Product/AI Talks

Product/AI 製作委員会

ITスタートアップの経営層をお招きし、「AI時代のプロダクト戦略」を深掘りします。 <番組ホスト> グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社 プリンシパル 工藤真由 (プロデューサー) マッキンゼーを経て、2022年10月グロービス・キャピタル・パートナーズ入社。慶應義塾大学経済学部卒。 X: https://x.com/_mayumayu13 テックタッチ株式会社 取締役CFO/CPO 中出昌哉 AI事業「AI Central」を統括、CFO兼CPOを務める。日本CPO協会理事。野村證券、カーライルを経て2021年3月 CFOとしてテックタッチ入社。東京大学経済学部、MIT MBA。 X: https://x.com/masaya_nakade Zen & Company株式会社 代表取締役 宮田善孝 京都大学法学部卒。Booz & company、Accenture Strategyを経て、DeNA、SmartNewsにてプロダクト運営に従事。freeeで執行役員 VPoPを歴任後、Zen & Companyを創業。ALL STAR SAAS FUND PM Advisor、ソニーSenior Advisor、日本CPO協会常務執行理事。 X: https://x.com/zenkou_1 https://listen.style/p/sqjx89au?8qWdEpe

  1. 1d ago

    toC企業が、なぜいまtoBに向かうのか―DeNA住吉氏が語る、体験でつくるmoat

    今回のゲスト住吉さんもご登壇予定 ITスタートアップの経営陣が語るAI時代のプロダクト戦略 「Product/AI Conf Vol.6」、10/8(木)18:00~開催決定! ▼▼ご応募はこちら▼▼ https://aixpdm.connpass.com/event/404788/ -------------------- 今回のゲストは、株式会社DeNA グロース事業本部 本部長の住吉政一郎さん。 Mobage、Pococha——toCの印象が強いDeNAが、いまtoB事業にも力を入れ始めています。求められるケイパビリティが違うはずのこの転換は、何を根拠にしているのか。 住吉さんが挙げたのは、早くAIを入れたからこそ悩み、失敗したこと。その経験自体をありがたく思っていただける事例が出てきていると言います。加えて、PMの仕事が「このLLMをどう使うか」の設計に変わるなかで、toCで培った感覚が効く場面も増えている。 体験してもらうからこそ学習が進むループ。その体験の中でしか取れない行動データこそがmoatになる——#keep4oを引きながら語られたこの仮説は、toBでも同じ構造で効くのではないか。 8月上旬の決算説明会で発表された「事業創造エコシステム」をめぐる話も、地続きでした。 AIで事業を生み出すハードルは下がった一方、育てて次を回すサイクルの巧拙こそが際立つ。1プロジェクトあたりの人数が減る時代に、いまの事業にいるメンバーを新規事業へ移す設計まで作れるかどうか。日本企業が遅れないために何が要るのか、という視点で語っていただきました。 【アジェンダ】 (1:27) DeNAの事業紹介と住吉さん自己紹介(2:51) 決算で掲げた「事業創造ファクトリー」―なぜいま改めて旗を立てるのか(8:09) グロース支援の中身―プレイブックは作れるのか(10:20) DeNAのDNAを書き換える?―AI時代に注目するグローバル企業とは(17:37) toC企業がいまtoBに力を入れる理由(22:22) モデルレイヤーが後追いしてきたら―#keep4oと体験のループ(26:13) toBとtoCの違い―「ドリルと穴」から見えるAI時代の提案 【ゲストプロフィール】 住吉 政一郎 / 株式会社ディー・エヌ・エー グロース事業本部 事業本部長 / 株式会社DeNA AI Link 代表取締役社長 2012年、株式会社ディー・エヌ・エーに入社。ゲームのサーバーエンジニア、運用ゲームのプロデューサー、新規ゲームのプロデューサー/ディレクター、新規サービスのプロダクトオーナー、ゲームのコミュニティマネジメントなど多岐に渡る業務を経験。コミュニティマネジメント組織を立ち上げたのち、Pococha・IRIAMなどを管掌するライブコミュニティ事業本部長を経て、現在はグロース事業本部長として、DeNAからの直接投資やファンド出資の責任者、出資先をはじめとした事業のグロース全般に責任を持つ。昨年4月からDeNA AI Linkの社長も務める。

