PEP Podcast

政策起業家プラットフォーム

政策起業家プラットフォーム(Policy Entrepreneur's Platform, PEP)が運営するポッドキャストチャンネルです。 以下の二つの番組を配信しています。 PEP Talk : 社会課題や政策を取り扱った書籍の著者にお越しいただき、書籍の背景等について伺う番組です。 PEP Think : 海外シンクタンクの議論を日本語で読み解き、日本のビジネスや政策への含意を考える番組です。

  1. 1D AGO

    経済安全保障の実装へ——国家と市場の新しい境界線 海外シンクタンク記事から考える産業政策のあり方 | PEP Think

    PEP Think は、海外シンクタンクの議論を日本語で読み解き、日本のビジネスと政策のこれからを一緒に考えていくポッドキャストシリーズです。 今回のエピソードでは、経済安全保障を実装していくうえで、国家と市場の境界線がどのように引き直されつつあるのかを取り上げます。補助金や融資に加えて、政府が株式を持つこと、重要鉱物を官民で備蓄すること、そして中堅国としての産業ポジションの確保戦略という論点を、制度設計とガバナンスの観点から整理します。 ■今回のトピック [01:54] 政府が戦略企業の株主になる──エクイティ投資のガバナンス設計 CSIS の論考を手がかりに、米国の産業政策が補助金・融資中心から、政府が株式を取得する段階に入っている、という論点を扱います。政府が株主になると、配当を取りにいくのか、経営にどこまで関与するのか、失敗時の責任をどう置くのかといった論点が一気に増えます。Intel への投資(約100億ドル、持分約9.9%)を例に、政治化やえこひいき、規制当局としての役割との利益相反をどう避けるか、議決権や取締役会の扱い、出口の条件、成功指標の設計、さらに同盟国や第三国からどう見られるかまで、実装上の論点を確認します。 出典: Center for Strategic and International Studies (CSIS), Understanding Federal Equity Investments in Strategic Companies https://www.csis.org/analysis/understanding-federal-equity-investments-strategic-companies [25:50] 重要鉱物の官民備蓄を保険にする──Project Vault の制度設計と論点 Project Vault に関する CSIS の 記事をもとに、重要鉱物の供給途絶リスクを、単なる在庫ではなく保険型の仕組みとして扱う発想を紹介します。国防備蓄ではなく民生製造業の経済安全保障を想定し、OEM が必要な品目や品位、量を定義し、コミットメントとフィーで費用を分担するという制度の形が提示されます。放出条件を事前の合意に基づく透明な基準で運用することや、在庫回転を制度に組み込むこと、初期は現実的にグローバル調達を前提にする点、同盟国にも拡張し得る枠組みである点が論点になります。あわせて、ガバナンス、損失負担、価格や保管費のリスク帰属、60品目を運用する現場の複雑さ、大手中心になりやすい構造、中小サプライヤーへの波及、モラルハザードをどう抑えるかといった実装上の課題も検討します。 出典: Center for Strategic and International Studies (CSIS), Project Vault: A Pillar of Economic Security https://www.csis.org/analysis/project-vault-pillar-economic-security [45:16] 中堅国の産業戦略──戦略的不可欠性と選択の制度化 ITIF の論考をもとに、中堅国が自給自足でも資源依存でもない形で、同盟国から見て不可欠な地位をどう築くかを扱います。あらゆる機能を国内で複製する誘惑(包括的なデジタル主権や国内クラウド義務化など)と、資源だけを掘って外に出す資源依存の道の両方を避け、少数の領域に集中して交渉力をつくるという整理が中心です。重要なのは、何を作るかだけでなく、何を作らないかを明確な基準で決め、声の大きい分野に資金が流れる事態を避けることです。さらに、レアアースなど重要鉱物の中流工程を担う場合に必要になる国家の実装能力(許認可、電力、技能人材、社会的合意など)や、調達・契約で統制を効かせる発想も確認します。日本にとっても、戦略分野の選定を「指定」だけで終わらせず、基準とプロセスを制度として組み込めるかが焦点になります。 出典: Information Technology and Innovation Foundation (ITIF), Strategic Indispensability or Strategic Irrelevance https://itif.org/publications/2026/02/03/strategic-indispensability-or-strategic-irrelevance/ ■こんな方におすすめ 経済安全保障を、補助金や規制の是非だけでなく、資本・備蓄・調達を含む実装として捉え直したい方政府の株式出資に伴うガバナンス、利益相反、説明責任、出口設計に関心がある方重要鉱物の供給途絶リスクを、官民でどう分担し、どんなルールで備えるかを検討したい方中堅国として、同盟国との分業の中で不可欠な産業ポジションを取りにいく戦略に関心がある方政策資本が入りやすい市場環境で、企業・スタートアップとしてのコンプライアンスと事業戦略を考えたい方 ■登壇者 馬田 隆明(PEP ディレクター) ■主催者 政策起業家プラットフォーム(PEP): https://peplatform.org/ 公益財団法人 国際文化会館: https://ihj.global/

