アワノトモキの「読書の時間」

粟野友樹,星野良太,Work-Teller
アワノトモキの「読書の時間」

「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに 独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。 扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。 20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から 今の時代に必要だと思われる本だけを三部構成でご紹介していきます。 【profile】 リクルート/リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」、リクルートエージェント「転職成功ガイド」識者 累計約600本以上の記事を監修 https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/profile-tomoki-awano/ 筑波大学→大学院→人材系企業→フリーランスと 20年以上、人と組織の関係性について学習と実践を重ねる。 ◎注目している分野 ・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤 ・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性 ・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育 ・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用 ・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線 ※上記分野のお話が多くなると思います。 ★ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、 こちらまでDMをお寄せください。 https://twitter.com/Tomoki_Awano

  1. 2月18日

    ep40-4「検証 ナチスは『良いこと』もしたのか」(小野寺拓也さん・田野大輔さん)/中二病的な反発心や他とは違うアピール・大きな目標を持った大きな勢力にどう対抗するか

    「アワノトモキの読書の時間」、ホシノです。前回に引き続き、小野寺拓也さん・田野大輔さんの『検証 ナチスは『良いこと』もしたのか』2回目です。   今回のポイントは、よく耳にする「ナチスにも良い面があったんじゃないか?」という言説は、実は中二病的な反発心や「他の人が気づいていないことを自分は知っている」という欲求からくるんじゃないか、という著者たちの指摘です。   本の構成としては、ナチスが政権を握るまでの経緯から、国民の支持率や政治的な妥協の産物としてヒトラーが台頭していった流れなどを解説しつつ、「経済回復」「労働者保護」「家族支援」「環境保護」「健康推進」などナチスが評価されがちな要素を一つひとつ検証していく流れです。 たとえ「部分的に福利厚生らしきことをしていた」としても、実際にはユダヤ人や外国からの労働者には強制的に妊娠を中絶させるなど、致命的な差別や迫害を行っていた事実を見落とすわけにはいかない。   また、本の中では「発信する際にはまず事実を確認し、文脈を踏まえて解釈し、最後に(ようやく」自身の意見を出す」というステップが大事だと説かれています。でも、「ナチスは良いことをした」と語る人たちは、大抵文脈や全体像を踏まえた検討をすっ飛ばして結論(意見)だけを先に言ってしまう。その危うさが改めて浮き彫りになる内容でした。   番組の後半では、こうした「発信の仕方」や「情報の受け取り方」の難しさについて、マスメディアとSNSのあり方やAIを使った情報収集の話に脱線しながら、いろいろ雑談しています。SNSやAIが発達する一方で、情報や発言が偏りやすかったり、真偽を検証しにくい状況になっていることもあって、結局何をどうインプットし、どう解釈して発信するかがますます重要だなと実感する回でした。   次回はまた別のテーマやアイデアを深掘りしていきたいと思います。では、また「アワノトモキの読書の時間」でお会いしましょう!

    11分
  2. 2月14日

    ep40-3「ナチスは『良いこと』もしたのか」(小野寺拓也さん、田野大輔さん)/フォルクスワーゲンは国民向けの福利厚生から生まれた

    「アワノトモキの読書の時間」、ホシノです。今回取り上げたのは、小野寺拓也さん、田野大輔さんの『検証ナチスは『良いことも』したのか』。結論から言うと「ナチスは良いことなんてしていない」。かなりストレートなテーマですが、だからこそ改めて知っておく必要がある内容だと感じました。   110ページほどの軽めなボリュームではあるものの、ナチス研究を専門にする著者たちが、一般向けにわかりやすくエッセンスをまとめてくれている内容。ちなみに、フォルクスワーゲン(Volkswagen)が実はナチス時代に「国民向けの福利厚生」の一環として誕生したという話はそそりましたね。 ヒトラーの宣伝の上手さとか国民からの支持にまつわるイメージは強いものの、実は支持率が過半数を取れず、いろんな政治的妥協の産物としてヒトラーが政権を握るに至った経緯など、知っているようで知らない視点がいろいろある様子。   ナチスが生まれる当時の歴史的文脈や政治状況を考えると、今の日本だって似たようなことが起こり得るかもしれない。だから歴史研究者が果たす「事実を文脈に位置づけて提示する」っていう役割が重要だと、この本でも強調されています。実際、社会への不満や正しさへの反発が強いと、「もしかしたらナチスもいい部分があったんじゃないか」なんて意見が出てきがちですが、「いやいや、いいことなんてしていない」という結論が揺らぎようもないことを教えてくれそうです。

    11分
  3. 2月4日

    ep40-2「最貧困女子」(鈴木大介さん)/結局また「知ることから」どまり・シマ思考にヒント?

