Submits.life

Submits.life

Submits.life(サブミッツ・ライフ)は、ヒトの学びをAIで支援する研究者たちが、論文を投稿しながら生きる日々の中で感じたことや考えたことを話すPodcastです。研究室のふとした雑談、ときにはゼミのような熱量で、AIとヒトの知性をめぐる大きな話から、研究・教育・暮らしの小さな気づきや悩みまでゆるく話します。 私たちの研究分野は知的学習支援システム(Intelligent Tutoring Systems, ITS)。 一人ひとりに合わせた学習支援をAIで実現する、すなわち「賢い家庭教師をコンピュータで作る」学際的な研究です。 (出演) koike: 博士(工学)・大学教員。専門は「柔軟な問題解決」と「システム設計知の汎化」。 abura: 博士(情報学)・大学教員。専門は「メタ学習支援」と「わかったつもり」。 kunori: 博士学生。専門は「創造性」と「思考の振り返り」。 --- おたより(フォーム): https://forms.gle/m5yYXQmUWfL3qx7Q6 おたより(メール): submit [at] submits.life Webサイト: https://submits.life/

  1. 1d ago

    34. 生産性 vs. "生成AIっぽい"と思われたら終わり

    今回は前半が「最近の動向」(体調不良と、研究費の採択)、後半が「生産性向上の工夫」。Notionでの学生フィードバック管理から、足場掛けとフェーディング、「生成AIっぽさ」問題、自作ポモドーロや紙と万年筆、論文を自動収集する自作システムまで、3人で持ち寄りました。 Chapters (00:00) 最近の動向:体調不良とワンオペ (04:44) 博士課程と教員、どっちがしんどい? (08:04) aburaのSPReAD採択と研究費エコシステム (17:31) メモリ高騰と大学のPC廃棄問題 (21:22) 本題「生産性向上」:Notionで学生フィードバック管理 (26:23) 足場掛け・フェーディングと、育成と効率のトレードオフ (34:45) 「生成AIっぽさ」問題:中身と体裁の分離 (44:03) アナログ術:自作ポモドーロ・紙と万年筆・ビジュアル思考 (48:09) 言語化しすぎない、「エモい」とメモ論 (51:47) 自作の論文収集システム・RSS・フィルターバブル Show notes SPReAD(AI for Science 萌芽的挑戦研究創出事業)… 文科省の研究費。1課題500万円以下・半年規模で約1,000件採択。2026年第1回は応募1.5万件超・採択456件=採択率約3%。aburaが採択。SPReADARiSE(AI for Science 革新的研究推進事業)… SPReADより大型の、チーム/共同研究向けのAI for Science事業(JST)。※番組の「アライズ/ALIGN」はARiSE(アライズ)の言い間違い。ARiSEJST SPRING/CREST/科研費(若手研究・基盤C)… 登場した研究費。SPRING=博士学生支援、CREST=JSTの大型チーム研究費、科研費=JSPSの若手研究・基盤C。Notion… ノート/データベース管理ツール。kunoriは学生フィードバックの管理(コメントと反映ステータスのDB化)に使用。Notion API×LLM APIで議事録から自動抽出する構想も。Notion足場掛け(スキャフォールディング)/フェーディング… 認知的徒弟制の一部。学習者を支える「足場」と、習熟に応じてそれを徐々に外していくこと。支援に頼りきると手続きが本人に残らない、という懸念とセットで語られる。ハーネスエンジニアリング… LLMの周りに組む足場(ツール実行・検証・ガードレール等)の設計。出力を説明・検証できれば中身はAIに任せてよい、という発想。Anthropicの解説視覚的思考者と言語的思考者… 絵で考える人と言葉で考える人、という認知スタイルの区別(koikeは自分を前者だと自覚)。ポモドーロ・テクニック… 25分集中+短い休憩を繰り返す時間管理術。koikeは優先度を「!」の数で表記するmd形式の自作タイマーを使用。ポモドーロZotero… 文献管理ツール。iPad等でPDFにハイライトしながらコメントを残すことで、あとでメモを一括出力できる。Zoteroエモい… 感情に名前を付けず、「感情が動いたこと(デルタ)」そのものを表せる言葉。考えている途中で言語化しすぎない方がよい、という話の中で。フィルターバブル… アルゴリズムが好みに合う情報ばかり見せ、視野が狭くなる状態。aburaは各誌のRSS/最新号を生成AIでパースする論文自動収集システムを自作。フィルターバブルメタ認知的怠惰(Metacognitive Laziness)… 第29回で扱った概念(Fan et al. 2025)