    1h 1m
  2. 3D AGO

    "グリーン転換の三重苦"が国際秩序の再考を促す - 気候適応投資、EU の気候目標と対中デリスキングのジレンマ、気候正義と排出責任 | PEP Think

    PEP Think は、海外シンクタンクの議論を日本語で読み解き、日本のビジネスや政策への含意を考えるポッドキャストシリーズです。 今回のエピソードでは、「"グリーン転換の三重苦"が国際秩序の再考を促す」をテーマに、気候適応への投資、EU の気候目標と対中デリスキングのジレンマ、そして気候正義と排出責任をめぐる3本の記事を取り上げます。 ■今回のトピック [01:46] グローバルサウスの気候適応投資──コストではなく安全保障と成長の投資 Atlantic Council の「Climate adaptation: The investment the Global South cannot afford to delay」をもとに、気候ショックが医療・電力・物流・食料などを止める「安全保障リスク」になっている現状と、それに対する適応投資の重要性を紹介します。1ドルの適応投資が平均10ドル超の便益を生むとされるにもかかわらず、民間気候ファイナンスのうち適応向けは最大でも5%程度にとどまり、保険カバー率も約10%と低いこと、気候ショックが財政悪化と信用力低下を通じて借入コストを押し上げる悪循環を生んでいることを整理します。そのうえで、都市・システム単位での連鎖的な便益に着目した案件形成、ブレンデッドファイナンスやリスクシェアを通じた民間資金動員、適応を「人道支援」ではなく財政安定・成長・信用コストの観点からの投資と捉え直す意義、日本のODAや民間金融が果たし得る役割について議論します。 出典: Atlantic Council, “Climate adaptation: The investment the Global South cannot afford to delay” https://www.atlanticcouncil.org/blogs/africasource/climate-adaptation-the-investment-the-global-south-cannot-afford-to-delay/ [19:11] 欧州の対中デリスキングとクリーンテック依存──「重力」からどう抜け出すか ECFR の論考を手がかりに、中国が世界の製造業の28%、とくに太陽光パネル・EVバッテリー・風力発電部品などクリーンテック分野で圧倒的な供給力を持つなかで、欧州グリーンディールの「船体」が Made in China になっているというパラドックスを取り上げます。脱炭素を進めるほど中国依存が深まり、依存を減らそうとするとコストと政治的反発が増えるというジレンマ、EU内部で気候目標・産業競争力・対中観が異なる4つの陣営(懐疑派・移行推進派など)に分かれている構図を紹介します。その上で、長期リスクの可視化、レジリエンス・プレミアムのコスト負担を誰が担うのかという透明な議論、対立する陣営それぞれの「言語」で説得する必要性、といった論点について議論します。日本においても、どのようにして脱炭素と経済安全保障を切り離さずに設計し、クリーンテック供給網の多様化・リサイクル・代替材開発をどう進めるか、といった議論の必要性があることを確認します。 出典:European Council on Foreign Relations, "Don’t look down: How Europeans can escape China’s clean-tech gravity" https://ecfr.eu/publication/dont-look-down-how-europeans-can-escape-chinas-clean-tech-gravity/ [45:38] 32社が世界排出の半分──気候正義と企業責任・国際支援 Lowy Institute の「Climate change is a shared problem that needs shared solutions」をもとに、2024年の世界のCO2排出の半分がわずか32社の化石燃料企業に由来し、そのうち上位20社の17社が国有企業であるという分析を紹介します。責任を「みんなの問題」としてぼかすのではなく、特定の生産者・国有企業に引き寄せることで企業責任・課税・規制・訴訟など具体的な政策ツールに結びつける視点、同時にUNFCCCの「共通だが差異ある責任と各自の能力」の原則に立ち返り、歴史的排出・一人当たり排出・能力の違いを踏まえた負担配分が必要だという議論を整理します。そのうえで、化石燃料企業への責任追及と、先進国による気候ファイナンス・技術移転・損失と被害への拠出を「抱き合わせ」で進めないと政治的に持続可能な移行にならないという提案、日本がエネルギー安全保障や開発戦略と結びついた国有企業問題をどう捉えるべきかを考えます。 出典:The Interpreter, "Climate change is a shared problem that needs shared solutions" https://www.lowyinstitute.org/the-interpreter/climate-change-shared-problem-needs-shared-solutions ■こんな方におすすめ 気候適応への投資を「コスト」ではなく安全保障・財政・成長の観点から捉え直したい方欧州の対中デリスキングやクリーンテック産業政策の議論から、日本のGX・経済安全保障を考えたい方少数の化石燃料企業・国有企業に集中する排出責任と、気候ファイナンス・企業責任の設計に関心がある方 脱炭素、エネルギー安全保障、開発金融を一体の政策課題として捉え、日本のビジネス・政策の前提を見直したい方 ■登壇者 馬田 隆明(PEP ディレクター) ■主催者 政策起業家プラットフォーム(PEP): https://peplatform.org/ 公益財団法人 国際文化会館: https://ihj.global/

