Cobe.fm 本好きコンサル2人の読後感想戦

Miki Watanuki/Nozomi Tanaka

コンサル×アートでフリーランスっぽく働くみき(左)と、コンサル・リサーチ会社を経営するのぞみ(右)の二人で、1冊の本を実際に読んで感じたこと、思ったことをふんわり楽しく話します。ビジネス書から戯曲・小説、SF、ノンフィクションまで幅広く取り上げています。読書が好きな人、本が好きな人、学びが好きな人、ぜひお耳に合いましたら。 "読むことは人を豊かにする。聴くことは人を謙虚にする" みき(Tw: @miki_apreciar) のぞみ(Tw: @Nozomitnk) 書き起こしサービスLISTENはこちら:https://listen.style/p/hv5wngkh?LUsFq7mq

  1. MAR 23

    われらみな食人種:レヴィ=ストロース随想集 #3

    part3では、タイトルにもつながる「カニバル」を手がかりに、食と性、芸術、そして家族制度の話へと広がっていきます。食べることと成功することが同じ語源で結びついているという話や、女性の食事シーンが“エロすぎる”とされた古典の感覚。さらに、木彫りの彫像に口づけする男の神話を通して、食と性の「過剰」が文化の中でどう重ねられてきたのかを考えます。 また、芸術家は社会の上位に置かれながら、失敗すれば死を強いられることもあるという極端な例も紹介されます。芸術は異界とつながる特権であり、同時に命がけの営みでもあるという感覚が浮かび上がります。 後半では、「3人の母と2人の父」を持ちうる家族制度の話へ。補助生殖や代理出産、女性同士の婚姻、複数婚などの事例から、私たちが当然だと思っている家族の形が、実は数ある可能性の一つにすぎないことが見えてきます。 奇妙に見える慣習も、それ固有の文脈を踏まえなければ理解できない。結果だけでなく、その背後にある神話や構造を読むことの大切さを、レヴィ=ストロースは静かに示します。三回にわたる読書の締めくくりは、「文脈を見る」という視点を改めて確かめる回になりました。

    21 min
  2. MAR 2

    水を差す仕組みとサラリーマン:山本七平『空気の研究』#3

    空気が「なぜ壊れないのか」「どう壊せるのか」を、具体例と仕事感覚で一気に掘り下げる回。のぞみは高校野球経験者として、真夏の甲子園が暑さの限界を超えてもなお維持されるニュースを取り上げ、「誰も説明できないのに決まってしまう」古空気の手触りを久々に見たと語る。そこから本書後半の核心である「空気と水」へ。水差しは個人の勇気に回収されがちだが、現実に空気を動かすには“集団で水を差す”仕組みが要る——ただし、その運営には「水を差す空気」も同時に設計しなければならない、という難しさに踏み込む。 さらに終盤では、難解な一節「合理性を追求させる原動力は、非合理的な力」を咀嚼し、非合理をゼロにも絶対化にもできないというバランス感覚へ着地。のぞみはその“逃がし先”としてスポーツや演劇のような虚構の必要性を補助線として提示する。ラストは「会社員であるだけで人間として十分だと思えてしまう」空気の正体へ議論が移り、会社員という概念、普通(デフォルト)、硬いピラミッド構造が“水を差させない空気”を強化しているのではないか、という問いを残して締める。次回課題本はレヴィ=ストロース『われわれみな食人種』。

    35 min
  3. FEB 23

    臨在感的把握のこと:山本七平『空気の研究』#2

    山本七平『空気の研究』回のpart2は、「いき」と「空気」の違いを、ふたりの“ものの見方”の差から掘り下げていく。みきは、人を理解するとき「心の中(何を考えているか)」に意識が寄りやすいので、「いき」のほうが手がかりにしやすいと自己分析する。一方でのぞみは、人そのものの内面というより、相手がまとっている“周辺情報”(会社での位置づけ、場の配置、振る舞いの輪郭)を読むほうが馴染む感覚があり、「空気」は合意形成を経ずに状況として立ち上がり、場全体を支配するものとして“ただ分かってしまう”と輪郭をつけていく。鍵になるのが、空気の成立条件としての「臨在感的把握」。幽霊、森、古いものへの畏れ、無意味な会議を終わらせたい空気まで、言語化しにくい“ある感じ”を例で押し広げる。さらに、ハベルの寓話を引用したダボス会議のスピーチを足がかりに「空気は日本固有なのか?」へ論点が越境し、同調圧力としての空気と、アニミズム的な感受性としての空気が同じ線上にあるのかを探っていく。終盤は、一神教と多神教の差、進化論と現人神が同居するエピソードを通じて、矛盾を矛盾のまま運用してしまう日本的な思考の切り替えに触れ、のぞみの仕事観(空気で決まる意思決定を“整える”)にも接続していく回。

    29 min

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コンサル×アートでフリーランスっぽく働くみき(左)と、コンサル・リサーチ会社を経営するのぞみ(右)の二人で、1冊の本を実際に読んで感じたこと、思ったことをふんわり楽しく話します。ビジネス書から戯曲・小説、SF、ノンフィクションまで幅広く取り上げています。読書が好きな人、本が好きな人、学びが好きな人、ぜひお耳に合いましたら。 "読むことは人を豊かにする。聴くことは人を謙虚にする" みき(Tw: @miki_apreciar) のぞみ(Tw: @Nozomitnk) 書き起こしサービスLISTENはこちら:https://listen.style/p/hv5wngkh?LUsFq7mq

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