身体の教養ラヂオ

大沼竜也

大沼竜也(おおぬま・たつや) 鍼灸師。1991年宮城県生。 身体の教養──自分の身体の状態を感じ取り、自分で調整できるようになること。読み書きと同じように、誰もが身につけるべきリテラシーだと考えています。 漠然とした不安、疲れ、行き詰まり。その原因を思考で探しても、また同じ不調が戻ってくる。身体の状態が変わっていないからかもしれません。 身体は常に何かを感じています。あなたが気づいていなくても。この「感じ」が、気分も判断も行動も──暮らし全体を方向づけています。 身体の構造を知り、自分の身体に通し、感覚が立ち上がる。コーヒーを飲む、本を開く、誰かと話す。行為は同じでも、身体の状態が変われば暮らしの質が変わります。 自分の手で触れ、ゆすり、さする。感じて、解いていく。僕はこれを身体動態瞑想と呼んでいます。瞑想は身体的な行為であり、感じ解いていくことです。 変われないのは、あなたのせいではありません。身体が固まったまま思考だけで何とかしようとしている構造のせいかもしれない。この番組では、身体の教養という視点から暮らしを見つめ直します。 ▼ 話している人について https://www.somaticstudiojapan.com/newsletter

  1. 2d ago

    緊張してうわつく|地に足をつかせるための身体構造理論#49

    #49 | 身体の教養ラヂオ 地に足がつかない。ふわふわする。うわついていると言われる。 しっかりしようとして足の裏で地面を掴むほど、かえって乗れなくなることがあります。 心の言葉を足元の構造に戻しながら、「脛骨で立つ」という感覚をたどります。 前回#48では、「地に足がつく」という言葉そのものを扱いました。 続きとして、足の裏、ふくらはぎ、脛骨・腓骨、重力の通り道の話をしています。 足の裏の一点を探すほど力が入る。 ふくらはぎがだるいのは、骨に任せれば出さなくてよかった力を、出し続けている跡かもしれない。 「地に足をつける」は、踏みしめることというより、掴むのをやめて、重さが通る邪魔をしないことなのかもしれません。 立てない日は、無理に床を踏みしめなくて大丈夫です。 信号待ち、レジの列、歯磨きの時間に、足の力をふっと抜く。 それだけを試してみてください。 現実感の薄さ、ふらつき、立ちくらみが強い場合は、医療や専門の助けも大切にしてください。 診断の話ではありません。日常の中で自分の足元を読むための身体の見方を話しています。 無料の「身体の教養便り」をお届けしています。 入門ガイド「身体の教養 入門」と、2週間の「自分のからだを読む」練習メールが届きます。登録は無料で、いつでも解除できます。 https://www.somaticstudiojapan.com/newsletter 話している人について https://www.somaticstudiojapan.com/tatsuyaonuma お手紙・ハガキ募集中です。 〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町一丁目12-39-503 大沼鍼灸 宛

  2. 4d ago

    ふわふわして、現実感が薄い|その言葉、体を言い当てているのかも #48

    #48 | 身体の教養ラヂオ 地に足がつかない。ふわふわして落ち着かない。現実感が薄くて、何をしても上の空。 そういう言葉は、例え話のつもりでも、足元の実際の状態を言い当てていることがあります。 「腹が立つ」「宇宙とつながる」と一緒に、体の側から言葉をたどっていきます。 【目次】 00:00 ふわふわして、現実感が薄い ── サポーターからの質問 04:24 心の話で語る人、体の話で語る人 06:41 「地に足がつく」は例え話なのか 08:11 「腹が立つ」は、お腹の中で胃が立っている 14:18 「宇宙とつながる」は重力線の話かもしれない 20:35 例え話のつもりが、足元の実際を言い当てている 続き(じゃあ物理的にはどういうことなのか)は、次回お話しします。 無料の「身体の教養便り」をお届けしています☺️ 入門ガイド「身体の教養 入門」と、2週間の「自分のからだを読む」練習メールが届きますよ。登録は無料で、いつでも解除できます。 https://www.somaticstudiojapan.com/newsletter 話している人について https://www.somaticstudiojapan.com/tatsuyaonuma お手紙・ハガキ募集中です。 〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町一丁目12-39-503 大沼鍼灸 宛