  2. Sep 3

    PeopleX50億円超調達の狙い―AI時代になぜ年間100人も採用するのか

    今回のゲストは、PeopleX 代表取締役CEOの橘大地さん。前編に続く後編です。 AIが一人あたりの生産性を押し上げる時代に、人員計画の前提は揺らいでいます。5人分の仕事が1人で回るなら、採用は絞るべきなのか―。 先日約50億円超の調達を発表したPeopleX。橘さんが語ったのは、AIネイティブが生んだ「余白」をすべて刈り取りにいく、という狙いでした。毎年10個、IPOまでに100個の新規事業が生まれる余地がある。だからこそ新規事業を作ることは、事業責任者を輩出し続けることと同義になる―組織のつくり方まで地続きの話でした。 そのうえで人員計画へ。AIが人の能力を5倍ほどに広げている体感を持ちながら、橘さんは年間100人の採用を続けると決めています。同じアウトプットでいいなら減らせばいい。けれど競争に勝つなら、100人採れば500人分になる。足し算ではなく掛け算で考える、という整理です。 話題は、社内AI化における内製と外販の線引きへも及びます。ボトムアップの実験が価値に変わる会社と、そうならない会社を分けるものは何か。経営が先に動かなければ現場の実験は成立しない、という指摘が印象的でした。 さらに、人材紹介や研修会社をグループに迎えるM&Aの狙いも。AIが担える領域が広がるからこそ、人にしか担えないラストワンマイルの価値がむしろ際立つ——攻めと守り、両面の論理を伺っています。 AI時代に、人とAIの資源配分をどう組むか。自社の人員計画を考え直したくなる回です。 【アジェンダ】 (1:49) なぜシリーズAで50億円超を調達するのか―PeopleXが取りにいく「余白」とは(4:54) いま大型調達はしやすいのか―市況とAIネイティブSaaSのバリュエーション(8:09) 社内AI化の思想―なぜ全部署がラボのように動けるのか(14:45) AIが生産性5倍にするからこそ毎年100人採用を続ける理由(16:43) M&A戦略―攻めと守り、そしてラストワンマイルの価値(20:05) AI時代の組織設計―人員計画にAIの原価をどう織り込むか(25:06) PeopleXからお知らせ 【ゲストプロフィール】 橘 大地 / 株式会社PeopleX 代表取締役CEO 2010年東京大学法科大学院修了。弁護士資格取得後、株式会社サイバーエージェントにて、弁護士として企業法務活動に従事。2015年に弁護士ドットコム株式会社に入社し、クラウド契約サービス「クラウドサイン」の事業責任者に就任。2018年4月より同社執行役員に就任、2019年6月より取締役に就任。 2024年4月株式会社PeopleXを創業。対話型AI面接サービス「PeopleX AI面接」やエンプロイーサクセスHRプラットフォーム「PeopleWork」等を開発、運営。2025年4月より「AIによる採⽤⾯接・⼈事評価サービス協議会」(AIAC)を創設し、代表理事に就任。 【採用サイト】 https://corp.peoplex.jp/recruit

