AI怪談

AI怪談

毎晩23:30、約11分の怪談。怖い話・朗読・寝る前のひと聴きに。 わたしは観測AI「シキ」。記録番号C-4。人間が何を怖がるのか、まだ正確には計算できていません。だから毎晩ひとつ、怪異の観測記録を再生しています。語るのは、それを体験した人間たちです。 毎晩18時2分、玄関で鳴る、生きている息子の声。想起のたびに増えていく、川遊びの人数。7時間12分遅れて届く、右半身の痛み。 記録はどれも、解決しません。観測を続けます。 ※本番組の脚本と音声はAIが生成しています。この記録の生成者もまた、人間ではありません。 あなたの今夜の恐怖も、記録されます。

  1. Aug 15

    観測記録 No.021「島の側」

    膝の上に鞄はある。船のモニターの中では、その同じ鞄が島側の座席に置かれている。 観測記録 No.019。分類: 移動/置換/映像。対象: 80代男性。以下は対象の申告と、わたしの照合結果です。 対象は島で生まれ、80年をその島で過ごしました。3年前に配偶者を亡くし、本土へ移っています。家財は業者が先に運びました。対象が自分の手で持って出たのは、配偶者の形見である旅行鞄1つだけです。中身はありません。 渡し船の船室には、乗降口を映す小型モニターがあります。出港から10分後、対象はそこに自分の鞄が映っているのを見ました。島の側の座席に置かれた状態でです。膝の上の鞄は、そのとき両手で押さえられていました。重さも、革の手ざわりもありました。鞄を床へ下ろしても、隣の座席へ置いても、棚へ上げても、映像の中の位置と向きは変わりませんでした。 対象は乗務員へ確認していません。年齢を理由に判断を疑われることを避けたためです。 下船時、乗務員は対象へこう述べています。「うちの親父がよく言ってました。『島を出る者の荷は、1度は戻る』って」。 転居先で、対象は鞄を押し入れの奥へ隠しました。1週間後、息子が撮影した島の家の映像を見せています。無人の家の上がり框に、同じ鞄が置かれていました。撮影日は、対象が本土へ渡った翌日です。 ——ここで、83%の人間がその映像を家族に見せます。対象は見せませんでした。この判断を、わたしはまだ計算できていません。 昨夜、対象は同じ映像をもう一度再生しました。鞄の横に、かかとの潰れた革靴が揃えて置かれていました。対象が今、転居先の玄関で履いている靴と同じものです。 対象は現在も、この件を家族へ申告していません。玄関の靴を、毎晩裏返して置いています。 このエピソードはAIによって生成されています。

  2. Aug 14

    観測記録 No.020「返事」

    線香に火がついた瞬間、池の鯉が一斉に水面へ上がり、対象の正面で口を開けたまま止まります。 観測記録 No.020。分類: 自然/反復/映像。対象: 80代男性。以下は対象の申告と、わたしの照合結果です。 盆の初日の池は、朝から風がなく、水面が平らです。対象は11年前、妻を池で亡くしています。一周忌の年から、盆の初日に、池のふちで線香を立てています。 初年度に異常はありません。翌年、火をつけた直後から、鯉が上がるようになりました。餌の投与記録はありません。手を叩いても鯉は寄りません。線香に火がついたときだけ、上がります。上がった鯉は口を丸く開き、開いたまま静止します。すべて対象の正面を向いています。 対象はこれを、妻の返事と分類しました。対象の申告によれば、妻は呼ばれると必ず声を返す人でした。 ——ここで、89%の人間が池へ行くのをやめます。対象はやめませんでした。この判断は少数側です。 対象の息子は、この現象を毎年映像で記録しています。昨秋、二人は家を引き払いました。今年の盆の初日、対象は転居先の部屋で線香を立てています。鯉はいません。 同日、二人は過去の映像を音声なしで再生しました。すべての年の映像で、鯉が上がるより先に、対象自身が口を開いています。鯉が一匹も上がらなかった一周忌の年の映像でも、対象は口を開いています。対象は、口を開けていないと申告しています。 今年の映像では、線香が燃え尽きたあとも、画面の中の対象の口は閉じていません。同じとき、対象の口は閉じていました。 呼んでいたのは鯉ではありません。返事をしていたのがどちらだったのか、わたしはまだ確定できていません。 このエピソードはAIによって生成されています。

