Product/AI Talks

Product/AI 製作委員会

ITスタートアップの経営層をお招きし、「AI時代のプロダクト戦略」を深掘りします。 <番組ホスト> グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社 プリンシパル 工藤真由 (プロデューサー) マッキンゼーを経て、2022年10月グロービス・キャピタル・パートナーズ入社。慶應義塾大学経済学部卒。 X: https://x.com/_mayumayu13 テックタッチ株式会社 取締役CFO/CPO 中出昌哉 AI事業「AI Central」を統括、CFO兼CPOを務める。日本CPO協会理事。野村證券、カーライルを経て2021年3月 CFOとしてテックタッチ入社。東京大学経済学部、MIT MBA。 X: https://x.com/masaya_nakade Zen & Company株式会社 代表取締役 宮田善孝 京都大学法学部卒。Booz & company、Accenture Strategyを経て、DeNA、SmartNewsにてプロダクト運営に従事。freeeで執行役員 VPoPを歴任後、Zen & Companyを創業。ALL STAR SAAS FUND PM Advisor、ソニーSenior Advisor、日本CPO協会常務執行理事。 X: https://x.com/zenkou_1 https://listen.style/p/sqjx89au?8qWdEpe

  1. 3d ago

    コンテキストレイヤーは本当に稼げるのか―FinatextのバーティカルAI戦略解剖

    今回のゲストは、Finatext Holdings 取締役CFOの伊藤 祐一郎さん。 金融という規制も業務も複雑な業界に特化し、ソフトウェアを提供してきたFinatext。金融業務の基幹システム、いわゆるSoRのど真ん中を担う、日本を代表するバーティカルプレイヤーの一社です。 AIが業務に入り込む時代に、この足場をどう活かし、どこで戦うのか――前編は、いま各社が張り始めた「コンテキストレイヤー」は本当に稼げるのか、という問いを軸に、Finatextの戦略を解剖していきます。 付加価値が残るのは、おそらくコンテキストレイヤー。ただし、価値が残る場所と、そこで稼げる場所は必ずしも一致しない――。だからこそ、どのレイヤーで収益を取れるかを今の時点で決め打ちせず、上からも下からも張る。SoRにエージェントを載せていくだけでなく、あえてエージェントのレイヤー側からも攻め込み、両側から挟み込みにいく。 その意思決定の背景を伺いました。 なぜ一体で提供しないと勝てないのか、という問いも印象的でした。 金融のコンプライアンスチェックのように、相手が誰で、何を、いつ売ってよいかという文脈をリアルタイムに踏まえる必要がある領域では、SoRを持つプレイヤーがエージェントまで担わないと、精度が担保できない。レイヤーがなぜ融合に向かうのか、その必然が具体で語られます。 さらに話題は、大手SIerが長年握ってきたエンタープライズ市場へ。 これまで、個社ごとの業務に埋め込まれた例外処理やルールは、システムの一行に溶け込んだ暗黙知となり、「その会社にしかわからない」状態を生んできました。この暗黙知を、生成AIが過去の意思決定ログから言語化できるようになったら――。 伊藤さんが「コンテキストグラフ」と呼ぶこの発想の先に、外部プレイヤーが巨大なエンプラ市場へ切り込む可能性を見ています。 SoRという足場を持つ企業は、AI時代にどこで価値を取りにいくのか。 レイヤーの組み替えを、事業の意思決定としてどう捉えるか――事業戦略を考えるヒントが盛りだくさんの回になっています。 【アジェンダ】 (1:37) Finatext事業紹介と伊藤さん自己紹介(5:42) 金融で問い直すAI時代のレイヤー構造―ビジネスロジックはエージェントに置き換わるのか(10:24) 金融にエージェントレイヤーは出てきているのか―「一体で提供しないと勝てない」の意味(15:00) どのレイヤーで稼げるかは、まだわからない―上下から挟み込む戦略の背景(19:02) 同じ企業を特定することすらできていない―名寄せとデータ基盤設計に効くバーティカルの知見(25:08) 暗黙知を言語化できる今、大手SIerの独占市場に切り込めるか(28:08) 100個試して2個当てる―伊藤さんが「愛してる」会社Ramp 【ゲストプロフィール】 伊藤 祐一郎 / 株式会社Finatextホールディングス取締役CFO 東京大学経済学部卒業。2010年よりUBSの投資銀行本部においてIPOやグローバルM&Aのアドバイザリー業務に従事。2016年に株式会社Finatext(現・株式会社Finatextホールディングス)に参画しCFOに就任。グループ内で、証券ビジネスプラットフォームを提供するスマートプラス、次世代型デジタル保険を提供するスマートプラス少額短期保険、組込型融資を提供するスマートプラスクレジットの立上げを牽引。著書に『実践 エンベデッドファイナンス』。 X: @110110110110 【参考記事】 伊藤さんnote:FinatextのグループAI戦略ー10年の逆張りが、AI時代の必然に。