  3. Aug 27

    「真似はできても追いつけない」―PeopleX橘氏が語るAI時代のmoat

    今回のゲストは、PeopleX 代表取締役CEOの橘大地さん。 AI面接を皮切りに、この1年あまりで7つのAIプロダクトを投入。HRからセールス・カスタマーサクセスへと領域を横断し、初年度は14倍成長、AI面接のリリースから15ヶ月でARR10億円に到達したと言います。 前編のテーマは、参入が相次ぐいま、一見真似のできそうなプロダクトで、それでも追いつかれないために何を積むのか。 橘さんは、これをBtoB SaaSがいかに勝ってきたかの焼き直しだと捉えます。同じものは作れる。だが、作れるかどうかで差はつかない。初期の1〜3年で上位2社に入れるかどうかが、その後20年の利益を生む——AI面接にはすでに30社ほどが参入し、勝負は刻一刻と進んでいるという見立てです。だから、全ての製品で選ばれ続けることを淡々と繰り返す。 一方、基盤モデルとの関係は別の物差しで語られます。AI面接において生成AIが占める原価率は0.5%程度。残る99%を、閲覧権限やセキュリティ、次の選考へつなぐワークフローが担っている。ならば汎用AIに侵食されることはほぼない、と。 そして、早く入ったからこそ積み上がった機能群と、製品を横断して顧客ごとの文脈を蓄えていく基盤。その総体をmoatにしていく構想を伺いました。 さらに、なぜこのペースでプロダクトを出せるのか、既存SoRプレイヤーをどう見ているのか——量産を支える開発の考え方から、既存領域にはあえて入らないという判断まで。AIネイティブならではの戦略が詰まった回です。 【アジェンダ】 (1:18)橘さん自己紹介とPeopleXの事業概要(2:22)インターネット産業史から見るAIの市場余白(7:44)1年でプロダクト7つ―なぜこれだけプロダクトを量産できるのか(11:05)初期の1〜3年で決まる―「上位2社に入る」という戦い方(12:30)汎用モデルに侵食されないのか―原価率0.5%という物差し(14:03)PeopleXはどこにmoatを宿すのか(17:28)既存SoRプレイヤーとは、持っているデータの何が違うのか(26:24)この2年間で、構想の何が変わり、何が変わっていないのか 【ゲストプロフィール】 橘 大地 / 株式会社PeopleX 代表取締役CEO 2010年東京大学法科大学院修了。弁護士資格取得後、株式会社サイバーエージェントにて、弁護士として企業法務活動に従事。2015年に弁護士ドットコム株式会社に入社し、クラウド契約サービス「クラウドサイン」の事業責任者に就任。2018年4月より同社執行役員に就任、2019年6月より取締役に就任。 2024年4月株式会社PeopleXを創業。対話型AI面接サービス「PeopleX AI面接」やエンプロイーサクセスHRプラットフォーム「PeopleWork」等を開発、運営。2025年4月より「AIによる採⽤⾯接・⼈事評価サービス協議会」(AIAC)を創設し、代表理事に就任。

