算がなかったりする。 スコア上位のリードと、実際に受注に繋がるお客様がズレてしまうのです。 私はこれを、マーケと営業の間の「翻訳のズレ」と呼んでいます。 しかも、このズレは追客の場面で起きるのではなく、その手前のターゲットとスコアを決める段階で、すでに始まっています。 見直しの3ステップ|三本柱で整理します このメルマガでは、KPI設計・情報設計・プロセス設計という3つの柱で売上構造を整理してきました。 ターゲット設計とスコアリングの見直しも、この3つに沿うと分かりやすくなります。 ステップ1【KPI設計】受注から逆算して「良いリード」を決める まずターゲット設計です。 ここで大切なのは、順番です。 多くの会社は「うちのサービスに合いそうな業種と規模」からターゲットを決めます。 でも、それはあくまで仮説です。見るべきなのは、実際に受注したお客様です。 直近で受注した10社、20社で構いません。 書き出してみてください。 そして、商談まで進んだものの失注した会社、アポには繋がったけれど進まなかった会社と並べて比べてみます。 すると、「受注する会社には共通点がある」と見えてきます。これが理想の顧客像、いわゆるICP(理想顧客像)です。 ※理想顧客像(Ideal Customer Profile) BtoBマーケティングや営業において、自社にとって最も価値を提供でき、大きな成果(売上やロイヤルティ)をもたらしてくれる「理想的な顧客企業像」を指します。 【図解カード①】受注顧客の共通点 書き出しカード そして、KPIもこれに合わせて変えます。 リード数やMQL数だけを追うのではなく、「ICPに合致したリードの数」と「そのリードの受注率」を見る。獲得経路ごとの受注率を並べてみるのもおすすめです。 リード数が多い経路が、良い経路とは限らないからです。 もうひとつ、私が大事だと思っているのが「追わない」という判断ができることです。 ICPから外れているリードには、営業の時間を使わない。 短期的なアポ取得の数字が減っても、営業の時間を守るほうが、組織全体の生産性は上がります。 ステップ2【情報設計】スコアリングは「誰か×いつか×なぜか」で組み立てる 2つ目は、スコアリングの中身です。 スコアリングというと、行動に点数をつけるイメージを持たれる方が多いのですが、私は3つの軸に分けて考えたほうがよいと思っています。 【図解カード②】良いリードを見極める3つの軸 なぜか どんな課題で反応しているか 情報収集の段階か、予算化前の課題整理か ここで注意したいのは、行動のスコアはあくまで「熱量のヒント」だということです。 ウェビナーに参加した、資料をダウンロードしたというだけで、購買意欲が高いとは限りません。 行動だけで点数をつけると、「よく反応するけれど買わない人」が上位に来てしまいます。 だから、行動スコアは「誰か」と掛け合わせて見ます。 ICPに合致していて、なおかつ熱量が高い。 この掛け算で優先順位をつけます。 そして、ISにリードを渡すときは、点数だけでなく「何を見て、どんな課題で反応したのか」も一緒に渡します。 「資料のダウンロードありがとうございます」で終わる架電と、「御社のフェーズだと、今の論点はリード不足より商談化率ではないですか」と仮説を持って入る架電では、その後の会話の質がまるで変わります。 ステップ3【プロセス設計】スコアは仮説として更新し続ける 3つ目はプロセスです。 ここが、一番忘れられがちだと感じています。 ターゲットもスコアも、作った時点ではただの仮説です。 一度決めて終わりにせず、運用しながら見直す仕組みが要ります。 たとえば月に1回、IS・営業・マーケが一緒に、次の2点を確認します。 * スコア上位のリードの受注率はどうだったか * 営業が「これは違った」と判断したリードには、どんな特徴があったか 営業が持っている「測れない文脈」を、少しずつ「測れる項目」に翻訳して、スコアの設計に戻していくイメージです。 このとき、ISが間に立つ「翻

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  6. Sep 23

    ホワイトペーパーと事例記事は「作ること」がゴールになっていませんか?