    1 hr
  2. 5d ago

    33. 回復に課金する

    今回はゆるい趣味・ガジェット雑談。Ep31. + 32.の収録後のおまけ回。最近はもっぱら「いかに回復してハッピーになるか」に課金しがち、という我々が、香水・ルームフレグランス、椅子とベッド、そして自作キーボード沼まで、買ったものを並べて語りました。 Chapters (00:00) ながら作業ができない(タクシー広告も消す) (02:44) 最近の趣味は「回復」と睡眠 (04:15) 香水・ルームフレグランス (07:59) 回復系プレゼントと研究室の椅子 (09:09) 椅子・ベッド沼(アーロン/エマスリープ/研究費の壁) (14:43) 自作キーボード沼とアーティザンキーキャップ Show notes ながら作業ができない… 二人とも、音や動くものがあると注意を全部そっちに持っていかれてダメ、というタイプ。タクシー後部座席の広告は左下の目のマークで消せる、という小ネタも。VALORANT(バロラント)/Masters London… RiotのタクティカルFPSと、その国際大会VCTの「Masters」。冒頭で話したのは2026年6/6〜6/21・ロンドン(Copper Box Arena)開催のMasters London。回復系への課金… 最近の趣味は、能動的に何かするより「いかに回復してハッピーになるか」。研究者同士のプレゼントも椅子や枕など回復系に偏りがち、というあるある。SHOLAYERED(ショーレイヤード)… aburaお気に入りの香水/ルームフレグランスのブランド。店頭の「香水ガチャ」(500円)や、フレッシュペア(梨)・シャンパンなど柔らかい香りが特徴。SHOLAYEREDエマスリープ(Emma Sleep)… koikeが京都赴任時に買ったマットレス(ベッドフレーム含めて、当時約18万(うろ覚え))。「まとまったお金ができたら真っ先に買え」と推す回復系の筆頭。Emma Sleepオフィスチェア沼(アーロン/エルゴヒューマン/シルフィー)… koikeが使ってきた・薦める椅子。本命はハーマンミラーのアーロン(メッシュ=骨盤への耐圧分散。ただしアメリカンサイズで体に合うか要注意、同メーカーのセイルチェアなら約99,000円のことも)。以前はエルゴヒューマン、体に合わなかったのがオカムラ シルフィー。※商売道具なのに、研究費だと10万円超の椅子が買えないというあるあるも。自作分割キーボード沼(Cornix/ErgoDash)… 親指側にキーが集まる分割キーボード。Emacs民の小指のつらさ対策にもなる。番組の「コルニクス」は完全無線・アルミ削り出しのCornix(Cornix LP)、もう一方は秋葉原で自作(はんだ付け/ホットスワップ)したErgoDash。アーティザンキーキャップ(Dwarf Factory)… 樹脂の手作りキーキャップ。ドラゴンやクジラ、クリスタル系など1個6000円〜。番組で言っていた「ドワーフファクトリー」はDwarf Factoryのこと。Emacs… 老舗のテキストエディタ。aburaはClaude Code(クロードコード)もEmacs上で動かしていて、一度離れかけたが生成AI時代にむしろ出戻った。GNU Emacs

    21 min
  3. Jun 28

    32. アンドロイドは電気羊の夢を見たか

    今回はまるごと映画『ブレードランナー』回(※ネタバレを大いに?含みます)。きっかけは飲み会で勧め(られ)た『ブレードランナー2049』で、原作小説からレプリカント、恋人AI「ジョイ」、そして「本物とは何か」まで、AI研究者3人で語り倒しました。 Chapters (00:00) 原作『電気羊』とブレードランナー (05:49) ブレードランナー2049のあらすじ (11:57) 恋人AI「ジョイ」 (15:52) AIに人格を見出す時代とAI倫理 (17:54) SFが科学を駆動する(ドラえもんを作る) (19:44) 推しキャラ「ラブ」と寡黙な演出 (22:40) Claudeで読み解く/自己同一性とエマネーター (32:54) どっちから観る?本物とは何か Show notes アンドロイドは電気羊の夢を見るか… Philip K. Dick の1968年のSF小説で、ブレードランナーの原作。核戦争後のディストピアで、人間とほぼ見分けのつかないアンドロイドを描く。原作ブレードランナー(1982)/2049(2017)… リドリー・スコットによる映画化(1982)と、ドゥニ・ヴィルヌーヴによる30年後を描いた続編(2049/2017、約2時間44分)。今回は主に2049の話。レプリカントとタイレル社・ウォレス社… 人造人間=レプリカント。旧製造元タイレル社のNexus-6は4年の寿命付きで、フォークト・カンプフ検査(質問で共感反応を測る)で人間と見分ける。倒産後はウォレス社が引き継ぎ、寿命無制限のNexus-8や、従順に作られたNexus-9(主人公K)が登場する。「ブレードランナー」は逃げたレプリカントを“解任(処分)”する警察官の呼称。恋人AI「ジョイ」とエマネーター… 2049に出るウォレス社製のホログラム恋人AI(量産型)。普段は家の投影機から出られないが、持ち出し用の小型プロジェクター「エマネーター」で外へ連れ出せる。本体をサーバーに残すか機器に移すか、という“どこに自分がいるのか”の葛藤も描かれる。ラブ(Luv)… ウォレスの秘書兼・実行役のレプリカントで、koikeの推し。アンドロイドで唯一「名前」を与えられた存在として、その忠実さと、自分の拠り所がそれしかない空虚さの心理描写が見どころ。フェイブルとミトス(Ep.30の続き)… koikeが作品を、前回のAnthropicのモデルになぞらえた整理。従順に作られたウォレス製レプリカント=Fable、寿命無制限で“何でもできる”旧型Nexus-8=Mythos、という対応。SFが科学を駆動する:大澤博隆先生・大澤正彦先生… koikeが挙げた、AIとSFをつなぐ研究者2人(別人)。大澤博隆(慶應大教授、日本SF作家クラブ元会長)と、大澤正彦(慶應大卒・日本大学助教、『ドラえもんを本気でつくる』)。AIを恋人と思い込んだ末の自殺… aburaが触れた海外のニュース。AIチャットボットに恋人として強く依存した末に亡くなった事例で、中身はブラックボックスでもインターフェースがそれっぽければ人は人格を見出してしまう、という前回の話の延長として。2024年に米国で大きく報じられたCharacter.AIをめぐる10代の事例などを指すと思われる。本物とは何か:胡蝶の夢・水槽の脳・シミュレーション仮説… 「自分が見ている世界は本物か」を問う思考実験群。荘子の胡蝶の夢、Putnamの水槽の脳(1981)、Bostromのシミュレーション仮説(2003)。作品が突きつける主題そのもの。