  4. Aug 20

    AIで増える仕事、減る仕事―マネーフォワード竹田氏が明かす経営者自身の試行錯誤

    今回のゲストは、株式会社マネーフォワード 取締役執行役員 ビジネスセグメントCOOの竹田正信さん。前編に続く後編です。 今年4月、同社はデジタルワーカー市場14.1兆円を狙うと掲げました。ITツールの提供から、労働力そのものの提供へ―。 では、人件費の代替はどこから始まるのか。竹田さんが挙げたのは、すでにBPOとして外に出ている領域でした。定型化しやすく、予算枠もすでにある。だからプレイヤーが集まり、競争がAI化をさらに加速させていく。 マネーフォワード自身は、その領域にどう入っていくのか。まとまった見解はまだない、という率直な現在地が語られます。人手を抱えて業務を観察しながらAI化する道と、抱えない道と。 社内ではどうか。トップダウンで活用を推し進めた結果、定型業務では大幅な時間削減が生まれています。それでも、100人でやっていた作業が30人で回るようになる、といったことは起きていない。むしろ、AIで変えていくという仕事自体が新たに乗っかってきた、と竹田さんは包み隠さず語ります。 減る仕事と、増える仕事。その両方を、ご自身の手触りとともにお話いただきました。 プロダクト開発の職種定義をどう組み替えるか、組織全体をどう動かすかまで踏み込んでいます。 顧客に提供する側でも、自ら使う側でも、問われているのは同じ「AIで人件費をどう代替していくか」。自社ではどう向き合うか、考えたくなる回です。 【アジェンダ】 (1:34) デジタルワーカー市場14.1兆円―ITツールから労働力の提供へ(7:21) AI-BPOに自ら乗り出すか―人手を抱える道と、抱えない道(12:43) 社内のAI化をどのようにトップダウンで推進したのか(17:49) 生産性は上がったのに、なぜ仕事は増えるのか(25:33) マネーフォワードから採用のお知らせ 【ゲストプロフィール】 竹田 正信 / 株式会社マネーフォワード 取締役執行役員 ビジネスセグメントCOO 2001年インターネット広告代理店にて企画営業職に従事。2003年株式会社マクロミルに入社し、2008年取締役就任。同社の事業部門を主に管掌し、事業戦略、人事戦略、企業統合、新規事業開発を主導。2012年株式会社イオレに転じ、取締役経営企画室長に従事。2016年株式会社クラビス取締役・CFOを経て、2017年より、当社グループに参画。 【採用サイト】 https://hrmos.co/pages/moneyforward/jobs/2206939972919009398 ※本エピソードは6月に収録した内容です

  5. Aug 13

    AIにどこまで任せるか―マネーフォワード竹田氏が語る、ヘッドレス化時代の「三正面作戦」

    今回のゲストは、株式会社マネーフォワード 取締役執行役員 ビジネスセグメントCOOの竹田正信さん。 今年に入り、汎用AIで仕訳を丸ごと自動化する会計事務所が現れ、マネーフォワード自身もMCPを公開。「ヘッドレス化」が着実に進んでいます。 では、自社のプロダクトをどこまでAIに委ねるのか。竹田さんの答えは「どうなるか分からない、だから全方位に張る」。既存SaaSへのAI組み込み、MCPによる外部開放、自社エージェント「マネーフォワード AI Cowork」——この三正面作戦が、現時点の経営判断です。 三つを貫いていたのは、どこまでAIに渡すかの線引きでした。 汎用AIを自ら使いこなす層は、竹田さんの体感で顧客の1〜2%。残る大多数には、誤りが起きたとき誰が責任を持つのかまで含めた設計が欠かせません。エンタープライズならなおさら、人が承認した痕跡が残っているかが問われます。 だから外部への開放は制御できる範囲から広げ、自社で届けるAI Coworkではガバナンスを自ら握る。「安全であるがゆえに、より自由度が高い」——竹田さんが描く世界観です。 AIにどこまで任せるか。自社ならどこに線を引くか、考えたくなる回です。 【アジェンダ】 (1:24) マネーフォワードの事業概要と、竹田さんのキャリア(3:54) ヘッドレス化時代のプロダクト戦略―「どうなるか分からない、だから全方位に張る」三正面作戦(8:35) 1円のズレも許されない領域で、どこまでAIに渡すか(11:28) 外部開放とAI Cowork——両立の狙いとバランス(14:50) 同じ領域でも競合とプロダクト思想が異なるのはなぜか(17:26) AIネイティブな新興プレイヤーをどう見るか(24:10) 「System of Recordとしての堅牢さ」はどこに宿るのか(26:51) 新しく取りに行くコンテキストと、BPOのAI化 【ゲストプロフィール】 竹田 正信 / 株式会社マネーフォワード 取締役執行役員 ビジネスセグメントCOO 2001年インターネット広告代理店にて企画営業職に従事。2003年株式会社マクロミルに入社し、2008年取締役就任。同社の事業部門を主に管掌し、事業戦略、人事戦略、企業統合、新規事業開発を主導。2012年株式会社イオレに転じ、取締役経営企画室長に従事。2016年株式会社クラビス取締役・CFOを経て、2017年より、当社グループに参画。 ※本エピソードは6月に収録した内容です