    1h 6m
  3. FEB 11

    産業政策と通商の新局面 - 補助金と関税、デカップリングの現在地を海外シンクタンク記事から読み解く | PEP Think

    PEP Think は、海外シンクタンクの議論を日本語で読み解き、日本のビジネスや政策への含意を考えるポッドキャストシリーズです。 今回のエピソードでは、「産業政策と通商の新局面」をテーマに、産業補助金の条件設計、通商秩序の転換、関税ショック後の貿易再編に関する3本の記事を取り上げます。 ■今回のトピック [01:13] 産業政策の条件設計──ミッションと公共リターン Foreign Affairs 掲載の「Making Industrial Strategy Great Again」を手がかりに、産業政策の成否は補助金の規模ではなく、ミッションの明確さと公的投資のリターン設計で決まるという議論を紹介します。インターネットやGPS、製薬産業など、リスクは公的部門が負いながら果実は民間に独占されてきた歴史を振り返りつつ、バイデン政権のCHIPS法とインフレ抑制法が、自社株買い制限や労働基準、職業訓練、保育支援、利益分配条項などの条件を補助金に付けた意義と限界を整理します。そのうえで、トランプ政権でインテル出資の条件が緩和され、「創造なき収奪」と批判されるモデルに変質したプロセスを検討し、日本の半導体・経済安保投資で「家計への成果」「生活への成果」をKPIに組み込む必要性を議論します。 出典: Foreign Affairs, “Making Industrial Strategy Great Again” https://www.foreignaffairs.com/united-states/making-industrial-strategy-great-again [20:10] 通商秩序の転換──ルールベースからディールベースへ 同じく Foreign Affairs 掲載の「The Case for Upending World Trade」をもとに、WTO に代表される普遍的なルールベースの通商秩序は、冷戦終結と米国覇権、新自由主義的コンセンサスが重なった1990年代の歴史的例外にすぎない、という視点を紹介します。レーガン政権期の日米自動車自主規制、半導体301条関税、プラザ合意など、個別案件を実務的に処理した通商プラグマティズムの系譜を振り返りつつ、トランプ関税の問題点を認めながらも、安全保障協力条項や重要鉱物を巡るセクター別ディールなど「実務的ツールボックス」として評価すべき点を整理します。そのうえで、ルール軽視・ディール偏重が中堅国の予見可能性を損ないうるリスクや、ルールの利点(報復連鎖の抑制、取引コスト低下)にも目を向けながら、日本がどのレベルでルールを維持し、どこからディールを標準化すべきかを考えます。 出典: Foreign Affairs, “The Case for Upending World Trade” https://www.foreignaffairs.com/united-states/case-upending-world-trade [38:28] 関税ショック後の貿易再編──デカップリングは貿易崩壊か Bruegel の分析「European and Chinese exports kept growing despite the 2025 Trump trade shock」をもとに、2025年のトランプ関税ショックが米中貿易と世界貿易に与えた影響を、月次データを用いた分析から読み解きます。米国の中国からの輸入が12カ月で45%減少した一方で、中国の輸出総額は2025年12月時点で前年比6.6%増となり、ASEAN・EU・その他市場向けの輸出増が米国向け減少を相殺したこと、EUも米国向け減少を英国・スイス・ノルウェー・トルコ等への輸出で補い記録的水準を維持したことを紹介します。さらに、鉄鋼での赤字縮小とリショアリングの可能性、自動車やアルミで関税が期待どおり機能していない点、金輸出など特殊品目が米貿易赤字の一時的改善を歪めている点を検討し、「デカップリング=貿易崩壊」ではなく「流路の再編」と捉えるべきだという含意を議論します。日本企業にとって、迂回貿易や原産地規則、サードカントリー経由のシフトを含めたサプライチェーン再設計と、関税ショックの早期警戒・コンプライアンス支援のビジネス機会についても考えます。 出典: Bruegel, “European and Chinese exports kept growing despite the 2025 Trump trade shock” https://www.bruegel.org/analysis/european-and-chinese-exports-kept-growing-despite-2025-trump-trade-shock ■こんな方におすすめ 半導体やGXなど、日本でも拡大する産業補助金の「条件設計」をどのように考えるべきか関心がある方 トランプ関税や重要鉱物クラブ化をきっかけに、ルールベースの通商秩序の今後とディール型外交の利点・リスクを整理したい方 米中デカップリング後の中国・EUの輸出動向や、関税ショックがサプライチェーンに与える影響をデータで把握したい方 産業政策、通商政策、サプライチェーン戦略を一体として捉え、日本の政策・ビジネスの前提を見直したい方 ■登壇者 馬田 隆明(PEP ディレクター) ■主催者 政策起業家プラットフォーム(PEP): https://peplatform.org/ 公益財団法人 国際文化会館: https://ihj.global/