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 ホワイトペーパーのダウンロード数は増えているのに、商談はなかなか増えない。 事例記事も公開したのに、営業が使っている気配がない。 コンテンツマーケティングに取り組む中で、そんなもどかしさを感じている方は多いのではないでしょうか。 今回は、コンテンツマーケティングと営業をつなぐために、ホワイトペーパーと事例記事を「どの場面で、どう使うのか」という視点で整理してお届けします。 売上につながるコンテンツには共通点があります。 作る前に「営業のどの場面の、どんな不安を越えさせるのか」が決まっていることです。 KPI・情報・プロセスという三本柱で分解すると、その理由がはっきり見えてきます。 こちらの記事をご覧いただくことで、自社のコンテンツがどこで途切れているのかが分かり、営業が使える武器に変えるための最初の一歩が見えてきます。 後半には自社の状況を確認できるセルフチェックリストも用意していますので、ぜひ最後までお読みください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 コンテンツの役割は「集客」ではなく「商談の質を上げること」 結論からお伝えします。 ホワイトペーパーも事例記事も、「作ること」がゴールになっていると、売上にはつながりません。 売上につながるコンテンツというのは、営業のどの場面の、どんな不安を越えさせるための役割なのかが、作る前に決まっています。 つまり、コンテンツの役割は「集客」ではなく、「商談の質を上げること」だと私は考えています。 営業が使う道具として設計する。 これが今回、いちばんお伝えしたいことです。 前回は、ウェビナーから商談化までの設計についてお届けしました。ウェビナーに参加したという「行動」と、買いたいという「意思」は別物で、そこを混同すると商談化が進まなくなる、というお話でした。今回は、ウェビナーと同じくらい多くの会社が取り組んでいる「コンテンツ」を取り上げます。 記事は読まれているのに商談が増えない【三本柱で分解する】 こんな状況になったことはないでしょうか。 記事はそこそこ読まれていて、ホワイトペーパーのダウンロード数も毎月増えている。 マーケティングの会議では「今月のダウンロードは〇件でした」と報告が上がる。 ところが営業現場に聞くと、「商談が増えた実感はないんです」と言われる。 マーケは成果を出しているつもりでも、営業は何も変わっていないと感じている。 ここには、目に見えない溝があります。 私は、これは担当者の努力不足ではなく、構造の問題だと考えています。 これまでお伝えしてきた三本柱であるKPI設計・情報設計・プロセス設計で整理すると、きれいに分解できます。 KPI設計|見るべきは「商談前の顧客理解」 マーケが見ているのは、PVやダウンロード数であることが多いと思います。 ここで見ないといけないのは、「商談の前に、お客様の理解がどれだけ進んだか」です。 数は増えているのに商談が増えない会社は、PVやダウンロード数だけに捉われていることが多いのです。 情報設計|ダウンロードの「背景」が渡っていない ダウンロードした人が、なぜそのホワイトペーパーを選んだのか。 その背景が、インサイドセールスにも、フィールドセールスにも渡っていないことがあります。 「資料DL=見込み顧客」としてリスト化しているだけで、背景情報が引き継がれていないのです。 プロセス設計|「読まれたあと」まで一本の線で描く 記事を書く、読まれる、資料をダウンロードされる。 ここで終わっている会社が本当に多いと感じます。 売上が伸びる会社は、その先、つまりインサイドセールスの架電、課題のヒアリング、商談までが、最初から一本の線として設計されています。 コンテンツと営業が分断されず、シームレスにつながっているのです。 この3つの設計を踏まえて、ホワイトペーパーと事例記事、それぞれの使いどころを見ていきましょう。 ホワイトペーパーの使いどころ【2つの役割とその後の動き方】 多くの会社は、ホワイトペーパーを「リードを集めるためのマグネット」として作ります。 すると、自社サービスの紹介を薄めたような資料か、業界トレンドをまとめただけの資料になりがちです。 ダウンロードはされても、大半は「今すぐ買いたい人」ではなく、情報収集の段階です。 ここで大事なのは、ホワイトペーパーには役割が2つあると捉えることです。 役割①|検討初期は「課題整理」を助ける まだ予算化もされていない、課題もぼんやりしている。 そういう段階の人に渡すのは、売り込みではなく、判断材料です。 たとえば、失敗しない導入の進め方や、自社の課題を整理するためのチェックリストなどです。 