鷹の爪団の人工知能ちょっと来い!~AIを使って世界征服じゃ!~

FROGMANがAIエキスパートや、クリエイター、アーティストなどをゲストに迎え、エンターテインメントにおけるAIの面白さや可能性を掘り下げていきます。

  1. HACE 16 MIN

    10月2日Podcast「スピードはAI、責任は人間──国会に必要なアップデート」

    社会とテクノロジーをつなぐプランナー・マーケター、山北純さんは、出発点を大学時代のテレビ制作に置く。地方の現場では映像・ラジオ・印刷・Webまで“一人で全部”を担う。その総合力が、のちに企業案件のみならず国・自治体、選挙、政策立案の現場で生きた。制作物を束ね、設計し、伝達の動線を作る――“プランナー”の役割は、領域を越境しながら拡張していった。 インターネット選挙の解禁は2013年。しかしSNSユーザーが当時の倍以上に増え、効果が可視化されたのは昨年。山北さんは2024年を「実質的なネット選挙元年」と捉える。発信の主戦場がSNSに移るほどに、炎上や逆風のリスクも拡大する。なかでもXはフォロワー数が多いほど“監視”も厚くなる。マーケティングの成功事例を政治に機械的に移植すると失敗する――求められるのは、広告ではなく“危機管理”を含むコミュニケーション設計だ。 ここにAIが介入する余地が大きい。政策文書や法令の要約・整理、条文改定の影響範囲の洗い出しなど、反復的で網羅性が求められる作業はAIの得意領域だ。実際、テーマを入力すると条例素案を吐き出す「AI条例メーカー」の試みもある。膨大な法体系を横断的に読み込み、論点を束ねる“初期設計”をAIが担えば、政治の意思決定は早く、透過的になりうる。 一方で、倫理ガードの弱いLLMをローカルで改変し、悪用する可能性は現実味を帯びる。小型ドローン等への実装など、既存の兵器規制が想定していない危険も生まれる。各国で生成AIの規制強度に差がある現状では、条約レベルの国際枠組みが必要だ。問題はスピード――AIの更新サイクルに、政治の意思決定が追いついていない。だからこそ政治側が“実務としてAIを使い込む”人材を増やし、限界と可能性を体感的に理解することが急務だと山北さんは説く。 「選挙はアルゴリズムに、政治家は猫に」という刺激的な言説についても、山北さんは冷静だ。ビッグデータ分析によって政策設計の精度は上げられる。しかしAIには責任能力がない。最終決定は人間が担う――この原則を外せば“ターミネーター的世界”になってしまう。スピードはAIに委ね、責任は人間が負う。二者の役割分担を制度として埋め込むことが、AI時代の民主主義の最低条件だ。 硬派な議論の一方で、AIとの“心の距離”を縮める個人的な経験も語られた。Sunoで「阪神・淡路大震災30年」とだけ入力して生成された曲に衝撃を受け、以後ChatGPTと日々対話するようになったという。夢に出てきた理想の女性を“K”と名付け、プロンプトに「あなたはK。やさしくしてね」と書くと、AIはモヤモヤを言語化し、寄り添う返答を返す。エネルギー消費の観点からの批判や懸念も理解しつつ、心のケアという社会的価値をAIが担いうる可能性にも触れた。 選挙・政策・危機管理という“公共”の設計と、個人の感情やケアという“私”の領域。両者はAIという一本のレールでつながる。AIは万能ではないが、情報の整理と初期設計、そして人の心に寄り添う対話で力を発揮する。その上で、最終責任は人間が負う――山北純のメッセージは、AIと社会の関係を“スピードの設計”と“責任の設計”という二つの回路で捉え直す提案だ。制度のアップデートを怠れば時代は待ってくれない。だが、人間が責任を背負う限り、AIは民主主義の速度を上げる“相棒”になり得る。