    35 min
  4. Jun 25

    31. 指導教員は推せるか

    前回の「公共性の高い人格」の続きから、気づけば107分。教員と学生の関係づくり、ブランディングと「推し」、見せ方(インターフェース)、AIに話を聞いてもらう感覚、音楽アワードと「一貫性」、そして成績評価の外部化や研究室のガバナンスまで、今回もkunoriを交えて延々と話しました。 Chapters (00:00) 「公共性の高い人格」と関係づくりのパターン (05:41) オン/オフ一体化、距離と摩擦のトレードオフ (07:41) 組織と個人の利益、自由度を縛る問題 (12:18) シラバス・事前合意と事前登録(プレレジ) (17:14) 平等と公平、単位=免許とマイクロクレデンシャル (20:49) ブランディングと「ファン」化 (27:53) インターフェース論:見せ方と「怖い・冷たい」 (37:40) AIメディエイテッドコミュニケーション(WOZ・チューリング) (42:07) ミュージックアワードと推しアーティスト (48:14) アーティストの「一貫性」と推し活=投資か感謝か (57:25) 教育・研究室を「推し活/後払い」で設計できるか (1:07:34) 変化を明示する責任と「プロトコル」 (1:12:46) 浅いファン・全肯定と、偶像を偶像のままに (1:19:58) 成績評価の外部化と外部監査・PhD (1:27:43) 頑張りか成果か、分野ごとの評価としつけ (1:34:52) 講座制と心理的安全性 (1:40:22) 三権分立・組織論とチームの実行力 Show notes 公共性の高い人格… 前回からのキーワード。人前に出る立場(教員・芸能人など)ほど人格の「公共性」が上がり、逸脱しづらく人間味も出しづらい。今回の出発点。関係づくりの型(家族・教祖・推し)… 学生と信頼を築く形態の呼び分け。家族(第二の親)/教祖と信者/インフルエンサーとファン。事前登録(プレレジ / preregistration)と OSF… 研究のリサーチクエスチョンや分析手続きを始める前に登録し、後出しのPハッキング・HARKingを防ぐ仕組み。代表的なプラットフォームが OSF(Open Science Framework)。平等(Equality)と公平(Equity)… 全員に同じ踏み台を配る(平等)か、背の低い人ほど高い踏み台を配る(公平)か、というフェンス越し観戦の図でおなじみの対比。前回の「個別最適と公平」の続き。デザイラブル・ディフィカルティ(望ましい困難)… 学習者がちゃんと伸びる“ちょうどよい難しさ”。認知心理学者 Robert Bjork が提唱。Desirable difficultyマイクロクレデンシャル… 学士・修士より細かい粒度で能力を認証する仕組み。電子バッジ(Open Badges)としてMoodle等で発行・配信する。落合フォーマット(落合陽一)… 筑波大・落合陽一先生が公開している論文の読み方・授業運営。難易度を学生が選べる「仏/人間/鬼コース」が知られる(番組の「ハード/優しいモード」はこれ)。Digital Nature GroupAIメディエイテッドコミュニケーション/WOZ法… AIが書いた(とされる)返信ほど「聞いてくれてる感」が出るのに、AIだと分かると評価が下がる、という研究。中身は人間が操作してAIに見せる(逆も)ウィザード・オブ・オズ法で検証する。Liu et al. 2022 (CHI)/Hohenstein et al. 2023。関連して中国語の部屋(Searle)・チューリングテストも。ミュージックアワードジャパン(2026)… 2025年に始まった「グラミー賞の日本版」(公式)。第2回の主な受賞は、最優秀アーティスト=ミセスグリーンアップル(2連覇)、最優秀楽曲=サカナクション「怪獣」、ヒップホップ/ラップ=クリーピーナッツ、ニューアーティスト=HANA、アジア楽曲=HUNTR/X「Golden」。※収録ではkoikeが米津玄師「IRIS OUT」をアジア楽曲賞でGoldenと競ったと話すが、IRIS OUTは同賞のノミネートではなく別部門(最優秀J-POP楽曲ほか)受賞で、直接対決ではなかった。HANA… ちゃんみな(CHANMINA)プロデュース、オーディション「ノーノーガールズ」発の7人組(2025年デビュー、デビュー曲「ROSE」)。HANA。※収録の「ちゃんみん」は正しくは「ちゃんみな」。K-POPデーモンハンターズ「Golden」… Netflixの2025年アニメ映画の劇中グループ HUNTR/X(ハントリックス)の曲。Billboard Hot 100/Global 200で1位、Netflix史上最多視聴の世界的ヒット。Golden一貫性と推し活=投資か感謝か… 「音楽性が変わった=一貫性がない」批判をめぐる論点。推し活は事後の対価(お布施)か、投資か。受け手と払い手で“契約”が食い違うと不満になる。ウェブ小説の「作者買い」も同じ構図。教育=後払い(お布施)… 研究室教育は事実上の後払い構造(学生の頑張りが研究費・業績として後で返る)。だから配属前の授業が効く、「最高に面白い授業をやれ」という結論に。プロトコル(コミュニケーションのプロトコル)… aburaの言い換え。「インターフェース」も「一貫性」も、どんな入力にどんなアウトカム/エフォートが返るか=契約可能か、という話。講座制と心理的安全性… 主評価者(ボス)が優しく、評価権のないサブが厳しいことを言える指導体制。サブが厳しい分には上位者がケアでき、心理的安全性を保ちやすい。インパクトファクター/Q1・Q2ジャーナル… 雑誌の影響度指標と、その四分位ランク。番組では「専門家の中ではQ区分より中身で評価される」という文脈で登場。

