<今回の選書>「子どもの宇宙」(河合隼雄さん)
どうもホシノです。今回は河合隼雄さんの『子どもの宇宙』を取り上げます。アワノさんも学生時代に読んだことがあるというこの名著。児童文学やカウンセリング事例を通じて「子どもの心が持つ力」を描き出す一冊を、今あらためて読む意味を語り合います。
番組冒頭では、小学生が書いた詩を紹介。「神様は嬉しいことも悲しいことも皆見ています――」という言葉に、子どもの世界認識の鋭さを見いだす河合さんの視点に触れます。また「大人はみんな同じことを言う」と観察する子どもの目線から、大人がステレオタイプに陥ってしまう構造についても。
さらに、本書のテーマのひとつ「秘密」について深掘り。子どもが秘密を持つことがアイデンティティ形成につながるという指摘や、児童文学の古典(?)『クローディアの秘密』を題材にした解釈を紹介。養子の事例や、情緒不安定な子どもへのカウンセリングの逸話を通して、「秘密を暴くのではなく、寄り添い、共有できる世界をつくること」の重要性を話します。
後半では、子ども自身が世界をつくっていく力、大人が待てずに急かしてしまう「待てない社会」とのギャップに話題が広がり、次回への布石としました。心理学の古典を通して、子どもと大人の心のあり方を見つめ直す回。ぜひお聴きください。
Information
- Show
- FrequencyUpdated Weekly
- PublishedSeptember 17, 2025 at 9:25 PM UTC
- Length24 min
- RatingClean