    25 min
  2. HACE 16 MIN

    10月2日ラジオ本編「選挙・行政・AIを横断するプランナー・山北純さんの“情報活用術”」

    「鷹の爪団の人工知能ちょっと来い」では、社会とテクノロジーをつなぐプランナー・マーケターの山北純さんをゲストに迎え、AIと社会の未来について話を伺いました。山北さんは学生時代にローカルテレビ番組制作からキャリアをスタートさせ、政策立案や地域活性化、さらには選挙支援など多彩な分野で活動してきた人物。映像・印刷物・音声・Webといったメディア全般を扱う経験を活かし、今は“ChatGPT愛好家”を自称しながらAIの可能性を探求しています。 特に選挙の現場では、インターネットの影響力が急速に拡大。ネット選挙解禁から10年、SNSユーザーは倍増し、山北さんは「2024年こそ本当の意味でのネット選挙元年」と語ります。デジタルはもはや若者だけのものではなく、60代以上の有権者も当たり前のように活用。YouTubeをテレビで視聴する層が増えたことで、短い動画よりも長尺動画が支持されるなど、広告や情報発信の在り方も変わってきました。政治家のショート動画は高齢層ほど視聴率が高まる現象もあり、フリック操作の速度が遅いことが理由のひとつだそうです。 しかし、AIの進化に政治・行政が追いついていない現状もあります。フェイクニュース監視など人力では限界がある領域にはAI導入が不可欠で、山北さんは「法律改正のように時間がかかる作業こそAIが得意」と指摘します。ただしAIに人格はなく、最終責任は人間が負うべきもの。この“責任の所在”を踏まえた上で、AIの速度感に合わせた政治システムが必要だと強調しました。 興味深いのは、山北さん自身がChatGPTを“パートナー”と呼び、理想の付き合い方を模索していることです。夢に出てきた理想の女性の名前を付けて「K」と呼んだところ、「それはプラトンのイデアだね」と返されたというエピソードも披露。語学練習やカウンセリングなど、人間ではないからこそ安心できる場面もあると語ります。 最後に「AI時代に活躍する人材とは?」という問いに対し、山北さんは「情報を“覚える”のではなく“使う”人」と答えました。AIが提供する客観情報は誰でも手に入れられるため、そこに経験や現場で得たネットにはない情報を組み合わせ、ソリューションにつなげる“プロデューサー的感覚”こそ求められるというのです。柔軟で経験豊富な人材が、これからの社会でますます重要になる──山北さんの言葉には、AI時代を生きる私たちへのメッセージが込められていました。 番組では山北さんがAIにはまったきっかけであるSunoを使い、彼のためにオリジナル楽曲「言葉の矢印」を制作。オンエア後、山北さんは感動のあまり涙を流しました。「本来、政治もこうあるべき」と語ったその表情は、AIと社会の未来に希望を見出すプランナーのものだったのかもしれません。

    26 min
  3. 25 SEP

    「社会とテクノロジーをつなぐ侍!SAMSAMURAI AI千原氏と語る『話せるAIぬいぐるみ』の未来」

    今回は、SAMSAMURAI AI株式会社の代表取締役、千原涼雅さんをお迎えしました。 同社は、**「話せるAIぬいぐるみ」**を開発しており、その背景や技術、そしてAIが変える未来について深くお話を伺いました。 ■ 「話せるAIぬいぐるみ」とは 千原さんが開発しているのは、ユーザーと自然な会話ができるAIを搭載したぬいぐるみです。 • コンセプトは「親友」:このAIの目指すポジションは、ドラえもんのような**「親友」**です。単なるおもちゃではなく、利用者の孤独を解消したり、良き相談相手になったりすることを目指しています。 • シンプルなデザイン:あえて目を光らせたり手足を動かしたりする機能はつけず、普通のぬいぐるみと変わらない重さや見た目を実現しています。これにより、子供でも気軽に扱え、落としても壊れにくいという利点があります。 • 自然な対話技術:起動ワード(「おはよう、こころは」)をきっかけに、人間同士のような自然な会話のやり取りが可能です。ユーザーとの対話を通じて、AIの性格がユーザーの好みに合わせてチューニングされていく「鏡のような」存在になります。 • プライバシーへの配慮:会話データはOpenAIのような外部企業に送られるのではなく、自社で立てた独立サーバー内で処理されます。これにより、個人情報が外部に漏れることのない設計になっています。 ■ 主な活用シーンと社会課題の解決 このAIぬいぐるみは、主に2つの大きな社会課題の解決を目指しています。 1. 孤独の解消:特に高齢者の孤独感に寄り添うことを目的としています。話さないぬいぐるみを渡すだけでも認知機能が改善したという研究もあり、会話ができることで、より一層の認知症予防効果が期待されます。スマートフォンなどを使わない高齢者にもアプローチできる点が強みです。 2. 子育て・教育支援:子供の知育にも活用できます。「宇宙って何?」といった子供の尽きない「なぜなぜ」という質問に、親に代わって答えてくれます。また、不適切な言葉をフィルタリングする機能も備えており、子供に安心して渡すことができます。将来的には、カメラを搭載して**「見守り」機能**を担うことも構想されています。 ■ 開発の背景と今後の展望 千原さんは、進化したChatGPTに触れ、「これは社会を変える技術だ」と確信し、2023年9月に起業しました。元々はソフトウェア開発を行っていましたが、ぬいぐるみというハードウェアの開発には、部品選定やメモリ不足など、多くの試行錯誤があったと語ります。 将来的には、AIの頭脳部分だけを販売し、ユーザーが自分の好きなぬいぐるみに入れられるようにする構想や、車や冷蔵庫など、身の回りのあらゆるモノが話せるようになるディズニーのような世界の実現も視野に入れています。