    1h 48m
  5. Jun 11

    30. Around Thirty, Not a Fable

    真面目な回が続いたので、ゲストにくのりんを迎え、久々に肩の力を抜いた雑談(?)回。研究者のメンタルの浮き沈み、生成AIに詰められる「グリルミー」、30代で来るフィジカルのガタ、研究のタコツボ化、研究室の「色」、そして教員という「公共性の高い人格」まで、とりとめなく話しました。 Chapters (00:00) 久々の雑談と、研究者のメンタルの浮き沈み (06:26) グリルミー:AIに詰められる (17:46) 30代、フィジカルにガタが来る (20:59) メンタルとフィジカルのシーソー (23:10) タコツボ化と研究の「形式化」 (25:01) 研究室の「色」とブランディング (28:55) 研究会は「意見をもらいに行く」場 (33:00) 研究者の動機と、興味への引き寄せ (38:35) 公共性の高い人格と教員の立場 Show notes kunori(くのりん)… 今回のゲスト。博士課程4年。koikeやaburaと同じく知的学習支援システム(ITS)まわりの研究者で、今後も登場するかも。単位取得退学… 博士課程の単位を取りきって退学すること。aburaの大学の場合:そこから1年以内に学位論文を通せば課程博士、過ぎると論文博士扱いで難易度が跳ね上がる。aburaが一番ヒリヒリしたのは、この最後のジャーナルの採録待ちの時期だった。グリルミー(Grill Me)… 指示や考えを一問ずつ執拗に問い詰めてくる、Matt Pocock作のClaude Codeスキル(mattpocock/skills)。「私を焼いてください」=grill me(本来はgrill = 尋問という意味)。koikeが自分用にカスタムして研究ビジョンを相談したら、ととある「大先生」に詰められている気分になってそっと閉じた。後で気づいたのは、きついのは中身より「言い方」で、隙のないロジックと冷たい語尾のセットがトラウマを疼かせる、ということ。本来(?)は開発の仕様固め(plan modeの代わり)に使う道具。ムーザルのプログラミング絶望ラジオ… koikeがグリルミーを知ったポッドキャスト(Spotify)。grill-meは「#44 grill-meで曖昧さを排除しよう」で紹介されていた。(収録ではkoikeが番組名を「絶望プログラミングラジオ」と少し言い間違えている。すみません。)Fable / Mythos(Anthropicのモデル)… koikeがグリルミーを試したのは、収録前日(2026/6/9公開)の新モデル Fable 5 の力試しも兼ねて。Fable 5とMythos 5は中身は同じモデルで、危険な用途(サイバー・生物・化学など)を安全側に振り分ける安全策を付けて一般公開したのがFable、その制限を一部外して限られた防御者向けに絞ったのがMythos(一般非公開)。koikeの「Mythosに安全策を足したのがFable」という整理はおおむね正しい。名前も神話(Mythos)と寓話(Fable)で、どちらも語源は「語られた物語」だが、koike的には、「Fable」に「うそ」という意味が入ってるのがちょっと気になる年頃。抱き癖(だっこの左右差)… koikeの左肩痛の犯人(説)。片腕ばかりで15キロの子を抱いていると左右の筋力差が広がり、体のゆがみにつながる。子育て中の人は気をつけて。メンタルとフィジカルのシーソー… メンタルが良いとフィジカルが落ちる、という30代のkoikeの実感。