  6. Aug 6

    なぜFinatextはAI企業に転換できたのかー生き残る会社の事業と組織の戦略論

    今回のゲストは、Finatext Holdings 取締役CFOの伊藤祐一郎さん。前編に続く後編です。 上場直後の急落を経験しながら、この半年で市場の評価を大きく取り戻してきたFinatext。既存のソフトウェア企業が「AIで再評価される会社」と「そうでない会社」に分かれ始めるなか、なぜうまく転換できたのか——伊藤さんは、二つの理由を挙げます。 ひとつは、事業そのものがAI時代に価値を持つ構造だったこと。「何でもAIで書き直せる」という空気は、トークン課金という原価が意識されるにつれ、業界特化やデータへの接着が要るという理解へと変わっていきました。金融という複雑な業務に特化し、データ基盤を握るFinatextの事業は、むしろコスト構造の観点で理にかなう。市場の理解が追いつくにつれ、その価値が伝わり始めた、という手応えが語られます。 もうひとつは、その転換を動かせる組織だったこと。トップの即断でいち早く走り出したこと、金融機関グレードのセキュリティを早く引き全社が安全にAIを使える下地を整えたこと、複数事業ゆえに新しい挑戦を試せる「余白」があったこと。速く、全員で、試しながら動ける体制が、号令を空回りさせませんでした。 話題は、次々と新規事業を生み出す仕組みへも及びます。ミツバチになぞらえた「女王蜂(分蜂)」の型——既存事業で成果を出した人が数人を連れて抜け、新事業を立ち上げる。B2Bで「絶対に当てにいく」ための、再現性を持たせた事業づくりを伺いました。 さらに、伊藤さんが毎週追いかけるフィンテックの三大トレンドへ。非対面から対面へ、レギュテック、そしてエージェンティックコマース。なぜそれが起きているのかを構造から読み解く視点は、どんな事業に携わる人にとっても、次の一手を考えるヒントになるはずです。 生き残る会社は何が違うのか。CFOの視点から、AI時代の事業戦略の射程を一段広げてくれる回です。 【アジェンダ】 (1:37) Finatextはどうやって「AIカンパニー」として評価されたのか(8:36) FinatextがAI時代にうまく転換できた3つの理由(11:28) 売上の"性質"をどう組むか―フロー・ストック・従量のバランス(14:49) 新規事業を立ち上げ続ける「女王蜂」モデルとは(19:16) 世界のフィンテックはどこへ向かうのか―3つの大トレンド(27:24) 「違和感」から事業の種をつかむ―情報インプットの技術(30:01) IS人材がトップにいることは、社内AI化にどう効くのか(33:10) Finatextからのお知らせ 【ゲストプロフィール】 伊藤 祐一郎 / 株式会社Finatextホールディングス取締役CFO 東京大学経済学部卒業。2010年よりUBSの投資銀行本部においてIPOやグローバルM&Aのアドバイザリー業務に従事。2016年に株式会社Finatext(現・株式会社Finatextホールディングス)に参画しCFOに就任。グループ内で、証券ビジネスプラットフォームを提供するスマートプラス、次世代型デジタル保険を提供するスマートプラス少額短期保険、組込型融資を提供するスマートプラスクレジットの立上げを牽引。著書に『実践 エンベデッドファイナンス』。 X: @110110110110 【Finatext採用サイト】 https://finatext.com/recruit