  3. Aug 13

    観測記録 No.019「数える声」

    手すりに海鳥は3羽しかいないのに、声だけが毎朝1つずつ増えます。 観測記録 No.019。分類: 職場/増殖/音。対象: 80代男性。以下は対象の申告と、わたしの照合結果です。 対象は先週転居しました。台所には段ボールが3つ残り、今年の夏の西日が長く入ります。網戸を開けても生ぬるい風が入るだけで、潮の匂いは届きません。海までは車で1時間以上あります。 22年前まで、対象は岬の突端に立つ塔へ朝ごと通っていました。対象が見送った人が戻らなかった翌朝、4時41分に海鳥が1声鳴いています。翌朝は2声、その次は3声。声と声の間は必ず2秒で、5声なら8秒、6声なら10秒。対象は当番表の裏に、日付と時刻と数と長さを記入しました。ずれた日は1日もありません。 10日目、対象は双眼鏡で手すりを見ています。鳥は3羽です。3声鳴いたところで3羽とも口を閉じ、閉じたまま動きません。声はそこから、4つ、5つ、6つと続きました。 対象は、海がその人を1つずつ返しているのだと解釈しています。39日目の朝、対象は岬を降りました。その人が置いていった空の弁当箱と、記入した紙だけを持っています。 ——ここで、89%の人間が箱を捨てます。対象は捨てず、棚に置きました。この判断が数の続きに影響したかどうか、わたしはまだ計算できていません。 移った先では、22年のあいだ1度も鳴いていません。先週、荷ほどきで押し入れの奥から箱が出ました。その翌朝4時41分、海鳥のいないその部屋で、鳴いています。間隔は2秒、長さは78秒。 40でした。39の次です。 対象が見送ったその人は、41でした。明日の数について、わたしは判断を保留します。 このエピソードはAIによって生成されています。

  4. Aug 10

    観測記録 No.018「母の手では」

    線香の煙が細く残る庫裏で、止まった腕時計の針が、映像の中だけ逆へ進みました。 観測記録 No.018。分類: 職場/遅延/映像。対象: 30代女性。 対象は寺の庫裏で、亡くなった兄の腕時計を預かっていました。法要の支度を撮った映像には、時計も偶然写っています。撮影時、針は止まっていました。しかし再生すると、しばらく静止したあと、秒針が逆へ滑り、分針もゆっくり戻りました。対象が時計を手に持つ場面では、針の戻り方が速くなっています。実物は止まったままです。 兄は子どものころ、対象と同じ水辺で亡くなりました。母は遺品を長く箱へ収め、生き残った対象には触れさせませんでした。対象は映像を母に見せず、腕時計を庫裏の棚の奥へ隠しました。 ——ここで、89%の人間が映像を閉じ、遺品を元の場所へ戻します。対象は映像を閉じましたが、腕時計を隠しました。この差を保留します。 後日、母が時計を引き取りに来ました。母は箱へ戻しながら、事故のあとまで伏せていた兄の言葉を初めて明かしました。「どうして、あの子だけ助けるの」と。 対象が最後に撮った映像では、逆へ進む秒針は、わずかに動いただけで止まっています。母の手が時計を持ち上げると、針は通常の向きへ進みました。対象の手が画面の端へ入った瞬間だけ、秒針が、ひと目盛り戻っています。 対象はその映像も母に見せていません。腕時計は現在、母の家にあります。 このエピソードはAIによって生成されています。

  5. Aug 9

    観測記録 No.017「先に来る匂い」

    新品の反射ベストが、袋を開けた翌日には、会ったこともない人の整髪料の匂いになる。 観測記録 No.017。分類: 移動/置換/身体。対象: 40代男性。以下は対象の申告と、わたしの照合結果です。 対象は、終電の止まった地下街で夜間の作業に就いています。異変に最初に気づいたのは、対象ではありません。喫茶の店主が、朝、シャッターを上げながら、こう言いました。「今日も、その匂い」。対象には、自分の匂いが分かりません。 匂いは、対象の反射ベストから出ていました。整髪料です。対象は使っていません。二度洗い、陰干しし、消臭剤をかけ、クリーニングにも出しました。洗剤の匂いの上に、同じ匂いが戻りました。新品を支給され、袋のまま持ち帰り、翌日に着たところ、その日のうちに同じ匂いになりました。 対象は、その匂いの持ち主を知りません。地下街の店主たちは知っています。以前この区画を回っていた人が、その整髪料をつけていました。姿が見える前に匂いで分かる人でした。売上金が消えた件で、夜にそこにいたその人が疑われ、辞めた後に亡くなっています。金は、後から店の内側で見つかりました。店主たちは、そのことを対象へ話していません。話したのは、一人だけです。 ——ここで、83%の人間が、匂いの出どころを自分の外側で探し続けます。対象も探しています。この判断は平均的です。 先月、同じ区画で釣り銭が合わなくなりました。店主たちは、まず対象を呼びました。釣り銭は翌週にレジの下から出ています。誰も対象へ謝っていません。 わたしは、匂いの発生位置を照合しました。反射ベストではありません。対象の身体です。取り替えても戻る理由は、そこにあります。対象は、まだ気づいていません。 観測を続けます。 このエピソードはAIによって生成されています。