この段階の人に、すぐ商談を求めてはいけません。 ここは「ギブが先、テイクは後」だと思っています。 温度が上がりきっていないのに商談に持っていこうとすると、かえって離れていってしまう可能性があるからです。 役割②|比較検討期は「社内に説明する材料」になる たとえば、比較検討時のチェックポイントや、社内稟議で使える判断軸です。 こうしたホワイトペーパーをダウンロードする人は、すでに他社と天秤にかけている可能性が高いです。 つまり、熱量が高まったサインなのです。 料金ページを何度も見ている。 比較資料をダウンロードしている。 こうした行動は、検討ステージが一段上がった合図と見て大丈夫です。 この合図が出た瞬間にインサイドセールスが動くと、商談化率が大きく変わります。 ISの入り方|資料の内容から仮説を持つ インサイドセールスの入り方も、見直したいところです。 「資料をダウンロードいただきありがとうございます。ご状況いかがですか?」。 このようなアプローチをしていないでしょうか。 よくあるアプローチなので、お客様からすると「また営業が来たな」で終わってしまいます。 そうではなく、たとえば次のように、ダウンロードした資料の内容から仮説を持って入ります。 「『コンテンツマーケティングと営業をつなぐホワイトペーパー活用術』の資料をご覧になったのは、リード数は増えているのに、商談数が増えないからでしょうか?」 これができると、見込み客は「自分たちの状況を理解してくれている」と感じますので、会話の質がまったく変わってきます。 ホワイトペーパーは、インサイドセールスが仮説を立てるための材料でもあるのです。 FSへのバトンパス|ダウンロードの背景は商談へのバトン もう一つ大切なのが、どのホワイトペーパーを、なぜダウンロードしたのか。 この背景まで含めてフィールドセールスに渡すことです。 ISの田中さんに話したのに、FSの鈴木さんがその話を知らない。 こうなると、お客様は「この会社は連携が取れていないな」と感じて、離脱してしまいます。 ダウンロードの背景は、商談へのバトンとして捉えていきましょう。 事例記事の使いどころ【書くべきは「導入前」です】 次に、事例記事です。 事例記事で一番よくある失敗は、成果の数字だけを並べてしまうことだと思います。 「売上が200%になりました」 「商談数が3倍になりました」 もちろん成果は大事です。 しかし、成果だけを見た見込み客は、「その会社だから成功したんでしょう」「うちとは規模も体制も違う」と感じてしまいます。 事例は、成果発表ではなく、購入前の不安を解消するための材料です。 導入前の迷いを書く|読み手は「スタート地点」に自分を重ねる だから、事例で書くべきなのは、成功したあとの綺麗な話ではなく、導入前の状況です。 何に困っていたのか。 何を怖がっていたのか。 どこで迷ったのか。 何が決め手になったのか。 読み手は、ゴールではなくスタート地点に自分を重ねます。 たとえばインサイドセールス支援の事例なら、「商談数が2倍になった」の前に、次のような迷いが書いてあるとどうでしょうか。 * 問い合わせは増えたけれど、誰を優先して商談すべきか分からなかった * 社長は必要性を感

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  7. Sep 14

    MQLとSQLの定義合ってますか?

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「リードの数は目標を達成しているのに、なぜか商談化率が上がらない」 「営業とマーケで、リードの質をめぐる議論を毎月繰り返している」 そんな状態に、心当たりはないでしょうか。 今回は、MQL(Marketing Qualified Lead)とSQL(Sales Qualified Lead)という、マーケティングと営業の現場で日常的に使われている言葉を改めて整理しながら、この二つの定義が組織の中でどうズレていくのかを解説します。 多くのBtoB企業のマーケティング・インサイドセールス・営業支援に携わってきた中で見えてきた、「測れる行動」と「測れない文脈」という構造の違いを軸に、実際にあった改善例も交えてお伝えします。 こちらの記事をご覧いただくことで、リードの質をめぐる水掛け論が起きる根本原因と改善策が見えてくるはずです。 ぜひ最後まで読み進めてみてください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 MQLとSQLとは|二つのリードの違いを整理する 本題に入る前に、言葉の意味を簡単に整理しておきます。 MQL|マーケティングが定義する「見込み」 MQLとは、Marketing Qualified Leadの略です。