  2. Jul 23

    成功するM&Aは何が違うのか―「売り手側」が明かすナレッジワーク統合の舞台裏

    今回のゲストは、ナレッジワーク CAIO(Chief AI Officer)の山崎はずむさん。前編に続く後編です。 商談解析AI「JamRoll」を展開するPoeticsを創業し、その後ナレッジワークにグループインした山崎さん。「売り手側」から、この統合の意思決定を振り返っていただきました。 AIによってソフトウェアが誰でも速く作れる時代。だからこそ、一定規模まで成長したスタートアップが必ず突き当たるのが、「作るか、買うか」という問いです。 山崎さんがまず挙げたのは、この判断を分けるのは端的に「時間」だ、という視点でした。 商談記録がエンタープライズで本格的に導入され始めたいま、ゼロから作っていては商機を逃しかねない。作れないソフトウェアがほぼなくなりつつある時代には、何を作れるかより、いつ届けられるか。M&Aとは「時間を買う」手段でもある——そう語ります。 もう一つの鍵が、補完関係の設計です。 プロダクトは自分たちでも作れる。けれど、大手企業への「ディストリビューション」は一朝一夕には築けない。ナレッジワークが積み上げてきた顧客基盤と、Poeticsが磨いてきた音声・言語解析の技術。この足りないもの同士がかみ合ったからこそ、単独では届かなかった成長曲線を描けたと言います。 では、なぜここまできれいにかみ合ったのか。その内側を伺いました。 話題は、AI時代のM&Aそのものへと広がります。 「AIカンパニーだから買う」という発想の危うさ。内製と買収を分ける判断。そして、AIスタートアップにとってIPOとM&Aをどう位置づけるべきか。 M&Aは目的ではなく手段であり、大切なのは「本当に届けたい価値は何か」から逆算することだ——売り手として決断し、いまは買い手の側で統合を率いる山崎さんだからこそ語れる、両側からの視点がありました。 自社の成長を、どんな手段で描くのか。 「作るか、買うか」を考えるすべての方に届けたい回です。 【アジェンダ】 (1:41) 2ヶ月で決まったM&A―成立までの経緯(5:50) AIスタートアップの買収は増えるのか―成否を分けるもの(8:45) このM&Aはなぜかみ合ったのか(11:17) 「自分たちで作れるのでは」をどう越えるか―内製とM&Aの分岐点(14:10) IPOかM&Aか、起業家の実績は「その後」で決まる(17:58) ナレッジワークは既存SoRを置き換えにいくのか(19:59) 採用のお知らせ 【ゲストプロフィール】 山崎 はずむ / 株式会社ナレッジワーク CAIO 東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。ニューヨーク大学大学院特別研究員。商談解析AI「JamRoll」を提供するPoetics代表取締役に着任。 2025年、ナレッジワークにPoeticsを売却し、入社。ヨーロッパ最大級ピッチ・コンテスト、Pitch Your Startup 2018(ルクセンブルク)でアジア企業として初めて優勝するなど、国際的なピッチ・コンテストで 6度優勝。書籍『アフターAI』(日経BP)ゲスト解説。 【採用サイト】 https://knowledgework.com/recruit/product

