鷹の爪団の人工知能ちょっと来い!~AIを使って世界征服じゃ!~

11月13日 Podcast「AIと教育のこれから」

今回のPodcastのテーマは「AI時代の教育」。ゲストは京都芸術大学附属高等学校・じぶんみらい科で教員を務める 野中孝利先生。小学校教諭として7年間子どもたちを教え、現在は「AIとテクノロジーをどう学びに取り入れるか」を高校現場で探究し続ける実践者だ。

まず、ユニークな名前の「じぶんみらい科」について説明。京都芸術大学附属高等学校には通学型の「進学コース」と、全国どこからでも学べる単位制・通信制の「じぶんみらい科」がある。理念は“想像力(クリエイティビティ)×創造力(イマジネーション)”。美術高校ではなく、芸術大学付属ならではの「美意識や創造性を育てる学び」を軸に、自分のペースで学び、自己効力感(自分はできるという感覚)を育てるスタイルが特徴だ。

授業はオンライン中心。スクーリングは年2回だけで、京都の本校だけでなく東京キャンパスでも実施される。全国から生徒が在籍し、カフェで授業動画を見るなど“場所も時間も選べる高校”として注目を集めている。通信制高校が増える中、「選択肢の少ない地域でも、自分に合った学びが得られる」新しいかたちだ。

番組の核心は「AIをどう授業に取り入れているか」。じぶんみらい科の教職員は総じて前向きで、AI活用を“まずはやってみる”姿勢で推進。事務作業の効率化として、議事録を音声から生成し蓄積するなど、既にノートブックLMなどを導入。さらに野中先生の情報科の授業では Gemini を使った入門編のワークを実施。キャンバス機能でコードを生成したり、資料を作ったり、簡単なゲームまで生徒が作ってみせるなど、驚きと興奮を伴う“AIで作る体験”が生まれている。

一方で先生が強調したのは「AIとの付き合い方」。AIが出力したものをそのまま受け入れるのではなく、▪ それは本当に正しい情報か? ▪ 情報源(一時情報)はどこか? ▪ その表現は本当に“自分の言葉”か? と確かめる姿勢を育てることが不可欠だという。判断力や表現力は機械任せにできず、人間側が常に“操縦桿を握る”ことが重要だと語る。

これからの教育で求められるのは、従来の暗記型学習ではなく、AIが作った結果を踏まえ“自分は何をしたいのか”“どう判断するか”を考える力。そして、AIと組み合わせて自分の“好き”を表現していく創造性だと野中先生は言う。

最後に、野中先生自身もプログラミングやアプリ制作を楽しむ一人であり、「怖がらず、とにかく試してみること。失敗してもいい。その楽しさを生徒にも広げたい」と前向きなメッセージを残した。

AIが学びの可能性を広げ、全国どこにいても自分のペースで未来に向かえる—— 「じぶんみらい科」はまさに新しい教育の実験場であり、AI時代の“学ぶ意味”そのものをアップデートしようとしている。