日暮里ゼミナール

二村康太•野上大貴

いろんな人の話を聞きながら、自分の生き方も考えてみる。 日暮里ゼミナールは、そんな「人生のサンプル」を集めるラジオです。 デザイン、音楽、食、アート、仕事や暮らし。 ジャンルを横断して、自分なりの文化や好きなことを育ててきた人たちを迎えます。 聞きたいのは、立派な成功談だけじゃありません。 つい集めてしまうもの、忘れられないひと言、なぜか続けている習慣。何気ない話を入り口に、その人の選び方や生き方を探っていきます。 パーソナリティは、プロデューサーの二村康太。 ゲスト回のほか、番組ディレクターと語り合う「補講」もお届けします。ゲストの話で気になったことから、日々の小さな違和感まで。脱線しながら、答えの出ない話をあれこれと。 「こういう生き方もあるんだ」と思えたら、自分のこれからも、少し面白くなるかもしれません。 逸れても道はある。人生に「キク」ラジオ、日暮里ゼミナール。 ■stand.fmをはじめ、各Podcastでも配信中! https://lit.link/nipporizemi ■ゲスト紹介・過去の放送はこちら(公式ホームページ) https://nippori.lamm.tokyo/ ■番組の感想は、こちらのハッシュタグで! #日暮里ゼミナール ■運営会社 株式会社ラム(https://corp.lamm.tokyo/) 合同会社経営のための創造社(https://keisosha.co.jp)

  1. 4d ago

    #171 個人情報流出パニックと、親父の怒りの大骨折【補講・前編】

    "こちらは日暮里ゼミナールの補講の第85回となる#171です。 今回のテーマは、いま世間を騒がせている「ハッキングと個人情報流出事件」。 昔であれば雑誌や電話帳に有名人の住所が平気で載っていましたが、現代の流出が恐ろしいのは銀行口座やクレジットカード、暗号資産といった「金」と直接結びついている点です。GMOのハッキングで身代金が要求されたり、証券口座の資産が勝手に外国通貨へ替えられたりと、もはや被害の規模が大きすぎて世間の感覚も麻痺し始めています。 これに対して二村は「口座の預金をゼロに抜かれても、紙幣そのものが消えるわけじゃないんだから、日銀が刷り直せば復活するんじゃないか」と、マクロ経済学を根本から無視した珍説を展開。 一方でぼく自身の経験から言えば、企業の情報流出は人災の側面も強いとにらんでいます。以前勤めていた会社でも、保守費用をケチって古いWordPressやPHPを放置し、アップデートすれば動かなくなるからと脆弱性を放置し続ける現場を嫌というほど見てきたからです。 事件発生時に会員へ「PCやルーターのコンセントを抜け」とアナウンスが出たり、タイムズのカーシェアで顔写真や免許証が漏洩して再発行に人が殺到した話を聞くにつけ、デジタル化が進んだ割に対処法があまりにアナログすぎて失笑を禁じ得ません。OpenAIのサム・アルトマンが指摘するように、生体認証すらAIで偽装できる時代において、個人が自衛する手段などほぼ皆無に等しいワケです。 そんな中、一番の盛り上がりを見せたのが、ぼくの親父のエピソードです。 親族に立て替えてもらっていたお墓の保守費用を返済しようと、銀行の窓口へ数百万円を下ろしに行ったところ、昨今の特殊詐欺防止の決まりを理由に「下ろせません」と拒絶された親父。「自分の金を正当な理由で使うのに、なぜ下ろせないんだ!」と大激怒し、警察を巻き込んで窓口が閉まる時間まで怒鳴り合いの押し問答を繰り広げ、挙げ句の果てに怒りのあまり銀行の階段を踏み外して足を骨折したという、なんともやるせない悲喜劇。 銀行に預けていても下ろせず、タンス預金にしても増えないどころか盗難が怖い。金という記号の信用が揺らぐ中で、富裕層たちはロレックスや金塊、そしてギャランティすら存在しない数千万円のヴィンテージ古着という「現物資産」へ群がり始めています。 情報社会の脆さと、暴走するマネーの行方。話はそのまま、ぼくが取材を進めるディープな古着バブルの実態(後編)へと雪崩れ込んでいくのでした。 TEXT:ユスカル https://www.wowrecords.jp/ 『一度ハマると抜け出せない インド料理の歩き方』 https://amzn.asia/d/052AMid1 "