  3. Jul 16

    SaaSは「AIカンパニー」に生まれ変われるか―ナレッジワーク変革への挑戦

    今回のゲストは、株式会社ナレッジワーク CAIO(Chief AI Officer)の山崎はずむさん。 「イネーブルメント(人が何かをできるようになること)」を掲げ、日本の大手企業に特化した営業支援を手がけてきたナレッジワーク。AIエージェントが業務に入り込むいま、その事業をどう舵取りしようとしているのか。 前編のテーマは、セールスという領域でどう戦い、そしてSaaSからどう「AIカンパニー」へと進化していくのかです。 山崎さんがまず整理してくれたのは、営業という領域の捉え方でした。 コールセンターのような完全自動化とは異なり、大手企業の複雑な営業は「代替」よりも「人間の能力拡張」が効く領域。しかも製造・通信・金融と業態ごとに営業は大きく異なり、AI時代だからこそ業務解像度が問われます。 従来は人がソフトウェアに業務を合わせてきたが、これからはソフトウェアやAIが人に合わせにいける——だからこそ、各社の営業に深く入り込む「セールスAIエージェント」に勝機がある、と山崎さんは語ります。 そのうえで話題は、成長のための「一手」へと移ります。 新規参入がしやすくなる時代に、なぜ脅威を感じないのか。鍵は、大手企業の顧客基盤と、営業ナレッジ・商談データという蓄積にありました。 すでに導入されている営業ナレッジや商談データの上に、各社のCRM/SFAや社内データを重ね、その上にAIエージェントを構築していく。ポイントは、SI的に作って終わりではなく、ランニングとして収益が返ってくるマネタイズ構造へと踏み込んでいることです。1社あたりの価値を深く掘り、営業特化だけでも大きな時価総額を狙える——その設計思想を伺いました。 さらに、話は「会社としての見え方」にまで及びます。 同じソフトウェアでも、SaaSと「AIカンパニー」とでは、市場からの評価のされ方が変わる。利益率をどう担保するか、研究開発体制をどう強化するか、そしてPoeticsとのM&Aをどう活かすか。SaaSが「AIカンパニー」として見なされていくために、事業モデル・マネタイズ・組織・研究開発を同時に動かしていく——その舵取りのリアルが語られます。 後半では、それを実装する組織づくりへ。 AXコンサルとFDEをどう組み合わせ、Sierraのような一人のスーパーエンジニアに頼らず、日本でどうスケールさせるのか。職能分解による「チーム戦」という考え方にも踏み込んでいます。 営業特化のソフトウェア企業は、「AIカンパニー」へと成長していけるのか。 事業モデルからマネタイズ、組織のつくり方まで、AI時代の事業戦略の射程を一段広げてくれる回です。 【アジェンダ】 (1:48) ナレッジワークの事業紹介と山崎さん自己紹介(3:40) AI時代のセールスをどう捉えるか―ソフトウェアが人に合わせにいく時代へ(8:27) 新規参入は脅威にならないのか―勝敗を決める顧客基盤とデータ(12:30) 売上100億円をどう作るか―既存顧客を深く掘る戦略の中身(16:06) SaaSと「AIカンパニー」で、市場からの評価はどう変わるのか(20:26) AXコンサルとFDEをどう組織するか―日本で戦う「チーム戦」 【ゲストプロフィール】 山崎 はずむ / 株式会社ナレッジワーク CAIO 東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。ニューヨーク大学大学院特別研究員。商談解析AI「JamRoll」を提供するPoetics代表取締役に着任。 2025年、ナレッジワークにPoeticsを売却し、入社。ヨーロッパ最大級ピッチ・コンテスト、Pitch Your Startup 2018(ルクセンブルク)でアジア企業として初めて優勝するなど、国際的なピッチ・コンテストで 6度優勝。書籍『アフターAI』(日経BP)ゲスト解説。