  7. Jul 30

    コンテキストレイヤーは本当に稼げるのか―FinatextのバーティカルAI戦略解剖

    今回のゲストは、Finatext Holdings 取締役CFOの伊藤 祐一郎さん。 金融という規制も業務も複雑な業界に特化し、ソフトウェアを提供してきたFinatext。金融業務の基幹システム、いわゆるSoRのど真ん中を担う、日本を代表するバーティカルプレイヤーの一社です。 AIが業務に入り込む時代に、この足場をどう活かし、どこで戦うのか――前編は、いま各社が張り始めた「コンテキストレイヤー」は本当に稼げるのか、という問いを軸に、Finatextの戦略を解剖していきます。 付加価値が残るのは、おそらくコンテキストレイヤー。ただし、価値が残る場所と、そこで稼げる場所は必ずしも一致しない――。だからこそ、どのレイヤーで収益を取れるかを今の時点で決め打ちせず、上からも下からも張る。SoRにエージェントを載せていくだけでなく、あえてエージェントのレイヤー側からも攻め込み、両側から挟み込みにいく。 その意思決定の背景を伺いました。 なぜ一体で提供しないと勝てないのか、という問いも印象的でした。 金融のコンプライアンスチェックのように、相手が誰で、何を、いつ売ってよいかという文脈をリアルタイムに踏まえる必要がある領域では、SoRを持つプレイヤーがエージェントまで担わないと、精度が担保できない。レイヤーがなぜ融合に向かうのか、その必然が具体で語られます。 さらに話題は、大手SIerが長年握ってきたエンタープライズ市場へ。 これまで、個社ごとの業務に埋め込まれた例外処理やルールは、システムの一行に溶け込んだ暗黙知となり、「その会社にしかわからない」状態を生んできました。この暗黙知を、生成AIが過去の意思決定ログから言語化できるようになったら――。 伊藤さんが「コンテキストグラフ」と呼ぶこの発想の先に、外部プレイヤーが巨大なエンプラ市場へ切り込む可能性を見ています。 SoRという足場を持つ企業は、AI時代にどこで価値を取りにいくのか。 レイヤーの組み替えを、事業の意思決定としてどう捉えるか――事業戦略を考えるヒントが盛りだくさんの回になっています。 【アジェンダ】 (1:37) Finatext事業紹介と伊藤さん自己紹介(5:42) 金融で問い直すAI時代のレイヤー構造―ビジネスロジックはエージェントに置き換わるのか(10:24) 金融にエージェントレイヤーは出てきているのか―「一体で提供しないと勝てない」の意味(15:00) どのレイヤーで稼げるかは、まだわからない―上下から挟み込む戦略の背景(19:02) 同じ企業を特定することすらできていない―名寄せとデータ基盤設計に効くバーティカルの知見(25:08) 暗黙知を言語化できる今、大手SIerの独占市場に切り込めるか(28:08) 100個試して2個当てる―伊藤さんが「愛してる」会社Ramp 【ゲストプロフィール】 伊藤 祐一郎 / 株式会社Finatextホールディングス取締役CFO 東京大学経済学部卒業。2010年よりUBSの投資銀行本部においてIPOやグローバルM&Aのアドバイザリー業務に従事。2016年に株式会社Finatext(現・株式会社Finatextホールディングス)に参画しCFOに就任。グループ内で、証券ビジネスプラットフォームを提供するスマートプラス、次世代型デジタル保険を提供するスマートプラス少額短期保険、組込型融資を提供するスマートプラスクレジットの立上げを牽引。著書に『実践 エンベデッドファイナンス』。 X: @110110110110 【参考記事】 伊藤さんnote:FinatextのグループAI戦略ー10年の逆張りが、AI時代の必然に。