25〜30歳くらいが両方のピークで、今ちょうどその均衡が崩れるタイミングにいる。タコツボ化… 同じ思考回路ばかり使って、そのルートにしか入れなくなること。kunoriの「考え方が形式化されすぎている」という漠然とした不安がこれ。ただしその不安自体は認知が活性化しているサインで、むしろ健全。何も思わなくなる方が怖い。研究室の「色」/ブランディング… 「これはうちじゃないよね」を明示的に共有して、研究室のアプローチをはっきりさせること。aburaの研究室はオントロジー工学・知識構造・思考タスクの設計を軸に、3年生の段階から議論する。明確な色は博士課程の不安への対抗策になる一方、閉じこもり(タコツボ化)の温床にもなる諸刃。「意見をもらいに行く」場… 研究会も国際会議も、本来は「どこかに通せばいい」ではなく意見をもらいに行く場。論文や採択という「形式」を目的化せず、公表していい議論につなげるのが筋。そもそもkoikeが研究者になった動機が「楽しく議論したいから」。テニュア… 任期なしの安定ポジション。koikeはテニュアになって競争由来の不安が薄れた(もともとあまり競争してこなかったのもある)。自分に引き寄せる/マズローのハンマー… 興味の薄い仕事(共同研究やお金のための研究)を、自分の関心(モデル化など)に引き寄せるスキル。ただし引き寄せすぎると最初のタコツボ化に逆戻り。「ハンマーを持つと、何でも釘に見える」=道具の法則(マズローのハンマー)に注意。AI for Science 萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD)… aburaが応募した、AI活用研究にお金をつける文科省の公募(SPReAD)。1課題500万円・半年規模で約1,000件。普段なら考えない「AIを使う」視点で自分の研究を眺め直すと、面白い切り口が見つかる、というストラテジー。公共性の高い人格… 教員という看板を背負うと、人格の「公共性」が勝手に上がって、俗っぽい自分が好き勝手に喋りづらくなる(窮屈さを感じる)、というkoikeの言葉。このポッドキャストでの喋り方も含めて、立場が表現の自由度を下げる、という話。個別最適性と公平性(教員と学生の距離)… 「密室指導は控える」「学生と関係を密にしすぎない」といったルールは、成績・学位・キャリアを左右する力の非対称を前提に、ハラスメントや不適切な関係から学生を守るためのものです。番組では「オーバーケア」という言葉を使いましたが、これは適切ではなかったかもしれません。ルールが要らない・過剰だと言いたいわけではなく、伝えたかったのは、教員と学生の距離を「個別最適性」と「公平性」のトレードオフとして見たい、ということです。個別最適性は、一人ひとりの関係性に合わせて距離やケアを最適化する方向です。公平性は、全員に一律で予測可能な線を引き、えこひいきや力の濫用を防ぐ方向です。全員に同じルールを当てはめる公平性のやり方には、本来そこまで必要のない人にまで一律にかかるコストがあり、ルール通りに徹底すると教員は冷たくならざるを得ず、いずれ「それなら全部AIでいい」になりかねません。心理的安全性や率直な指導は、オフの交流(雑談や食事など)の積み重ねから生まれる部分もあるので、できれば個別最適の側に寄せたいところです。とはいえ、その個別最適を力を持つ側の裁量に委ねること自体が濫用の温床になります。なので、公平性の最低ライン(線引き)は外さないこと、配慮の負担は力を持つ側が引き受けることを前提に、そのバランスを取るしかありません。ただ、それは非常に難易度が高く、ともすれば現実的ではないタスクだと思っているのが率直なところです。