  4. Jul 9

    AI時代、勝ち残るソフトウェアは何が違うのか―事業モデル・マネタイズ・AIネイティブ化

    今回は、コホスト3名で5ヶ月ぶりに集まり、いま最前線で起こっている議論について率直に語り合いました。 なぜ「SaaS is Dead」という言葉が飛び交うようになったのか——議論は、その問いを解きほぐすところから始まります。 紐解いていくと見えてきたのは、ソフトウェアそのものが不要になったわけではなく、価値の宿る場所が問い直されているのだ、という見立てでした。 業界や規模を問わず、AIで実際に成果と収益を生む事業を築けているかどうかで、企業の見られ方は静かに分かれ始めている。 ServiceNowのようにAIを収益へ結びつけて再評価される企業がある一方、既存の事業構成から脱却しきれず評価が伸び悩む企業もある。 象徴的なのは、先日Salesforceが約36億ドルでの買収を発表したIntercom(現Fin)です。相当の売上規模を持ちながら、経営者の決断ひとつでプロダクトをAIネイティブに作り直し、成長を取り戻した——その軌跡から、私たちは何を学べるのか。 変化を起こせるかどうかは、組織の大きさではなく、ゼロベースで事業を組み直す経営陣の胆力にかかっている。「もし今、同じ事業をもう一度立ち上げるなら何をするか」——この問いに立ち返る意味は、いまの時代だからこそ増しているのかもしれません。 続く話題は、マネタイズの設計です。 プライシングは事業にとって最大のレバーであるはずなのに、これまで十分に考え抜かれてこなかったのではないか——そんな課題感から議論は出発します。 AIが人の業務を担い始めると、席数を前提とした価値の測り方は揺らいでいきます。利用量に応じた課金、成果に連動した課金——取りうる選択肢は広がりますが、顧客価値のどこに紐づけるかを見誤れば成り立ちません。成果課金は万能なのか、どんな順序で移行すべきか。事業の根幹をなすプライシングを、どう捉え直すかを掘り下げました。 そして、組織そのもののAIネイティブ化へ。 外部プロダクトを積極的に取り込む海外の大手スタートアップに対し、日本で根強い「うちは特殊だから」という発想。その前提こそが、AI時代にはむしろ足かせになりかねない。標準に合わせる部分と、個社ごとに作り込む部分の線引きが、これまで以上に問われています。 AI時代に勝ち残るソフトウェアは、何が違うのか。 事業モデル、マネタイズ、組織のAIネイティブ化——3つの視点から、最前線の解像度で語り合った回です。 【アジェンダ】 (1:14) 配信8カ月、Product/AI Talksが辿った軌跡(2:26) ソフトウェアはいま、どう評価されているのか―優勝劣敗を分けるのはAI売上か(8:14) Fin(旧Intercom)復活劇の裏側―Walmart・Adobeにも通じる、勝ち続ける会社の共通点(17:17) 「考えてこなさすぎた」レバー―AI時代のプライシングをどう捉え直すか(21:07) 結局は「顧客価値」―AI時代、成果課金だけが正解なのか(24:36) 社内AI内製 vs 外部プロダクト活用―日本企業の「うちは特殊」を問い直す