    どうも、ホシノです。今回は鈴木大介さん著『最貧困女子』についての2回目です。まず話そうと思ったことは「貧乏と貧困は違う」という話。お金がない「貧乏」だけど、仲間や地域とのつながりで楽しく暮らしている「プア充」な人もいる。一方で、家族・地域・行政の「三つの縁」がどれもうまく機能せず、精神障害や発達障害、知的障害などの「三つの障害」と重なり合うことによって、本当に行き場もなくなってしまう人たちがいる。「貧困」という状態のどうにもならなさを感じました。 鈴木さんは「セックスワークを含む現場をもっと可視化し、社会的に承認していく必要があるんじゃないか」と提案しています。法整備や条例で取り締まっていくと、むしろ闇に潜ってしまい、状況がますます悪化する可能性があるからです。実際に2022年前後に話題になった“AV新法”などによって、表に出る機会を失い、さらに追い込まれる人が増えていくのではないか、という視点はなるほどと思わされました。 ちなみに、ホシノは読みながら『シマ思考』という本の内容を思い浮かべておりました。都会は「お金の経済」重視だけど、島や田舎には「贈与」や「助け合い」の経済が残っている。そういうネットワークがあれば、“最貧困”までいかないで済むかもしれないのに、と。とはいえ、アワノさんの指摘のように現実的には都会のほうが換金しやすい仕事があり、孤立してしまった人があえて島に移り住むなんて無理なお話。 どうしたって解決策はそう簡単には見つからない。結局「まずは知ることから」くらいしか今回もできない。ただ、鈴木さんのようにそこから次の一歩として発信をする方たちの一助となれば…。 次回からは、通常版アワノトモキの読書の時間にお戻しいたします!

    19分
  4. 1月28日

    ep40-1 「最貧困女子」(鈴木大介さん)/ルポライターへのリスペクト・グレーゾーンへのアンテナ

    こんにちは、今回はホシノが本を紹介します。前回までの振り返りの内容を受けて、これからはちょこちょこと出番をいただいていこうと思います!   今回紹介する本は鈴木大介さんの『最貧困女子』。2014年頃に出たルポ作品なんですが、可視化されない貧困問題、特に女性にフォーカスした内容です。住民票すら持てないような状況の方々がいるとか、普段は表に出ない現実が描かれています。 ちょうどホシノは最近「グレーゾーン」と呼ばれる領域、知的ボーダーラインだったり、いわゆる支援を受けにくい人々の存在に関心を持ち始めたこともあり、鈴木大介さんのルポライターという職業にリスペクトを感じたこともあり、扱うことを決めた次第です。   ちなみに、鈴木大介さんが書かれた『ネット右翼になった父』を読んだときにも、自分の身近な人を徹底取材するスタイルに衝撃を受けました。学者さんではなくルポライターだから、専門的にガチガチの分析をするわけではないのですが、現場に足を運んで取材して「こんな事実がありました」って伝えてくれるところに大きな大きな価値を感じております。世の中に埋もれてる問題や声を拾い上げる仕事って、すごいなあと思うわけです。   …というわけで、今回と次回は、ホシノが『最貧困女子』を呼んで感じたことや、見えにくい貧困・グレーゾーンの問題なんかを語っていきます。重たくなりそうな予感がありますが、できるだけご機嫌に話せればいいなって思ってます。よろしくお願いします!

    16分
  5. 1月14日

    ep39-3 読書の時間リターンズ/ご機嫌とユーモア・想定読者対談

    どうも、ホシノです。「友達を作るにはどうしたらいいか」を目的に、アイデアを色々と出し合う今回。 アワノさんが長野でヤギを飼うロシア人宅に訪れたエピソード、金沢や長野で感じた「ご機嫌」な人たちの雰囲気などを語りました。「ご機嫌でいると人にも伝染するし、大事だよね」という流れへ。関連して、ユーモアを交えることにも個人的には挑戦したいんですよね。 また、コメントやメッセージを集めるのは意外とハードルが高い。ならば「リスナーをこちらからゲストに呼んで一緒に収録する」という「想定リスナー対談」という案が浮上。最終的には「この番組をきっかけにリアルに友達が5人できたらすごい」という具体的な目標も出ました。 これまで録音してきた「アワノトモキの読書の時間」を文章にまとめるなど、何か形にしたいという話も。既存の情報を自分たちなりの視点を通して「加工」して届けることに価値があると再認識し、ポッドキャスト以外のメディア展開も視野に入れたいと感じました。 「番組を通じて友達を増やす」「ご機嫌な雰囲気を大切にする」「読書を入り口にしつつ肩ひじ張らない雑談スタイルを続ける」という方向性がでましたが、さて、次回でこれを実際の形にしていけるかどうか…?次回も冷やかし気分で聞きに来てください。