  3. Jul 22

    親を許すかどうかは、決めなくていい #47

    #47 | 身体の教養ラヂオ 実家に帰ると疲れる。母といるとなぜかしんどい。親を許せない自分を責めてしまう。 それは性格でも過去の傷そのものでもなく、その相手を前にすると立ち上がる身体の構えなのかもしれません。 怒らない親のもとでも構えはできる、という話から、許すかどうかを決める前にできることまで話しました。 【目次】 00:00 実家に帰ると疲れる、という相談から 03:39 実家に帰ると、なぜ疲れるのか 20:46 怒らない親でも、構えはできる 35:02 許すかどうかは、決めなくていい 42:53 親の側の身体 ── 肩が楽になったら、子供に優しくなれた 53:29 意志の構え ── 連鎖に手を入れられる場所 【参考】 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」 無料の「身体の教養便り」をお届けしています☺️ 入門ガイド「身体の教養 入門」と、2週間の「自分のからだを読む」練習メールが届きますよ。登録は無料で、いつでも解除できます。 https://www.somaticstudiojapan.com/newsletter 話している人について https://www.somaticstudiojapan.com/tatsuyaonuma お手紙・ハガキ募集中です。 〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町一丁目12-39-503 大沼鍼灸 宛

  4. Jul 7

    毎日が同じことの繰り返しでむなしい|岩を押し続けた男の話 #46

    毎日が同じことの繰り返しで、何のためにやってるのかわからなくなることがあります。 その「何のため?」が消えている時間が、身体にはあります。夢中でやっているときです。 岩を押し続けた男の話から、「希望」の意味を取り戻す回です。 最も伝えたかったのは、 大事にすべきは、どんな構えを保とうとするか、その意思が幸福の起源であるということ。 身体が合理的になれば、むしろストレスは楽しめるものになるのです。辛いものも、スポーツも、仕事もそうでしょう。ストレスを避けるのではなく(一時的に必要なこともある)、ひたすら泳げる身体を作っていくということなんです。 アルベール・カミュ『シーシュポスの神話』(清水徹訳・新潮文庫)から引用しています。 無料の「身体の教養便り」をお届けしています☺️ 入門ガイド「身体の教養 入門」と、2週間の「自分のからだを読む」練習メールが届きますよ。登録は無料で、いつでも解除できます。 https://www.somaticstudiojapan.com/newsletter 話している人について https://www.somaticstudiojapan.com/tatsuyaonuma お手紙・ハガキ募集中です。 〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町一丁目12-39-503 大沼鍼灸 宛