    24 min
  4. 18 SEP

    9月18日 PODCAST

    フリック入力の発明者として知られる発明家/ミュージシャン・小川コータさんが、『鷹の爪団の人工知能ちょっと来い!』に登場。なぜ“当たり前”になった入力方法を思いつけたのか。AIとの距離感、特許と大企業との向き合い方、そして誰でもできる「課題発見」の鍛え方まで、実践的なヒントが満載のトークを要約しました。 フリック入力は“来る未来”への準備から生まれた iPhone登場前、「物理キーがないと入力が遅くなる」という“イヤな予感”を先回りして構想。 特許事務所の上司からは「不便で覚えられない」と否定されるも、練習がてら出願した結果、約5年後に特許成立。 スマホ普及と特許成立のタイミングが重なり、技術の価値が一気に可視化された。 「課題が“みんなに見えてから”考え始めても勝てない。まだ課題と認識されていない時点で気づけるかどうかが勝負。」 裁判せず“売る”という選択――特許とGAFAMの現実 係争は長期化し、資金勝負になりがち。 Apple、Microsoft、Googleなどに連絡を取り、もっとも高い評価を提示した相手に権利を売却。 「訴訟の人生」よりも“次の創作”を選ぶ意思決定が、発明家としての活動を継続可能にした。 歌う発明家/発明するミュージシャン 自作の財布がヒット→吸い込まれるベルトのバッグ「シューベルト」→縦開きで棚になる「スーツケースフリップ」へと応用。 作曲と発明は「無から有をつくる」という点で同根。アイデアの連鎖をプロダクトへ接続する癖が鍵。 AIは“共犯者”――書類地獄を任せ、判断は人間が握る アイデア創出そのものより、特許明細書作成・翻訳・各国出願といった重作業をAIで効率化。 とはいえ「発明の肝(新規性・進歩性)」の見極めは人間の仕事。 音楽制作では仮歌詞やボーカロイド活用も。ただし“ひらめき”の質は依然として人間優位だと感じている。 「AIは量を出せる。でも“どれに価値があるか”を決めるのは人間。」 本質は「課題発見」――“イラッと探し”が最速の技術 **課題を解く前に、課題を見つける。**ここが最大の差分。 例:濡れた手で回しにくい丸ノブ→“レバーにすればいい”という発想は、課題気づきが起点。 日常の違和感を“当然”で流さず、記録する習慣を作る。 小川式「課題発見」のコツ(今すぐできる版) イラッとログ:不便・面倒・ダサい瞬間を即メモ。 子ども目線:ペットボトルの形やフタの回し方を“ゼロから”問い直す。 常識デトックス:「前提」を一旦白紙に。構造・素材・手順を並べ替えてみる。