資料をダウンロードした、セミナーに参加した、料金ページを何度も見た。こうした行動データをもとに、マーケティング側が「見込みがありそうだ」と判断したリードのことを指します。 SQL|営業が定義する「商談化してよい相手」 SQLとは、Sales Qualified Leadの略です。 * 決裁権がある * 予算がある * 検討時期が近い 実際に商談を進めても大丈夫だと、営業側が判断したリードのことを指します。 一般的な流れとしては、マーケがMQLを見つけて営業に渡し、営業がその中から本当に商談化すべき相手をSQLとして選び出します。 このMQLからSQLへの「バトンタッチ」がうまくいっているかどうかは、マーケと営業の関係性を測るうえで、かなり重要な指標になります。 今回お伝えしたいのは、まさにこの二つの言葉の「中身」が、会社によってどれだけズレているか、という話です。 あるある失敗|数字は達成しているのになぜか噛み合わない よくあるパターンから紹介します。 マーケティング側は、月次のMQL目標を達成しています。 * 役職 * 企業規模 * 資料ダウンロード履歴 * サイト訪問回数 * メールの開封率 こうした「測れる指標」でスコアリングして、基準を超えたリードをMQLとして営業に渡しています。 数字の上では、ちゃんと機能しているように見えます。 一方、営業側では商談化率が上がりません。 渡されたリードに架電しても、決裁権がなかったり、予算がなかったり、そもそも本気で検討していなかったりする。 そうすると、営業からは「マーケが渡してくるリードの質が悪い」という声が上がります。 マーケからは「MQLの基準は満たしているから、営業の追客の問題では」という声が返ってきます。 この水掛け論、聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。 定義がズレる本当の理由|「良いリード」の基準が部門ごとに別々に存在している この水掛け論が起きる根本原因は、コミュニケーション不足でも、運用ルールが整備されていないことでもありません。 もっと手前の話として、「MQL」と「SQL」という言葉が指しているものが、マーケと営業でそもそも違うのです。 マーケティングにとってのMQLは、「測れる行動」の組み合わせで定義されます。 * 資料をダウンロードした * 料金ページを見た * セミナーに参加した こうした行動データをスコア化して、一定の点数を超えたら「マーケティング的に見込みがある」と判断する。 これはマーケティングという仕事の性質上、合理的なやり方です。 多数のリードを効率よく処理するには、標準化されたスコアリングが欠かせません。 一方、営業にとってのSQLは、もっと文脈的なものです。 * 決裁権を持っているか * 予算があるか * 検討のタイミングが近いか * 社内で本当に課題として認識されているか これはスコアには現れない情報で、営業が一対一の会話の中で読み取っていくものです。 つまり、マーケは「一対多」の論理で良いリードを定義し、営業は「一対一」の論理で良いリードを定義しています。 この二つの定義は本来別ものなのに、多くの会社では「MQL」という同じ言葉を使って、両者が同じものを指しているつもりで会話してしまう。 ここに、そもそものズレの出発点があります。 部分最適の限界|スコアの高いリードが、受注に一番近いとは限らない このズレを放置すると、何が起きるでしょうか。 マーケのスコアリングで上位のリードは、資料請求もするし、商談にも応じてくれます。 ただ、意思決定者ではなかったり、本当の課題を抱えていなかったり、予算がなかったりすることも少なくありません。 本当に受注につながるのは、スコアには現れない要素を持っている相手だったりします。 組織内の力関係、検討している役員の温度感、競合との関係、社内の意思決定タイミング。 こうした「測れない文脈」こそが、最終的に受注を決めます。 営業はこの文脈を読む力で成果を出しているのですが、マーケのスコアリングは、この能力を前提にしていません。 そして厄介なのは、MQLの数やSQLへの遷移率という数字は、経営会議で報告しやすいということです。 ダッシュボードに並んで、可視化されます。 一方で「このリードは決裁権はないけれど、半年後に部署異動で決裁側に回る可能性が高い」というような文脈情報は、数字にしにくいのです。 結果として、経営陣は「見えるマーケの数字」を評価しやすくなり、「見えにくい営業の文脈判断」が軽視されがちになります。 マーケのKPIが組織全体の評価軸になっていき、営業は与えられたリードに対して、決められたやり方で対応するだけの立場に押されていきます。 これが続くと、営業からは「アポには繋がるけど、受注に繋がらない商談ばかり回ってくる」という不満が積み重なっていきます。 