  5. Jun 30

    人と会うとぐったりするのは、なぜ?|繊細だから疲れるんじゃない #45

    人と会うと、どっと疲れる。「私、感受性が強すぎるのかもしれない」。そう感じることはないでしょうか。 でもその疲れは、弱さというより、相手の体験に触れて自分の中の体験が呼び起こされ、増幅して、自分を飲み込んでしまうから起きているのかもしれません。 コミュニケーション三部作の最終回。繊細さの正体と、飲み込まれずに人と関わる「戻り方」を、身体の視点からゆっくり話しています。 ―――――――――― 【チャプター】 0:00 「もらった」んじゃない、自分の中で増幅している 2:14 生きることは、ぜんぶコミュニケーション 8:01 「もらい疲れ」という言葉で、見えなくなるもの 13:31 境界線を引くだけでは、もったいない 19:58 共感できる人ほど、相手が見えなくなる 30:41 「ちゃんと聞かなきゃ」が、防御になる 38:45 僕が「感受性が低い」と思っていた頃 45:29 感受性は、鈍らせなくていい 51:29 戻り方さえ覚えれば、飲み込まれない 【今日の3つの問い】 ・「もらい疲れ」という言葉で、何が見えにくくなるのか ・共感できる人ほど、なぜ相手が見えなくなることがあるのか ・感受性を鈍らせずに、人と関われる体に戻るには何をすればいいのか 【参考】 ・HSP(Highly Sensitive Person/エレイン・アーロンが提唱した、刺激に敏感な気質の概念) ・共感疲労(compassion fatigue)・もらい疲れ ・刺激をきっかけに記憶が立ち上がる現象(プルースト効果/匂いや音が当時の体験を呼び起こす) ・トラウマの仕組み(無意識のうちに体が過去の体験を追体験する) ・前回(第2回):共感=体験の共有/間身体性 【コミュニケーション三部作】 第1回 会話で大事なのは、何があったかじゃない 第2回 共感とは、体験の共有である 第3回 繊細だから疲れるんじゃない(本編・最終回) このコミュニケーションの土台を、対人支援者の方と一緒に学んでいく場として、私塾を開いています。今、夏期の募集をしています。気になった方はこちらから。 https://www.somaticstudiojapan.com/sijyuku 話している人について https://www.somaticstudiojapan.com/tatsuyaonuma お手紙・ハガキ募集中です。 〒981-0811 宮城県仙台市青葉区一番町一丁目12-39-503 大沼鍼灸 宛

  6. Jun 22

    相手が遠く感じるたったひとつの理由|共感とは、体験の共有である。 #44

    「わかるよ」と言いながら、本当に伝わっているのかなと不安になることはないでしょうか。自分には共感力がないのかも、と感じている方もいるかもしれません。 でも共感は、相手をよく観察する技術ではなくて、自分の中に眠っていた似た体験が呼び起こされる「体験の共有」なんです。だとすると、鍵は相手ではなく、自分の体のほうにあります。 コミュニケーション三部作の第2回。共感とは何かを、身体の視点からゆっくり話しています。 【チャプター】 0:00 「わかるよ」が起きるとき、体では何が起きているのか 3:12 共感は「相手に集中すること」だと思われている 6:38 「わかる」のは、自分の中に同じものがあるから 9:33 共感は、自分を通っていく 13:41 世間が消えて、共感を経ずに大人になる 16:28 共感とは、体験の共有である 21:45 自分の体験が、共感の幅を作る 26:30 共感は、特別な才能ではない 【参考】 ・タニア・ジンガーら:他者の痛みを見ると、痛みの情動成分が働く(Singer et al., 2004, Science) ・カール・ロジャーズ:共感的理解の「あたかも」 ・メルロ=ポンティ:間身体性(体と体の響き合い) ・sympathy(共に+感じること)/empathy(中へ感じ入る) ・内受容感覚(自分の体内状態を感じる力) 【コミュニケーション三部作】 第1回 会話で大事なのは、何があったかじゃない 第2回 共感とは、体験の共有である(本編) 第3回 繊細だから疲れるんじゃない(来週) 話している人について https://www.somaticstudiojapan.com/tatsuyaonuma お手紙・ハガキ募集中です。 〒981-0811 宮城県仙台市青葉区一番町一丁目12-39-503 大沼鍼灸 宛

  7. Jun 16

    会話で大事なのは、何があったかじゃない #43

    「ちゃんと話を聞いたつもりなのに、なぜか相手とのあいだに距離ができてしまう」。 会話で大事なのは、何があったかという事実ではなく、どう感じたかという体験のほうなのだと思います。そしてその体験は、頭ではなく身体に起きています。 対人支援を仕事にしている方も、そうでない方も。あなたと、目の前の誰かとのあいだに毎日起きていることの話です。 この夏の私塾募集にあわせた、コミュニケーションをめぐる三回シリーズの第一回。「ちゃんと聞かなきゃ」と力むと身体が固まって、かえって相手の体験を追体験できなくなる。受け止めたものを自分の中で閉じ込めず、自分の体験も返しながら、相手の体験を掘り下げて聞いていく。その身体的な土台についてお話ししました。 ― チャプター ― 00:00 対人支援は、つきつめればコミュニケーション 03:33 コミュニケーションは、生きることそのもの 06:09 「ちゃんと聞かなきゃ」と力むと、相手が遠くなる 10:13 受け止めるのはいい。でも飲み込まれると共感疲労 15:03 「悲しい」を「辛い」で塗り替えない 18:50 事実だけ追うと、古い傷を開く ── トラウマの正体 24:46 体験を、掘り下げて聞く 31:35 足を持って揺らす ── これは、あなたの話 ブログ版(書籍情報カード・因果フロー図付き)はこちら。 https://www.somaticstudiojapan.com/tatsuyaonuma-blog/what-matters-isnt-what-happened 身体の教養ラヂオ/のんべんだらりと暮らすだけ お手紙・ハガキ募集中です。 〒981-0811 宮城県仙台市青葉区一番町一丁目12-39-503 大沼鍼灸 宛 話している人について https://www.somaticstudiojapan.com/tatsuyaonuma