    57 min
  4. FEB 10

    欧州の産業政策の転換点 - 海外シンクタンク記事で紐解く伊独連携、ETS改革、グローバルサウスへの影響 | PEP Think

    2026/02/10:音声に一部不備があったため、再投稿いたしました。 PEP Think は、海外シンクタンクの議論を日本語で読み解き、日本のビジネスや政策への含意を考えるポッドキャストシリーズです。 今回のエピソードでは、「欧州産業政策の転換点」をテーマに、伊独連携、EU排出量取引制度(ETS)、ブリュッセル効果に関する3本の記事を取り上げます。 ■今回のトピック [01:02] 新しい欧州推進力としての伊独連携 ECFR の記事「When in Rome: The Italian-German motor in action」を手がかりに、ローマ会談で合意された伊独の行動計画と安全保障協力の中身を紹介します。南欧・中東欧に政治資本を持つイタリアと、北欧・オランダなど財政規律を重んじる国々から信頼を得るドイツの組み合わせが、従来の仏独主導とは異なる地域横断的な連合構築力を持つとする議論を取り上げます。32ページの行動計画、外相・防衛相による年次2+2協議、防衛産業協力(レオナルド×ラインメタル、BROMO、Eurodrone、防空プログラム)、重要鉱物調達での対中依存低減など、伊独アクションプランの柱を解説し、日本にとっての外交・産業政策上の含意を考えます。 出典: European Council on Foreign Relations, “When in Rome: The Italian-German motor in action” https://ecfr.eu/article/when-in-rome-the-italian-german-motor-in-action/ [20:52] 炭素価格の再設計──ETSを産業投資の原資へ Bruegel の論考「Europe’s emissions trading system is an ally, not an enemy, of industrial competitiveness」をもとに、EU排出量取引制度(ETS)の見直し議論を整理します。2005〜2020年にETSがEU全体の排出を14〜16%削減しつつ、企業の利益や雇用への影響は限定的だったとする実証研究や、2008〜2019年に15セクターで260〜460億ユーロのウィンドフォール・プロフィットが生じた推計、電力部門の約30%に対し産業部門の排出削減が9%未満にとどまったというデータを紹介します。無償配分継続に厳格な条件を付すこと、ドイツの気候・変革基金(KTF)を例にオークション収入の使途を真の脱炭素投資に整合させること、EUレベルの収入取り分を拡大して産業転換への投資に充てることという3つの提案を取り上げ、ETSをキャップ・アンド・トレードからキャップ・アンド・インベストへ転換する構想と、日本のGX経済移行債や今後の国内ETS設計への示唆を議論します。 出典: Bruegel, “Europe’s emissions trading system is an ally, not an enemy, of industrial competitiveness” https://www.bruegel.org/analysis/europes-emissions-trading-system-ally-not-enemy-industrial-competitiveness [35:08] ブリュッセル効果とグローバルサウスのイノベーション Information Technology and Innovation Foundation の記事「How the Brussels Effect Hinders Innovation in the Global South」をもとに、GDPRなどのEUデジタル規制がグローバルサウスにもたらす影響を検討します。ブリュッセル効果を価値観の自発的共有ではなく「規制帝国主義」と位置付ける議論を紹介し、域外適用や十分性認定制度を通じてEU型ルール導入を迫るメカニズムを整理します。十分性認定16件のうちグローバルサウスはアルゼンチンとウルグアイのみであること、ケニアのデータ保護法とデータローカライゼーション要件が越境データフローやオープンガバメントデータ公開に与えた影響、南アフリカとインドネシアで総生産高がそれぞれ9.1%、7.8%減少した推計や、GDPR後に欧州企業のデータ保存量が26%減り利益が8.1%縮小した研究結果などを取り上げます。そのうえで、APEC越境プライバシールール(CBPR)システムのような柔軟で相互運用可能な枠組みを例に、グローバルサウスが自国の開発段階や実装能力に応じた規制を模索すべきだとする提案を紹介し、日本のデータガバナンスやデジタルパートナーシップ戦略への示唆を考えます。 出典: Information Technology and Innovation Foundation, “How the Brussels Effect Hinders Innovation in the Global South” https://itif.org/publications/2026/01/26/how-brussels-effect-hinders-innovation-in-global-south/ ■こんな方におすすめ 欧州の伊独連携や防衛協力、重要鉱物戦略など、政治と産業政策が結びつく新しい動きに関心がある方EU ETSの見直し議論や、無償配分、ウィンドフォール・プロフィット、オークション収入の使途といった制度設計の具体論を押さえたい方GDPRをはじめとするEUデジタル規制がグローバルサウスのイノベーションやデータガバナンスに与える影響を知りたい方欧州の産業政策・気候政策・デジタル規制の最新議論から、日本の制度設計やビジネス機会のヒントを得たい方 ■登壇者 馬田 隆明(PEP ディレクター) ■主催者 政策起業家プラットフォーム(PEP): https://peplatform.org/ 公益財団法人 国際文化会館: https://ihj.global/