  2. Oct 16

    #169 「粋」と「野暮」の境界線と、ぼくらのストロングスタイル【補講・後編】

    こちらは日暮里ゼミナールの補講の第84回となる#169です。 今回は、女性リスナーから届いた「おじさんたちが話しているのを聞いていると、粋と野暮の話に聞こえる」という声をきっかけに、「粋と野暮とは何か」をじっくり掘り下げることになりました。 まずは粋と野暮の辞書的な定義から。「気質や身なりがさっぱりと垢抜けていて、さりげない色気や気風の良さを感じさせる日本の美意識」が粋であり、「人情の機微がわからず融通が利かないこと」が野暮だそうですが、ぼくらの感覚とはどうもズレています。 ぼくの感覚では、粋というのはもっとビハインド(劣勢)な状況から始まっていると思うのです。負け戦だったり、自分の状況が好転するわけでもないのにやせ我慢して強く出る「武士は食わねど高楊枝」の精神や、ブラジル音楽のサウダージのような感覚こそが粋の本質ではないかと。 そこから議論は「何をすれば粋で、何が野暮なのか」へ。 寿司屋でマグロを一貫だけつまんですぐ立ち去るとか、蕎麦屋でビールを頼まず日本酒を引っかけるといった江戸の仕草も、「こうするのが通で粋なんだろ」と意識して演じた瞬間にただの“野暮な粋ごっこ”へと成り下がってしまいます。狙いやマウンティングが見えたら一発で野暮。本人がまったく粋だと思わずに自然体でやっていることや、自分のためではなく他人が損をしないように動く利他の精神こそが、結果として粋に見えるわけです。 さらに話は、伝統芸能とパンクロックの構造論へと発展しました。 パンクのようにその一瞬の初期衝動でしか成立しないものは、型として定着してファッションやアイコンになった時点で死んでしまう。一方で、落語や歌舞伎、水戸黄門やウルトラマンのように、毎回同じ型を繰り返す一見すると一番野暮ったい様式美であっても、時流に迎合せず何十年も貫き通して一周回ると、それは途方もない粋へと反転していくのではないか。 最後に、AI時代の粋として「AIの適当な回答を鵜呑みにせず、本気で喧嘩して突き返す姿勢」なんて珍説も出しましたが、結局おじさんたちが出した答えは、粋とはストロングスタイルであるという結論でした。 流行になびかず、やせ我慢を気取らず、自分の型を無骨に守り抜く。みなさんも、世間のあざといスマートさに流されそうになったら、自分なりのストロングスタイルを思い出してみてください。 TEXT:ユスカル [https://www.wowrecords.jp/ 『一度ハマると抜け出せない インド料理の歩き方』 https://amzn.asia/d/052AMid1 【当番組のwebサイトが開設されました!】 人生に「キク」ラジオ - 日暮里ゼミナール https://nippori.lamm.tokyo/