    31分
  6. 1月2日

    ep39-2 読書の時間リターンズ/吉岡里穂さんトーク・友達づくり

    新年明けましておめでとうございます。 どうも、星野です。今回は「アワノトモキの読書の時間 リターンズ第2回目(?)」ということで、番組をどう続けていくかを話し合う回!   …のはずでしたが、冒頭から吉岡里帆さんの話で盛り上がってしまいました。 彼女のJ-WAVEラジオ番組「UR LIFESTYLE COLLEGE」を雰囲気だけマネしようとして結局タイトルを思い出せずに失敗するところから始まります。 そこから 「吉岡里帆さんならではの聞くスキルってあるよね」 「しっかり下調べして丁寧に受け止めるスキルがすごい」 と、彼女の魅力と聞く力の話に展開しました。 もちろん聞くためのスキルは重要なんでしょうけど、元々持っている雰囲気や背景を大切に、自分ならではの聞く力を積み上げていくしかないんですよね。 ようやく番組の本題へと入るのは5:51頃から。 「そもそも何のためにこの番組をやるの?」っていう質問に、アワノさんから「友達をつくるため」というフレーズが出てきたんです。 ホシノにとっては、これがとにかく衝撃的でした。知識をシェアする番組になりがちな読書系コンテンツですが、「コミュニティ」ではなく、もっと自然体な「友達づくり」という感覚。これってすごくいいな、と改めて思ったんです。 ただ、友達づくりをどう実現するのかはまだ模索中。僕ら自身もまだアイデアははっきり固まっていないので、次回は「実際にどうやって友達を増やすか?」をブレストしよう、という感じで終わりました。 というわけで、2回目は吉岡里帆さんトークから今後の目的「友達づくり」についてまで、だいぶ脱線しつつも楽しく喋っています。今後の番組の方向性や具体策は、次の回でじっくり話す予定なので、よかったらぜひ続きを聴いてみてください。今後とも「アワノトモキの読書の時間」をどうぞよろしくお願いします。

    17分
  7. 2024/12/25

    ep39-1 読書の時間リターンズ/5か月のブランクの裏話

    どうも、星野です。前回の配信日が2024年7月19日だったので、気づけば4カ月…いや、もう5カ月近く経ちましたね。ずいぶん長いお休みをいただいてしまい、申し訳ありません。「アワノトモキの読書の時間」、ようやく復活(?)です。 今回のブランク中、アワノさんはいろいろ試行錯誤していたようで、野外教育の分野に戻りたいとか、大学の教員を目指したりとか、思い切ったチャレンジをしていた様子です。結果として「今は待つときかもしれない」と手放してみる姿勢に至ったのが印象的でした。普段は自分でキャリアを切り開くタイプなのに、そういう言葉が出てきたのが、星野としてはいい意味で驚きでした。 ちなみに「何も動かない時期も大事だよな」と個人的には思っています。体力(HP)は眠れば回復するかもしれませんが、気持ちや企画力(MP)はなかなか回復しないですからね。たまにはドラマ「プリズンブレイク」全シーズンを一気見してみたり、ただのんびり過ごすことで、頭の中でいろんなことが熟成されるんじゃないかな、と。 そんなわけで、この期間に何をしていたのか、そしてこの番組を今後どう続けていくのか—続けるのか、それとも新しい方向に変えるのか、はたまたやめちゃうのか—を、Ep39では、何回かに分けて話していければと思います。実は自分たち自身も手探りの状態。ノープランで録りながら話し合うので、いい方向に転がるのか、それともびっくり展開になるのか…。よろしければ、この先の配信も聴いていただけると嬉しいです。 ということで、今回はご挨拶と、この4~5カ月の空白期間の裏話についてでした。次回からは、番組の方向性についてざっくばらんに話し合う予定なので、ぜひ引き続きお付き合いください。

    14分

評価とレビュー

3.4
5段階評価中
5件の評価

番組について

「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに 独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。 扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。 20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から 今の時代に必要だと思われる本だけを三部構成でご紹介していきます。 【profile】 リクルート/リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」、リクルートエージェント「転職成功ガイド」識者 累計約600本以上の記事を監修 https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/profile-tomoki-awano/ 筑波大学→大学院→人材系企業→フリーランスと 20年以上、人と組織の関係性について学習と実践を重ねる。 ◎注目している分野 ・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤 ・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性 ・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育 ・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用 ・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線 ※上記分野のお話が多くなると思います。 ★ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、 こちらまでDMをお寄せください。 https://twitter.com/Tomoki_Awano

その他のおすすめ

露骨な表現を含むエピソードを聴くには、サインインしてください。

この番組の最新情報をチェック

サインインまたは登録して番組をフォローし、エピソードを保存し、最新のアップデートを入手しましょう。

国または地域を選択

アフリカ、中東、インド

アジア太平洋

ヨーロッパ

ラテンアメリカ、カリブ海地域

米国およびカナダ