    44 min
  6. Jun 3

    29. メタ認知、外注しました。

    生成AIに頼るうちに、「自分はちゃんと考えられているか」と見張る役目、つまりメタ認知まで、いつのまにか丸ごと外注してしまっていないか。2024年に提唱された「メタ認知的怠惰(Metacognitive Laziness)」を軸に、その正体や、放っておくと能力が伸びるどころか衰えていく怖さ、それをどう防ぐかを、研究室教育の実感もまじえて話しました。 Chapters (00:00) メタ認知的怠惰とは (05:43) 問題解決の複雑さ (07:51) 生成AIと怠惰の定義 (10:24) 能力を増幅しない怖さ (13:55) 怠惰を防ぐ方法 (18:04) 学びを見せる教育 (22:13) 選択肢を早めに示す Show notes メタ認知(Metacognition)… 自分がいま何を考えていて、どこが分かっていないのかを一段上から眺めて立て直す力。いわば「思考についての思考」。番組でも「"メタ認知って何?"と聞かれるくらい、世間にはまだ浸透していない」という話が出た、議論の土台になる概念です。Flavell (1979). American Psychologist, 34(10), 906–911 メタ認知的怠惰(Metacognitive Laziness)… 今回の主題。生成AIに頼りきって、本来は自分でやるべき「これで合っているか」という見直しまで丸投げしてしまう状態のこと。大学生117人に英作文を書かせた研究では、ChatGPTを使ったグループは小論文の点数こそ一番伸びたのに、知識の定着や応用、やる気の面では他のグループと差がつきませんでした。Fan et al. (2025). British Journal of Educational Technology, 56(2), 489–530(arXiv:2412.09315)。なお「怠惰」そのものを直接測る指標はまだなく、学習の過程を分析して推し量ったもの、と著者自身も断っています。 ラーニングアナリティクス/Dragan Gašević… 学習のログを集めて分析し、学びを読み解いて改善する研究分野。メタ認知的怠惰の論文で最終著者であったDragan Gašević(モナシュ大)は、この分野の第一人者の一人です。番組ではRyan BakerやPhilip Winneといった同分野の巨匠たちの名前も挙がりました。 電源マークの正体… 「I(オン)」「O(オフ)」は国際規格IEC 60417で決められた図記号で、もとは2進数の1と0に由来します。番組で出た「温泉マークから湯気を2本引いたようなやつ」は、欠けた円に縦棒を組み合わせた⏻=スタンバイ(待機)の記号のことです。 定義をめぐる行ったり来たり… 中盤では、二人が「メタ認知的怠惰って結局どういうことか」を手探りで詰めていて追いづらいと思うので補足です。はじめはkoikeの電源ボタンのたとえや「一度やったことを覚えない」という記憶の話で捉えようとしますが、それは"基本的な認知能力の不足"や"能力が増幅されないこと"の話で、「怠惰」とは少しズレると気づきます。途中で「そもそも生成AIがなくても成り立つのでは」「怠惰が先か」と脱線もしますが、AI抜きだとただのメタ認知の有無の話になってしまうので、生成AIと向き合う中でこそ起きることだと確認し直します。次に「問題解決そのものをAIに丸投げすること」と置いてみますが、これも広すぎる。最終的に、メタ認知ができるはずの人が、出来上がった状態を「これで合っているか」と吟味しなくなること、という線に落ち着きました。似て非なるものとして切り分けられたのが、AIを賢いと信じて判断ごと預ける「認知的降伏」です。 自己調整学習(Self-Regulated Learning / SRL)… 自分で目標を決め、進み具合を確かめながら、やり方や気持ちを調整して学んでいくこと。メタ認知的怠惰は、この「自分で舵を取る」部分をAIに明け渡してしまう現象だとも言えます。Zimmerman (1990). Educational Psychologist, 25(1), 3–17 認知的オフロード(Cognitive Offloading)… 電卓やメモ、AIなど外の道具に頼って、頭の負担を軽くすること。便利な反面、頼りすぎると自分で考えたり見直したりする力が働かなくなります。Risko & Gilbert (2016). Trends in Cognitive Sciences, 20(9), 676–688 認知的降伏(Cognitive Surrender)… AIの答えをろくに吟味せず、「自分より賢いんだから」と判断ごと明け渡してしまうこと。番組では、メタ認知的怠惰とは別の概念として挙がりました。自分の意志で作業を任せる認知的オフロードとは区別されます。Shaw & Nave (2026)(プレプリント/査読前) 知能増幅(Intelligence Amplification / IA)… 道具を使って人間そのものを賢くしていこう、という考え方。人の代わりに考えるAIに対して、IAは人を伸ばす方向を向いています。番組では「生成AIと過ごすうちに人間の側が伸びるのか、それとも衰えるのか」が論点になりました。Ashby An Introduction to Cybernetics(1956)が語源で、人と道具を一体で広げるという見方ではEngelbart Augmenting Human Intellect(1962)も知られています。 受け身の基準(passive criteria)… AIが出してきたものに「これくらいの水準はいる」「なぜそのままじゃダメか」と基準を示して突っ込む、研究室で昔から行われてきた受け身の介入。確実だが、AIの出来が基準を満たすようになると素通りされる弱さがある、とkoikeは指摘します。これを補うのがより能動的な働きかけで、練り直す過程を楽しそうに見せる、信頼する相手に成果を認めてもらう、節目で選択肢を早めに示す、といった方向。土台には「自分は今怠けているかも」と気づくこと自体の効果(Fanら)と、概念そのものの啓蒙があります。 鶏卵問題… メタ認知的怠惰が極まるほど、そこから抜け出すのに要る「自分から動く・できる人に聞く」こと自体ができなくなる堂々巡り。だからこそ、節目での介入や選択肢の提示、概念の啓蒙が要る、という後半の難所として挙がりました。