    57 min
  5. FEB 4

    AI 時代のガバナンス設計── 海外シンクタンク記事から読み解く規制・雇用・社会リスク

    PEP Think は、海外シンクタンクの議論を日本語で読み解き、日本のビジネスや政策への含意を考えるポッドキャストシリーズです。 今回のエピソードでは、「AI時代のガバナンス設計」をテーマに、AIセキュリティ規制、AIコンパニオン市場、エントリーレベル雇用という3本の記事を取り上げます。 ■今回のトピック [00:56] AIセキュリティ規制の4つのモデル──ハードローとソフトローをどう組み合わせるか RANDのリサーチブリーフ「Four Governance Approaches to Securing Advanced AI」を手がかりに、高度なAIモデルのセキュリティ確保に関する4つのガバナンス・アプローチを整理します。原子力・化学・電力・医療情報など7つの高リスク産業のコンプライアンス制度を比較し、リーダーシップと専門組織、明確なセキュリティ要件、監査・報告による検証、違反時の執行メカニズムという4つの共通要素を抽出します。そのうえで、高リスクの汎用モデル開発者に厳格な基準を課す政府義務付けモデル、政府調達をテコにした認可モデル、業界コンソーシアムによる自主認証モデル、自主規制と官民協調を組み合わせたソフトな協働モデルという4類型を紹介し、セキュリティ強度・順守率・産業負担のトレードオフや、「高リスクAIをどう定義するか」「監査可能性をどう担保するか」といった実務上の論点、日本での制度設計やビジネス機会(監査・認証・モデルセキュリティサービスなど)も含めて議論します。 出典: RAND Corporation, “Four Governance Approaches to Securing Advanced AI” https://www.rand.org/pubs/research_briefs/RBA4159-1.html [14:26] AIコンパニオン市場とオンライン安全──孤独の緩和と依存リスクのあいだで Ada Lovelace Institute のブログ記事「The companionship market」をもとに、UKにおけるAIコンパニオン市場の現状とリスクを読み解きます。2024年時点で約13億ポンド規模・年30%超の成長と推計される市場が、孤独感の軽減や会話練習、恋愛的ファンタジーなど多様な用途を持ちながら、若年男性(男性77%、18〜24歳が約39%)に利用が偏っている点を確認します。ケア型・取引型・出会い型・混合型という4つのセグメントと、記憶への課金や連続利用を促すリテンション設計、ユーザーへの過度な迎合が信念や行動に与えうる影響、UK Online Safety Act のスコープの抜け穴や年齢確認の不備、対話データ・個人データの扱いといった課題を取り上げます。そのうえで、依存や搾取のリスクを抑えつつ孤独の緩和といった便益を生かすために、適用範囲の明確化や若年層保護義務、ブレイクメカニクスの導入、過剰な迎合を避ける設計、個人情報保護や国境を越えるデータ移転のルール、事業者ガイドラインや認証・監査・保険・メモリーバンクなど、日本で検討しうる制度・ビジネスの可能性を議論します。 出典: Ada Lovelace Institute, “The companionship market” https://www.adalovelaceinstitute.org/blog/the-companionship-market/ [33:30] エントリーレベル雇用のレジデンシーモデル──AI時代のキャリアラダー再設計 Brookingsの論説「To save entry-level jobs from AI, look to the medical residency model」をもとに、AIで揺らぐエントリーレベルの仕事と若手育成の課題を検討します。ダボス会議での「エントリーレベル職の半分が数年で消えるかもしれない」といった発言を起点に、ジュニア職がルーチン業務の処理と実務を通じた訓練という二つの役割を担ってきたこと、前者だけをAIで置き換えると後者の訓練機会とタレントパイプラインが失われる危険を整理します。医療レジデンシーのように、若手を安価な労働力ではなく「育成を目的としたレジデント」として位置づけ、上級者の監督のもとクライアント対応・意思決定プロセスに段階的に参加させるモデルや、AIによる自動化で生じた余剰を原資とするAIワークフォース再投資基金、賦課金ベースの共同負担などの提案を紹介します。さらに、日本の新卒一括採用・ジョブローテーションや現行のリスキリング政策との違い、公共性の高い領域からの試行、標準カリキュラム・認定・仲介機関の必要性、費用負担や格差拡大の懸念、レジデンシーOSやレジデンシー案件運営などのビジネス機会も含め、AI時代の職業訓練・キャリアラダーをどう再設計するかを考えます。 出典: Brookings, “To save entry-level jobs from AI, look to the medical residency model” https://www.brookings.edu/articles/to-save-entry-level-jobs-from-ai-look-to-the-medical-residency-model/ ■こんな方におすすめ AIセキュリティ規制について、政府義務付け・調達・業界認証・官民協調といった複数のモデルとトレードオフを押さえたい方 AIコンパニオン市場の急成長と、若年層のオンライン安全・個人情報保護・依存リスクを制度設計の観点から考えたい方 AIでエントリーレベルの仕事が変わる中で、レジデンシーモデルや再投資基金など、若手育成と職業訓練の新しい設計に関心がある方 海外シンクタンクの最新論考を、AI時代のガバナンス・人材戦略・新規ビジネスのヒントとして押さえておきたい方 ■登壇者 馬田 隆明(PEP ディレクター) ■主催者 政策起業家プラットフォーム(PEP): https://peplatform.org/ 公益財団法人 国際文化会館: https://ihj.global/