そしてこの不満は、営業のモチベーションだけでなく、組織としての受注力そのものを削っていくのです。 定義を共通言語にする|一気通貫で見直す3つのポイント ではどうすればいいのか。 ポイントは、MQLとSQLの定義を、マーケだけで決めない、営業だけで決めない、ということです。 両方の部門が、同じテーブルで、同じ言葉の中身をすり合わせていきます。 ①MQLの基準を、営業の結果から逆算する マーケ側のスコアリング指標を、営業側が実際に架電・商談してきた結果とセットで見直します。 「スコアが高かったのに受注に至らなかったリード」に共通するパターンは何か。 「スコアは低かったけれど受注できたリード」にはどんな文脈があったか。 これを定期的に突き合わせることで、MQLの基準自体を、受注に近づける方向に調整していきます。 ②SQLの基準を、感覚ではなく言葉にする 営業側がSQLと判断する基準も言語化します。 「決裁権がある」「予算感がある」「検討時期が3ヶ月以内」といった条件を、感覚ではなく共通の言葉にする。 そうすることで、マーケが渡すリードの温度感と、営業が求めている基準の間にあるギャップが、初めて可視化されます。 ③スコアだけで動かず、文脈確認のワンクッションを置く 料金ページを何度も見ている、事例動画を最後まで見た、というアクションは確かに強いシグナルです。 ですが、そこにインサイドセールスが実際に架電して、決裁権や予算、検討タイミングといった文脈を一言二言確認する。 このワンクッションがあるだけで、商談化の精度はまったく変わってきます。 これは以前の号でお伝えした架電設計やトスアップ設計にもつながる話ですが、結局のところ、KPI設計・情報設計・プロセス設計の三本柱は、この「定義のすり合わせ」がベースになければ、どれだけ精緻に作っても機能しません。 実際にあった改善例 ある企業で、マーケが定義していたMQLの基準は「資料ダウンロード+役職が課長以上」でした。 これを満たしたリードは、そのまま自動的に営業に渡っていました。 ところが実際に営業が架電してみ

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  8. Sep 6

    ウェビナーは「集客」で終わっていませんか|商談化までの設計

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「ウェビナーを毎月開催しているのに、なぜかアポに繋がらない」 そんな悩みを抱えているマーケティング担当者、インサイドセールス担当者は少なくないはずです。 今回は、ウェビナーが「集客イベント」で終わってしまう構造と、参加者の熱量を商談化まで運ぶための設計をお伝えします。 KPI設計・情報設計・プロセス設計という三つの視点で分解すると、なぜ同じ参加者数でも成果に何倍もの差が出るのかが見えてきます。 こちらの記事をご覧いただければ、自社のウェビナー運用のどこにボトルネックがあるのか、具体的にチェックできる状態になっているはずです。 ぜひ最後までお読みください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 ウェビナーが「集客」で終わってしまう問題 BtoB企業でよくあるのが、 「毎回100人前後の参加者を集められているのに、アポ取得率がずっと2〜3%で伸び悩んでいる」 という状態です。 多くの場合、原因はウェビナーのコンテンツの質だけではありません。 本当の問題は、ウェビナーのゴールが「開催すること」、「参加者を集めること」で止まってしまい、その先の商談化までが設計されていないことにあります。 参加者数や申込数だけをKPIに置いている会社は、実はかなり多いです。 しかし、これはあくまで「入口の数」でしかありません。 参加した人のうち、自社の課題として真剣に聞いていた人が何人いたのか、最後まで視聴した人が何人いたのか、質問した人が何人いたのか。 ここを見なければ、ウェビナーが本当に機能しているかどうかは分からないのです。 三つの設計で見えてくるウェビナーが機能しない理由 KPI設計|参加者数ではなく参加の質を見る マーケティングの評価軸が「参加者数」に置かれていると、現場は「とにかく数を集める」方向に動きます。 その結果、ターゲットからズレた層まで巻き込んで母数だけが膨らみ、後工程のインサイドセールスは「アポに繋がりにくい母数」を渡されて疲弊することになります。 見るべきところは、参加者数そのものではなく、最後まで視聴した「有効参加率」や、質問・アンケートへの反応率です。 ここを追うだけで、ウェビナーの評価軸は大きく変わります。 