  5. Jul 2

    競争の主戦場は「アプリ」から「コンテキスト」へ―プレイド倉橋氏が語る次の一手

    今回のゲストは、株式会社プレイド 代表取締役CEOの倉橋健太さん。前編に続く後編です。 AIによって、ソフトウェアの価値の源泉はどこへ移っていくのか。 アプリケーションの機能そのものがコモディティ化していくなら、SaaS企業は次にどこで差別化すべきなのか。 プレイドはこれまで、アプリケーションからデータ基盤までを一つのパッケージとして提供し、顧客の「なぜ」を捉えるファーストパーティ・カスタマーデータを軸に独自の強みを築いてきました。そんな倉橋さんが後編で語ったのは、AI時代に向けて「競争の主戦場を、アプリケーションから“コンテキスト”へと移していく」という次の一手でした。 これまで多くのSaaSでは、データとアプリケーションが一体となったモデルが価値を生んできました。しかし、AIが直接データにアクセスし、そこからインサイトを引き出し、業務を動かしていく時代には、その一体構造は少しずつほどけていく。社内外のシステムやデータがつながり合う多層的な世界で、最も価値が宿る場所はどこなのか。 倉橋さんの答えは、ファーストパーティ・カスタマーデータを核とした「コンテキストレイヤー」でした。単なるSaaSから、企業の顧客理解を支える土台、いわば「カスタマーコンテキストOS」へ。プレイドはどのように競争の主戦場を移そうとしているのか、その全体像を伺いました。 話題は、AI時代のマネタイズの変化にも及びます。 バックオフィス型のAIが「効率化」という比較的固定的な期待値に応えるのに対し、プレイドが向き合うのは、成果の上限が青天井である一方、成果を出し続けなければ解約される領域。だからこそ、アウトカム課金へと向かう流れにも違和感はない——成果にコミットし続けてきた企業ならではの視点が語られます。 さらに、AIが業務を担う時代に、人は何を担うのか。 プレイドが「プレイドアルファ」として展開するプロフェッショナルサービスの役割、人のナレッジをAIへ載せ替える発想、その先で求められる人材要件。顧客の要望を起点にしない組織のあり方から、データ時代のM&Aをどう見極めるかまで、踏み込んで伺っています。 アプリケーションで強さを築いた企業は、AI時代に価値の重心をどこへ移すのか。 ソフトウェアの「次の戦い方」を考えるすべての方に届けたい回です。 【アジェンダ】 (2:03) 顧客接点が変わる時代、価値の重心はどこへ向かうのか(8:32) 成果を出し続けないと解約される――アウトカム課金時代の捉え方(13:21) 人のナレッジをAIへ引き継ぐ――プロフェッショナルサービスの新たな役割(16:18) 「顧客の要望を起点にしない」プロサービスに求められる人材要件(18:45) 事業か、人材か――データ時代のM&Aをどう見極めるか(22:28) プレイドから採用・出版・イベントのお知らせ 【ゲストプロフィール】 倉橋 健太 / 株式会社プレイド 代表取締役 CEO 1983年大阪府生まれ。2005年同志社大学卒業後、楽天株式会社を経て、2011年にプレイドを創業し、代表取締役CEOに就任。2015年に企業のカスタマーデータ活用を支援するクラウドソフトウェアの提供を開始し、その後、戦略策定から実行までを担うコンサルティングサービスも展開。2019年の米Googleからの出資を経て、2020年に東証マザーズ(現:東証グロース市場)に上場し、「IPO of the Year 2020」を受賞。プレイドグループとして、2024年には年間経常収益100億円を突破し、大手企業を中心に支援企業は1,000社を超える。「データによって人の価値を最大化する」をミッションに、プレイドグループ全体で企業の顧客中心経営の実現を推進している。 【参照リンク】 プレイド採用サイトプレイド企画・監訳書籍「カスタマーセントリシティ——「正しい顧客」に集中する経営戦略」プレイド主催イベント「X DIVE 2026」