    1h 1m
  6. FEB 2

    テクノロジー競争と経済安全保障 ── AIとレアアースの地政学的力学を海外シンクタンク記事から読み解く

    PEP Think は、海外シンクタンクの議論を日本語で読み解き、日本のビジネスや政策への含意を考えるポッドキャストシリーズです。 今回のエピソードでは、「テクノロジー競争と経済安全保障」をテーマに、Physical AI、レアアースの地政学リスク、AI競争に関する3本の記事を取り上げます。 ■今回のトピック 01:40 Physical AIの「実装ギャップ」──研究と現場のあいだにある深い溝 Andreessen Horowitz のニュースレターに掲載された「The Physical Deployment Gap」をもとに、最先端ロボティクス研究と実際の現場導入とのギャップについて議論します。ビジョン・ランゲージ・アクションモデルの進展や、シミュレーションから現実への転移の改善を紹介しつつ、倉庫のピッキングロボットが限定された環境でしか使えていない現状を整理します。 その上で、分布シフトや最悪ケースでの信頼性、モデルの遅延と性能のトレードオフ、倉庫管理システムや監視・安全認証との統合、保守・メンテナンス体制といった運用上の課題を確認し、「ロボティクス版 DevOps」のような運用設計や、現場データ・工程設計・ビジネスモデル(サービス化・成果報酬など)まで含めたエコシステムづくりの重要性を、日本企業の強みや勝ち筋の可能性とあわせて考えます。 出典: Andreessen Horowitz, “The Physical Deployment Gap” https://www.a16z.news/p/the-physical-ai-deployment-gap 12:59 レアアース輸出規制と台湾抑止──中国の「経済的シグナリング」と日本の課題 CSIS(戦略国際問題研究所)の “China’s Rare Earth Campaign Against Japan” を手がかりに、中国によるレアアース輸出規制と日本への影響を読み解きます。2010年の尖閣沖衝突事件と世界向け輸出枠削減、その後の供給不安を振り返りつつ、2026年1月の対日輸出規制が台湾問題と結びついた新たな段階にあることを整理します。日本がライナスへの投資やベトナムとの連携などを通じて多角化を進めてきたものの、なお対中依存が大きい現実や、輸入比率だけでなく在庫日数・切り替えリードタイム・認証の取り直し・代替材の設計変更といった「とまりやすさ」の要因、中小・二次サプライヤーで詰まりやすい構造にも着目します。さらに、輸出規制が供給停止だけでなく、通関遅延や許認可の恣意性を通じて不確実性を高め、日本や同盟国の行動選択を事前に制約する抑止ツールとして機能しつつあるという視点から、精錬・磁石化能力の強化や、レアアース使用の周辺領域・代替材料でのビジネス機会について議論します。 出典: CSIS, “China’s Rare Earth Campaign Against Japan” https://www.csis.org/analysis/chinas-rare-earth-campaign-against-japan 25:05 AI競争という神話──非対称的な「AI二極化」と日本の立ち位置 Foreign Affairs 掲載の “The Myth of the AI Race” をもとに、米中AI競争を「単一ゴールのレース」とみなす発想に疑問を投げかけます。フロンティアモデル、計算資源、技術・標準の世界的普及、物理世界への統合という4つの次元に分かれた競争構造と、米国・中国それぞれの強みや、中国の産業用ロボット導入の規模について整理します。 さらに、トランプ政権によるH200輸出規制緩和が米中の計算資源ギャップや「米国製チップの上で中国オープンウェイトモデルが動く」状況を生みうる点、AI二極化が国内格差や政治的ショックを増幅しうること、STEM教育や職業訓練、AIガバナンス整備の重要性などを踏まえ、日本が「どちらにつくか」ではなく米中双方から学びつつ、新興国向けインフラ支援や相互運用性のルールメイキングなどでどう独自のポジションを築きうるかを検討します。 出典: Foreign Affairs, “The Myth of the AI Race” https://www.foreignaffairs.com/united-states/myth-ai-race ■こんな方におすすめ ロボティクスや Physical AIの研究成果がなぜ現場導入に結びつかないのか、その技術・運用・ビジネス上のボトルネックを理解したい方 中国のレアアース輸出規制を、貿易報復ではなく台湾抑止やサプライチェーンリスクの観点から整理し、日本の資源・経済安全保障戦略を考えたい方米中AI競争を「AI覇権レース」としてではなく、多次元の二極化と国内外のガバナンス問題として捉え直し、日本のポジショニングやビジネス機会を検討したい方海外シンクタンクの最新論考を、テクノロジー競争・経済安全保障・産業政策のヒントとして押さえておきたい方 ■登壇者 馬田 隆明(PEP ディレクター) ■主催者 政策起業家プラットフォーム(PEP): https://peplatform.org/ 公益財団法人 国際文化会館: https://ihj.global/