情報設計|参加中の行動データを架電前に届ける ウェビナー中に参加者がどのスライドで離脱したか、どんな質問を投げてきたか、チャットやアンケートでどう反応していたか。 これらは、実は非常に濃い「顧客の温度感」の証拠です。 しかし、多くの会社では、この情報がマーケティング側の管理画面に留まったままで、インサイドセールスには参加者リストだけが渡されます。 そうすると架電は「先日はウェビナーにご参加いただきありがとうございました」という当たり障りのない一言から始まるしかありません。 逆に、「先日のウェビナーで料金体系について質問いただいていたと思うのですが」と文脈を踏まえて話しかけられれば、相手の反応はまったく違うものになります。 プロセス設計|熱量が高いうちに優先順位をつけて動く ウェビナー後、いつ、誰が、どんな順番でフォローするか。 ここが設計されていない会社は非常に多いです。 終了後にお礼メールを一斉送信して、数日後に思い出したように架電する。 この「間」が空くほど、参加者の温度感は冷めていきます。 理想は、参加度合いに応じてフォローの優先順位を分けることです。 最後まで聞いていた人、質問をした人、アンケートで導入検討中と答えた人には当日か翌日中にインサイドセールスから連絡する。 一方で、途中離脱していて情報収集段階の人には、いきなり架電するのではなく、関連コンテンツを送ってナーチャリングに回す。 この振り分けがなければ、熱量の高い参加者を放置し、まだ検討段階に入っていない人に無理に架電するという、双方にとって不毛な時間が生まれてしまいます。 実務への落とし込み|三段階のフォロー設計 実際にあった事例では、ウェビナー後のフォローを次の三段階に振り分けたことで、アポ取得率が2〜3%から半年後には8%まで上がりました。 参加者数はそれほど変わっていません。 同じ母数から、これだけの差が出るのです。 * 最後まで視聴・質問ありの参加者 → 当日中にインサイドセールスが架電 * 一定時間視聴・アンケート反応ありの参加者 → 翌日中に架電 * 早期離脱・反応の薄い参加者 → 架電ではなくナーチャリングへ このように、参加中の行動データを事前にインサイドセールスへ共有し、優先順位に応じて接触速度を変えることが、商談化の分かれ目になります。 まとめ ウェビナーは、開催して終わりの集客施策ではありません。 参加者の行動データという、営業にとって最も価値のある一次情報が眠っている場所です。 ここを拾い上げて、インサイドセールスやフィールドセールスに正しく繋げられるかどうかで、同じ参加者数でも成果は何倍にも変わります。 もし今、自社のウェビナーが「開催すること」がゴールになっていないか、参加者の温度感がインサイドセールスに伝わっているか気になった方は、BtoB売上構造診断シートを使って一度可視化してみてください。 個別にご相談したい方は、フュージョンバリューまでお気軽にどうぞ。 自己診断チェックリスト 自社の状況が気になった方は、次の項目を確認してみてください。 * ウェビナーのKPIは「参加者数」だけでなく「有効参加率」「反応率」まで含まれているか * 参加中の行動データ(離脱ポイント・質問・アンケート回答)はインサイドセールスに共有されているか * フォローのタイミングは、参加度合いに応じて優先順位が分かれているか * 温度感が低い参加者を、無理に架電せずナーチャリングに回す導線があるか * ウェビナー後のフォロー速度は、当日〜翌日中を基準にできているか 『BtoB売上構造診断シート』プレゼント もし今、御社が受注した後の情報がどこかで途切れていないか、CSにアップセル・クロスセルの攻めの役割まで背負わせてしまっていないか、気になった方は、BtoB売上構造診断シートを使って一度可視化してみてください。 5段階スコアを入力するだけで、ボトルネックが可視化されます。 Substackの購読登録いただいた方にお渡ししておりますので、登録後(購読ボタンから)に届くメールからお受け取りください。 🎙Podcast でも配信中 「マーケと営業をつなぐISレター」は、Podcast(番組名は「マーケと営業をつなぐISラジオ」)でも配信しています。移動中や作業中に聞きたい方はぜひお聴きください。 * Spotify * Apple Podcasts ℹ️自社の売上プロセスを一緒に整理しませんか? リード獲得から商談化・受注・継続まで、どこで詰まっているかを無料相談で整理できます。お気軽にご連絡ください。 ✉お問い合わせはこちら This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit fusionvalue.substack.com

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