  3. Oct 2

    #167 清潔感と色気の正体、じつはアティチュード【補講・前編】

    こちらは日暮里ゼミナールの補講の第83回となる#167です。 今回も二村、田嶋、大内、そしてぼくの4人が顔を揃えての収録です。前回は、あえてテーマを決めずに話したら意外と成立したという謎の手応えがあったものの、今回は大内の号令のもと、あやふやな概念にぼくらなりの答えをひとつ導き出してみようという試みになりました。その最初の議題が「清潔感とは何か」です。 世間、とりわけ女性陣が口を揃えて求める清潔感。しかしこれ、実際にお風呂に入っているかとか、体臭があるかといった物理的な衛生状態と、見た目の印象が恐ろしく乖離しているから厄介です。 たとえば、スーツの肩にフケが積もっているとか、爪の間に黒い垢が溜まっている、汗でダークスーツに塩が吹いているといったものは、もはや清潔感以前にただの不潔であり論外。 問題は、体毛が濃かろうが太っていようが、長髪だろうが清潔感がある人がいる一方で、毎日身体を洗っていても不潔に見えてしまう人がいるという現実です。 ガタイがよくて髪が長くても肌がつるつるでどこか引き締まって見える人もいれば、電車で見かける疲れたおじさんのように、散髪を怠った襟足や斑な白髪、曇った眼鏡だけで一発アウトを食らう人もいる。 議論の末に行き着いた答えは、肌質や襟足の手入れ以上に、じつは男女問わず“姿勢”なんじゃないかと。 背筋がピンと伸びているだけで人の見た目は四割増しになるし、その背筋の良さには自分を律してコントロールする自戒、つまりアティチュード(心の姿勢)がそのまま表れるのではないか。ひとまず清潔感の正体は、物理的な姿勢とアティチュードの両立ということで全員の意見が一致しました。 続いて紛糾したのが「色気とは何か」という問題です。 ぼくの持論としては、色気の根底にあるのは異性に慣れていること。女性を前にしても1ミリも気取らず、目が泳がず、男女の垣根なく接することができる余裕こそが色気の正体であり、だからこそ二枚目でもないのに異様にモテる男が存在するのだと説きました。 しかし大内から「それは単なるモテの理由であって、万人に対する色気とは違うんじゃないか」と鋭いツッコミが入ります。 ステレオタイプのセクシーと、内面から滲み出る色気は似て非なるもの。昭和の大スターたちのように年齢を重ねても抗えない色香を放つ人たちに共通しているのは、他人の反応に左右されず、自分だけの世界を確立している芯の強さではないかという話に落ち着きかけました。 もっとも、色気の正体は自分の世界(芯)を持つことという着地点に対しては、田嶋や二村からも「ちょっと答えとしてぬるい」「再考の余地あり」と物言いがつき、大内に至っては最後に「やっぱり色気も姿勢なんじゃないですかね」と蒸し返す始末。結局、何ひとつ明確な結論は出ないまま、おじさんたちの哲学問答は後編へと持ち越されることになりました。 TEXT:ユスカル https://www.wowrecords.jp/ 『一度ハマると抜け出せない インド料理の歩き方』 https://amzn.asia/d/052AMid1 【当番組のwebサイトが開設されました!】 人生に「キク」ラジオ - 日暮里ゼミナール https://nippori.lamm.tokyo/

  4. Sep 18

    #165 タメ口の境界線と、おじさんのあやふやな距離感【補講・後編】

    こちらは日暮里ゼミナールの補講の第82回となる#165です。 前編のダラダラ感を猛省し、後編は「タメ口の線引きはどこからか」というテーマを設定してスタートしました。 二村、田嶋、大内、そしてぼくの4人で、日常に潜む「言葉遣いと態度のあやふやな境界線」を掘り下げていきます。 議論の口火を切ったのは、飲食店やコンビニで見かける「横柄な客」問題。 居酒屋で「姉ちゃん、中と梅干し!」と横柄に頼む知人をぼくが注意したところ、「距離を縮めて場を和ます手段だ」と返されたエピソードを披露。 これには全員が「ただの横柄とフレンドリーなタメ口は別物だ」と賛同いただいたものの、二村いわく、特に古い体質のBtoB取引などでは「金を払う側が偉い」という客根性が根強く残っており、それが無意識の横柄さに繋がっているのではないかと分析します。 さらに話題は、初対面における「タメ口への切り替えタイミング」へ。 年齢を確認した途端、それまでの敬語をかなぐり捨ててタメ口に豹変するタクシー運転手のように、相手を年齢や立場のレイヤーで値踏みして態度を変えるダサさには全員が激しく同意。 一方で、若い女性から急にタメ口で来られると、おじさん側が逆に敬語になってしまう「逆転現象」や、関西出身のぼくがつい使ってしまう人称代名詞「お前」が、関東では「偉そう・モラハラ」と受け取られてしまうカルチャーギャップの難しさについても議論が及びました。 そこから話は広がり、モデル業界の全員タメ口文化(色気がある?)や、サッカー日本代表がいつの間にか「名前+君付け」で呼び合うようになった世代間変化へ。 さらには、外国人観光客やコンビニの外国人店員に対して、日本人としての品厳を保つために「あえてめちゃくちゃ丁寧な敬語を使う」という田嶋や二村の謎の善人アピール合戦まで飛び出す始末。 結局のところ、敬語を崩すタイミングも、タメ口が許されるキャラかどうかも、すべては文脈と関係性のグラデーション。 みなさんも、自分の言葉遣いが相手にとってフレンドリーか、それともただの横柄か、胸に手を当てて振り返ってみてください。 TEXT:ユスカル https://www.wowrecords.jp/ 『一度ハマると抜け出せない インド料理の歩き方』 https://amzn.asia/d/052AMid1 【当番組のwebサイトが開設されました!】 人生に「キク」ラジオ - 日暮里ゼミナール https://nippori.lamm.tokyo/

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