  8. Jun 7

    「変われない」と「知ったかぶり」|宮崎駿と知ったかぶりの身体 #42

    本を読んでも、学んでも、なぜか変わらない。 それは頭が悪いからではなく、画面を指でなぞるように「知った気」になっていて、身体がどこへも出かけていないからかもしれません。 宮崎駿が十五年前にiPadへ放った一節を手がかりに、「わかる」と「知ったかぶり」の境目を、身体から考えてみます。 スタジオジブリのフリーペーパー『熱風』2010年7月号「ぼくには、鉛筆と紙があればいい」。そこで宮崎駿は、画面をさする手つきを「自慰行為のよう」と言い、「あなたには調べられません」と言い切りました。情報がいくらあっても、その対象へ出かけていける身体がなければ、調べたことにはならない――。 ライブで初めて曲の良さが「わかる」瞬間、他人の汗の上澄みだけを掬う「受け売り」、「カメラを持っていくな、記憶で描け」という宮崎の調べ方、そして施術室で出会う「学んでも変わらないんですよね」という身体。道具の問題ではなく、手つきの問題なのだと思います。 ――あなたの指は、今、何を撫でているでしょうか。 〈チャプター〉 00:00 電車で、画面を指でさすっている ── 宮崎駿の予言 04:39 わかった気になるのは、気持ちいい 10:08 「わかる」には二つある ── ライブで初めて分かる 19:03 「あなたには調べられません」 26:55 受け売り ── 他人の汗の上澄みを掬う 35:33 カメラを持っていくな、記憶で描け 39:06 「学んでも、変わらない」と言う身体 46:03 あなたの指は、今、何を撫でているか 身体の教養ラヂオ/のんべんだらりと暮らすだけ お手紙・ハガキ募集中です。 〒981-0811 宮城県仙台市青葉区一番町一丁目12-39-503 大沼鍼灸 宛 話している人について https://www.somaticstudiojapan.com/tatsuyaonuma

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大沼竜也(おおぬま・たつや) 鍼灸師。1991年宮城県生。 身体の教養──自分の身体の状態を感じ取り、自分で調整できるようになること。読み書きと同じように、誰もが身につけるべきリテラシーだと考えています。 漠然とした不安、疲れ、行き詰まり。その原因を思考で探しても、また同じ不調が戻ってくる。身体の状態が変わっていないからかもしれません。 身体は常に何かを感じています。あなたが気づいていなくても。この「感じ」が、気分も判断も行動も──暮らし全体を方向づけています。 身体の構造を知り、自分の身体に通し、感覚が立ち上がる。コーヒーを飲む、本を開く、誰かと話す。行為は同じでも、身体の状態が変われば暮らしの質が変わります。 自分の手で触れ、ゆすり、さする。感じて、解いていく。僕はこれを身体動態瞑想と呼んでいます。瞑想は身体的な行為であり、感じ解いていくことです。 変われないのは、あなたのせいではありません。身体が固まったまま思考だけで何とかしようとしている構造のせいかもしれない。この番組では、身体の教養という視点から暮らしを見つめ直します。 ▼ 話している人について https://www.somaticstudiojapan.com/newsletter

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