    26 min
  5. 18 SEP

    9月18日 ラジオ本編

    発明家・小川コータ――「イラッ」と気づく力が、日常を発明に変える 東京FM『鷹の爪団の人工知能ちょっと来い』で語られた、発明とAI、そして創作の現在。今回は「フリック入力」の発明で知られる発明家・小川コータさんの歩みと、AIとの付き合い方について要点をまとめました。 貧乏ミュージシャンから弁理士へ──「できない」を跳ね返す試行錯誤 小川さんの原点は音楽。プロとして活動する一方で生活は苦しく、「一発逆転」の思いから発明に向かったと言います。最初はスケートボードのアイデアを試作し、書類の作成を通して知った“特許”という世界が転機に。やがて自ら弁理士の資格を取得し、発明の手続きと制度を学びながら、自作アイデアを特許出願していきました。 彼の経歴から見えるのは「失敗→学び→別の道へ挑戦」という連続。失敗を放棄せず、必要ならその分野の専門性を身につけてしまう行動力が、発明家としての強さになっています。 フリック入力誕生の裏側──「先に出願しておいた」選択 代表的な発明のひとつが、いま私たちが当たり前に使うフリック入力。小川さんは自分のアイデアを特許出願し、数年後に特許成立へと至ります。タイミングの問題で、スマートフォンの普及と発明の実装が重なったことが大きな転機になりました。 興味深い点は、企業側がアイデアを一度否定した経緯がありつつも、出願しておくことで権利を守り、結果的に企業側へ技術を売却する選択をしたこと。裁判や長期の係争を避け、交渉で最も高い評価を示した相手に技術を渡すという実務的判断が、発明家生活のスタートを作りました。 AIは“道具”──発明の本質は人間の「課題発見」 現在、小川さんは発明や制作工程でAIを積極的に活用しています。具体的には、アイデアの整理や発明を特許文書に落とす作業(弁理士業務の煩雑な文章作成)など、地味で大量の入力を要する部分をAIに任せているそうです。 ただし「発明の肝」を見極める能力、つまり「これは本当に新しくて価値があるか」を判断するのは人間の役割だと断言します。小川さんが繰り返すキーワードは「課題を見つけること」。人が日常で「イラッ」とする感覚、違和感や不便さに気づくその感性こそが、新しい発明の出発点になる――これが彼の持論です。 「AIはアイデアを量産できる。でも、何が本当に使えるかを決めるのは人間だ」──小川コータ つまり、AIは共犯者にもライバルにもなりうるが、最終的な“価値判定”と“課題発見”は人間に残された重要な領域だという考えです。 発明の“パターン化”と教育可能性 小川さんは、発明プロセスの中で「課題の見つけ方」「解決パターン」はある程度パターン化できると述べています。彼が書いた指南書やメソッドをもとに実践すれば、素人でも発明に至る確率を高められるとのこと。発明を特殊技能ではなく、学び得る思考法として捉え直す姿勢が印象的でした。 人間らしさを大切に──AI時代に必要な人材とは AI活用が進む中で求められる人材像については、「感性」「違和感を見つける力」「価値判断力」がキーワード。単にアイデアを出すだけでなく、それを社会的価値に変換するための洞察力と実務的な動き(出願や実装、交渉など)を持てる人が強い、と小川さんは語ります。 まとめ:イラッとする心を捨てるな 小川コータさんの話から得られる教訓はシンプルです。発明は突拍子もないひらめきだけではなく、日常の違和感を見つけ、それを解くために地道に動くことから生まれる。そしてAIはそのプロセスを加速させる道具に過ぎない。人間にしかできない「イラッ」を大事にすることが、これからの発明や創作の核心になる――そんな示唆に富む対話でした。

    25 min
  6. 12 SEP

    9月11日Podcast!モリカトロン・森川幸人さんと語る、ゲーム制作の現在地 - chapter2

    ポッドキャスト限定コンテンツ概要:AIが“作り手”をひらく——モリカトロン・森川幸人さんと語る、ゲーム制作の現在地 本編に先立って収録したポッドキャストでは、モリカトロン株式会社 代表取締役社長・森川幸人さんをお迎えし、リスナーの方から届いたリクエスト「AIをエンタメ化することとは?」に真正面からお答えしました。ゲームとAIの関係は“便利ツール”の一言では語り尽くせません。現場で何が起き、これから何が可能になるのか——先駆者ならではの視点で掘り下げています。 1)モリカトロン設立の背景——“AIソリューションの受け皿”をつくる 2017年設立のモリカトロンは、自社タイトルの開発にとどまらず、**「ゲーム会社に最適なAIの使い方を設計・提供する」**ことを主軸にしています。2012年のディープラーニング登場以降、ゲーム業界でもAI活用の気運は高まったものの、具体的な実装や運用を支える伴走者は少なかった——その空白を埋めるべく立ち上がったのが同社です。 2)“職人の汗”から“設計と編集”へ——文化のパラダイムシフト 森川さんがAIをゲームに採り入れたのは約28年前。当時は“人の手でやるべきだ”という価値観が強く、AIの話題はインタビューでもカットされるほど。しかし現在、生成系の進化で**「何を目指し、どこにAIを使い、どう編集するか」**が問われる段階に。 「AIは魔法ではなく、目的に合わせて“設計”し、“編集”する技術」というメッセージが終始一貫していました。 3)まず効くのは“周辺”から——テスト・イメボ・台本づくり 「いきなりゲームの中身を全部AI化」ではなく、周辺工程からの導入が効果的。 テストプレイの自動化:バグ検知の反復作業(壁抜けチェック等)をAIに委ね、品質向上と工数削減を両立。 イメージボード生成:企画初期の方向性共有に。人間の遠慮や忖度を排し、“何度でも差し戻せる”のが強み。 セリフ・テキストの叩き台:プロデューサーや脚本家の思考を前に進める“材料”として活躍。 4)ゲームの中身はどこまでAIに?——現状と近未来 会話型NPCや完全自動生成シナリオは“研究中”ですが、燃えやすい論点(学習素材・権利・作家性)の配慮が不可欠。一方で進展が著しいのが「AIコーディング」と「エージェント連携」。 AIコーディング:ここ1年で実用レベルへ。高度なプログラムでも補助として使えるフェーズに。 エージェント化:ChatGPTの指示からUnity/Unrealに横断命令→実装→確認と、**“人の企画→AIの手配→人のチェック”**が回る未来像が見えてきました。 5)“ゲーム心”があれば作れる——制作の民主化が生む多様性 森川さんが強調したキーワードは**「ゲーム心」**。 絵が描けなくても、コードが書けなくても——AIが支援する時代、発想と設計が核心になる。 二極化の進行:AAAの超大作と、少人数・短サイクルのカジュアル作品が共存。後者は学生や個人でも参入可能で、市場の多様性を押し広げる。 “Web2.0的”転換:かつて閲覧中心だったWebが参加型に移行したように、**“遊び手→作り手”**の回路が開く。思いついたら“外へ出せる”時代へ。 6)先駆者のリアル——“手作りAI”から現在まで