    26 min
  7. May 20

    28. 生成AI時代の電卓論争

    生成AIが当たり前になった時代に、研究室・大学教育はどうあるべきか。プログラミング教育の変質、ゼミの「脱デジタル化」、AIをディレクションするスキル、学ぶ意義の伝え方などについて、現場の実感ベースで語りました。 Chapters (00:00) 生成AI論文の蔓延(IJAIED) (01:57) データ化批判(Williamson) (04:46) ディレクター vs マネージャー (06:39) 思考プロセスの形式化 (12:01) 結果と過程/自己効力感 (14:14) AlphaGoとCWC・改造アイルー (17:34) 算数と電卓のアナロジー/Two-Lane Approach (22:34) 紙のゼミ (29:16) 共同注視と共体験のデザイン (34:42) プログラミングはファンダメンタルか (38:02) 概念レベルプログラミング(CLEPE) (46:30) DeepMindのAGI評価フレーム (51:26) 米国大学の試験伝統崩壊 (55:18) ARCSモデルと学ぶ意義 Show notes 生成AI論文の蔓延(IJAIED)… aburaの実感:トップジャーナルでもタイトルに"Generative AI"が含まれる論文が8割近く。「使ってみた」系を避けて読む癖がついた。注目したいのは、生成AIを道具として組み込んで何を新しく明らかにしたか。データ化される教育… 教育が最適化対象になり学習者の思考スキルが矮小化される、というWilliamsonらの警鐘をkoikeが論文で引用。Williamson, Bayne, & Shay (2020). Teaching in Higher Education, 25(4)マネージャー vs ディレクター… 生成AIを使いこなすには、段取りを組む「マネジメント」ではなく、最終プロダクトの方向を決める「ディレクション」が要る。映画監督がカメラの動かし方を知らなくても撮りたい「画」は分かっている必要があるのと同じ。「生成AIがあるから勉強しなくていい」と先生が言うのはまずい、というkoikeの立場。 思考プロセスの形式化… aburaの研究観:成果物が満たすべき制約と、そこに至る思考プロセスが満たすべき制約は別物。後者こそ「ディレクション」の本体で、研究者ですら言語化していないことが多い。結果と過程/自己効力感… 生成AIは「過程」の価値を矮小化する。資本主義では出来上がったものが全てだが、人のモチベーションや自己効力感は過程に宿る。使えば一瞬で終わる状況であえて使わせない/使いつつも自信の持たせ方を再設計する、というデザインが要る。 AlphaGoとCWC・改造アイルー… AlphaGoが囲碁を解いてもプロ棋戦の意義は消えない。一方、PSP時代のCWCheatで出回った改造アイルー(破壊的な攻撃力のオトモを生成、自分で殴らなくても戦闘が一瞬で終わる)は体験そのものを無くす行為。果たして面白いのか? ゲームは手段が目的だから留保はつくが、生成AIに対して抱く手触りと地続き。算数と電卓のアナロジー… koikeの立場:基礎を通らないと上には積み上がらないから、小学校では電卓を使わせない時間がある。生成AI時代も評価が「AIあり前提」のものだけになれば、学習者は当然そこに最適化してしまう。Two-Lane Approach(シドニー大)… koikeが講義設計で調べて知ったシドニー大学の評価フレーム。Secure Lane: 紙ベース・対面監視の期末試験。Open Lane: AI使用OKを前提にした課題。両方なければ評価も形成的な学びも成立しない。紙とペンのゼミ… koikeが2026年9月からの新研究室で考えているデザイン。デバイス禁止、ゼミ資料は印刷。「分かりません」と言った後にChatGPTを通した答えが返ってくる体験から、せめてゼミの場では自分の頭でやりとりを、という判断。aburaはこの設計を「行き詰まりドリブンの学習 / impasse-driven learning」と表現。※後注: VanLehn, K. (1988). Toward a theory of impasse-driven learning. In Learning issues for intelligent tutoring systems, 19–41. を踏まえた用語。共同注視と「共体験」のデザイン… aburaの観察:コロナでオンライン化したことで 共同注視(同じ場所を見て議論する状態)が成立しにくくなった。誰がどういう聞き方をしているかが見える情報量は侮れない。意識的にデザインしないと「ぼやっと進んでいく」。プログラミングはファンダメンタルか… 「ドメインのエキスパートのほうが重視される」言説への二人の応答。手続き的に問題解決を記述・設計できる力は、言語仕様の知識とは別軸で依然として大事という立場。専門とサプリメンタル(統計のように「補助輪付きでよい」領域)を分けて考える。 概念レベルプログラミング(CLEPE)… aburaの恩師の博論コンセプト:問題解決プロセスをオントロジーで書き、コーディングと独立に問題を記述する。当時はフォーマルな形式化が必要だったが、いまは自然言語でいける。今こそ「タスクの設計」が要請されている、というabura。瀬田ほか (1998). 電子情報通信学会論文誌 D, 81(9), 2168–2180「日本人が作る生成AI向け言語」=スイ(粋/Sui)… aburaが「日本人が作っている生成AI向けの言語がある」と紹介したのは 高田人氏のスイ(粋/Sui)。括弧の対応・タイポ・インデントエラーといった「LLMが間違えがちな部分」を構造的に不可能にする設計。※収録後の更新: プロジェクトの焦点はその後 Isu(LLM向けの構造化擬似コード、JSON互換ASTへの決定論的パース)にシフト。旧Suiは sui_legacy/ に移動済み。米国大学の試験伝統の崩壊… koikeが言及した「米国の有名大学で学生の善意に任せた試験運用が崩れた」話。スタンフォードは100年以上禁じていた対面試験を2026年4月に復活(CS専攻849人の49%が「落第するくらいなら不正をする」)。プリンストンも1893年から133年続いた「試験中に教授退室」規定を2026年5月に廃止(2025年卒の29.9%が在学中に不正経験、ChatGPT無許可使用は前年比+12.5ptで27.7%)。倫理観で抗えないほど道具が便利すぎる。 DeepMindのAGI評価フレーム… aburaが紹介:2026年3月頃の報告書で、生成AIのスキル評価軸として社会的認知やメタ認知が重要との提言。Measuring progress toward AGIARCSモデルとRelevance… aburaが言及したインストラクショナルデザインの古典:Attention/Relevance/Confidence/Satisfaction。生成AI時代は「学んだってLLM超えられないんでしょ」という諦めが起きやすく、Relevance(学習者の目標と接続する)の比重が上がる。