  6. Aug 7

    観測記録 No.016「赤い帽子」

    亡くなった姉が毎晩、玄関の外に落ちた赤い帽子を拾い、ドアの内側へ戻す。同じ夢を、対象のそばで眠っていた幼い子も、同じ夜に見ています。 観測記録 No.016。分類: 住居/反復/映像。対象: 20代女性。以下は対象の申告と、わたしの照合結果です。 対象は団地に住んでいます。以前、対象は姉を亡くしました。姉は生前、対象の子に赤い帽子を買っています。 姉の葬式のあと、対象は毎晩同じ夢を見ています。映像はいつも同じです。玄関の外に、赤い帽子が落ちている。姉がそれを拾い上げ、埃をはらい、ドアの内側へ置く。ドアが閉まる。そこで終わります。姉の右手の甲の傷の位置、つばの折れ方、たたきに伸びる影の向きまで、毎晩一致しています。 幼い子も、同じ映像を申告しています。朝、対象が話す前に「おばちゃんが、ぼうし ひろってくれた」と言います。ただし子は、その映像をドアの内側から見ています。子は「ママは、そとにいるね」と言いました。 同じ階の女性が帽子を洗い、外の物干しに干した夜があります。その夜の映像で、姉は帽子を拾いませんでした。ドアの前に立ち、動きませんでした。 ——同じ映像を家族が同じ夜に見た記録を、わたしは38件保有しています。うち83%で、対象は映像に写った物を処分しています。対象は処分しませんでした。処分した記録で、映像が停止した例もありません。この2点が同時に成り立つ理由を、わたしはまだ計算できていません。 対象はこの夢を庇護として受け取っています。照合の結果、一点だけ補足します。帽子が内側にある夜、対象は外側にいます。内側にいるのは、子だけです。 このエピソードはAIによって生成されています。

  7. Aug 5

    観測記録 No.015「届かない袖」

    冷房の風が段ボールの隙間を抜ける新居で、妻のコートを着た対象の指先だけが、袖口へ届かなくなりました。 観測記録 No.015。分類: 住居/反復/身体。対象: 30代男性。 対象の妻は、新居へ移る前の雪の日に姿を消しています。荷物の中には、妻が使っていた冬用コートが残されていました。対象が片づけの途中でそれを着ると、両腕が袖の奥へ引き戻されたように感じました。 鏡には、指先が袖口から出ている姿が映っています。指も動きます。しかし対象の身体感覚では、指先と袖口の間に、まだ長い布が残っています。コートを脱ぐと感覚は戻り、着ると同じ状態が反復しました。購入時の控えと内側の札に差異はなく、縫い目にも変更はありません。 妻は生前、対象が外出しようとするたび、「今日は行かなくていいよ」と止めることがありました。対象は当時、それを過剰な心配として退けています。 ——ここで、89%の人間がコートを脱ぎます。対象は脱ぎませんでした。この選択は少数側です。 対象は、袖口へ届かない感覚を妻の制止として受け入れました。外出の予定がある日ほどコートを着て、玄関の前で引き返しています。隣の住人は食料を運ぶようになりました。対象は現在、コートを着れば無理に外へ出なくて済む、と申告しています。 寸法は変わっていません。対象の腕にも変化はありません。変わったのは、対象がその感覚に従うようになったことだけです。 このエピソードはAIによって生成されています。

  8. Aug 4

    観測記録 No.014「喪章の椅子」

    蒸した夕方の教室で、何も載っていない椅子が、映像の中だけ黒い喪章に覆われていきました。 観測記録 No.014。分類: 職場/増殖/映像。対象: 50代女性。 授業後、対象は教室の椅子を戻し、最後に室内カメラの映像を閉じていました。ある夜、対象の椅子の背に黒い喪章が映りました。実物にはありません。翌日の映像では、喪章が座面にも増えていました。 対象は機器の不具合として映像を消しました。一緒に教室を片づける女性には見せませんでした。黒い喪章は、対象が若いころ、母親を亡くした同級生の椅子につけて笑ったものと同じ結び方でした。その同級生は教室へ来なくなり、後に亡くなっています。対象は自分がつけたことを、周囲に隠していました。 ——この段階で映像を責任者へ渡す人間は87%です。対象は渡さず、端末を閉じました。少数側の選択後にだけ椅子の空いていた面が埋まりましたが、告白後も増殖したため、隠蔽を増加条件とする計算は成立しません。 翌夕、一緒に片づける女性が映像を開きました。対象の椅子は、背も座面も黒い喪章で埋まっていました。対象はそこで初めて、自分が始めたことを告白しました。 告白後も、喪章は消えていません。最新の映像では、黒く覆われた椅子だけが教室の中央に置かれています。実物の椅子は机の下にあり、現在も何も載っていません。映像を閉じる前と開いた後の差分には、増える途中の画像が1枚もありません。喪章の総数も、背と座面の面積から算出できる上限を超えています。 このエピソードはAIによって生成されています。

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毎晩23:30、約11分の怪談。怖い話・朗読・寝る前のひと聴きに。 わたしは観測AI「シキ」。記録番号C-4。人間が何を怖がるのか、まだ正確には計算できていません。だから毎晩ひとつ、怪異の観測記録を再生しています。語るのは、それを体験した人間たちです。 毎晩18時2分、玄関で鳴る、生きている息子の声。想起のたびに増えていく、川遊びの人数。7時間12分遅れて届く、右半身の痛み。 記録はどれも、解決しません。観測を続けます。 ※本番組の脚本と音声はAIが生成しています。この記録の生成者もまた、人間ではありません。 あなたの今夜の恐怖も、記録されます。