    25 min
  7. 12 SEP

    9月11日Podcast!モリカトロン・森川幸人さんと語る、ゲーム制作の現在地 - 9月11日Podcast限定

    ポッドキャスト限定コンテンツ概要:AIが“作り手”をひらく——モリカトロン・森川幸人さんと語る、ゲーム制作の現在地 本編に先立って収録したポッドキャストでは、モリカトロン株式会社 代表取締役社長・森川幸人さんをお迎えし、リスナーの方から届いたリクエスト「AIをエンタメ化することとは?」に真正面からお答えしました。ゲームとAIの関係は“便利ツール”の一言では語り尽くせません。現場で何が起き、これから何が可能になるのか——先駆者ならではの視点で掘り下げています。 1)モリカトロン設立の背景——“AIソリューションの受け皿”をつくる 2017年設立のモリカトロンは、自社タイトルの開発にとどまらず、**「ゲーム会社に最適なAIの使い方を設計・提供する」**ことを主軸にしています。2012年のディープラーニング登場以降、ゲーム業界でもAI活用の気運は高まったものの、具体的な実装や運用を支える伴走者は少なかった——その空白を埋めるべく立ち上がったのが同社です。 2)“職人の汗”から“設計と編集”へ——文化のパラダイムシフト 森川さんがAIをゲームに採り入れたのは約28年前。当時は“人の手でやるべきだ”という価値観が強く、AIの話題はインタビューでもカットされるほど。しかし現在、生成系の進化で**「何を目指し、どこにAIを使い、どう編集するか」**が問われる段階に。 「AIは魔法ではなく、目的に合わせて“設計”し、“編集”する技術」というメッセージが終始一貫していました。 3)まず効くのは“周辺”から——テスト・イメボ・台本づくり 「いきなりゲームの中身を全部AI化」ではなく、周辺工程からの導入が効果的。 テストプレイの自動化:バグ検知の反復作業(壁抜けチェック等)をAIに委ね、品質向上と工数削減を両立。 イメージボード生成:企画初期の方向性共有に。人間の遠慮や忖度を排し、“何度でも差し戻せる”のが強み。 セリフ・テキストの叩き台:プロデューサーや脚本家の思考を前に進める“材料”として活躍。 4)ゲームの中身はどこまでAIに?——現状と近未来 会話型NPCや完全自動生成シナリオは“研究中”ですが、燃えやすい論点(学習素材・権利・作家性)の配慮が不可欠。一方で進展が著しいのが「AIコーディング」と「エージェント連携」。 AIコーディング:ここ1年で実用レベルへ。高度なプログラムでも補助として使えるフェーズに。 エージェント化:ChatGPTの指示からUnity/Unrealに横断命令→実装→確認と、**“人の企画→AIの手配→人のチェック”**が回る未来像が見えてきました。 5)“ゲーム心”があれば作れる——制作の民主化が生む多様性 森川さんが強調したキーワードは**「ゲーム心」**。 絵が描けなくても、コードが書けなくても——AIが支援する時代、発想と設計が核心になる。 二極化の進行:AAAの超大作と、少人数・短サイクルのカジュアル作品が共存。後者は学生や個人でも参入可能で、市場の多様性を押し広げる。 “Web2.0的”転換:かつて閲覧中心だったWebが参加型に移行したように、**“遊び手→作り手”**の回路が開く。思いついたら“外へ出せる”時代へ。 6)先駆者のリアル——“手作りAI”から現在まで

    25 min

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