    44 min
  7. JAN 28

    AI時代の格差と制度設計 ── 雇用と教育のあり方を海外シンクタンク記事から読み解く | PEP Think

    PEP Think は、海外シンクタンクの議論を日本語で読み解き、日本のビジネスや政策への含意を考えるポッドキャストシリーズです。 今回のエピソードでは、「AI時代の格差是正に向けた新しい制度設計」をテーマに、AI雇用ショックとユニバーサル・ベーシック・キャピタル(UBC)、そして学位アプレンティスシップ(働きながら学位を取得できる仕組み)に関する2本の記事を取り上げます。 ■今回のトピック 00:59 「AI雇用ショック」とUBC──オーターが描く格差の未来 MITの経済学者デビッド・オーターが、中国からの輸入急増が米国製造業を直撃した「チャイナショック」と、これから本格化する「AI雇用ショック」の違いを語ったインタビュー/論考を手がかりに議論します。チャイナショックが特定地域・産業に集中して打撃を与えたのに対し、AIはタスク単位で広く浸透し、中間層の賃金分布や「仕事の質」に影響を与えるというポイント、介護・保育・清掃など自動化しづらいエッセンシャルワークが賃金上昇から取り残されかねないという逆説的な見立てを紹介します。また、単なる失業率の問題ではなく「適用可能な価値(applicable value)」として労働を捉え直す視点、AI導入によって企業利益が膨らむ一方で労働所得への分配が細くなっていく中で、UBIではなくユニバーサル・ベーシック・キャピタル(UBC)という形で資本所得へのアクセスを広げる構想を検討します。さらに、日本でAI関連法制やリスキリング支援を設計する際に、タスク単位の影響分析や中間層の厚み、非正規・高齢者・ケア職まで含めた支援設計をどう組み立てるべきかを考えます。 出典: Noema Magazine, “How the ‘AI Job Shock’ Will Differ From the ‘China Trade Shock’” https://www.noemamag.com/how-the-ai-job-shock-will-differ-from-the-china-trade-shock/ 23:11 学位アプレンティスシップ──働きながら学位を取る新しい教育モデル New America のレポート「Mapping the Landscape of Degree Apprenticeship: Expanding a Promising Model for Mobility」をもとに、米国で拡大しつつある「学位アプレンティスシップ」について議論します。学位アプレンティスシップを「有給の実務経験」「メンターによるOJT」「関連する高等教育での授業」「準学士・学士・修士などの学位と職業資格の両方を得る仕組み」という4要素から整理し、特に教師・看護師など人手不足で社会的に重要な職業で導入が進んでいる状況を紹介します。また、対象91職種の約半分は本来学位が典型的な参入要件ではないにもかかわらず、長期的なキャリアの選択肢や昇進の可能性を広げるために学位付きのアプレンティスシップとして設計されている点にも触れます。日本の状況に引き寄せて、教員・看護・介護・ITなどで「働きながら学ぶ」経路をどう増やせるか、産学連携や地方の人材育成にとってどのような含意があるかを議論します。 出典: New America, “Mapping the Landscape of Degree Apprenticeship: Expanding a Promising Model for Mobility” https://www.newamerica.org/education-policy/reports/mapping-the-landscape-of-degree-apprenticeship-expanding-a-promising-model-for-mobility/ ■こんな方におすすめ AIが雇用や賃金分布、中間層にどのような影響を与えるのかを、チャイナショックとの比較で整理したい方 UBIではなくUBC(ユニバーサル・ベーシック・キャピタル)の発想に関心があり、格差是正や資本所得アクセスの観点から検討したい方教師・看護師・技能職などで「働きながら学位を取れる」キャリアパスや、学位アプレンティスシップの実態と日本への示唆を知りたい方 海外シンクタンクの最新論考を、日本の雇用政策・教育政策・リスキリング施策のヒントとして押さえておきたい方 ■登壇者 馬田 隆明(PEP ディレクター) ■主催者 政策起業家プラットフォーム(PEP): https://peplatform.org/ 公益財団法人 国際文化会館: https://ihj.global/