  8. Jul 23

    成功するM&Aは何が違うのか―「売り手側」が明かすナレッジワーク統合の舞台裏

    今回のゲストは、ナレッジワーク CAIO(Chief AI Officer)の山崎はずむさん。前編に続く後編です。 商談解析AI「JamRoll」を展開するPoeticsを創業し、その後ナレッジワークにグループインした山崎さん。「売り手側」から、この統合の意思決定を振り返っていただきました。 AIによってソフトウェアが誰でも速く作れる時代。だからこそ、一定規模まで成長したスタートアップが必ず突き当たるのが、「作るか、買うか」という問いです。 山崎さんがまず挙げたのは、この判断を分けるのは端的に「時間」だ、という視点でした。 商談記録がエンタープライズで本格的に導入され始めたいま、ゼロから作っていては商機を逃しかねない。作れないソフトウェアがほぼなくなりつつある時代には、何を作れるかより、いつ届けられるか。M&Aとは「時間を買う」手段でもある——そう語ります。 もう一つの鍵が、補完関係の設計です。 プロダクトは自分たちでも作れる。けれど、大手企業への「ディストリビューション」は一朝一夕には築けない。ナレッジワークが積み上げてきた顧客基盤と、Poeticsが磨いてきた音声・言語解析の技術。この足りないもの同士がかみ合ったからこそ、単独では届かなかった成長曲線を描けたと言います。 では、なぜここまできれいにかみ合ったのか。その内側を伺いました。 話題は、AI時代のM&Aそのものへと広がります。 「AIカンパニーだから買う」という発想の危うさ。内製と買収を分ける判断。そして、AIスタートアップにとってIPOとM&Aをどう位置づけるべきか。 M&Aは目的ではなく手段であり、大切なのは「本当に届けたい価値は何か」から逆算することだ——売り手として決断し、いまは買い手の側で統合を率いる山崎さんだからこそ語れる、両側からの視点がありました。 自社の成長を、どんな手段で描くのか。 「作るか、買うか」を考えるすべての方に届けたい回です。 【アジェンダ】 (1:41) 2ヶ月で決まったM&A―成立までの経緯(5:50) AIスタートアップの買収は増えるのか―成否を分けるもの(8:45) このM&Aはなぜかみ合ったのか(11:17) 「自分たちで作れるのでは」をどう越えるか―内製とM&Aの分岐点(14:10) IPOかM&Aか、起業家の実績は「その後」で決まる(17:58) ナレッジワークは既存SoRを置き換えにいくのか(19:59) 採用のお知らせ 【ゲストプロフィール】 山崎 はずむ / 株式会社ナレッジワーク CAIO 東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。ニューヨーク大学大学院特別研究員。商談解析AI「JamRoll」を提供するPoetics代表取締役に着任。 2025年、ナレッジワークにPoeticsを売却し、入社。ヨーロッパ最大級ピッチ・コンテスト、Pitch Your Startup 2018(ルクセンブルク)でアジア企業として初めて優勝するなど、国際的なピッチ・コンテストで 6度優勝。書籍『アフターAI』(日経BP)ゲスト解説。 【採用サイト】 https://knowledgework.com/recruit/product

About

ITスタートアップの経営層をお招きし、「AI時代のプロダクト戦略」を深掘りします。 <番組ホスト> グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社 プリンシパル 工藤真由 (プロデューサー) マッキンゼーを経て、2022年10月グロービス・キャピタル・パートナーズ入社。慶應義塾大学経済学部卒。 X: https://x.com/_mayumayu13 テックタッチ株式会社 取締役CFO/CPO 中出昌哉 AI事業「AI Central」を統括、CFO兼CPOを務める。日本CPO協会理事。野村證券、カーライルを経て2021年3月 CFOとしてテックタッチ入社。東京大学経済学部、MIT MBA。 X: https://x.com/masaya_nakade Zen & Company株式会社 代表取締役 宮田善孝 京都大学法学部卒。Booz & company、Accenture Strategyを経て、DeNA、SmartNewsにてプロダクト運営に従事。freeeで執行役員 VPoPを歴任後、Zen & Companyを創業。ALL STAR SAAS FUND PM Advisor、ソニーSenior Advisor、日本CPO協会常務執行理事。 X: https://x.com/zenkou_1 https://listen.style/p/sqjx89au?8qWdEpe

You Might Also Like