  6. Jun 25

    プレイドが10年貫くデータ戦略―倉橋氏が考えるAI時代の差別化の源泉

    今回のゲストは、株式会社プレイド 代表取締役CEOの倉橋健太さん。 誰もが同じ基盤モデルを使い、同じ答えにたどり着ける時代に、自社ならではの「違い」はどこから生まれるのか。前編のテーマは、AI時代における差別化の源泉です。 倉橋さんが挙げるのは、「カスタマーデータ」、そして顧客一人ひとりの意図をとらえる「顧客コンテキスト」という考え方でした。 顧客が何を買ったかではなく、どう動いたか。連続する行動からその人の意図を読み解き、最適な提案や体験へとつなげていく——。これは、プレイドが創業まもない頃から「アクショングラフ」という仮説に賭け、データをリアルタイムで活かす基盤を積み重ねてきたからこそ描ける世界でした。 なぜ、まだ誰もリアルタイム処理を必要としていなかった時代に、最も難しい選択をあえて取ったのか。 パーソナルデータを扱うか、分析をリアルタイム前提にするか——創業期の意思決定が、いまのAI時代にどう効いてくるのか。 お話を伺うなかで見えてきたのは、外部環境に合わせてアプローチは変わっても、最初に掲げた問いそのものは10年以上ブレていないということ。その一貫性こそが、AI時代の差別化を支えているように感じました。 顧客中心主義を起点に事業を築いてきた倉橋さんは、AI時代のプロダクトの価値をどこに見ているのか。 あるべき姿をブレずに掲げ続けたからこそ、過去の意思決定がいま強固な差別化に効いてくる——その手触りが得られる回です。 【アジェンダ】 (1:37) 倉橋さん自己紹介とプレイドの事業概要(3:43) AI時代、プレイドの戦略の「一丁目一番地」はどこか(6:36) なぜ「カスタマーデータ」が差別化の源泉になるのか(11:06) 行動から意図を読み解く―10年来の仮説「アクショングラフ」とは(16:56) 過去の意思決定はなぜAI時代にハマったのか―創業から貫く戦略思想 【ゲストプロフィール】 倉橋 健太 / 株式会社プレイド 代表取締役 CEO 1983年大阪府生まれ。2005年同志社大学卒業後、楽天株式会社を経て、2011年にプレイドを創業し、代表取締役CEOに就任。2015年に企業のカスタマーデータ活用を支援するクラウドソフトウェアの提供を開始し、その後、戦略策定から実行までを担うコンサルティングサービスも展開。2019年の米Googleからの出資を経て、2020年に東証マザーズ(現:東証グロース市場)に上場し、「IPO of the Year 2020」を受賞。プレイドグループとして、2024年には年間経常収益100億円を突破し、大手企業を中心に支援企業は1,000社を超える。「データによって人の価値を最大化する」をミッションに、プレイドグループ全体で企業の顧客中心経営の実現を推進している。

  7. Jun 18

    FDEはなぜ生まれたか―Palantir出身者と解く、AI時代の新たなモデル

    今回のゲストは、LayerX AI Workforce事業部でFDE Enablerを務める大治慶晃さん。FDE(Forward Deployed Engineer)の元祖とも言われるPalantirで、実際にFDEを務められた経験をお持ちです。 エンジニアでもなく、コンサルでもない。顧客の現場に深く入り込み、課題の定義から実装、成果創出までを一気通貫で担うFDEという職能が、AI時代の事業づくりにおいて注目を集めています。 しかし、その実態は驚くほど曖昧です。大治さん自身も、「FDEとはこうだ」という厳密な定義は存在せず、顧客課題に向き合い、手を動かし続けた結果として生まれた形なのだと語ります。 なぜこの中間領域が、LLM時代に成立しやすくなっているのか。PalantirとLayerXのFDEは何が違うのか。LayerXのFDE組織はいま何合目にあり、30人、100人と拡大していくときに何が最大のリスクになるのか。 そして話題は、最も本質的な問いへ。すべてのAIスタートアップがFDEを取り入れるべきなのか―大治さんの答えは「いらないケースも多い」でした。 FDEは、名前をつければ機能する魔法のロールではありません。自社が解くべき課題、プロダクトのあり方、顧客との向き合い方に合わせて、現実の組織にどう落とし込むのか。 FDE/DSモデルを検討するすべての事業づくりの現場に届けたい、FDEというモデルの成り立ちから、実装現場のリアルまで考える回です。 【アジェンダ】 (1:40) 前回のおさらいと今回の趣旨(2:50) 大治さん自己紹介、FDE Enablerとは(4:30) なぜ今、FDEは広がっているのか(6:10) PalantirにもFDEの定義はない…?(6:44) FDEモデルの3つの肝(9:24) Palantirはどう値付けしているのか―SIでもSaaSでもない課金の正体(11:43) LayerXのFDEモデルは何合目か―日本版FDEモデルの在り方(16:39) FDEとDSは何が違い、どう組むのか(19:30) FDEは案件で最初に何をするのか(20:26) FDE人材のバックグラウンドと必要要件(23:53) AIスタートアップはFDEモデルを取り入れるべきか(27:09) FDE組織構築は何から始めるべきか 【ゲストプロフィール】 大治 慶晃 / 株式会社LayerX Ai Workforce事業部 FDE Enabler UC Berkeley卒業後、米スタートアップや個人事業主を経て、Palantir Technologies JapanにFDEとして入社。数々のエンタープライズ案件に従事した後、2026年よりLayerXに参画。現在は「FDE Enabler」として、FDEの組織文化作りやコーチングを担当。 【参考記事】 AI予算はなぜPalantirに集中するのか —「差別化としてのFDEモデル」を徹底解剖 【LayerX採用サイト】⁠https://jobs.layerx.co.jp/