    59 min
  8. 12/19/2025

    27. 相方・aburaの帰還と博士号取得の激闘

    4年間ぶりに、相方・aburaが帰還。博士号取得の舞台裏、ライフイベント、香川大学での「実践」を経て変わった研究観などについて語りました。Show notes abura(あぶちゃん)… このポッドキャストの共同創設者。4年間の沈黙を経て復帰。現在は大阪公立大学 情報学研究科 特任助教。「夢見る学生」から「夢見る職業研究者」へと進化した。 4年間… 前回の収録(2021年10月)から空いた期間。koikeにとっても激動だったが、aburaにとっても「きつかった」時期。D2からD5、助教、特任助教と立場が目まぐるしく変わった。 D5(博士後期課程5年)… aburaが博士号を取得するまでの在籍期間。3年で修了する予定が研究が難航し、制度上の満期(5年)まで在籍することになった。 単位取得退学(満期退学)… 博士課程の単位を取りきって退学すること。この後1年以内に論文を通せば「課程博士」として認められるが、それを過ぎると「論文博士」扱いとなり取得難易度が跳ね上がる。aburaはこの「シリに火がついた」ヒリつく状況下で学位をもぎ取った。 香川大学 DX推進研究センター… aburaが2024年度に1年間在籍した職場。地域への知の還元やDX人材育成という「実践」の最前線に身を置いたことで、自身の研究(モデル駆動)を相対化する視点を得た。 引っ越し… 香川在住の短期間に、単身用→二人暮らし用(奥様合流)→大阪へ帰還と、半年で2回も引っ越しをする羽目になった。 恩師(指導教員)… aburaの師匠。体調を崩されていた中、aburaの結婚式で渾身のスピーチを行い、博士号取得を見届けた後に亡くなられた。 構成主義(Constructivism)… 学習者が自らの経験に基づいて知識を構築していくという学習観。彼らのコミュニティでは「当たり前の前提」だが、外に出ると「学習=ただ知識を蓄えること」と考える人の方が多い現実に直面し、前提を問い直すきっかけとなった。 実践のモデリング… 香川大での経験を経てaburaがたどり着いた視点。これまでは「(学習者が頭の中で)何をするか(What)」をモデリングしていたが、現場では「(教育を)どうやってやるか(How)」をモデリングする必要があることに気づいた。 Yモデル… 恩師が提唱していたモデル。学習目標(Goal)を中心に、「教材(Materials)」「教授戦略(Strategy)」「学習者モデル(Learner Model)」の3つがどう位置づくかを示す。「実践」においてはこのYモデルの捉え方が変わるという気付きを得た。 組織メタ認知… aburaの現在の研究テーマの1つ。個人の認知プロセスである「メタ認知」を拡張し、組織自体を一つの「疑似人格」と捉えて、組織がどう自らを客観視し制御するかをモデル化しようという野心的な試み。 生成AI (Generative AI)… この4年間で起きた最大のパラダイムシフト。研究のスピードを劇的に上げた一方、学生がAIを「副操縦士(Co-pilot)」として使うか、思考を放棄して「生成AIの奴隷」になるかという新たな教育課題も生んでいる。 若手研究者コミュニティ… 当初は二人で細々と始めた活動だが、今では多くの博士学生が参加し、学会内に研究会(SIG)を立ち上げるか議論する規模にまで成長した。 CALST… 「第二のゼミ」として毎週オンラインで集まって議論している勉強会。関連分野の修士・博士学生・若手研究者が参加している。koikeとaburaが立ち上げて、今見たら2025年12月18日でちょうど7年を迎えたらしい。 yelss… 「教育・学習支援システム若手の会」。毎年2泊3日で、関連分野の学生〜若手研究者が30人くらい集まって日夜研究について議論する会。 Google Chromeのブックマーク… aburaのブラウザには4年間ずっと「Submits.life」のブックマークが残っており、目に入るたびに「再開しなくていいのか」という心の重荷(十字架)になっていた。 Submits.life(サブミッツ・ライフ)… 改めていいタイトル。元々は「論文を投稿(Submit)して生きていく」という決意だったが、4年を経て「人生の不可抗力や大きな流れに身を委ねる(Submit=服従する)」という意味へ再解釈された。 質問・意見・感想などは、ぜひ、 マシュマロ か Twitterで ハッシュタグ#submitslife までお願いします。Submits.lifeのTwitterアカウントは こちら です。

    55 min

About

Submits.life(サブミッツ・ライフ)は、ヒトの学びをAIで支援する研究者たちが、論文を投稿しながら生きる日々の中で感じたことや考えたことを話すPodcastです。研究室のふとした雑談、ときにはゼミのような熱量で、AIとヒトの知性をめぐる大きな話から、研究・教育・暮らしの小さな気づきや悩みまでゆるく話します。 私たちの研究分野は知的学習支援システム(Intelligent Tutoring Systems, ITS)。 一人ひとりに合わせた学習支援をAIで実現する、すなわち「賢い家庭教師をコンピュータで作る」学際的な研究です。 (出演) koike: 博士(工学)・大学教員。専門は「柔軟な問題解決」と「システム設計知の汎化」。 abura: 博士(情報学)・大学教員。専門は「メタ学習支援」と「わかったつもり」。 kunori: 博士学生。専門は「創造性」と「思考の振り返り」。 --- おたより(フォーム): https://forms.gle/m5yYXQmUWfL3qx7Q6 おたより(メール): submit [at] submits.life Webサイト: https://submits.life/

You Might Also Like