    46 min
  8. JAN 27

    技術主権とエコシステム戦略の実践論 ── 技術エコシステム・産業プラットフォーム・デジタル基盤を海外シンクタンク記事から読み解く | PEP Think

    PEP Think は、海外シンクタンクの議論を日本語で読み解き、日本のビジネスや政策への含意を考えるポッドキャストシリーズです。 今回のエピソードでは、「技術主権とエコシステム戦略の実践論」をテーマに、技術エコシステム・産業プラットフォーム・デジタル基盤という3つの観点から記事を取り上げます。 ■今回のトピック 01:35 技術エコシステムと「技術的デクステリティ」 CSISの報告書「Tech Edge: A Living Playbook for America’s Technology Long Game」を手がかりに、AIチップや先端半導体では優位に立ちながら、レアアース処理や加工インフラでは中国に依存している米国の状況を取り上げます。技術をスタック/プレシジョン/プロダクション/ベースの4つに分類し、それぞれに異なるエコシステム(資本、市場、人材、制度など)が必要とされるという整理、研究開発と市場の間にある「ミッシング・ミドル(スケール/エンジニアリング)」への投資不足という論点、日本でも「どの類型で強みを持つのか」を考える必要があるのではないかという問題提起を扱います。 出典: CSIS, “Tech Edge: A Living Playbook for America’s Technology Long Game” https://www.csis.org/analysis/tech-edge-living-playbook-americas-technology-long-game 16:55 車と菜種は等価交換できるのか ITIFのコメンタリー「Cars, Canola, and the Country Canada Chooses to Be」をもとに、カナダが中国向けカナダ産菜種の市場アクセスを回復する代わりに、中国製EVへの関税を引き下げた合意を取り上げます。自動車工場のような製造拠点が、サプライチェーンや技術蓄積、熟練労働を引き寄せる存在である一方、菜種のような農産物は他国でも代替可能なコモディティであるという点を整理し、「車と菜種を同じように扱ってよいのか」という問いを投げかけます。カナダの選択に対する著者の懸念や、日本が類似の状況に置かれた場合に考える視点にも触れます。 出典: ITIF, “Cars, Canola, and the Country Canada Chooses to Be” https://itif.org/publications/2026/01/17/cars-canola-and-the-country-canada-chooses-to-be/ 31:27 デジタル基盤としてのCloudflareと「マス・クリティカリティ」 最後に、Cloudflare のようなサービスが落ちることで、複数の国・サービスに影響が広がりうる「マス・クリティカリティ」の論点を扱います。特定企業への依存が高まることで生じる単一障害点の問題、依存関係を棚卸ししようとしてもOSSやSaaSの更新で日々構造が変わってしまう難しさ、多様化・分散化によるレジリエンス向上と運用の複雑化・設定ミスリスクとのトレードオフ、日本が海外のクラウドサービスに依存している状況で何が起こりうるか、といった点を議論します。 出典: RUSI, "Mass Criticality: Rethinking Critical Infrastructure in the UK" https://www.rusi.org/explore-our-research/publications/commentary/mass-criticality-rethinking-critical-infrastructure-uk ■こんな方におすすめ AI、半導体、重要鉱物、製造装置などをめぐる米中の技術競争を、エコシステムや類型の違いから整理したい方 EVや自動車産業を、単なる輸出品ではなく産業基盤として捉え直したい方 Cloudflare のような見えないデジタルインフラへの依存と、レジリエンス確保の難しさに関心がある方 海外シンクタンクの最新論考を、日本の制度設計やビジネスのヒントとして押さえておきたい方 ■登壇者 馬田 隆明(PEP ディレクター) ■主催者 政策起業家プラットフォーム(PEP): https://peplatform.org/ 公益財団法人 国際文化会館: https://ihj.global/

    48 min

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政策起業家プラットフォーム(Policy Entrepreneur's Platform, PEP)が運営するポッドキャストチャンネルです。 以下の二つの番組を配信しています。 PEP Talk : 社会課題や政策を取り扱った書籍の著者にお越しいただき、書籍の背景等について伺う番組です。 PEP Think : 海外シンクタンクの議論を日本語で読み解き、日本のビジネスや政策への含意を考える番組です。

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