  8. Jun 11

    FDEモデルのキモはプロダクトにあり―LayerXに学ぶ「先行投資」の本質

    今回のゲストは、LayerX AI Workforce事業部でDeployment Strategist(DS)部の部長を務める小林誉幸さん。 顧客に深く入り込み、一社ずつ業務に合わせてAIを実装していく「FDE/DS」というモデル。一見すると、人を投じる受託やコンサルティングのようにも映ります。 しかし小林さんが語ってくれたのは、その本質は「プロダクトへの先行投資」にあるという整理でした。 プラットフォームが強くなるほど、デリバリーは速くなり、コストは下がり、より少ない人数で難しい案件に対応できるようになる。1〜2年かけて投資しきることが、後の回収とスケールを生む――FDE/DSモデルの経済構造を解き明かしていただきました。 さらに話題は、プロダクトの「中核」がどこにあるかへ。 かつて優位性の源泉と考えていた「スキル」は、基盤モデルの進化によって、その価値が長くは続かない。いま小林さんが最も重要だと捉えるのは、データをどう蓄積するかという「ナレッジ」の設計です。 トークンコストとプロダクト設計、汎用化と個別最適の線引き、コンサル出身者をプロダクト思考へどう導くか―― AIを実装し、事業としてスケールさせるうえで、プロダクトは何を担うのか。事業の設計そのものを問い直す視点をいただきました。 【アジェンダ】 (1:30) DS部長としての役割と、これまでのキャリア(3:30) 「コンサル」と何が違うのか ― DSを「特定ドメインのCPO」と定義し直した理由(7:49) なぜプロダクトを刷新したのか、モデル進化を見越した先回り投資の中身(13:54) プロダクトの中核は何か、ナレッジ・スキル・ツール・UIの4要素(16:10) ナレッジの正体は単純なRAGか、Palantir型の構造化か(19:53) トークンコストが事業を決める時代のプロダクト設計(22:29) どこを汎用プロダクトに残し、どこを個別実装で切るか(25:21) DSの権限とKPIをどう設計するか、AE・FDEとの役割分担(29:03) コンサル思考にどうプロダクト思考を併存させるか(31:31) GTM戦略 ― 既存システムとの共存と注力セクター(34:16) FDEモデルの「高いNRR」はどこから生まれるのか(36:52) コンサルとの決定的な違い、「先行投資」はどこにあるのか 【ゲストプロフィール】 小林 誉幸 / LayerX Ai Workforce 事業部 Deployment Strategy 部長 東京大学法学部卒業後、日本銀行に入行し、経済調査や政府統計、決済制度の企画立案などに携わる。三菱UFJリサーチ&コンサルティングでの戦略コンサルタントを経て、2020年に弁護士ドットコム入社。クラウドサインを担当する執行役員として事業戦略やプロダクトマーケティングを管掌。 2023年12月にAi Workforce事業部の立ち上げメンバーとしてLayerXに入社。 【LayerX 採用サイト】 https://jobs.layerx.co.jp/

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